『ヘタリア大帝国』
TURN83 ハニワとの戦い
枢軸軍はまずはメキシコ、そしてキューバに攻め入った、主力はメキシコに向かいキューバに向かったの分遣的な戦力だった。
宇垣は目の前のキューバ率いるアステカ軍と自分達の軍を見比べて言った。
「敵の戦力の主力はメキシコにいる」
「はい、そうです」
「そうなってるんだぜ」
共にいおる日本妹と韓国が応じる。
「ですからここに送られたのは十個艦隊で」
「残りは全部向こうだぜ」
「そうですな。こちらは敵の艦隊も少ない」
見れば数は同じ位だ。
「キューバ殿の艦隊に人間の艦隊が四つ」
「ハニワ艦隊も三つ」
「そして宇宙怪獣が二つだぜ」
「規模はわかりました」
そこまで聞いて頷く宇垣だった。
「問題はハニワですが」
「彼等には艦載機で攻撃を仕掛けます」
日本妹がすぐに言う。
「人間の艦隊、宇宙怪獣はビームです」
「それでよいかと」
宇垣も日本妹の言葉に頷く。彼等の他にここに来ているのは台湾兄妹とハンガリー兄、それに韓国妹にイタリアとロマーノ、そしてだった。
「今回はだ」
「はい、実験的にですな」
宇垣はモニターに出た津波に応えた。
「夕霧殿も」
「宜しくお願いします」
ピンクの淡い感じの長い髪に目の少女がモニターに出て来た、服も軍服ではないがピンクで可愛らしい感じだ。
その彼女が宇垣に敬礼して言ってくる。
「私達の初陣になりますが」
「それでも頑張りますんで」
「色々ご指導下さい」
「学習能力には自身があります」
それぞれ水色。レモンイエロー、そして緑の夕霧と同じ姿と服で色だけが違う少女達もモニターに出て来た。
「朝霧です」
「昼霧です」
「夜霧です」
「一日の時間で名前を統一してみた」
津波は久重の口から宇垣に説明する。
「どうだろうか」
「名前はいいのでは」
「そうか」
「はい、ただ問題は」
「戦力としてだな」
「それが気になりますが」
宇垣は夕霧達の戦艦としての姿を見ながら言う。
「果たして」
「それは今からわかる」
戦闘によってだというのだ。
「データの上での性能はわかっているがな」
「実践ではどうか、ですね」
「そうだ、それが今からわかる」
「わかりました、では今から戦闘に入ります」
「頼んだぞ。そして外相」
「わしにもですか」
「若し外相に何かがあってもだ」
何故かここで津波は宇垣にも言った。
「安心してくれ」
「安心してくれとは」
「今丁度色々考えていいるところだ」
「色々とは一体」
「その時になればわかる」
今ではないがそれでもだというのだ。
「まあ安心してくれ。悪い様にはならない」
「悪い様にとは」
「私はこれでも外相が好きだ」
そうだというのだ。
「命を失わせはしない」
「ですか」
「そういうことだ、それではだ」
「はい、それでは」
宇垣は津波の今の話にはいぶかしみながら頷いた、そしてだった。
日本帝国軍は前に出た、それに対して。
キューバは敵軍を見ながら率いている将兵達に対して言った。
「じゃあやるで」
「はい、迎撃ですね」
「それに取り掛かりますね」
「そや、こっちは十個艦隊でや」
そしてだった。
「向こうも十個艦隊や」
「戦力的には互角ですね」
「数は」
「数はな。けれどや」
「問題は向こうの装備ですね」
「それに戦術ですね」
「あっちは第六世代やな」
その世代の艦艇を使っているというのだ。
「それに対してこっちはや」
「第四世代がやっと出て来たところ」
「劣っていますね」
「そや、質は劣ってる」
人間が乗る艦艇のそれはというのだ。
「そやけどや」
「ハニワ艦隊にですね」
「それに宇宙怪獣ですね」
「ホーーーー!任せろ!」
「俺達がいるぞ!」
ハニワ達もここで言う。
「俺達にビームは通じない!」
「バリアになるぞ!」
「そやな、頼りにしてるで」
キューバも彼等に笑顔で返す。
「この戦いもな」
「任せろ!悪い様にはならない!」
「何があってもだ!」
「それに宇宙怪獣もおるしな」
彼等は様々な種類が混在してそこにいる。
