『ドリトル先生と桜島』




                第十二幕  地質調査を終えて

 地質調査は順調に進んで、でした。
 先生は予定最終日の前日に動物の皆にホテルのお部屋で皆に言いました。
「今日で無事にね」
「地質調査終わったんだ」
「そうなったんだ」
「今日で」
「そうなったよ、今日で終わる予定で」
 地質調査はというのです。
「明日は帰る予定だったけれどね」
「無事に終わったんだね」
「予定通りに」
「そうなったんだね」
「無事にね、無事に終わったこそがね」
 まさにと言うのでした。
「最高だよ」
「そうだよね」
「本当に良かったね」
「無事に終わって」
「予定通りにね」
「そうなって嬉しいよ、それでね」
 笑顔で言う先生でした。
「今日はお祝いに楽しもうね」
「無事に終わったお祝いで」
「それでだね」
「楽しむんだね」
「鹿児島の幸とお酒をね」
 是非にといううのです。
「ホテルが出してくれる」
「うん、そうしようね」
「色々あるけれどね」
「鹿児島の名物楽しもうね」
「皆でね」
「是非ね、いやあ楽しかったよ」 
 先生は今も笑顔で言いました。
「鹿児島の地質調査も」
「歴史も学べたしね」
「宇宙のことも」
「神秘的なものも感じられたし」
「いい調査だったね」
「美味しいものも飲んで食べられたしね」 
 このこともあってというのです。
「楽しかったね」
「本当にね」
「何かとよかったよ」
「それじゃあね」
「今日はお祝いしましょう」
「皆でね」
 皆で笑顔でお話してでした。
 この夜先生と皆は伊勢海老のお造りにかるかんや薩摩芋や他の海や畑の幸の天麩羅、鹿児島のお味噌を使ったお吸いものにです。
 鹿児島牛のローストビーフ、薩摩揚げに鹿児島のお野菜を使ったおひたしやお吸いものにご飯にです。
 焼酎にデザートのシロクマも楽しみます、ここで皆伊勢海老を見て言いました。
「伊勢海老っていうと三重県だけれど」
「あと鎌倉、神奈川県だよね」
「けれど鹿児島もなのかしら」
「伊勢海老名物なの?」
「うん、実は鹿屋では伊勢海老がお店で一匹丸ごと安く食べられたりするからね」 
 それでとです、先生は皆に答えました。
「僕もなんだ」
「こうしてなんだ」
「伊勢海老を注文してくれたの」
「今は」
「そうなんだね」
「そうだよ、そのお話を聞いても僕もと思っていて」
 それでというのです。
「実は今日は前以てねホテルの人にお願いしていたんだ」
「お祝いの為に」
「調査が終わったことへの」
「それでなのね」
「そうだよ、それで今ね」
 まさにというのです。
「こうして出してもらってるんだ」
「成程ね」
「そうしたこともしてくれたんだ」
「それでだね」
「今からだね」
「食べようね」
 笑顔で言ってでした。
 先生は皆と一緒に伊勢海老を中心とした鹿児島の美味しいものを楽しみました。そうしてなのでした。
 焼酎も飲んでです、先生は言いました。
「この焼酎もね」
「先生よく飲んだね」
「鹿児島で」
「そうしたね」
「日本はお酒も美味しいからね」
 だからだというのです。
「嬉しいよ、ただ鹿児島はお水はね」
「やっぱりよくないね」
「火山地帯だから」
「日本の他の地域と比べると」
「どうしてもね」
「このことはね」
 どうしてもというのです。
「あるからそれで焼酎がね」
「多いんだね」
「鹿児島は」
「薩摩芋やサトウキビから造るお酒が」
「そうなんだね」
「そうだよ、そしてこの焼酎もね」 
 芋焼酎を飲みつつお話します。
「美味しいね」
「うん、それじゃあね」
「こっちのお酒も楽しんで」
「それでお祝いしよう」
「無事に終わったことをね」
「そうしようね」
 こうお話してでした。
 皆で飲んで食べて楽しみました、そうして先生は翌日鹿児島駅から列車で福岡に行ってそこから新幹線で神戸まで戻ることになっていますが。
 鹿児島から福岡に向かう特急に乗ってです、皆驚きました。
「速いね」
「どんどん進むね」
「これは鹿児島まですぐだね」
「すぐに行けるね」
「そうだね、そして福岡に着けばね」
