『ドリトル先生と不思議な自衛官』




                第十幕  京都へ行って

 国際法についての本や論文を読んでご自身も論文を書いてそれを脱稿させていよいよその時が来ました。
 先生はご自宅で動物の皆に言いました。
「ではね」
「うん、準備も出来たし」
「チェックしたら万端整ってるし」
「明日学会だし」
「ホテルの予約も取れてるし」
「後は京都に行って」
「それで学会に出席しよう」 
 先生は笑顔で言うのでした。
「京都で行われるね」
「そうしようね」
「京都での国際法での学会に」
「世界中から人が来て」
「軍人さんや自衛官の人達が参加するね」
「そうしようね、しかし軍人さんや自衛官の人達が学会に参加すると聞いて」
 戦士絵はここでこうも言いました。
「驚く人もいるね」
「どうして軍人さんが学会に参加するかって」
「自衛官の人達が」
「学問と無関係って思うね」
「軍隊は」
「特に日本ではね」
 今自分達が暮らしている国ではというのです。
「そうだね、けれどね」
「それは違うよね」
「実はね」
「軍隊ってその中に色々な職種があって」
「機械も使うし」
「極めて科学的でね」
「法律のコントロールも受けるからね」 
 だからだと言う先生でした。
「科学、技術、法律、そして戦史も組織の仕組みのこととね」
「学問は関わるよね」
「何かと」
「無関係どころかね」
「密接に関係があるね」
「そうだよ、それで国際法は元々戦争でのルールを念頭に置いたものだから」
 そうしたものだからだというのです。
「それでだよ」
「かなり、だよね」
「軍人さんも関わるね」
「自衛官の人達も」
「そうだよね」
「そうしたことを知るのもね」
 先生はさらにお話しました。
「重要なことだよ」
「そうだよね」
「軍隊は戦争だけじゃない」
「色々なことと関わっていて」
「その中に色々なものがあって」
「学問も大きく関係している」
「そうした場所だよ、論文も書くしね」
 軍人さん達はというのです。
「むしろ学者さんに近い一面もあるよ」
「そうだよね」
「論文も書くとなるとね」
「もう相当だよね」
「かなり学問的よ」
「そんな人達だね」
「軍事研究の本もその組織の中に沢山あるしね」 
 軍隊にはというのです。
「そうしたことも考えると」
「尚更だね」
「軍隊は学問的な一面もあるね」
「学んで研究する」
「そうした世界でもあるね」
 皆も納得しました。
「本当に」
「そうしたことを知らないで軍隊について言うと」
「失敗するよね」
「日本ではそんな人達も多いね」
「うん、実際多くてね」
 それでと言う先生でした。
「テレビのコメンテーターの人達なんて」
「報道番組だね」
 チーチーはどうにもというお顔で応えました。
「日本にもあるけれど」
「しかも結構多いね」 
 ホワイティも言いました。
「毎晩夜にやっていて」
「朝も実質そうだね」
「そうよね」
 チープサイドの家族もお話します。
「ニュースとかやってるけれど」
「テレビに出ている人が色々言うから」
「アナウンサーやキャスターの人以外にもね」
 ポリネシアは出演している人達のお話をしました。
「コメンテーターの人達が出ているわね」
「学者さんやジャーナリストさん以外にも」
「タレントさんが沢山出るね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「それで毎日やってるね」
「平日でもね」
「色々な番組があるけれど」
 そうした番組はとです、トートーは言うのでした。
「酷いの多いね」
「偏っていて印象操作ばかりで」
 それでと言うガブガブでした。
「全く勉強していないかわざと嘘を広めてるんじゃないかって人も多いわ」
「そんな人達ばかりだから」
 それでと言うジップでした。
「観てると危険だよ」
「騙されるからね」
 そうなるからとです、老馬は言いました。
「変に影響受けたり」
「そうなるから」
 それでと言うダブダブでした。
「先生も観る時は気をつけてるね」