「戦術次第やけれど悪い勝負にはならんか」
「はい、いけますね」
「これは」
「せめて向こうの提督の一人位いでこましたろか」
キューバは枢軸軍を見て言う。
「そうしよか」
「イタリア兄弟の艦がありますしそこを攻めます?」
「そうしますか?」
「ああ、あの二人も攻めるわ」
敵の弱点を攻める、これは当然だった。
「それにや」
「はい、さらにですね」
「敵の指揮官も」
「あの戦艦な」
キューバは今は宇垣の乗艦になっている長門も見た。
「あれも沈めるか」
「何か妙に目立つ戦艦ですね」
「狙わずにはいられません」
「不思議な戦艦ですね」
「あの戦艦は」
「そやな。あの戦艦も攻めるか」
また言うキューバだった。
「イタちゃんの兄弟と一緒にな」
「そうですね、では今から」
「迎え撃ちましょう」
こうした話をしてだった、そしてそのうえで。
アステカ軍も攻撃に入る、その中で。
日本妹とイタリア兄弟が率いる機動部隊からかなりの艦載機が発艦した、日本妹は艦載機のパイロット達に言った。
「ハニワ艦隊を狙って下さい」
「はい、まずはですね」
「彼等を叩きますか」
「予定通りそうします」
こう言うのだった。
「彼等にはビームが通じません、ですから」
「我々はハニワ艦隊を攻撃する」
「そうするjのですね」
「そうです、ではお願いします」
「了解です」
「それでは」
日本軍は真面目にやり取りをしていた、だが。
イタリアは明るく彼のパイロット達に言った。
「じゃあ頑張ってきてね」
「はい、祖国さんもやられなで下さいね」
「俺達が帰る場所は置いておいて下さいよ」
「うん、大丈夫だよ」
イタリアは大型空母の艦橋からモニターの彼等に手を振りながら言う。
「だって日本の妹さん達も一緒だから」
「あの、私ですか?」
日本妹がそのイタリアに応えた。
「イタリアさん達のフォローを」
「助けてくれるよね」
屈託のない顔でのお願いだった。
「それじゃあね」
「それじゃあって、ですから」
「だってここにはドイツいないしさ」
「あいついなくていいだろ」
ロマーノはこんな調子だ。
「別によ」
「だってドイツいつも俺を助けてくれるし」
何だかんだ怒りながらもそうするのがドイツだ。
「そのドイツも日本もいないから」
「それで私ですか」
「うん、駄目かな」
「いえ、駄目ではないですけれど」
こうしたことは基本的に断らないのは兄と同じだ、だがだった。
女に助けてみらう、日本妹はこのことに対してイタリアに問い返す。
「私は女ですが」
「俺いつも妹達に助けてもらっててね」
「だからですか」
「駄目かな、本当に」
「イタリアさん達さえよければですが」
「俺は必要ないぞこの野郎」
「いえ、それは」
その話になるとだった。
「そういう訳にはいきません」
「だからいいって言ってるだろ」
「何か放っておけないので」
ロマーノにイタリアと同じものを感じての言葉だ。
「ですから」
「ちっ、何でそうなるんだよ」
「とにかく。我々は攻撃を仕掛けました」
日本妹はロマーノの抗議を置いておいて話す。
「まずはハニワ艦隊を倒し」
「そしてだね」
「艦載機が帰還すれば」
その時にだというのだ。
「一旦後方まで下がりましょう」
「あっ、そうしていいんだ」
「空母の防御力は弱いですから」
だからだというのだ。
「今は下がりましょう」
「うん、それじゃあね」
「後援護ですが」
イタリアが日本妹の言葉に頷くとすぐにだった、夕霧達が出て来た。
「私達にお任せ下さい」
「君達も俺達を助けてくれるんだ」
「はい」
夕霧は海軍の敬礼で笑顔でイタリアに答える。
「そうさせてもらいます」
「じゃあね」
イタリアは夕霧の言葉に気さくにそうさせてもらうと返した、そしてだった。
まずは艦載機達がハニワ達に向かう、そしてだった。
そのハニワ艦に攻撃を仕掛けた、周囲に群がり波状攻撃を浴びせる。
「よし!今だ!」
「攻撃開始だ!」
艦載機の魚雷や爆弾、ミサイル等を放ちそれでハニワ達を攻撃する。ハニワ達は確かにビームには強かった。