 先生もその速さに笑顔で言います。
「新幹線に乗り換えてだよ」
「それでだよね」
「神戸まで一気に帰る」
「そうするのね」
「そうするよ、新幹線はね」
 この列車はといいますと。
「やっぱりロマンがあるよね」
「そうそう」
「日本の列車っていうと新幹線だけれど」
「何と言っても」
「新幹線は速くて安定していて」
「最高だよね」
「新幹線は日本の鉄道技術の粋を集めたね」
 そうしたというのです。
「最高の鉄道だよ」
「鉄道を生み出したのはイギリスだけれどね」
「僕達が生まれた」
「けれどイギリスにもあんなものないしね」
「新幹線みたいなものは」
「アニメにも使われる位にね」 
 新幹線はというのです。
「日本人に愛されているものだよ」
「そうだよね」
「じゃあその新幹線に乗ろう」
「今日はね」
「そうして帰りましょう」
「僕達はよく八条鉄道を利用するけれどね」
 先生は微笑んで普段のことをお話しました。
「旅行の際は」
「そうだよね」
「先生が働いている八条大学を経営している八条グループが経営している企業の一つで」
「日本全土に路線があって色々な種類の列車を運用している」
「その企業の鉄道を使っているけれどね」
「時にはね」 
 今回の様にというのです。
「こうした八条鉄道以外の会社の列車に乗って」
「それで新幹線にも乗る」
「それもいいね」
「時には」
「そうだよ、じゃあ新幹線にも乗ろうね」
 皆に先生ご自身も新幹線に乗ることに期待しつつ言います。
「そうしようね、地質調査も終わったしね。帰ってからレポートを書くよ」
「そうそう、地質調査」
「それは終わったけれどね」 
 チープサイドの家族はそのお話が出て言いました。
「どうだったのかな、結果」
「調査のね」
「これから書くっていうけれど」
 ホワイティも言います。
「どうだったのかな」
「色々わかったみたいだけれど」
 老馬も考えるお顔になっています。
「具体的にはどんな風だったかな」
「火山灰凄かったけれどね」
 トートーはしみじみとして言いました。
「僕達がいる間も噴火して降っていたし」
「本当に桜島毎日噴火していたわね」
 ダブダブはしみじみとした口調で言いました。
「言われていた通りに」
「世界一の活火山なのは伊達じゃなかったね」
 ジップはダブダブに応えました。
「本当にね」
「あんな風に毎年毎日みたいに噴火していたら」 
 どうなるか、ポリネシアは言いました。
「火山灰は積もる一方ね」
「じゃあ毎年火山灰が増えていっているね」
 チーチーはこう考えました。
「鹿児島は」
「長年に渡ってそうなってきていて」
 ガブガブも考えつつ言います。
「それでこれからもかな」
「じゃあ前の調査より火山灰の濃度は上がってるね」
「そうなってるね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「やっぱり」
「絶対にそうだよね」
「うん、前回の調査は別の人がしたけれど」
 先生も皆に答えて言います。
「その調査を見るとね」
「そうなっていたんだ」
「やっぱり」
「濃度が高まっていたんだ」
「火山灰のそれが」
「そうなっていたよ」
 実際にというのです。
「これがね」
「ああ、やっぱり」
「やっぱりそうなっていたんだ」
「火山灰がね」
「そうなんだね」
「そうだったよ」
 実際にと言うのでした。
「これがね」
「そうなのね」
「毎年毎日みたいに噴火して」
「それで火山灰が降ると」
「必然的にそうなるね」
「どうしても」
「そうだよ、このことはね」
 今度は達観した様に言う先生でした。
「鹿児島だと仕方ないね」
「桜島がある限りね」
「どうしてもね」
「そうなるね」
「火山灰が積もっていくね」
「そうなるよ、それでもね」
 さらにお話する先生でした。
「鹿児島の人達はその中で笑顔で生きているね」
「昔からね」
「その桜島を象徴にさえして」
「身近に寄り添って」
「そのうえでね」
「桜島は霊的に素晴らしい力も持っているしね」
 このこともお話するのでした。
