『ドリトル先生と不思議な自衛官』
第六幕 舞鶴を観終わって
先生達は堀与さんの案内を受けて舞鶴の基地に軍港に学校そして兵器を観て回っています。その中でです。
教育隊の基地もお邪魔しましたが動物の皆はそちらに入って口々に言いました。
「ここに入隊した人達が入って」
「それで最初の教育を受けるのよね」
「自衛官としてはじめての」
「そうした場所だね」
「そうだよ」
先生は皆にその通りだと答えました。
「こちらはね」
「そうだね」
「そうした場所だよね」
「教育隊は」
「教育課程によって三ヶ月か五ヶ月位の教育を受けて」
そうしてというのです。
「教育を修了して」
「そしてだね」
「そのうえで部隊に行く」
「そうなるんだね」
「うん、ただ軍事関連の組織はね」
先生は自衛隊も含めたそうした組織のお話もしました。
「何かあると教育を受けるよ」
「教育隊で終わらず」
「その中に学校もあって」
「それでだね」
「この舞鶴にも学校があるね」
今いるこの街にもというのです。
「経理や補給のね」
「うん、あるね」
「そうした職種について教育を受ける」
「そうした学校があるね」
「術科学校といって三つの自衛隊全部にあって」
そうしてというのです。
「それぞれの職種ごとに課程があってね」
「皆教育受けるんだね」
「そうしてその職種について学んで知識を手に入れる」
「そうなるんだね」
「そうだよ、その術科学校もそれぞれの自衛隊で複数ずつあって」
それでというのです。
「海自さんだと江田島と横須賀と下総とこの舞鶴にあるんだ」
「合せて四つだね」
「四つもあるんだね」
「海自さんは」
「勿論陸自さんと空自さんも幾つかずつあるよ」
海上自衛隊だけでなくです。
「そうなっていてね」
「しっかり教育受けているんだね」
「それも凄いね」
「教育隊で終わらないなんて」
「それも兵隊さんと下士官、先任下士官ごとに受けるから」
その教育をです。
「かなりしっかりしたね」
「技量と知識を身に着ける」
「そうした軍人さんになるのね」
「軍隊にいると」
「近代の軍隊はね、勿論士官の人達もね」
この人達もというのです。
「何かあればすぐにね」
「学校に入って教育を受ける」
「そうなるね」
「指揮官になる人達も」
「部隊と学校を行き来すると言ってもね」
その様にというのです。
「自衛隊も他の国の軍隊も過言じゃないよ」
「成程ね」
「軍事組織ってそうなってるんだね」
「常に教育を受ける」
「そうした場所だね」
「士官、自衛隊の幹部の人なんかもう本当に学校に行くことが多いから」
だからだというのです。
「まるで学者さんだね」
「そういえばずっと思っていたけれど」
ガブガブが言ってきました。
「自衛隊の建物って学校そっくりね」
「教育隊もそうだね」
ダブダブはガブガブの言葉に頷きました。
「学校の校舎そっくりだよ」
「教室だってあるしね」
トートーも言います。
「机や椅子だって」
「図書館や研究する施設や場所もあって」
ホワイティはこのことを指摘しました。
「確かに学校だね」
「何か学校にいる様な感じがしたけれど」
ジップはそう感じていました。
「こういうことだったんだ」
「いや、そう思うとね」
「何か違和感感じないわね」
チープサイドの家族はこうお話しました。
「大学にいる時とね」
「同じ感じだね」
「そういえば軍服が制服の元だし」
「ランドセルとかもね」
オシツオサレツはこのことに思いました。
「それだとね」
「尚更学校にいる感じがするよ」
「軍隊って教育の在り方もそこにあるのかしら」
ポリネシアはふと思いました。
「それなら」
「うん、規律と秩序も学べるし」
それでとです、老馬はポリネシアに言いました。
「そうかもね」
「いや、そうしたことも考えると」
チーチーは腕を組んで言いました。
「軍隊って否定出来ないね」
「何でも無闇に否定するものじゃないしね」
王子も言います。
「軍隊のそうしたところも知らないとね」
「そう思うよ、僕も」
先生もこう言うのでした。
「軍隊は教育を受ける場所でもあって」
「教育の在り方を学ぶことも出来る」
「そうした場所でもあるのね」
「自衛隊にしても」
「そうなのね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「だからこうしてよく学ば差せてもらうこともね」