「そうしているよ、日本の報道番組は酷いのばかりで」 
 そうであってとです、先生も言います。
「そしてね」
「それでだよね」
「意図的に偏向報道したりね」
「嘘や間違った情報流したり」
「煽ったりもするし」
「問題だよね」
「それで自衛隊についても悪く言う人多いし」
 このこともあってというのです。
「その実自衛隊についての知識もね」
「まるでないよね」
「中には先生が前にお話した自衛隊の悪口ばかり言う北朝鮮と親しい元新聞記者の大学教授みたいな人もいるし」
「そんな人が大手を振って歩いているね」
「そんな状況だね」
「だからね」 
 それでというのです。
「軍隊、自衛隊のそうしたことをね」
「知らない人多いね」
「しかも知識人と言われる人達に」
「知識人だから色々知ってるかというと」
「全く違うね」
「その実は」
「そうだよ、知識人といっても」
 それでもというのです。
「全くね」
「学ぼうとしないね」
「碌でもないことばかり言って」
「そんな学者さん多いよね」
「残念なことに」
「しかもそんな人達が淘汰されないでね」 
 そうした状況でというのだ。
「一切責任を問われないから」
「余計に問題だね」
「間違ったことをわざと広めても問題なし」
「嘘を吐いても責任を問われない」
「そんな状況だとね」
「よくなる筈がないね」
「報道番組も」
「だから視聴率もどんどん落ちて」
 そうなっていてというのです。
「スポンサーも離れているんだ」
「そうなって当然だね」
「もうね」
「嘘ばかりの番組なんて害でしかないから」
「冗談抜きで碌なものじゃないからね」
「視聴する人もいなくなるわ」
「スポンサーだって離れるよ」
「そうしたことが続いてね」
 そうしてというのです。
「あらためるどころか」
「どんどん酷くなっていってるね」
「テレビ自体が」
「お金もなくなってきたのかね」
「いい番組作る気もなくなったのか」
「報道番組は酷くなる一方で」
「変な番組ばかりだね」
 皆も思って言うことでした。
「何かとね」
「酷い番組ばかりになってきて」
「変なバラエティ番組とか」
「出演している人も何これって人多いし」
「ネットの方がいいよね」
「ずっとね」
「テレビの凋落は当然だよ」
 先生は達観した様に言いました。
「もうね」
「そうだよね」
「公平でもないし」
「嘘吐くし」
「面白くもないし」
「それじゃあね」
「いい番組を作ろうと思わないと」
 まずはというのです。
「そもそもだよ」
「作れないよね、面白い番組」
「まずやる気がないと」
「それで作っていかないとね」
「そしてお金もないとね」
「いや、お金はなくても」
 そうであってもというのだ。
「工夫してね」
「やっていけるね」
「それなら」
「工夫も大事だから」
「それも忘れないことだね」
「そうだよ、その工夫もないから」
 だからだというのです。
「本当にね」
「酷い番組になってるね」
「そんな番組ばかりだね」
「観ても面白くない」
「ためにもならない様ばかりだね」
「そうなっているから」
 だからだというのです。
「ジリ貧と言っていいよ」
「そうだね」
「あまりにも酷い番組ばかりだから」
「やる気もお金も工夫もない」
「ただ放映しているだけだから」
「それではね」
 こうしたお話をするのでした、出発の準備が整った後で。
 そのうえで実際に出発する時が来てでした、先生はトミーに見送られてそのうえで電車に乗って京都に来ました。そしてです。
 その京都に着いてです、皆言いました。
「着いたね」
「あっという間だったね」
「神戸からね」
「前もそうだったけれど」
「すぐだったね」
「うん、京都は近いからいいね」
 先生も笑顔で言います。
「本当に」
「そうだよね」
「神戸からすぐに行けるし」
「新幹線ですぐだし」
「他の電車でもちょっと時間がかかる位だから」
「いいよ、八条鉄道の特急でもね」 
 こちらの電車でもというのです。
「京都直通の電車あるしね」
「実際に僕達乗ってきたしね」
「その特急にね」
「神戸から京都まで直通の」