「鹿児島を護ってもいるしね」
「火山灰を降らせて」
「それでお米は採れにくいけれど」
「それでもね」
「鹿児島の人達を護ってくれてもいるからね」
「いいんだよ」
 そうだというのです。
「逆に桜島がないとね」
「鹿児島って感じがしないね」
「もうね」
「そうなると」
「そうだね、桜島があってこそ」
 毎年毎日みたいに噴火するこの山がというのです。
「鹿児島なんだよ」
「そういうことだね」
「そのことも学べたよ」
「いい調査だったね」
「それで旅行だったわね」
 皆で笑顔でお話してでした。
 そのうえで鹿児島を列車で後にして福岡で新幹線に乗り換えます、その新幹線に乗るとこれまたでした。
 物凄い速さで進んでいきます、九州をあっという間に去ってです。
 トンネルも一瞬でした、そして。
「もう本州に入ったね」
「福岡からね」
「それで山口県に入って」
「次は広島県だね」
「これが新幹線だよ」 
 先生は皆にお話しました。
「まさに風の様にね」
「進んでいくね」
「日本を」
「そうしているね」
「そうなんだ、この速さでもね」
 物凄い速さでもというのです。
「揺れていないね」
「そうそう、全くね」
「新幹線って揺れないね」
「落ち着いているよ」
「凄くね」
「この揺れなさもね」
 このこともというのです。
「素晴らしいね、こんなものがあることも」
「日本だね」
「日本の鉄道だね」
「こんな素晴らしいものを生み出せるのも」
「日本の凄いところだね」
「イギリスを超えたとね」
 鉄道においてです。
「常々思うけれど」
「新幹線でもだよね」
「思うよね」
「イギリスを超えたって」
「そうなっているってね」
「本当にね、凄い国もあったものだよ」
 こうまで言う先生でした。
「ここまでのものを生み出せるなんだ」
「鹿児島から福岡に行く特急もよかったしね」
「あちらもね」
「新幹線だけじゃないから」
「余計にね」
「JRにね」 
 この企業にというのです。
「日本のそれぞれの企業が色々な種類の列車を運用しているけれど」
「素晴らしいね」
「どの列車も」
「新幹線だけじゃない」
「それが日本の鉄道だね」
「日本の鉄道文化を知れば」
 こうまで言う先生でした。
「その素晴らしさに魅了されるよ」
「だからファンの人も多いね」
「鉄道マニアの人達も」
「鉄ちゃんて言われている人達も」
「そうだよ、ただ本当のマニアはね」
 その人はといいますと。
「マナーを守るから」
「一部の撮り鉄みたいな人はね」
「どうしてもね」
「やったら駄目だよね」
「本当にね」
「色々酷いからね」
 撮り鉄と呼ばれる人の一部の人達はというのです。
「聞いているだけでも」
「マナー以前の問題だよね」
「無法と言ってもいいから」
「危ない行為もするしね」
「駅員さん達の注意も聞かないし」
「中には水田のお水に映る列車の光景がいいからと言ってね」 
 それでというのです。
「水田に勝手にお水引いたりするしね」
「それも酷いね」
「滅茶苦茶ね」
「犯罪だよね」
「そこまでいくと」
「そんなことをしたらね」
 それこそと言う先生でした。
「農家の人が迷惑するか」
「全くだね」
「本当にね」
「何と言ってもね」
「人間として間違ってるね」
「だからしないことだよ」
 本当にというのだ。
「そんなことはね、マナーはね」
「全く以てだね」
「守らないとね」
「最低限のマナーだよ」
「仮にも何かが好きなら」
「マナーは守らないとね」
 心から言う先生でした、そうしてです。
 新幹線は山口県からです、広島県に入って岡山県にも入り兵庫県にもとなって遂に新神戸駅に着いてでした。
 そしてです、皆でお家に着きましたが。
「あっという間だったね」
「鹿児島からここまで」
「まだ夕方にもなってないよ」
「本当にね」
「そうだね」
 先生もお家の中で応えました。
「驚く位早かったね」
「そうだよね」
「鹿児島から神戸って離れてるけれど」
「九州の端から関西まで」
「けれどね」
 それがというのです。
「乗り継ぎはしても」
「それでもね」