「大事ね」
「今の僕達みたいに」
「それもまた大きなことがわかる」
「そういうことね」
「何故日本の教育があそこまで酷いのか」
その理由はといいますと。
「勿論先生の質がね」
「あまりにも悪いよね」
「暴力沙汰とか性犯罪とか多過ぎるわ」
「モラハラとパワハラばかりで」
「社会不適格者ばかりだよ」
「そのことも問題だけれどおかしな教育の在り方もね」
おかしな先生達によって行われるというのです。
「問題だよ、ゆとり教育も失敗したしね」
「そうだよね」
「あと自由とか人権とか言って」
「皆平等とか言うけれど」
「言う先生達自体が否定してるしね」
「生徒の人達をゴミみたいに扱って」
「規律や常識さえ教えないことも多いからね」
今の日本の学校ではです。
「戦前の日本軍の軍服がモデルだからって制服まで否定しようとしたりね」
「詰襟とかセーラー服とか」
「それ何の意味もないし」
「それ言ったらブレザーだって軍服が元だしね」
「制服全廃するしかないよね」
「そんなこと言ったら」
「ランドセルも背負えないしね」
軍服つまり軍事関係の服とかを否定するとです。
「そもそもね」
「そうだよね」
「そうなるしね」
「もうね」
「もう軍隊を否定したら」
「かなり成り立たなくなるよ」
「自衛隊がどうとか言って」
そしてです。
「自衛隊の全てを否定してもね」
「本当に何にもならないね」
「そうしても」
「かえって歪になるわ」
「実際に日本の教育そうなってるし」
「だから日本の教育をよくするには」
あまりにも酷い今からです。
「自衛隊、軍隊に学ぶこともね」
「大事だね」
「そうすることも」
「そうした考えもあるね」
「ボーイスカウトだってね」
こちらもというのです。
「元々軍隊教育からはじまってるしね」
「そうなんだよね、これが」
王子が応えました、教育隊の中を案内してもらって色々な施設を観ています。見ればプールも体育館もあって本当に学校みたいです。
「軍人の人がはじめてね」
「子供の教育にいいと確信して」
「そうだったしね」
「イギリスではじまったね」
「それで世界中に広まって定着しているけれど」
「元々はね」
「軍隊からだよ」
「はじまっているね」
「ボーイスカウトは楽しくて」
そうしてというのです。
「本当に多くのことを学べるから」
「とてもいいね」
「それと同じでね」
「軍隊の教育を知って学ぶことも」
「日本の教育にとってね」
非常にというのです。
「いいよ」
「そうだね」
「今の日本の教育は日教組の影響が強いけれど」
「あそこはね」
「自衛隊が何よりも嫌いで」
それでというのです。
「自由や人権や平等という言葉が大好きだけれど」
「実際は違うね」
「理想は北朝鮮のそれなんだよ」
「あの国の教育って」
「そんなものは何処にもなくて」
自由や人権や平等はです。
「究極の独裁と階級社会のね」
「教育だね」
「そして先生が何をしても」
それこそ卑しい犯罪行為もです。
「一切だよ」
「お咎めなしだね」
「そうした教育がね」
まさにというのです。
「理想だから」
「とんでもないね」
「それで過激派もね」
この人達もというのです。
「いいっていうし地球市民と言っても」
「市民っていうのもね」
「西洋で言われる市民じゃないよ」
日教組の言うその人達はです。
「間違ってもね」
「法律とかルールを無視して」
「そしてやりたい放題する」
「まさに沖縄の基地の前にいる人達だね」
「いつもデモ活動をしている」
「あんな人達だね」
「生計を立てていることすらね」
このこともというのです。
「不思議な」
「そんな人達だね」
「そんな人達がね」
まさにというのです。
「日教組の言う市民だよ」
「市民っていうか活動家だよね」
「他の国で言うとね」
「凄く胡散臭い人達だね」
「だからね」
先生はさらに言いました。
「そうした人達になるなら」
「人間としてね」
「どうかってなるね」
「僕もそう思うよ」
「あの人達は自分しかなくて」
市民その実活動家という人達はです。
「法律もルールもね」
「ないね」
「先生の言うことなんてね」
その日教組の影響の強いです。
「法律もルールも無視して」
「もう自分にだけ従えだよね」
「まさに北朝鮮だよ」
「そうだね」
「北朝鮮の最早共産主義でもない歪みきった思想に」
この国独特のというのです。
「無政府主義も入った」