「そうだったしね」
「もうあっという間だったよ」
 まさにというのです。
「速く着いたよ」
「つくづく日本の鉄道凄いね」
「色々な列車があって」
「速く行けるのもあるし」
「それじゃあね」
「こんないいものないね」
「全くだよ、それじゃあね」 
 それならと言う先生でした。
「まずはホテルに入ろう」
「チャックインしようね」
「今回の宿泊先に」
「八条ホテルにね」
「そうしようね」
「そこに荷物を置いて」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「学会まで時間あるし」
「発表の準備と論文のチェックして」
「それからだね」
「観光だね」
「うん、京都を観光して」
 そうしてというのです。
「時間の許す限り色々なものを観て」
「そうして学ぶね」
「京都のことを」
「観光も楽しんで」
「そのうえでね」
「そうしようね」
 笑顔でお話してでした。
 皆でまずは京都駅の傍にある京都の八条ホテルにチェックインしました、そしてお部屋に荷物とかを置いてです。
 論文のチェックや発表の準備をしてから京都の街に出ました、そうしてそのうえで皆に対して言うのでした。
「南禅寺はどうかな」
「ああ、あちらに行って」
「南禅寺を観て」
「それで湯豆腐も食べるんだ」
「そうするのね」
「そうしようね」 
 こう言うのでした。
「是非ね」
「うん、それじゃあね」
「南禅寺行こうね」
「それで観て回って」
「湯豆腐も食べよう」
「そうしようね」
「あそこの湯豆腐は違うからね」
 笑顔でお話するのでした。
「本当にね」
「そうだよね」
「京都の湯豆腐は違うよ」
「湯豆腐って普通に美味しいけれど」
「あそこのお豆腐は違うから」
「特別美味しいから」
「だからね、あちらの湯豆腐も食べようね」
 笑顔でお話してでした。
 皆で南禅寺に行きました、そちらで湯豆腐を食べて先生は満面の笑顔になってそうして言うのでした。
「うん、いいね」
「そうだよね」
「ここの湯豆腐はやっぱりいいね」
「幾らでも食べられるわ」
「素敵な味だから」
「そうだね、京都のお料理はね」
 それはというのです。
「お金を出せばね」
「そうしたお店だとね」
「美味しいものが食べられるね」
「そうしたら」
「そこが困るけれど」
 経済的にです。
「けれどね」
「それでもだよね」
「こうしてお金を出したらね」
「美味しいものが食べられるね」
「そうした街だね」
「祇園とかでもね」
 そちらでもというのです。
「そうだよ、ただ学生さんの街でもあるから」
「そうしたお店に行けば」
「そうすればね」
「それはそれで美味しいものが食べられるね」
「そうした一面もあるわね」
「あとパン屋さんが多くて」
 このこともお話します。
「だからだよ」
「パンも食べたらいいね」
「確かにお金出さないと美味しいもの食べられない街だけれど」
「それでもね」
「学生さんの街でもあるし」
「パン屋さんも多いからね」
「そうしたお店で食べられるよ」 
 皆に湯豆腐を食べながらお話します。
「だから美味しいものを食べるにもね7」
「工夫よね」
「大事なのは」
「そうしたお店を探す」
「そうすることだね」
「流石にこうしたお店ばかり行かないし行けないからね」
 先生はこうも言いました。
「京都にいる間はね」
「ホテルのお食事もあるし」
「お食事も楽しんで」
「そうしてね」
「そのうえで学会にも出席しましょうね」
「皆でね」
「うん、それとデザートは」
 先生はこちらのお話もしました。
「豆乳アイスだよ」
「牛乳じゃなくて豆乳を使った」
「あのアイスね」
「あのアイスも美味しいよね」
「そうだよね」
 皆で笑顔でお話します。
「それじゃあね」
「そのアイスもいただこう」
「そうしましょう」
「湯豆腐の後は」
「今はね」
 先生はさらに言いました。
「普通にアイスも食べられるね」
「日本でもね」
「豆乳アイスなんてものも出てるし」
「他にも色々と出ているね」
「それだけ豊かになったということだね」 