「普通にここまで来られたね」
「驚く位に速く」
「そうだね」
「さて、じゃあ今日はゆっくりして」
 そうしてと言う先生でした。
「明日からね」
「レポートだね」
「それを書くね」
「そうするね」
「そうするよ、そしてね」
 そのうえでというのです。
「楽しませてもらうよ」
「レポート書くのも楽しいね」
「そうだね」
「先生にとっては」
「そうだからね」
 だからと言う先生でした。
「楽しみだよ」
「全くだね」
「書く方も」
「そちらもね」
 笑顔で言ってでした。
 先生はレポートも書きました、それはすぐに完成して誤字や内容のチェックをしてそのうえで提出しました。
 そうしてでした、先生は。
 皆に言われて日笠さんに直接お土産を渡すことになりましたが。
「皆いつもこう言うよね」
「日笠さんについてはですね」
「直接渡す様にだね」
 トミーと王子が応えました。
「僕達いつも言ってるけれど」
「そこはちゃんとですよ」
「先生いつも手渡しだけれどね」
「僕達に対してもですが」
「日笠さんには特にだよ」
「絶対にお願いしますね」
「わかったよ、しかし何でかな」
 先生は気付かないまま首を傾げさせました。
「皆日笠さんにはそう言うのかな」
「まあそれはです」
「先生以外は皆わかっているからね」
「だから今はそれでいいです」
「先生はそうでもね」
「そうなんだね、じゃあ日笠さんにも直接ね」
 手渡しすると言って実際にでした。
 先生は日笠さんにもお土産を手渡ししました、すると日笠さんはとても喜んでくれました。そうしてです。
 その後で、です。動物の皆は先生にやれやれといったお顔で言いました。
「いつもこうだからね」
「先生はね」
「僕達も気が気じゃないよ」
「いつもは思い込まないのに」
「このことだけは思い込んで」
「全く気付かないから」
「困ったことよ」
 日笠さんの勤務している動物園に行ってお土産を渡して研究室に帰る時に先生にぼやきつつ言うのでした。
「こんな先生だからね」
「何かと心配だよ」
「これはトミーも王子も頑張ってるけれど」
「私達も頑張らないとね」
「今まで通りね」
「ううん、皆日笠さんと会った時そう言うけれど」
 それでもとです、先生は皆に言いました。
「何でかな」
「何でってね」
「そのこともずっとわかってないし」
「あんなにはっきりしてるのに」
「それがわからないのがね」
 皆はどうかとまた言います。
「本当にね」
「まあそれはだよ」
「皆で何とかしていくから」
「先生が気付かなくても」
「任せてね」
「じゃあね」
 先生はわからないまま頷きました。
「そうさせてもらうね」
「そういうことでね、じゃあ後はね」
「もうお昼だしね」
「ちょっと研究室で論文書いて」
「お昼ご飯食べに行こう」
「そうしましょう」
「そうしようね、今日はハンバーグ定食をね」 
 先生は笑顔で言いました。
「食べようか」
「ああ、今日はハンバーグなんだ」
「ハンバーグ食べるのね」
「そうするんだね」
「お昼は」
「そうしようね」
 先生は皆にさらに言います。
「皆でね」
「ハンバーグいいよね」
 ジップは尻尾をパタパタさせて言いました。
「僕も大好きだよ」
「何か日本のハンバーグって違うんだよね」 
 トートーはこう言いました。
「ドイツのものとはまた」
「独特の味わいで」
 それでと言うポリネシアでした。
「先生もよく食べるね」
「ハンバーグはドイツが本場だけれど」
 ダブダブはこの国のことを思いました。
「日本のハンバーグは独自の進化を遂げたわね」
「日本のハンバーグは洋食のうちにあってね」
 ホワイティも言います。
「また違うね」
「ハンバーグの上に目玉焼きかチーズを乗せたら」
 どうかとです、今言ったのはガブガブでした。
「先生特に喜んでるね」
「そうしたら余計に美味しいってね」
「先生いつも言ってるわね」 
 チープサイドの家族も言います。
「ハンバーグと目玉焼きかチーズ」
「その組み合わせがいいってね」
「先生の好物と言ったら」
「色々あるけれどね」