「とんでもないものだね」
「そんな教育をとても質の悪い人達が行うから」
「日本の教育はおかしくなっているんだね」
「戦後ずっとね、勿論おかしな先生は一掃しないと駄目で」
日本の教育を立て直すにはというのです。
「教えることもね」
「考えることだね」
「間違っても日教組みたいな」
「北朝鮮の教育を理想といった考えは否定して」
「どう考えてもおかしいね」
「北朝鮮だとね」
王子も言うことでした。
「完全にね」
「そうだしね」
「そうだよね」
「それにね」
さらにお話するのでした。
「無政府主義もね」
「よくないね」
「法律も政府も束縛もない完全に自由な社会」
「それってどういったものか」
「暴力が支配する世界だよ」
その実はです」
「秩序も何もないんだから」
「腕力があってそれを自分の思うままに使う人が力を持って」
「腕力のない人はただ従うだけのね」
「それでやられ放題のね」
「そんなとんでもない社会だよ」
「それが無政府主義の社会だね」
「秩序がないなら」
それならというのです。
「法律や文明、社会に統治がないと」
「それを行う組織もね」
「もう野生、自然どころか」
「暴力だけがある社会になるね」
「そんな社会なんて」
それこそというのです。
「まともな人はとてもだよ」
「生きていけないね」
「そうだよ」
そうなるというのです。
「本当にね」118
「それが現実だね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「実はね」
「そんな風になる教育なんてね」
「害でしかないね」
「そうだね」
「だからだよ」
「秩序や規律を学ぶ為にも」
「自衛隊を学ぶこともね」
そうすることもというのです。
「本当にね」
「必要だね」
「今の日本の教育はだね」
「そうなるんだね」
「そう思うよ」
「そうだね、日本の教育って僕が見てもね」
王子もどうかというお顔で言います。
「かなりね」
「おかしいね」
「あまりにもおかしくて」
それでというのです。
「異常とさえね」
「言っていいね」
「それをどうにかする為にはね」
「自衛隊から学ぶことも大事だね」
「先生の言う通りだよ、ただ学校の先生は」
日本のです。
「本当におかしな人が多過ぎるね」
「だから教師という人材を育てることもだよ」
「大事だね」
「自衛隊も幹部の人達を育ててるんだよ」
「しっかりとね」
「大学で教員免許を取って」
そうしてというのです。
「終わりだとね」
「駄目だよね」
「しかも人としての教育なんてね」
「まるで受けていないね」
「むしろおかしなことを聞いて」
そうしてというのです。
「おかしくなった人がね」
「先生になるね」
「日本ではね」
そうだというのです。
「そしておかしな世界でおかしな人達に囲まれて」
「余計におかしくなるね」
「だから物凄くね」
「日本の先生は質が悪いんだね」
「いい鉄は釘にならなくて」
そうしてというのです。
「いい人はね」
「学校の先生にならないね」
「それが日本の先生の実態だよ」
「大学の教授さんでもだね」
「国立大学の歴史学の教授さんがね」
先生は敢えて権威と言われる人のことをお話しました。
「日露戦争で日本は勝って戦争は儲かると錯覚したと言っているんだよ」
「ははは、私もそうした発言は聞いていますよ」
ここで案内役の堀与さんが笑って言ってきました。
「それで好戦的になったと」
「そうですね」
「その発言だけで」
堀与さんは先生に言いました。
「学者失格ですね」
「歴史学を学ぶにあたって」
「とんでもない間違いです」
「実際は、ですね」
「あの戦争は確かに勝ちました」
日本が、です。
「まあ勝ったことになっているとか言う作家もいるそうですが」
「ですね、あの人も変わらないです」
「そうした学校の先生とですね」
「書いている内容があなりにも劣悪で」
その為にというのです。
「多くの読者が離れました」
「それも当然ですね」
「執筆も遅く数多くの作品を長年放置して」
そしてというのです。
「たまに出した作品がそのレベルでは」
「見捨てられますね」
「そして最近は慌てて作品を完結させていっていますが」
「その質はですね」
「やはり書いていませんから」
どうしてもというのです。
「質は落ちます」
「そうですか」
「はい、そしてそうしたことを言う教授さんはですね」