 笑顔でお話するのでした。
「戦前と比べても」
「そうだよね」
「海軍のお食事のお話もしたけれど」
「そうなるよね」
「アイスを食べられることから考えても」
「そうだね」
 笑顔でお話してです、先生は皆と一緒に実際にアイスも食べました。そして南禅寺の後は幕末の志士や新選組の人達に縁のある場所を巡りことにしましたが。
 蛤御門のところに来てです、先生は皆にお話しました。
「ここで長州藩の人達とだよ」
「薩摩藩が戦ったね」
「幕府方が」
「会津藩や新選組の人達が」
「そうだよ、その頃長州藩と薩摩藩は敵対していて」
 そうなっていてというのです。
「そこから長州征伐となって」
「尚更だよね」
「長州藩と薩摩藩は敵対したね」
「そうなっていったね」
「それがだよ」 
 その敵同士の両藩がというのです。
「坂本龍馬さんが間に入って」
「それでだよね」
「同盟を結んだね」
「薩長同盟となったね」
「そうだよ、東郷さんは薩摩藩だったけれど」
 そうであったこともお話しました。
「その頃東郷さんはまだ若くて」
「藩の中心にいたのは西郷隆盛さんだったね」
「そして大久保利通さん」
「お二人だったね」
「東郷さんはそのお二人の下にいてね」
 そうしてというのです。
「戊辰戦争からだよ」
「活躍しだしたね」
「この頃はまだ名も知られていなくて」
「誰もが知っている人じゃなかったわね」
「人が知られる様になるにも」
 そのことにもというのです。
「時と機会が必要なんだよ」
「その二つがだよね」
「どうしても必要だね」
「そうよね」
「人は」
「東郷さんは戊辰戦争の最後の」
 その頃のというのです。
「五稜郭での海の戦いで活躍したんだ」
「まさに最後だね」
「戊辰戦争の」
「幕府の方も海軍持っててね」
「海での戦いは避けられなかったね」
「土方歳三さんもいたしね」
 幕府方にというのです。
「軍艦に乗り込んできたりもして」
「最後も激しかったね」
「そうした戦いだったね」
「五稜郭でも」
「そこで活躍して」
 そうしてというのです。
「能力を認められてね」
「イギリスに留学もして」
「海軍軍人として学んで成長していって」
「そうしてだったね」
「日清戦争でも活躍してね」
 戊辰戦争の後のというのです。
「そして日露戦争でだよ」
「特にだったね」
「黄海海戦で勝って」
「日本海海戦で勝った」
「そうしたね」
「そうだよ、そしてその日本海海戦で」
 この戦いでというのです。
「東郷さんは世界の歴史に名を刻んだんだ」
「偉大な提督としてね」
「そうなったね」
「あの戦いに勝って」
「そうしてだったね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「そして幕末の展開次第では日本もどうなるかわからなかったし」
「東郷さんもだよね」
「どうなっていたかわからないね」
「日本次第で」
「東郷さんは西郷さんを尊敬していてね」
 そうであってというのです。
「若し西南戦争の時に日本にいたら」
「西郷さんと一緒に戦いたい」
「そう思ったんだよね」
「西郷さんの死に泣いて」
「そのうえで」
「西郷さんは教養があって頭のいいだけじゃなかったからね」
 この人のお話もするのでした。
「器が大きくて度量が凄くてね」
「それでだよね」
「凄い人だったんだよね」
「あの人は」
「本当にね」
「そうであってね」
 そうしてというのです。
「東郷さんも薩摩藩の誰もがね」
「西郷さんを尊敬して慕っていて」
「皆西郷さんの為にって思っていたね」
「そうだったね」
「そうだよ、大久保さんなんてね」
 最後は西郷さんと敵対したこの人もというのです。
「西郷さんの幼馴染みでもあったし」
「西郷さんを一番理解していて」
「西郷さんを何度も救って」
「この京都ではいつも西郷さんの傍にいて」
「軍師役だったね」
「そうだったんだ、そして西郷さんが死んでも」
 西南戦争の最後にです。
「一番嘆き悲しんで大久保さんが死ぬまでね」
「西郷さんのことを想っていたんだったね」
