『ドリトル先生と不思議な自衛官』




                第二幕  海軍の街

 先生にです、大学の職員の人が先生の研究室をお邪魔してお話をしてました。そのお話はといいますと。
「舞鶴にですか」
「はい、この度招待がありまして」
「海上自衛隊からですか」
「そうです」
「自衛隊から招待ですか」 
 先生はとても意外そうに言いました。
「それはまた」
「思わぬことですか」
「はい」
 まさにと言うのでした。
「これはまた」
「そうですか、ですが」
「この度はですね」
「その様にです」
「海自さんからお願いがありますか」
「先生が元々イギリスの方で」
 この国の出身でというのです。
「イギリスと言えば海軍ですね」
「そうですね、軍隊となれば」
 先生は職員の人に答えました、研究室のテーブルを囲んで一緒に紅茶を飲みながらお話をしています。
「やはりイギリスは」
「そして海上自衛隊はです」
「帝国海軍の流れがですね」
「そのまま生きていまして」
 今もというのです。
「先生にです」
「イギリス生まれということで」
「是非施設や護衛艦それに人自体をです」
「見てですか」
「海上自衛隊の新聞等に文章を書いて欲しいとのことです」
「そうしたお話ですか」
「左様です」 
 こうお話するのでした。
「何かと見て頂いて。舞鶴の街も」
「舞鶴といえば」 
 この街の名前を聞いてです、先生は言いました。
「帝国海軍からの軍港ですね」
「ご存知でしか」
「横須賀、呉、佐世保、大湊と並んで」
「そうです、今も海上自衛隊の重要な街でして」
「学校や基地もですね」
「あります」
「そうでしたね、司令部も」
 海上自衛隊のです。
「そちらもありますね」
「まことに非常にです」
「海上自衛隊にとって重要な街の一つですね」
「そうなっています」
「それでその街に僕がですか」
「招待されています」 
 先生に笑顔でお話しました。
「是非にということで」
「そうですか」
「それでどうされますか」
 先生に笑顔のまま尋ねました。
「これから」
「僕でよければ」
 先生も笑顔になりました、そのうえで職員の人に答えました。
「そうさせて頂きます」
「そう言ってくれますか」
「はい、それでは」
「舞鶴にですね」
「行かせてもらいます」
 先生は笑顔のまま言いました、そうしてです。
 舞鶴に行くことになりました、そのことが決まると職員の人は細かい手続き等は私がと言ってでした。
 そのうえでご自身の場所に戻りました、ですが。
 その人が研究室を出た後で動物の皆は先生に言いました。
「へえ、舞鶴なんだ」
「あの街に行くんだね今度は」
「先生色々なところに行ってきたけれど」
「今度は舞鶴なんだ」
「あちらに行くんだ」
「そうなったね、いやまさかね」
 先生は皆に意外といったお顔で応えました。
「海上自衛隊のところに行くなんてね」
「思わなかったね」
「それもあちらからお話が来るなんて」
「文章書いて欲しいってね」
「そうだね、コラムの様なものだと思うけれど」
 それでもと言う先生でした。
「僕のことが海自さんにも知られているからだね」
「先生も有名だからね」
「ニホンオオカミを見付けたし」
「それに色々論文を書いているから」
「有名なんだよ」
「そういえば自衛官の人達も論文書くよ」 
 先生はこのことを思い出しました。
「幹部自衛官の人達がね」
「学者さんみたいになんだ」
「論文書くんだ」
「そうするんだ」
「軍人さんもね」
 幹部つまり士官になればというのです。
「色々と学んで」
「それでなんだ」
「論文書くんだ」
「それで発表するんだ」
「軍事的なものをね、論文を書くなら」
 それならというのです。
「色々と他の人の論文にもね」
「触れるね」
「学ぶにあたって」
「そうなるね」
「僕は歴史の論文も書いていて」
 そうしてというのです。