「全く学んでいないか」
若しくはというのです。
「まともな学問を一切していない」
「学者でありながら」
「どちらにしても学者と呼ばれるレベルに達していない」
そうしたというのです。
「どうにもならない人ですね」
「事実は違いますね」
「薄氷とはいえ勝ちましたし」
日露戦争で日本はです。
「外交努力もして」
「アメリカの仲裁と取り付けて」
「そして勝っているところで終わらせた」
「ロシア内部も混乱させて継戦能力も奪って」
「そうして勝っています、ですが」
それでもというのです。
「借款がです」
「莫大なものになりましたね」
「当時の日本の国家予算の数年分でした」
「日露戦争の戦費は」
「高橋卿が借りてくれました」
「高橋是清さんですね」
「そうでした、ですが」
それでもというのです。
「当時の日本にとってあまりにも莫大な戦費で」
「しかもロシアから賠償金は得られなくて」
「非常にです」
「負担が大きくですね」
「戦争の後が大変でした」
勝ったことは事実にしてもというのです。
「そうでした、出来れば戦争自体をです」
「避けたかったですね」
「勝てるとも思っていなかったので」
ロシアにです。
「そうでした、そして何とか勝ちましたが」
「負担は大きくて」
「儲かったとは誰もです」
「思わなかったですね」
「そうです、それに特に」
まさにというのでした。
「まだロシアがいて」
「日本の勢力圏の傍に」
「危機はありました、そうしたことが一切です」
「わかっていませんね」
「いや、戦後の日本の学者は」
まことにと言う堀与さんでした。
「極めてです」
「質が悪いですね」
「学者としても教育者としても」
「経済学や法学もです」
「そんなものですね」
「そうです、学者としても非常にレベルが低いうえに」
それだけでなくというのです。
「人としてもです」
「どうにもならないですね」
「大学の教授もセクハラや汚職のお話がです」
「極めて多いですね」
「あらゆる意味で腐敗を極めた」
そうしたというのです。
「日本で最も腐敗した」
「そうした社会ですね」
「その一つです」
まさにというのです。
「あちらは」
「あの、普通にわかりませんか」
王子は堀与さんに首を傾げさせながら尋ねました。
「あの戦争のことは」
「勝ったにしてもですね」
「日本はその後大変だったことが」
「誰でもわかりますね」
「僕は歴史学者ではないですが」
それでもというのです。
「わかります」
「そうですね、しかしです」
「それがわからないのがですね」
「日本の歴史学者の一部なのです」
「相当にレベルが低いですね」
「最悪わかってて言う場合もです」
そのケースもというのです。
「ありますよ」
「ええと、まさかマルクス史観とか」
「そちらに基いてです」
「戦前の日本を共産主義と敵対する悪い国として」
「それで言っています」
「それは問題外ですね」
「ですがそんな人でも学者が出来る」
堀与さんは残念そうに話しました。
「それがです」
「戦後日本の学者さんですね」
「流石に今から学者さんになる人は違いますが」
「お年寄りの人はですね」
「そうした人が多くて」
それでというのです。
「そうした人達が元気な間はです」
「そうした学説が大手を振って歩いていましたね」
「いや、本当に大変でした」
堀与さんは真面目なお顔でお話しました。
「あの時の日本は」
「借金で、ですね」
「ずっと返済し続けていて」
日露戦争の戦費に借りたそれをです。
「二次大戦の後もです」
「返していたんですね」
「そうでした、それでどうして戦争をして儲かると思えるか」
「誰も思えないですね」
「そうしたことを言う人をこう呼びます」
堀与さんは断言しました。
「曲学阿世と」
「まさにそうした人達ですね」
「そうでした、他にも色々とです」
「おかしなことを言っていますね」
「そうでした、彼等はよく戦前の日本を批判しますが」
「戦前の日本のことをですね」
「文字通りに曲学阿世で」
それでというのです。
「語ってきています」
「酷い人達ですね」
「本当に酷いよ、ソ連を擁護する為ならね」
先生も王子にお話します。
「北朝鮮の場合もあるけれど」
「どんなことも言ったのかな」
「どんな醜い擁護も開き直りもね」
それこそというのです。
「やってきたんだ」
「そうだったんだ」
「それがあまりにも酷くてね」