「西郷さんは最後首を差し出して亡くなって」
「大久保さんは暗殺されて」
「それでお二人は世を去ったけれど」
「大久保さんは西郷さんをずっと想っていたんだ」
 最後は戦ったこの人をというのです。
「そんな間柄でね、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと」
「東郷さんと共に知られる海軍の山本権兵衛さんだけれど」
 今度はこの人のことをお話するのでした。
「この人が西郷さんに出来たお仕事を持って行ったら」
「西郷さんだと褒めてくれるね」
「それも凄く」
「そうしてくれるわね」
「そうなんだ、実際にそうしてくれたけれど」
 西郷さんに出来たお仕事を持って行くとです。
「大久保さんはにこりともしないで」
「細かいところまで注意して」
「かえってお仕事増えそうね」
「同じお仕事を持って行っても」
「そうなんだ、もう見事に正反対で」
 そうであってというのです。
「山本さんもこのことに驚いたらしいよ」
「そうだよね」
「そうなるよね」
「同じお仕事持って行ってだから」
「出来たそれを」
「お二人の違いが出ているね」 
 先生は笑顔でお話しました。
「そうだね」
「全くだね」
「西郷さんは器が大きくてね」
「大久保さんは細かい」
「本当に対象的だよ」
「そしてこの山本さんがいてくれて」
 山本権兵衛さん、この人がというのです。
「海軍は見事な組織になったんだ」
「東郷さんだけじゃね」
「とても戦えないしね」
「強い軍人さんと軍艦があって」
「組織もしっかりしていないとね」
「勝てなかったね」
「そうだよ、東郷さんも凄かったけれど」
 それと共にというのです。
「山本さんも凄かったんだ」
「海軍を戦える組織にしたから」
「動ける組織にしたからだね」
「海軍という組織を整えて」
「優れた軍人さんを大勢育てて」
「立派な軍艦を沢山揃えて」
「物凄く苦労もしたけれど」
 それでもというのです。
「海軍をそうした組織にしてね」
「それでだね」
「そのうえで戦える様にして」
「日露戦争に勝ったんだね」
「東郷さんだけじゃないね」
「そうだよ、東郷さんと並んでね」
 そうしてというのです。
「素晴らしい、いやその功績を考えたら」
「山本さんは東郷さん以上なんだ」
「それだけ凄い人なんだ」
「海軍全体を整えた人だから」
「山本さんもいなかったら」
 そうであったらというのです。
「本当にね」
「日露戦争は勝てなかったかも知れないんだ」
「東郷さんもいて」
「そうしてだね」
「もっと言えば海軍だけじゃ勝てなかったからね」
 日露戦争はというのです。
「満州で陸軍が奮戦して」
「乃木大将だよね」
「旅順要塞を攻略して」
「奉天会戦でも獅子奮迅の働きをしたね」
「黒木さん達も」
「その前にイギリスと同盟を結んで」
 日英同盟のお話もしました。
「世界一の大国イギリスの協力も得てお金もね」
「調達して」
「ありとあらゆる努力を行って」
「そして勝ったね」
「勝っている時に戦争を終わらせられる仲裁してくれる国にもお話して」
 そうもしてというのです。
「ロシア国内でも工作を行って」
「そしてだね」
「勝った戦争だね」
「ありとあらゆる手を打って」
「必死に努力をして」
「当時のロシアは日本の十倍の力があると言われていたんだ」
 そこまでの差があったというのです。
「そのロシアに勝とうと思ったら」
「ううん、海軍だけだとね」
「どう考えても無理ね」
 チープサイドの家族もお話します。
「十倍もの相手って」
「大人と子供だよ」
「凄い大国と戦って勝ったことは知ってたけれど」
 それでもと言うジップでした。
「聞けば聞く程凄いね」
「日本の偉い人達は出来るなら戦いたくなかったのも当然だよ」
 トートーは真剣なお顔で頷きました。
「絶対に負けるよ、普通は」
「そんな国とは誰も戦いたくないよ」
 チーチーはお顔を曇らせて言い切りました。
「普通はね」
「あの北朝鮮でも威勢のいいこと言うだけよ」
 ガブガブはこの悪名高い国のことをお話しました。