「そこで戦争に関係するものも書いているよ、それに地理のね」
「論文も書いているね」
「そちらのものも」
「最近は日本全体の」
「前に鹿児島の地質調査をしたね」 
 この時のお話もしました。
「その時だってね」
「論文書いたね」
「調査の後の」
「そうしたね」
「それでその時に鹿屋の基地にも行ったね」
 海上自衛隊のというのです。
「航空隊の」
「ああ、特攻隊の資料館もあったね」
「その時先生かなりお話してくれたね」
「そうだったね」
「うん、その時に自衛官の人達ともお話させてもらったし」 
 先生はその時のことも思い出してお話しました。
「あの時のことがね」
「海自さんの中で知られて」
「それでかな」
「この度のお話になったかな」
「論文のこととね」
 このことと合わせてというのです。
「そうなのかな」
「それも縁だね」
「いや、何でどういったことになるかわからないね」
「世の中ってね」
「どうも」
「そうだね、面白いね」
 実にというのです。
「こうしたことになることも、それじゃあね」
「うん、舞鶴だね」
「あの街に行くね」
「そうするね」
「そうさせてもらうよ」
 先生はこう言ってでした。
 皆と一緒に舞鶴に行くことになりました、そのうえで今度はその舞鶴のお話にもなりましたがここで、です。
 先生にです、皆は言いました。
「皆舞鶴は何処にあるか知ってるかな」
「日本海側だよね」
「日本のね」
「福井県だね」
「あちらだね」
「いや、京都府にあるんだ」 
 皆にこう答えました。
「舞鶴はね」
「えっ、京都なんだ」
「京都府にあるの」
「そうだったんだ」
「意外だね」
「行政区分ではね」
 そうなっているというのです。
「そうなんだ」
「京都には僕達も行ったけれど」
「盆地のイメージよね」
 チープサイドの家族がまず言いました。
「何と言っても」
「京都市のね」
「山に囲まれた街で」 
「川も流れていて」 
 オシツオサレツは二つに頭で言いました。
「街は碁盤みたいになっていて」
「歴史的なものが一杯あるね」
「平安時代とか和歌のイメージよ」
 ガブガブはこうしたものを出しました。
「あと幕末ね」
「あとお茶だね」 
 ダブダブはこちらを思い出しました。
「宇治のね」
「海自さんだから海だけれど」
 それでもと言うトートーでした。
「海のイメージはないね」
「というか海がないのが京都じゃないかな」
 こう言ったのはチーチーでした。
「昔からそれで知られていたよね」
「京料理だって海の幸が殆どなかったね」
 ホワイティも言います。
「鱧とかが明石から運ばれて敦賀から鯖とかはあったけれど」
「その京都で海って」
 意外と言うポリネシアでした。
「思いも寄らなかったわ」
「場所的に福井県だよね」
 こう言ったのは老馬でした。
「日本海側だし」
「いや、京都府とは思いも寄らなかったよ」
 ジップも驚いています。
「今の今までね」
「けれどね」
 それでもと言う先生でした。
「日本で海のない都道府県は限られているね」
「奈良県と滋賀県、岐阜県、長野県にね」
「群馬県、栃木県だね」
「あと山梨県と埼玉県ね」
「八つあるけれどそこに京都府はないね」
 このことを言うのでした。
「そうだね」
「言われてみれば」
「そうよね」
「だからね」
 それでというのです。
「そこでわかるね」
「ううん、まさかだよ」
「舞鶴が京都府だったなんて」
「そして京都に海があったなんて」
「意外過ぎるわ」
「昔はなかったよ」
 そうだったというのです。
「江戸時代まではね」
「山城だったね、昔の京都は」
「その国だったね」
「僕達が今いる神戸は播磨で」
「京都はそうだったね」
「山城には海がなかったよ」
 その区分ではというのです。
「そうだったよ、けれどね」
「それがだね」
「明治維新で廃藩置県が行われて」