それでというのです。
「僕も人間はここまで卑劣で醜悪になれるかって」
「思ったんだ」
「中世の教会の腐敗が有名だけれど」
「欧州ではね」
「それに負けない位ね」
「戦後の日本の学者さんは酷いんだ」
「マスコミもね」
学者さん達だけでなくというのです。
「酷くてね」
「言うならお仲間だね」
「その人達はね、それでね」
「ソ連や北朝鮮の悪事にはだね」
「醜悪な擁護や開き直りをだよ」
「言っていたんだ」
「ずっとね、ハンガリー動乱でもプラハの春でも北朝鮮のテロ行為でも」
どれでもというのです。
「卑劣で醜悪な主張をね」
「繰り返していて」
「それで戦前の日本も貶めていたんだ」
「酷いね、それはまた」
「日露戦争は覚悟を決めて戦って」
日本がというのです。
「全てを賭けて勝った」
「そうした戦いで」
「借金も凄くてね」
「後が大変だったんだね」
「確かに得たものは大きいよ」
日本が日露戦争に勝ってです。
「大綱ロシアに勝ってね」
「生き残って」
「日本の名声と国際的地位も上がったし」
「日本に元気付けられた人達も多いね」
「うん、僕は人種論は好きじゃないけれど」
先生は微妙なお顔になってお話しました。
「当時は白人国家が強かったね」
「特に先生の祖国のイギリスがね」
「もう白人国家に有色人種の国家は勝てない」
その様にというのです。
「思われだしていたけれど」
「それを覆したね」
「それで今の世界にもね」
「至るね」
「今有色人種の国家は数多くあって」
そうしてというのです。
「繁栄している国も多いね」
「日本もそうだね」
「日本も大国とみなされる様になったよ」
日露戦争に勝利を収めてです。
「確かにね。けれどね」
「それでもだよね」
「儲かると錯覚出来る様な」
「状況ではなかったのね」
「それを近現代専門の歴史学者が言うから」
先生は眉を顰めさせてさらに言いました。
「それも有名な国立大学の教授さんがね」
「それだけ酷いってことだね」
「うん、その酷さたるやね」
それこそというのです。
「僕にしてもね」
「呆れる位だね」
「だからさっき言ったんだ」
まさにというのです。
「中世の教会の様な」
「とんでもなく腐敗した状況になっているんだね」
「ここまで卑劣で醜悪になれるのかって」
その様にというのです。
「思える位のね」
「最悪の状況だね」
「そうだったんだ」
「そこまで腐敗していたら」
それならとです、王子は言いました。
「自浄もね」
「全くないよ」
「やっぱりそうだね」
「恥を恥と思わなくなったらね」
人はというのです。
「最も恐ろしい腐敗がはじまるからね」
「その人達はもうだね」
「その恥を恥と思わない」
「最も恐ろしい腐敗の中にいるから」
「もうね」
「自浄もないね」
「だから戦後ずっとなんだ」
それこそというのです。
「日本の学者さんとマスコミは腐敗していて」
「学校の先生もだね」
「それに労働組合もね」
「そうした人達が多いんだ」
「労働組合も色々でね」
こうした組織もというのです。
「イギリスでは労働党だね」
「労働組合っていうとね」
「そちらになるけれど」
「そもそも労働党がそこからの考えだしね」
「労働組合、フェビアン主義とかね」
「暫定的に社会をよくしていく考えだね」
「社会民主主義とかね」
先生はこちらの考えもお話に出しました。
「そうした考えに基づいてね」
「社会をよくしようとしてるね」
「労働者や一般大衆の権利を守って拡大して」
「そうだよね」
「議会も選挙も民主主義もね」
「全部守るね」
「そうした考えで」
それでというのです。
「リベラリズムもね」
「同じだね」
「そう、けれど日本の労働組合はね」
「イギリスのものとは違うんだ」
「口ではリベラルとか民主主義とか言うけれど」
「実は違うんだね」
「革命を考えている共産主義でね」
こちらの考えでというのです。
「いざとなれば暴力もね」
「辞さないんだね」
「そして民主主義でもね」
その実はというのです。
「違うんだ」
「過激派と同じだね」
「というかそのものだね」
まさにというのです。
「過激派がね」
「学者さんやマスコミや労働組合に入っているんだ」
「学校の先生にもね」
「共産主義で暴力も厭わない」
「革命を叫んでね」
「それで共産主義っていったら」
王子はさらに言いました。
「ソ連で」
「スターリンだね」