だが艦載機からの攻撃を受けて次々に割れる、そして。
「ホーーーー!」
「ホーーーー!」
絶叫と共に四散していく、瞬時にくっついて元に戻るがそれでもだった。
「割れ目をなおさなくては!」
「一旦撤退しよう!」
「ああ、はよさがるんや!」
キュ−バもそのハニワ達に告げる。
「無理すんな!」
「わかったホーーー!」
「ここでは下がるホーーーー!」
ハニワ達もキューバの言葉を受けて下がる、枢軸軍はまずはハニワ達を退けた。
それから次はだった。
台湾兄妹の艦隊が前に出る、そして。
「よし、出番なんだぜ!」
「やってやるニダ!」
韓国兄妹の艦隊もだった、彼等は戦艦と水雷駆逐艦からなる打撃部隊を指揮している。
それは宇垣に夕霧、ハンガリー兄もだ。既に機動部隊は一旦下がっている。
宇垣は打撃部隊を動かしながら言った。
「まずは宇宙怪獣を叩き」
「そしてですね」
「そのうえで」
「敵の普通の艦隊も攻撃する」
彼等もだというのだ。
「そうするとしよう」
「わかりました、それでは」
「ここは」
「敵は既に七個艦隊」
ハニワ艦隊は見事に全滅している。
「その七個艦隊を叩けばいい」
「問題は宇宙怪獣ですね」
ここで言ったのはハンガリー兄だった。
「彼等とキューバさんの艦隊は手強いですね」
「その通りです」
宇垣もこう答える。
「問題は彼等です」
「では彼等には攻撃を集中させますか」
「特に宇宙怪獣です」
宇垣は宇宙に展開する異形の者達を見据えていた。
「艦隊の中の数も多いですし」
「だから問題ですね」
「ここは」
「そうです。注意しましょう」
こう言ってそしてだった。
まずは宇宙怪獣を攻める、戦艦の一斉射撃が宇宙怪獣を襲う。
無数の光の矢が彼等を撃つ、それでかなりの数は倒せた。
だが彼等は健在だった、何とか艦隊としての体裁は保っている。
宇垣もそれは想定していた、それで言うのだった。
「次の水雷攻撃です」
「それで止めですね」
「はい、そうしましょう」
「じゃあ今は」
ハンガリー兄は宇垣に応じつつ言う。
「このまま人間の艦隊と」
「キューバ殿の艦隊を攻撃します」
宇垣は戦術もわかっていた、伊達に海軍出身ではない。
「そうしますので」
「わかりました、それでは」
人間の艦隊とキューバが直接指揮する艦隊への攻撃も行われる、そしてだった。
「駄目です、通常艦隊壊滅です!」
「敵の攻撃力が違います!」
「やっぱなあ」
キューバはそれを聞いて歯噛みした。
「人間同士は艦艇の質が大きいわ」
「残念ですが」
「そうなりますね」
「ああ、そやけどな」
キューバはそれでも前を見て言う。
「諦めへんで」
「ではまだですね」
「戦いますか」
「宇宙怪獣やけどな」
彼等のことだった。
「使い手のハニワおるな」
「ホーーー!」
ハニワの声がした、見れば艦橋に一人いる。
「ここにいるぞーーー!」
「まだ怪獣いけるやろ」
「何とかいける!」
「一矢報いたる」
そうすると言ってだった。
「ええか、攻めるで」
「どう攻める?」
「イタちゃんの艦隊攻めるわ」
見ているのは彼等の機動部隊だった。
「あれに攻撃や」
「キューバさんもか?」
「まだ何とか戦える」
「じゃあビーム攻撃で」
「それで攻めるで」
こう言ってそうしてだった。
キューバは自身の艦隊と宇宙怪獣達をイタリア兄弟が指揮する機動部隊に向かわせる、そうしてだった。
「ビームの一斉射撃や!」
「了解!」
「それでは!」
「ホーーーー!」
残った軍勢が向かう、それを見て。
イタリア達は早速泣きだした。
「敵が来たよ!」
「怖いブーーーーー!」
「逃げるブーーーー!」
イタリアと一緒にいるポルコ族の面々も一緒に泣き叫ぶ。
「祖国さん逃げるブーーーー!」
「このままではやられるブーーーー!」
「そ、そうだよ逃げよう!」
イタリアもここで言う。
「さもないとやられるよ!」
「俺は逃げるぞこの野郎!」
ロマーノは早速そのつもりだった。
「何でこっちに来るんだよ!」
「空母が脆いからじゃないかな!」