「山城が京都府になって」
「それからなんだ」
「都道府県の区分は紆余曲折があって」
 そうしてというのです。
「今の四十七になったね」
「色々変わったんだったね」
「維新から暫くは」
「奈良県がなくなって堺県になったり」
「佐賀県もなくなったし」
「そしてね」  
 そのうえでというのです。
「京都は海に面する様になったんだ」
「成程ね」
「意外だけれど面白い歴史ね」
「これもまた」
「そうだね、それで舞鶴は結構大きな街で」
 そうであってというのです。
「京都で二番目か三番目の街なんだ」
「へえ、結構大きいね」
「二番目か三番目って」
「一番は京都市ってわかるけれど」
「その後位にくるんだ」
「そうなんだ、軍港としてはじまって」 
 そうしてというのです。
「今はね」
「海上自衛隊の街で」
「海軍の伝統も残っていて」
「人も多いんだ」
「そうなのね」
「その街に行って」
 そうしてというのです。
「学ばせてもらって」
「そしてだね」
「沢山の人も見て」
「そうしてだね」
「そのうえでだよ」
 さらにというのです。
「コラムも書かせてもらおう」
「そうしよう」
「海上自衛隊のことも学ばせてもらって」
「そのうえで」
「是非ね」
 笑顔で言う先生でした、そしてです。
 今の学問もしていきます、今は帆船の構造について学んで論文を書いていますがそこで、なのでした。
 帆船の仕組みを観つつです、先生は皆に言いました。
「もう帆船はないね」
「今の時代はね」
「完全に機械だね」
「そちらの船になってるね」
「そうだね、かつてはね」
 先生はしみじみとした口調でお話しました。
「こちらの船が世界中で行き来していたんだよ」
「戦争でも使われていたね」
「そうだったね」
「かつては」
「トラファルガーの海戦でもね」
 イギリス人にとっては忘れられないこの戦いでもというのです。
「帆船だったね」
「そうそう、帆を一杯張って」
「それで三列縦隊で進んでね」
「決戦を挑んだんだよね」
「そうだよ、帆船の動かし方は独特で」
 そうであってというのです。
「どう動かしていくか」
「それがだよね」
「重要なことで」
「果たしてどう動かすか」
「それが問題だったね」
「風を見て漕いでね」 
 そうしたことをしてというのです。
「進んでいたよ、そしてロープがね」
「重要だよね」
「今もだけれど」
「帆船はロープをどう使うか」
「それが問題だったね」
「そうだよ、ロープはね」 
 まさにというのです。
「船の象徴の一つだったよ」
「帆や錨と並んで」
「そうだったね」
「ロープなくして船じゃない」
「当時はそうだったね」
「今もね、例えば嵐に遭って」
 そうなってというのです。
「大砲が揺れる船の中で動くと」
「そうそう、大暴れするみたいになって」
「それでだよね」
「船員さん達を跳ね飛ばして轢いて」
「最後は船から飛び出て大穴を空ける」
「とんでもないことになったね」
「嵐の九十三年にあったね」
 ビクトル=ユゴーのこの小説にというのです。
「そうなったら大変なことになるから」
「それでだね」
「大砲はすぐにロープで縛って動かない様にする」
「そうしないと駄目だったね」
「帆船の時は」
「今は砲塔になっていて」
 大砲はというのです。
「嵐でもびくともしないけれどね」
「かつてはそうで」
「そうした時もロープだったね」
「ロープをどう使うか」
「それが大事だったね」
「そうだったよ、それで軍服の袖のモールはね」
 これはといいますと。
「実はロープなんだよ」
「へえ、そうなんだ」
「あれロープだったんだ」
「あれで階級を表すけれど」
「そうだったのね」
「そう、それでね」
 その為にというのです。
「軍服の袖に巻いてね」
「階級を表したんだ」
「そうだったんだ」
「かつては」
「それがそのまま軍服に備わったのが」
 実際に巻かずにです。