「あの独裁者になるね」
「実は戦前の日本や日露戦争を否定したのはね」
「スターリンだったんだ」
「そうだよ、だからね」
それでというのです。
「こうした主張は要注意で」
「言う人達もだね」
「そうだよ、特に学生運動に参加していた人達は」
「問題だね」
「今もそうした考えで」
過激派のというのです。
「日露戦争についてもだよ」
「そんなこと言うんだ」
「スターリンの子供達を言うべきか」
先生はどうかというお顔になってこうも言いました。
「もうどうにもね」
「ならない人達だね」
「そう思うよ」
まさにというのです。
「いつも言ってるけれど日本は素晴らしい国で」
「日本人も優れているね」
「けれどこうした人達がいることがね」
「問題だね」
「そうだよ、どの国にも問題はあるけれど」
それでもというのです。
「日本はね」
「学者さんやマスコミ、学校の先生、労働組合がだね」
「問題だよ、活動家という人達もね」
「その中に入るね」
「お仲間だからね」
「そういうことだね」
「中にはよく知られた小説家さんもいるよ」
そうした人達の中にはというのです。
「これがね」
「そうなんだ」
「このことも残念だけれどね」
「いますね、防衛大学の学生さんを世代の恥と言った人が」
堀与さんがまた言ってきました。
「私も卒業生ですが」
「そうなのですか」
「横須賀で四年間を過ごしました」
こう先生にお話しました。
「まあ海軍よりは楽ですね」
「防衛大学も」
「そうでしたね」
「そうですか」
「そう思いました」
「流石に海軍は違いましたか」
「江田島の方も」
幹部候補生学校もというのです。
「とても。ですが」
「それでもですか」
「厳しいことはです」
「事実ですね」
「それもかなり」
「そうなのですね」
「はい、ですが皆真面目で努力家です」
防衛大学の学生さん達はというのです。
「日本と日本人のことを考えている」
「そうした人達ですね」
「ですがその作家さんは」
「違いましたね」
「そうでした、北朝鮮を賛美していて」
それでいてというのです。
「ある時急に韓国の味方になって」
「北朝鮮と敵対している」
「日本をお仲間と一緒に批判していました」
「非常に厚顔無恥な行為ですね」
「そうした人でした」
「ノーベル文学賞を受賞した人でしたね」
「川端康成さんではありません」
堀与さんはこの人ではないと断言しました。
「あの人はそうしたことはです」
「言わない人でしたね」
「政治のことはこれといってです」
「言わない人でしたね」
「あくまで文壇の人で」
そうであってというのです。
「そうしたことはです」
「言わなかったですね」
「そうでした」
先生に真面目なお顔で答えました。
「私はこの人をよく知りませんが」
「本を読まれたことがないですか」
「雪国位はありますが同じ時代に生きていないので」
だからだというのです。
「そうした意味で」
「よくご存知ないですか」
「そうです」
「そうなのですね」
「海軍とは縁がなかったですね」
川端康成という人はというのです。
「それに海上自衛隊ともです」
「縁がなかったですね」
「実際ピンとこないですね」
「その人はそうですね」
先生は確かにと頷きました、そうしてです。
皆と一緒に掘与さんに案内してもらって教育隊も見学させてもらいました、そして舞鶴の海上自衛隊の基地や施設や学校を一通り観て回ってです。
先生はホテルで夕食とお風呂の後で皆に言いました。
「さて、いよいよ」
「コラム書くんだね」
ジップが言ってきました。
「そうするんだね」
「一通り見させてもらってね」
そしてとです、ガブガブも言います。
「もう少ししたら神戸に帰るし」
「それならだね」
「コラムの執筆をはじめるのね」
チープサイドの家族も先生に言います。
「いよいよ」
「そうするんだね」
「いい頃合いだね」
トートーも先生に言います。
「じゃあ書きはじめよう」
「先生執筆速いし」
それでと言うホワイティでした。
「そっちも終わらせられるね」
「じゃあ執筆の時はね」
どうするかとです、ダブダブは言いました。
「お茶だね」
「紅茶でいいよね」
チーチーはそのお茶が何かをお話しました。
「ミルクティーで」
「先生他の茶も飲むけれど」
ポリネシアはそれでもと言うのでした。
「第一はミルクティーだしね」
「それにする?今回も」