 オシツオサレツも二つの頭でお話します。
「ハンバーグもその一つだね」
「日本のね」
「そういえばハンバーグ専門店あるね、日本には」
 チーチーはそうしたお店のお話をしました。
「これがまた人気だよね」
「それで今日のお昼はハンバーグ定食」
 老馬も先生に言います。
「そうするんだね」
「そうするよ、ハンバーグとご飯の組み合わせがね」
 これがというのです。
「またいいよね」
「パンもいいけれど」
「ハンバーガーもあるし」
「けれど日本のハンバーグってね」
「ご飯にも合うんだよね」
「そうなんだよね、凄くいいね」
 こうお話してでした。
 先生はそのお昼は実際にハンバーグ定食を楽しみました、そしてサラが来た時はお家でトミーが作ってくれたハンバーグを食べますが。
 サラはそのハンバーグを食べながら一緒に食べている先生から鹿児島のお話を聞いてこう言いました。
「鹿児島ね、機会があったらね」
「サラもだね」
「行ってみたいわ」
 こう先生にお話しました。
「是非ね」
「そうなんだね、サラも」
「ええ、桜島も見たいし」
 それでというのです。
「一度ね」
「じゃあ行ってきたらいいよ」 
 先生はサラに笑顔で応えました。
「機会があれば」
「その時にね、ただね」
「ただ?」
「いつも噴火して火山灰が凄いのよね」
 サラは先生に尋ねました。
「兄さんもそれで地質調査に行ったし」
「そうしたら前回別の人が調査した時よりもね」
 先生は妹さんに答えました。
「火山灰の濃度が上がっていたよ」
「そうだったのね」
「いつも噴火して」
 そうしてというのです。
「積もっていっているから」
「年々なので」
「少しずつでもね」
「火山灰が積もっていってるのね」
「鹿児島県はね」
「そうなのね」
「それがね」
 まさにと言う先生でした。
「あちらなんだよ」
「成程ね」
 サラもお話を聞いて頷きました。
「日本にはそうした場所もあるのね」
「そうなんだ」
「色々な場所がある国ね」
「サラにいつもお話しているね」
「そうね、それでお話を聞いてね」
「それを実感するね」
「そうしているわ、日本にはいつも来てるけれど」
 それでもと言うサラでした。
「お仕事だから」
「色々な場所には行ってないね」
「そうなのよね、関西はよく回るけれど」
「時間がある時にね」
「そうしているけれど」
 それでもというのです。
「関西以外はね」
「中々だね」
「行ってないわ、今回は旅行で来たけれど」
「行くのは神戸とだね」
「広島よ」
 そちらだというのです。
「主人が行きたいって言っていてね」
「前からね」
「行くけれど」
「広島の海を観に行くのかな」
「江田島の海軍の資料とね」
 日本の帝国海軍のというのです。
「それと呉の軍港に街並みもね、広島もだけれど」
「街並みもなんだ」
「ほら、あそこ映画にも出てたでしょ」
 サラは今は動物の皆とサラが先生に教えてもらったその彼女から教えてもらった動物の言葉で彼等とお話をしているご主人にお話しました、ご主人はもう食べ終わっています。
「呉とか広島の街は」
「ひょっとしてヤクザ映画の」
「そう、あのシリーズのね」
「昭和の映画だったね、日本の」 
 先生はとても大きなハンバーグを食べつつ応えました。
「菅原文太さん主演の」
「あの映画がたまたまイギリスでも放送されたのよ」
「テレビでかな」
「そう、それでね」 
 そのうえでというのです。
「英語訳されて声優さんが声をあてていたけれど」
「あのシリーズ観たんだ」
「私達マフィアものとか観ないけれど」
「僕もだよ、そうしたお話は趣味じゃないからね」
 先生にしてもです。
「普通はね、けれどあのシリーズはね」
「観たのね」
「面白いって聞いたから」 
 だからだというのです。
「観てみたけれど」
「よかったのね」
「ヤクザ屋さんの世界は好きじゃないけれど」
「それでもよね」
「その群像劇と心理描写とね」
 それにと言う先生でした。
「広島弁の使い方がね」
「いいのね」
「サラも日本語は方言が多いのは知ってるね」
「ええ」