「あのモールなんだ」
「成程ね」
「そういえばロープを光らせた色だね」
「巻いてるし」
「見ればわかるね」
「そしてね」
 さらにお話する先生でした。
「黒と金色は」
「この二色はだよね」
「まさに海軍の色だね」
「そうなっているわね」
「かつてはネイビーブルーだったけれど」
 この色だったというのです。
「今ではね」
「黒だね」
「何か変わったわね」
「何時の間にか」
「うん、二十世紀のはじめにはね」
 この頃にはというのです。
「変わったね」
「そうだよね」
「昔は違ったのにね」
「帝国海軍でも黒い軍服だったね」
「あの詰襟のはね」
「そうなったね、そして夏は白だね」
 この季節の海軍の軍服はというのです。
「そうだね」
「そうそう、眩しいよね」
「暑い場所でもあちらになるのよね」
「冬は黒、夏は白」
「海軍さんの軍服は変わるね」
「それは海自さんも同じでね、どうして変わるか」
 軍服が季節によってです。
「イギリス海軍からだよ」
「そのロイヤル=ネービー」
「僕達の生まれた国の海軍からなんだ」
「そうだったんだ」
「世界にあったイギリス海軍だけれど」
 七つの海を支配するという言葉通りにです。
「熱帯とか夏とかでも軍務に就いていたけれど」
「そうした場所だとね」
「どう暑さを避けるか」
「それが問題になるよね」
「そこで白いとね」
 軍服がというのです。
「光や熱気を跳ね返すね」
「そうそう、白いとね」
「黒だとそういうものを吸収するけれど」
「白は跳ね返すね」
「そうするね」
「だからだよ」
 その為にというのです。
「それでね」
「白い軍服が生まれたんだ」
「そして今世界中で使用されているんだ」
「海上自衛隊でも」
「そうなんだ、あの白い軍服は恰好いいけれど」
 詰襟のそれはというのです。
「そこからだよ」
「成程ね」
「軍服にも歴史があるね」
「本当に」
「そうだね、それでね」 
 さらにお話するのでした。
「あれは礼装で略装もあるよ」
「いつもああした服着られないってことだね」
「軍人さんって動き回るし」
「白いと汚れも目立つしね」
「だからね」
 その為にいうのです。
「普段はね」
「略装だね」
「そちらを着るのね」
「海自さんも」
「解禁で半袖のね」 
 そうしたというのです。
「ラフな服だよ、あと作業服があるから」
「普段はだね」
「作業服で勤務しているんだ」
「そうしているのね」
「海自さんにしてもね、下士官や兵隊さんは青で」
 その色の作業服でというのです。
「幹部の人は紫だよ」
「色でわかるんだね」
「階級も」
「そうなのね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「作業服の色でもわかるんだ」
「階級が」
「そうした風になってるんだ」
「軍隊は階級社会で」
「自衛隊も同じだから」
「当然階級章もあるしね」
 こちらのお話もしました。
「それを見たら」
「その人がどの階級かわかる」
「自衛隊も同じだね」
「他の国の軍隊と」
「そうなんだ、ただ軍隊とはまた違う組織ということになっているから」
 自衛隊のこのこともお話します。
「呼び方が色々違うね」
「そうだね、自衛隊って」
「そこも特徴よね」
「一等兵とか二等兵とか言わなくて」
「一等海士とか二等海士って言うね」
「それぞれの自衛隊で」
「陸空海があるね」
 自衛隊にはというのです。
「そして一等二等三等でね」
「分けられているんだよね」
「兵隊さんも下士官の人達も」
「それで幹部の人達も」
「そうなっているわね」
「尉官、佐官でね」
「そこに陸空海のそれぞれの呼び名が付くんだよ」
 先生はそうなっていることをお話しました。
「自衛隊ではね」
「他の国では海軍中佐とかになるけれど」
「自衛隊だと二等海佐だね」
「同じ様な呼び名だけれど」
「また違うのよね」