「すぐに煎れるよ」
オシツオサレツは先生に二つの頭で尋ねました。
「そしてミルクティーを飲みながら」
「コラムを執筆するよね」
「さて、書き終わって原稿をカイジさんにお渡ししたら」
老馬はどうなるかとお話しました。
「もう、だよね」
「うん、その頃には舞鶴での予定を全て終えていてね」
それでと言う先生でした。
「もう、だよ」
「楽になっているね」
「気分的に」
「そうだね」
「そうなっているね」
こうお話してです。
先生は皆にミルクティーをお願いしてでした。
煎れてもらったそれを飲みながらすぐに執筆を開始しました。するとコラムはどんどんと書かれていきます。
そして翌朝掘与さんにコラムの執筆状況をお話すると堀与さんも驚きました。
「もうですか」
「はい、半分程です」
先生は笑顔で答えました。
「書かせてもらいました」
「論文の発表数の多さは知っていましたが」
「どうも僕は速筆らしくて」
「それもかなりの様ですね」
堀与さんは今日の見学の打ち合わせの場で先生に言いました。
「そちらも」
「そうですか」
「読まれることも速くて」
そしてというのです。
「執筆の方も」
「僕は速くて」
「そしてですね」
「今夜にはです」
「脱稿されますか」
「それでお渡しします」
「実は神戸に戻られて」
それからとです、堀与さんは先生にお話しました。
「少し経ってです」
「脱稿してですね」
「提出してくれると思っていました」
「そうでしたか」
「ですがそうであるなら」
「舞鶴にいる間に脱稿出来るならですね」
「お願いします」
是非にというのでした。
「その様に」
「はい、それでは」
「それでです」
堀与さんはさらに言いました。
「コラムは海上自衛隊の新聞にです」
「朝雲ですね」
「そちらに掲載されます」
「予定通りですね」
「そうです、あと宜しければ」
堀与さんは笑って先生にお話を続けました。
「世界の艦船という雑誌がありまして」
「軍艦を紹介している雑誌ですね」
「海上自衛隊の護衛艦もよく紹介されていまして」
そしてというのです。
「海軍のこともです」
「いい雑誌ですよね」
「ご存知でしたか」
「あとパンツァーや丸も」
こうした雑誌もというのです。
「読ませてもらっていて航空機の方も」
「読まれていますか」
「時々ですが。あと英語の雑誌も」
「英語もというのがです」
堀与さんはそのお話を聞いて頷いて応えました。
「実にです」
「いいですか」
「素晴らしいです、やはり英語がわかりますと」
そうであるならというのです。
「読める本や論文も増えて」
「学問の世界も広がりますね」
「そうなりますね」
まさにというのです。
「本当に」
「僕は元々イギリス生まれなので」
「英語は言うならホームグラウンドですね」
「そして日本語も理解出来ますし」
「他の言語もですね」
「中国語やドイツ語やフランス語もです」
こうした言語もというのです。
「わかります、スペイン語も」
「スペイン語がわかりますと尚更いいですね」
「中南米はブラジル以外がそうですからね」
スペイン語が公用語だというのです。
「ですから」
「スペイン語が理解出来ますと」
「非常にです」
その時はというのです。
「心強いです」
「学問においても」
「そう思います」
「先生は動物の言葉もわかるし」
王子も言ってきました。
「医学と語学は特にね」
「強いっていうんだね」
「そう思うよ」
こう先生ご自身にお話します。
「僕はね」
「そうなんだね」
「だから色々な論文も読めるね」
「それぞれの言語で書かれたね」
「それは先生の強みの一つだよ」
学問をするにあたってというのです。
「本当にね、だったら」
「そのことを活かして」
「学んでいこうね」
「軍事のことにしても」
「自衛隊のこともその歴史や兵器のことも」
「そうされると嬉しいです」
堀与さんも先生に言います。
「私としても」
「そうですか、では」
「その様にですね」
「僕はこれからも学ばせてもらいます」
笑顔で言うのでした。
「是非共」
「そうされてくれますね」
「喜んで」
こう言って掘与さんに約束しました、そしてです。
先生は舞鶴で自衛隊や海軍のことを学ばせてもらいコラムも脱稿させて神戸に戻りました。これで舞鶴のことは終わりでしたが先生と皆は神戸に戻ってからとんでもないことに気付いてまたしても海上自衛隊と関わるのでした。