「時々ミサイル撃って工作してね」
「それでそんな力の差がある相手と正面から戦うなんて」
 それこそとです、ホワイティは思いました。
「無茶苦茶だよ」
「そんな戦争だったらね」
 ダブダブも思うことでした。
「出来たら避けたいね、けれどやるとなったら」
「勝つしかないわよ」
 ポリネシアはダブダブに応えて言いました。
「生き残る為にね」
「よく特撮で言われるけれど」
 老馬はこう言いました。
「その通りの状況だったね、当時の日本は」
「ロシアは凄い大国で」
「朝鮮半島に進出する気満々だったしね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「若し負けたら」
「日本は大変なことになっていたよ」
「そうだよ、若しね」
 それこそという先生でした。
「若しあの戦争で日本が負けたら」
「大変なことになっていたよ」
「それこそ」
「もう後がない」
「絶望的な状況になっていたわ」
「そうだよ、もうね」
 それこそというのです。
「朝鮮半島には間違いなく進出していて」
「それでだよね」
「まさに日本の目と鼻の先に迫ってきていて」
「北の方からも来て」
「もうどうなっていたか」
「ロシアに併合される危険もあったね」 
 先生はそうなっていた可能性も否定しませんでした。
「本当にね」
「そう思うと尚更だね」
「戦わないといけなかったね」
「そして勝たないといけなかった」
「そんな状況だったね」
「だから打てる手を全部打って」
 そうしてというのです。
「何とか勝った」
「そうした戦争で」
「当時の日本は本当に必死だったんだ」
「生き残る為に必死に戦って」
「そして勝った戦いね」
「そうだよ、そして勝って」 
 実際にというのです。
「山本さんもだよ」
「そのことに貢献したんだね」
「東郷さんと同じく」
「海軍軍人として」
「そうした人だよ、この人は権兵衛大臣とも呼ばれていたんだ」
 皆にこのこともお話しました。
「海軍を取り仕切っていて実際の大臣の人が国会で質問されたら」
「そうなったら?」
「どうなったの?」
「一体どうなったの?」
「大臣さん、西郷さんの弟さんの西郷従道さんがいつも山本さんを呼んで答えてもらっていたんだ」
 そうだったというのです。
「それで大臣と呼ばれる様になっていたんだ」
「成程ね」
「そこで西郷さんの弟さんが出て来ることも面白いね」
「そういえば同じ薩摩の人だし」
「いつも国会で答えていたんだ」
「そうだよ、そして後に二回総理大臣になっているよ」
 山本さんはそうだったというのです。
「実はね」
「へえ、総理大臣にもなったんだ」
「それは凄いね」
「海軍を取り仕切っていてなんだ」
「そのことが認められてなのね」
「そうだよ、ちなみにこの人が東郷さんを連合艦隊司令長官に推挙したけれど」
 このお話もするのでした。
「明治帝に言った言葉が面白いんだ」
「どんなの?それ」
「面白い言葉っていうけれど」
「一体何なの?」
「運がいいからってね」
 東郷さんがというのです。
「そう言って推したんだよ」
「ああ、運ね」
「運も大事だからね」
「本当にね」
「その運をね」
 まさにというのです。
「買われたんだ」
「ただ有能なだけじゃなくて」
「運もよかった」
「そのことも買われたんだ」
「そうだったのね」
「戦争は不確定要素がとても多いね」
 先生は戦争について深く考えるお顔でお話しました。
「そうだね」
「うん、兎に角ね」
「スポーツでもそうだけれど」
「戦争って不確定要素が多くて」
「それで勝敗が決まることもあるね」
「東郷さんは兎に角運がよくてね」
 それでというのです。
「黄海海戦なんかたまたま撃った砲弾が敵の旗艦の艦橋を直撃したんだ」
「たまたまなんだ」
「それが旗艦の艦橋に当たって」
「凄いことになったんだね」
「旗艦だからロシア海軍の先頭を進んでいたけれど」
 そうなっていたけれど、というのです。
「そこで皆倒れてね、操舵手の人が舵を右に曲がったまま倒れて」
「ああ、艦隊の進路が変わったんだ」