「そうなんだ、第二次世界大戦が終わって」
 そうなってというのです。
「日本軍は一度解体されたね」
「連合軍がそうしたね」
「イギリスもその連合軍の中にあったけれど」
「そうなったのよね」
「それで暫くは日本に軍事組織はなかったけれど」
 それでもというのです。
「けれどね」
「いろいろ事情があって」
「それでまた軍事組織を持つことになって」
「それでだね」
「最初は警察予備隊と呼ばれていてね」
 そこからはじまってというのです。
「そしてね」
「それでだよね」
「今の自衛隊に至るんだよね」
「そうだよね」
「そうなんだ、そうした歴史があるんだ」
 自衛隊にはというのです。
「実はね」
「色々あるんだね」
「自衛隊にも」
「ただそこにあるだけじゃない」
「自衛隊にも歴史があるんだね」
「そうなんだ、そして海上自衛隊は」 
 こちらはといいますと。
「元々海軍出身の人も多かったし」
「海軍の伝統が色濃く受け継がれている」
「そうなんだね」
「そうした組織なんだね」
「陸上自衛隊はかなりアメリカ軍の影響を受けているみたいだけれどね」 
 それでもというのです。
「海上自衛隊はそうなんだ」
「成程ね」
「そうした組織なんだね」
「海上自衛隊って」
「そうだよ、ちなみに航空自衛隊は」
 今度はこちらのお話をしました。
「今は宇宙航空自衛隊というね」
「ああ、宇宙だね」
「宇宙も入るんだ」
「そうなったのね」
「こちらはかなり独特で」
 そうした組織だというのです。
「陸軍と海軍が一緒なんだ」
「えっ、そうなの」
「空自さんはそうなんだ」
「そうした組織なんだ」
「軍服や制服を見ればわかるけれど」
 先生はそちらからお話しました。
「空軍は陸軍から生まれた組織なんだ」
「そういえば色違いだね」
「陸軍と空軍の軍服って」
「陸軍は緑色とか紫で」
「空軍は青いわ」
「そうだね、殆どの国でね」
 まさに日本以外の国でというのです。
「空軍は最初は陸軍航空隊だったんだ」
「それが空軍になった」
「陸軍から分かれて」
「そうした風なんだ」
「例えば第一次世界大戦の英雄の」 
 こう前置きしてお話するのでした。
「リヒトホーフェン大尉はね」
「あっ、レッドバロン」
「ドイツ軍のエースパイロット」
「敵ながら見事だったね」
「まさに空の騎士だったわ」
「この人は騎兵隊の士官さんだったね」
 先生はリヒトホーフェン大尉の立場を指摘しました。
「陸軍の」
「成程ね」
「そのことからもわかるんだね」
「空軍は元々陸軍航空隊だったんだ」
「そこから分かれてるのね」
「それが日本では事情が違っていて」 
 宇宙航空自衛隊ではというのです。
「陸軍も海軍も強力な航空隊を持っていて」
「それが一緒になったんだ」
「それが空自さんなんだ」
「そうなのね」
「そうなんだ、言うなら陸軍と海軍のミックスなんだ」
 そうした組織だというのです。
「これがね」
「陸軍だけじゃなくて」
「海軍も入っているんだ」
「それも半分位みたいね」
「お話を聞いていたら」
「そうだよ、それ位はね」
 実際にというのです。
「海軍も入っているんだ、トップの幕僚長さんでもね」
「海軍出身の人いたんだ」
「陸軍出身の人だけじゃなくて」
「そうだったんだ」
「そうしたこともね」
 先生は笑顔でお話しました。
「学んでいるとわかるよ」
「自衛隊について」
「そして日本軍について」
「わかっていくのね」
「そうなんだ、それと日本軍は」
 この組織はといいますと。
「知ってると思うけれど軍律がね」
「滅茶苦茶厳しいよね」
「これがね」
「物凄くね」
「有名だったわね」
「イギリス軍よりも遥かにね」 
 日本軍の軍律はというのです。
「厳しかったみたいだね」
「絶対にそうだよね」
「とんでもなく厳しいので有名で」
「もう何があっても守るもので」
「鋼鉄みたいだったね」