 サラはその通りだと答えました、ハンバーグを食べてご飯のおかずにしますがとても美味しいと感じています。
「関西もそうでね」
「それぞれの地域でね」
「方言があってね」
「訛が独特なんだよ」
「他の言語に比べて」
「それでね」
 そのうえでというのです。
「広島弁もね」
「あの映画ではなのね」
「独特なんだ」
「私も主人も日本語はわかるけれど」
「サラ達が観たのは英語になっていたね」
「だから広島弁じゃなくて」
 それでというのです。
「兄さんが今お話してるそのことはね」
「わからなかったんだね」
「ええ、けれど実際はなのね」
「そう、あのシリーズはね」 
 まさにというのです。
「広島弁でね」
「喋ってるのね」
「日本語は日本語でもね」
「標準語じゃないのね」
「そうなんだ」
 まさにというのです。
「あのシリーズは」
「じゃあ今度日本語のままのものをね」
「観てみるかな」
「そうするわ」
 実際にと答えたサラでした、そしてです。
 サラは先生にです、こうも言いました。
「鹿児島県も方言凄いのよね」
「それは聞いてるんだね」
「ええ、そうよね」
「実はね」
 まさにとです、先生はお話しました。
「日本でもかなりね」
「方言が凄いのね」
「そうなんだ」
 こうサラにお話します。
「青森県の津軽と並んでね」
「あちらとなのね」
「だからそこはね」
「注意することね」
「うん、まあ昔の鹿児島弁とは違うから」
「昔のものはもっとなの」
「わざと他の地域の人が聞いてもわからない様にしているから」
 それ故にというのです。
「もうね」
「かなりわかりにくいのね」
「僕も学んで」
 昔の鹿児島弁をというのです。
「やっとね」
「わかったのね」
「そうした言葉で今はお年寄りでもかなりね」
「ご高齢の人でないとなの」
「使えないから」 
 それでというのです。
「学んで残しておかないと」
「駄目なのね」
「そうなんだ、言葉もね」
 どうしてもというのです。
「使う人がいないと」
「忘れてしまうわね」
「イギリスでもそうだね」
「ええ、英語イングランドの言葉は主流で」
 それでとです、サラも応えます。
「他の国の言葉はね」
「スコットランドやウェールズ、アイルランドのね」
「アイルランドは南が独立してね」
「アイルランド語を喋る様になっているけれど」
「それでもね」
「スコットランド語やウェールズ語はね」
「どうもね」
 これがというのです。
「忘れられていっているね」
「特にウェールズ語はね」
「そうだね、だから方言もね」
 こちらもというのです。
「使う人がいないと」
「なくなるのね」
「だからね」 
 それでというのです。
「僕もね」
「学んでなのね」
「残る様にしているんだ」
「そこは兄さんね、では機会があったら」
「その時はね」
 まさにと言う先生でした。
「鹿児島に行って」
「そしてね」
「楽しんでくるといいよ」
「言葉についても」
「是非ね、あと鹿児島は暑いから」
「神戸とは違って」
「逆に言うと神戸は夏は涼しいけれどね」
 それと共にというのです。
「冬は寒いね」
「何しろすぐ後ろが山で前が海だから」
「山から風が下りてきてね」
「凄く冷えるね」
「そうなるから」
 だからだというのです。
「神戸は寒いと言っていいけれど」
「鹿児島は暑いのね」
「そうなんだ」
 まさにというのです。
「そのことをね」
「覚えておくことね」
「そうだよ、桜島はいつも噴火していて」
「火山灰が凄くて」
「方言も独特でね」
「暑いのね」
「そうだよ、何しろね」
 先生はハンバーグを食べてから赤ワインを飲んで言いました。
「日本のハワイって言っていた街もあったし」
「日本のなの」
「今は空豆の街って言ってるけれどね」
「昔はそう言っていたのね」
「そうした街があって」
 そうしてというのです。
「ハウス栽培でもマンゴーを作られる位にだよ」
「暑いのね」
「そうなんだ」
「沖縄みたいなのかしら」
「沖縄程じゃなくても」
 それでもというのです。
「暑いよ」
「そうした場所ね」
「そうなんだよ、あちらは」