「右に」
「それは戦局に影響するね」
「それもかなり」
「そう、実際にそうなってね」
 それでというのです。
「そこを帝国海軍が攻めてね」
「勝ったんだ」
「物凄いお話だね」
「黄海海戦にも勝ったことは知ってたけれど」
「そんな風だったんだ」
「そうなんだ、他にも攻撃を受けて周りが大変なことになっていても」
 それでもというのです。
「東郷さんだけが元気だったりしていたから」
「凄いね」
「本当に運がよかったんだ」
「まさに神がかりだね」
「とんでもないまでに運がいいわね」
「そんな人だったからね」
 それでというのです。
「山本さんも連合艦隊司令長官に推したんだ」
「うん、そこまで運がいいならね」
「勝てるよね」
「そして実際に勝ったし」
「何も言うことはないね」
「そうだね、運がいいことは」
 このことはというのです。
「それだけでね」
「力だね」
「理屈抜きに」
「スポーツでも運が悪いと勝てないし」
「それだけで違うからね」
「そうだね、ちなみにこの戦争は不思議なお話も多いんだ」
 日露戦争のそのお話もするのでした。
「日本海海戦の前に坂本龍馬さんが皇后陛下の枕元に出たとか」
「さっきお話にも出た」
「薩長同盟を締結させた人じゃない」
「海援隊も組織した」
「幕末で特に有名な人のお一人だよ」
「その人が日本海海戦は日本が勝つと言ったり」 
 そうしたことがあったというのです。
「出港前の三笠のマストに鳥が止まったりね」
「何かの予兆みたいだね」
「まさに勝利を予言する様な」
「そんな感じがするわね」
「狐や狸が人間に化けて戦争に参加したとか」
 日本のというのです。
「白い軍服の幾ら攻撃を受けても倒れない日本軍がいたとか」
「何か凄いね」
「そんなに不思議なお話多かったんだ」
「日露戦争ってそうだったんだ」
「ただの戦争じゃなかったんだ」
「そうだよ、僕も調べていて驚いたよ」 
 先生は蛤御門の前で皆にお話しました。
「こんな不思議なお話が多いのかって」
「うん、僕達も思ったよ」
「凄い戦争だよ」
「日本が勝ったことも凄いけれど」
「その為の努力も」
「それと一緒にね」
 真剣なお顔でした、それこそがこの戦争について調べていく中で先生が真実だと確信したということに他なりませんでした。
「こんなお話もあったんだ、二次大戦でも天狗が参戦していたとかね」
「あるんだね」
「日本には妖怪さん達がいるけれど」
「戦争にも参加していたんだ」
「そうだったんだね」
「そう言われていて僕は事実だったと確信しているよ」
 そうだというのです。
「日露戦争のこともね」
「狐さんや狸さん達が従軍していて」
「白い軍服の兵隊さん達が戦って」
「三笠のマストに鳥が止まったり」
「皇后陛下の枕元に坂本龍馬さんが出たり」
「日本の誰もが必死に戦っただけでなくね」
 それと共にというのです。
「そうした逸話も多いんだ」
「何か神様仏様が勝たせたみたいな」
「変化する生きものさん達まで協力してくれた」
「そんな戦争だったのかな」
「日露戦争って」
「そして勝ったからね」
 だからだというのです。
「何かと思うことがあるよ」
「学んでいてだね」
「どうしてもそうなるね」
「先生としては」
「そうなんだ」
 皆に真剣なお顔のままお話します。
「僕としてもね」
「ううん、東郷さんだけじゃなくて」
「色々あったんだ」
「あの戦争って」
「本当に」
「日露戦争を学ぶことは」
 まさにこのことはというのです。
「それだけだよ」
「沢山のことが学べるね」
「ただの戦争じゃないね」
「そうだね」
「そんな不思議なことも学べるんだからね」
「若しかして」
 ここで先生はこうも思って言いました。
「あの戦争は日本は勝たないといけない」
「そんな戦争だったんだ」
「神様が力を貸してでも勝たないといけない」
「英霊の人も」
「そして変化する生きもの達も」
「そうしないといけない戦争だったんだ」
「そうだったかもね」
 先生は皆に考えるお顔のままお話しました。
「二次大戦は負けたけれどね」