「ドイツ軍も厳しかったけれど」
 この国の軍隊もというのです。
「日本軍もね」
「とても厳しくて」
「それで有名だったね」
「凄くね」
「そうだよ、それで自衛隊もね」
 この組織もというのです。
「かなり厳しいよ」
「流石に日本軍程じゃないよね」
「幾ら何でも」
「日本軍は本当に有名だから」
「今も言われている位に」
「あそこまではいかないよ」
 先生は実際にと答えました。
「実際にね、けれど世界的に見たら」
「厳しいんだね」
「自衛隊も」
「そうなのね」
「だから身だしなみもね」
 こちらもというのです。
「凄く整ってるんだ」
「基地でもそうだったね」
 トートーが言われて気付きました。
「自衛官の人達身だしなみ凄かったよ」
「アイロンかけられた服にね」
 ジップも言います。
「埃一つなくて」
「靴も磨かれていて」
「ピカピカだったね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「施設も奇麗で」
「お掃除が行き届いていたよ」
「おトイレも奇麗でね」
「使いやすい感じだったわね」 
 チープサイドの家族はそちらのお話をしました。
「やっぱりピカピカで」
「汚れ一つなかったよ」
「当然航空機も整っていて」
 そしてと言うポリネシアでした。
「乗ったら気持ちよさそうだったわ」
「木々の一本一本までだったね」
 ホワイティは基地の中のそちらを思い出しました。
「奇麗だったね」
「景観も整っていたよ」
 チーチーは基地の中全体のお話をしました。
「桜だってあってね」
「全部奇麗で」
 それでと言うガブガブでした。
「整理整頓も出来ていたわね」
「芝生も整備されていたよ」 
 このことは老馬が指摘しました。
「よく刈られていてね」
「隅から隅までそうで」
 ダブダブは心から思いました。
「凄かったね」
「そうした風だからね」
 だからと言う先生でした。
「もうね」
「そこに出ているね」
「自衛隊の厳しさが」
「軍律のそれが」
「そうだね」
「そうだよ、日本軍も凄くて」
 そうしたことはというのです。
「自衛隊もね」
「厳しくて」
「ちゃんとしてるんだね」
「軍律だって」
「そうなんだね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「いざという時はしっかりやってくれるんだ」
「厳しい決まりがあって」
「それを守っているから」
「だからだね」
「そうだよ、比較してみたら」
 ここで、です。先生は。
 どうにもというお顔になりました、そうしてそのうえで皆に対して口調もそうしたものになってお話しました。
「わかるかな、沖縄の基地の前の」
「ああ、あの人達だね」
「基地反対とか言っている」
「そこに住み込んでまでしている」
「テントまで張ってね」
「もうやりたい放題だね」
 その人達はというのです。
「文字通りに」
「酷かったね」
「もう法律も何もないね」
「近寄った人襲おうとするし」
「喚き散らして勝手におトイレまでして」
「不潔そうだったしね」
「あの人達は自衛隊も嫌いだけれど」 
 そうでもあってというのです。
「ああだよ」
「平和平和とか言って」
「暴れ回って他の人の意見聞かないで」
「やりたい放題で」
「決まりも何もないね」
「どちらが立派かわかるね」
 先生は皆に言いました。
「自衛隊そして昔の日本軍と」
「一目瞭然だね」
「文明と野蛮の違いよ」
「清潔と不潔の」
「理性と暴力の」
「法律と無法ね」
「ああなったらおしまいだよ」
 先生はあの人達についてこうも言いました。
「本当にね」
「全くだね」
「そう言っていいわ」
「あんな風になったら」
「おしまいよ」
「そうだね、あの人達は災害の時何をするのか」
 基地の前にいる人達がというのです。
「一体」
「何もしないね」