「わかったわ、そのこともね」
 サラは先生に笑顔で応えました。
「覚えておくわね」
「そうしてだね」
「機会があればね」
 その時はというのです。
「行って来るわね」
「そうしてね」
「是非ね、まあ日本はね」 
「どうしたのかな」
「日本人は狭いって言うけれど」 
 それでもというのです。
「イギリス本土よりもね」
「広いね」
「しかも多彩だから」
「それぞれの場所で違うね」
「寒いところもあれば」
 それと共にというのです。
「暑い場所もね」
「あるね」
「全く違うからね」
 その気候がというのです。
「イギリスもイングランドとスコットランドでまた違うけれど」
「スコットランドの方が寒いね」
「そうなのよね」 
 そうなっているというのです。
「緯度が北にある分ね」
「その通りだね」
「けれど日本はね」
「本当に地域の違いが凄いね」
「方言もそうでね」
「そっちもだから」
「独特の国だね」
「そう思うわ」
 サラにしてもです。
「京都と大阪と神戸でもね」
「気候が違うね」
「いや、京都はね」
 サラは少し苦笑いになってお話しました。
「夏暑くてね」
「冬は寒いね」
「神戸と逆でね」
「あちらは盆地だからね」 
 その為にとです、先生もお話します。
「だからね」
「そうした気候ね」
「そうなんだ」
 京都はというのです。
「そこが京都の難点だよ」
「気候的な」
「それで大阪は夏は暑いけれど」
「冬は暖かいわね」
「比較的ね」
「あちらは結構拓けてるから」
「平野部でね」
「そうした気候ね、日本は四方が海に囲まれていて」
 そしてと言うのでした。
「山も多くて北東から南西に拡がっているから」
「地域差がだよ」
「凄いのね」
「そうした国になっているんだ」
「そういうことね」
「だから鹿児島もね」
 この県もとです、先生はハンバーグと一緒にあるサラダも食べてお話しました。
「その日本の南西の端にあるから」
「本土の」
「それでだよ」
「暑いのね」
「桜島の影響で火山灰が多くて」
 このこともあってというのです。
「方言もね」
「独特ね」
「そうだよ、けれど行ってみたら」
「いいのね」
「きっと素晴らしいものを一杯観ることが出来るよ」
「ではそうするわね」
「是非ね、しかし」
 こうも言った先生でした。
「後はね」
「機会ね」
「そう、それ次第だよ」
 まさにと言うのでした。
「機会はね」
「何時来るかわからないわね」
「急に来ることもあれば」
 若しくはというのです。
「中々ね」
「来ない場合もあるわね」
「うん、そこは神様の采配だよ」
「それ次第ね」
「けれどそれが来たら」
 機会、それがというのです。
「是非だよ」
「そこに行くことね」
「そうだよ、僕も今回その機会があってね」
「鹿児島に行けて」
「何かと満喫出来たからね」
 だからだというのです。
「サラもね」
「そうさせてもらうわね、それじゃあ兄さんお土産のね」
「鹿児島のものもだね」
「楽しませてもらうわね」
 お兄さんである先生ににこりと笑って応えます。
「是非ね」
「うん、そうしてね」
「そして何時かね」
「サラもね」
「鹿児島に行くわ」
 ハンバーグを食べながら笑顔で言います、見ればです。
 先生はハンバーグをお箸で食べていますが今はサラもでした、先生はそのことに気付いて言いました。
「サラも日本文化に慣れてきたね」
「そうかしら」
「お箸だって使ってるしね」
 このことから言うのでした。
「慣れてきたね」
「自然とそうなってきたわね」
「うん、じゃあまたね」
「お箸を使って」
「それで鹿児島のお料理も食べてね」
「そうさせえもらうわね」 
 サラはにこりと笑って応えました、そのうえで先生から鹿児島県のお話をさらに聞いてでした、行く機会が来ることを楽しみにするのでした。


ドリトル先生と桜島   完


                   2023・1・11








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