「あの戦争に負けても日本は生き残ってるし」
「今こうしてね」
「あの戦争は負けてもよかったんだ」
「結果論になるけれど」
「そうかもね、しかしね」 
 それでもとです、先生はさらにお話しました。
「日露戦争は違っていたのかもね」
「絶対に負けてはいけない」
「戦うしかなくて」
「そして勝たないといけない」
「そんな戦争だったんだ」
「あの戦争に勝って日本は生き残って」
 そうなってというのです。
「国際的地位も上がってその勝利を見て色々な人達がね」
「思うところが出来たね」
「特にアジアやアフリカの人達の中で」
「自分達もやれる」
「何かが出来るってね」
「そうなって世界が今みたいになったし」
 そのきっかけとなったというのです。
「勝たないといけなかったのかもね」
「成程ね」
「そうも考えられるんだね」
「日露戦争は」
「そうだよ、じゃあお話をしながら次の場所に行こうね」
 先生は皆に促して次の場所に行きます、今度は西郷さんや大久保さんがよくそこにいた薩摩藩の屋敷の跡地の前に来ました。
 その跡地を前にしてです、先生はこうも言いました。
「ところで日露戦争の日本の勝利が面白くないのは誰かな」
「そりゃロシアだよ」
 すぐにです、ホワイティが答えました。
「何と言ってもね」
「負けて嬉しい筈がないね」
「絶対にね」
 チープサイドの家族も言います。
「しかもロシアにとっては勝てる戦争だったのに」
「面白くなくて当然よ」
「しかも樺太とか満州とかでも不利になったし」 
 トートーはこのことを指摘しました。
「絶対に嫌に思ったね」
「それは今もでしょうね」
 ポリネシアはこう考えました。
「戦争に負けるって歴史に残ることだし」
「他に面白くない国はあるかっていったら」
 それこそと言うジップでした。
「思いつかない位だね」
「もう絶対にロシアだよ」
 老馬も断言しました。
「日露戦争で日本の勝利が面白くない国はっていうと」
「人もそうね」 
 ガブガブはきっぱりと言いました。
「ロシアの人達は面白く思っていないわね」
「日露戦争の怨みとか」
「そんなこと思っていても不思議じゃないよ」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「それこそね」
「敗戦の屈辱を忘れないって感じで」
「それでロシア贔屓の国や人もかな」
 ダブダブはこう考えました。
「日本の勝利が面白くないかな」
「まあ誰もがいいと思うことはないからね」
 チーチーは少し頷く様に言いました。
「面白くないと思う人がいても当然だよ」
「そうだね、ロシアは確かに面白く思っていなくて」
 実際にとです、先生は皆にお話しました。
「ソ連でもそうでね」
「今のロシアでもだね」
「二十一世紀になっても」
「どうしても」
「そう、そしてソ連にはあの独裁者がいたね」 
 先生は自然とです、お顔を曇らせてしまいました。そうして言うのでした。
「ヨシフ=スターリンが」
「あの人だね」
「アドルフ=ヒトラーと並び称される」
「恐ろしい独裁者だったね」
「これ以上はないまでに」
「この人のことは言うまでもないけれど」
 あまりにも悪名が高くてです。
「この人が日清戦争日露戦争を日本の侵略と言ったんだ」
「そうだったね、そういえば」
「ソ連の考えでね」
「そしてあの人の」
「あの人が言ったって思ったら」
「物凄く警戒するね」
「粛清に侵略を繰り返した人だからね」
 ヨシフ=スターリンという人はです。
「そんな人の言うことはね」
「信じたら駄目で」
「鵜呑みにしたら危険だね」
「何よりも」
「あの戦争も日本の歴史も自衛隊もしっかり学ばないと」
 さもないと、というのです。
「とんでもない間違いを犯すよ」
「そうだね」
「そのことは僕達も覚えておかないとね」
「何があっても」
 皆も頷きます、そして薩摩藩ということで東郷さんのお話をここでもするのでした。








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