「絶対に」
「ボランティア活動すらね」
「というか救助活動する自衛隊の人達に抗議しそうだね」
「来るなとか言って」
「実際にそう言った人達もいたよ」
 自衛隊の人達が救助活動をしているとそこに来て来るなとか抗議活動をしていた人達がというのです。
「これがね」
「一体何を考えてるのかな」
「どんな思考回路してるのかしら」
「先生前に災害起こっても自衛隊いらないって言った人のお話したけれど」
「そうした人達ね」
「うん、もう何があってもね」
 それこそというのです。
「わからなくてね」
「それでだね」
「そんなことするんだね」
「というかその自衛隊いらないっていった人も」
「先生前に言ったけれど」
「沖縄の基地の前にいるかもね」
「いてもおかしくないね」
 先生も否定しませんでした。
「もうね」
「そうだよね」
「いや、とんでもない人だね」
「そうなるとね」
「本当におしまいだね」
「幸いあんな人達は僅かだよ」
 日本でもというのです。
「殆どの人は自衛隊のことを理解してくれていて」
「大事にしてくれているね」
「そして親しみを持ってくれているね」
「警察の人達と同じで」
「むしろ無闇に自衛隊や警察を嫌うなら」
 そうであるならというのです。
「その人には注意した方がいいよ」
「どちらも社会秩序を守ってくれるからね」
「法律に基づいて」
「そうしてくれるからね」
「政府もおかしくなったりするよ」 
 そうしたケースは存在するというのです。
「ナチスやソ連みたいにね」
「残念ながらね」
「そうなる場合があるよね」
「時には」
「そう、そして警察や軍隊もね」
 本来は社会秩序を守る組織もというのです。
「おかしくなるよ」
「そうした政府の下にあったら」
「秘密警察とかも出来て」
「おかしくなるね」
「そうだよ、けれどね」 
 それでもというのです。
「通常はまともに機能して」
「それでだね」
「社会や国民を守ってくれるね」
「そうしてくれるね」
「そうした組織を無闇に嫌う人達は」
 どうかといいますと。
「おかしなことを考えている可能性があるよ」
「そうだね」
「その可能性あるよね」
「本当にね」
「昔日本でオウム真理教がテロで多くの人を殺した時に」 
 先生はこの時のことをお話しました。
「ある人がオウムは権力に反対しているからいいって言った人がいたんだ」
「ああ、国家権力だね」
「それに反対しているからいいんだ」
「テロをしても」
「罪のない人を巻き添えにしても邪魔と思った一家を殺しても」
 そうしてもというのです。
「内部粛清をしてもね」
「いいんだ」
「権力に反対するなら」
「それなら」
「彼等がその権力を求めてテロをしていることすら考えなくてね」
 そうしてというのです。
「犠牲になった人達を無視してだよ」
「言ってったんだ」
「凄いね」
「人としてどうにもならないね」
「最低ね」
「それでいて戦前の日本軍や皇室は大嫌いだったんだ」
 その人はというのです。
「虐殺したとか権力がどうとか言ってね」
「じゃあオウム駄目だよね」
「虐殺してるし」
「まさか権力に反対してクーデター起こすなら虐殺していいの?」
「それ遺族の人達の前で言えるかな」
「いや、こうした人は自分しかないから」
 それ故にというのです。
「自分がどうにかなりそうならね」
「逃げるね」
「泣いて命乞いしてね」
「自分だけ助かろうとするね」
「他の人を盾にしても」
「それこの人が店員だったお店が上本町にあったけれど」
 大阪のこの場所にというのです。
「この人を雇って数年後にね」
「潰れたんだね」
「そんな愚かな人雇う位ならね」
「知れてるね」
「親会社ごとそうなったよ」
 まさにというのです。
「跡形もなくなったよ」
「やっぱりそうなるね」
「当然の帰結だね」
「もう人間ですらない位だから」
「そこまで愚劣だとね」
「この人は絶対に自衛隊も嫌いだけれど」 
 先生はこう予想しました。
「どちらがまともで立派か」
「言うまでもないね」
「その人はもう人間ですらないわ」
「殺されたり巻き込まれて傷付いた人の命の重みや痛みがわからないんじゃ」
「わかろうともしてないし」
「遺族の人達の苦しみや悲しみも」
「ある人はこの人をこれまで会った中で一番の愚か者と言ったよ」
 そうした人がいたというのです。
「皆が言う通りの人だからね」
「そうだよね」
「いや、遺族の人達の前に突き出したらね」
「一体どうなるか」
「というか人の痛みがわからないわかろうともしないんじゃ」
「生きていても意味ないんじゃ」
「そうだよ、僕は日本に来てこの人も知って」
 お話を聞いてというのです。
「実際にお会いしたことはないけれど」
「最低という言葉すら生ぬるいね」
「そこまで酷いと」
「いや、そんな人もいるんだ」
「酷過ぎるよ」
「親御さん達が見たら泣くね」
 その人が自分達の子供ならというのです。
「もうね」
「自分達の子供はここまで愚かなのかって」
「自分達はこんな愚か物を育てたのかって」
「泣くよね」
「もうね」
「こんな人には絶対になりたくない」
 それこそというのです。
「普通は思うね」
「そんな人達と比べたら」
「自衛官の人達はどれだけ立派か」
「比較するまでもないわ」
「最低過ぎて」
「自衛隊を批判している人の殆どはね」
 どうもというのです。
「こんな人達みたいだね」
「最低と呼んでもまだ足りない」102
「そんな人達だね」
「上本町のお店の人みたいな」
「そうだね」
「この人はあんまりだけれどね」
 流石にというのです。
「冗談抜きで生きていてね」
「果たして価値があるか」
「そのレベルだね」
「もうそれこそ」
「人としてね」
「人の痛みや苦しみ、悲しみがわからなくて」
 そうしてというのです。
「わかろうともしないならね」
「法律の大事さもわかってないし」
「世の中が何もわかっていない」
「肯定している人達の実態もそうで」
「そんな人ならね」
「もうね」 
 それこそというのです。
「人ですらない、生きものとしてもね」
「そこまでいくとね」
「僕達も思うからね」
「どうにもならないって」
「そうね」
「そうだね、だったら」
 先生はさらに言いました。
「駄目過ぎるね」
「全くだね」
「本当に」
「もうおしまい」
「そう言うまでに」
「そう思うよ、どういう考えなのか」
 それこそと言う先生でした。
「わからない位だよ」
「権力に反対するならテロしてもいい」
「無差別に関係ない人殺していい」
「自分達の邪魔な人を子供まで殺していい」
「それで国家権力はしたら駄目」
「それじゃあね」
「命は命でね」
 このことは変わらないというのです。
「そして殺された人達のことや遺族の人達の気持ちを考えないしようともしないのならそれこそだよ」
「人間ですらないね」
「生きものでもないね」
「最早ね」
「この世にあるね、餓鬼だよ」
 先生はこの存在だとお話しました。
「最早ね」
「仏教にある」
「あの餓鬼だね」
「いつも餓えて渇いている」
「あの存在だね」
「あまりにも浅ましくて下劣だと」
 そうした人ならというのです。
「餓鬼になるけれど」
「そうした人も餓鬼だね」
「最早そうなっているのね」
「身体は人間だけれど」
「そうだと思うよ、だからその人は死ねばね」
 その時はといいますと。
「仏教の考えではね」
「餓鬼になって」
「そしてずっと苦しむことになるね」
「そうなるのね」
「間違いなくね、そうなったらおしまいだよ」
 実にと言う先生でした、そしてです。
 先生は皆とさらにお話していきました、舞鶴に行くことが決まったうえで。








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