「そこで冷静に言うな!」
とか何とか弟とやり取りをしながらだった。
彼等は全速力で逃げようとする、しかしキューバ達は迫る。
「速いよ!」
「そんなの俺に言うな!」
「怖過ぎるブーーーー!」
「何でこっちに来るブーーーー!」
「あの」
イタリア達に夕霧が言ってきた、少し呆れた声だ。
「先程申し上げましたが」
「あっ、そうだったね」
「はい、ここはです」
どうかというのだ。
「私にお任せ下さい」
「俺達を守ってくれるんだったね」
「そうです」
だからだというのだ。
「ここは私達が前に出ますので」
「それって盾になるってことだよね」
「その通りです」
「俺達が助かるのはいいけれど」
イタリアは夕霧に言う。
「けれど君達はっていうのは」
「ご心配なく、耐久力はあります」
「戦艦にしては小さいと思うけれど」
「小さくともです」
それでもだというのだ。
「ダメージコントロール能力もあります」
「そうなんだ」
「はい、ですから」
「じゃあお願い出来るかな」
「わかりました、それでは」
夕霧達はイタリア達の機動部隊の前に出た、そしてだった。
キューバ達の攻撃を受け止めた、彼女達は確かに戦艦としては小型だ。だが。
「!?あの戦艦何か」
「そうですね」
士官がキューバの驚いた声に応える。
「直撃でしたが」
「思ったよりダメージを受けてないな」
「あの戦艦、ダメージコントロールがいいのでしょうか」
「そうみたいやな。けど」
「はい、残念ですが」
三個艦隊の攻撃は防がれた、宇宙怪獣達も入れたそれが。
「結局機動部隊は倒せませんでしたね」
「参ったわ、一矢報いるのも」
満足に出来なかった、それでだった。
キューバは苦い顔でこう言った。
「これ以上の戦闘は意味がないわ」
「ではどうされますか」
「降伏しかないわ」
これがキューバの選択だった。
「もうな」
「それでは」
「ああ、ほなな」
キューバは宇垣に打診した、そうしてだった。
キューバ達は降伏し星域も枢軸の手に落ちた、宇垣はキューバに降下してから満足している顔で日本妹に言った。
「ハニワとの戦い方ですが」
「そうですね」
日本妹も応える。
「確かにビームは効果がない様ですが」
「艦載機は有効ですな」
「では主力艦隊にも報告しましょう」
「無論です、東郷達にも」
そしてだった。
「後我々もです」
「メキシコ戦の後のペルー侵攻からは」
「主力と合流します」
そうするというのだ。
「治安回復はガメリカ軍に任せましょう」
「ルメイ提督達にですね」
「はい」
まさに彼等によってだった。
「そうします」
「それでは」
こうした話をしてだった。
宇垣は今度はキューバと日本妹やイタリア達と共に会談の場を設けた、キューバはやられたという顔で宇垣に言った。
「やられたわ」
「夕霧達のことですか」
「あれは何なんや?」
「お話すれば長くなりますが」
宇垣はキューバに礼儀正しく話す。
「あの娘は人工頭脳でして」
「人工?」
「はい、そうです」
「ひょっとして自分で動く戦艦かいな」
「その通りです」
「枢軸はそんなもんまで開発してるんやな」
キューバは目を丸くさせて述べた。
「いや、凄いな」
「我が国の科学技術庁の自信作です」
「日本のやな」
「左様です」
「あそこでイタちゃん達攻めるつもりやったけどな」
「凄く怖かったよ」
「そうだよこの野郎」
「いやあ、悪い悪い」
キューバは泣きそうな顔のイタリアとロマーノに笑って返す。
「怖がらせるつもりはなかったんや」
「その割には本気だったじゃない」
「戦争やからな」
この辺りは割り切っているキューバだった。
「そやからな」
「それでだっていうんだ」
「そや、まあ戦争は終わったさかいな」
「うん、もうあんな怖い勢いで来ないでね」
「大丈夫や、それでや」
「はい、これからのことですが」
宇垣は早速キューバに言った。
「貴国は降伏しましたので」
「捕虜かいな」
「いえ、枢軸に加わって頂きたいのです」
こうキューバに言うのである。
「慣習に従い」
「ああ、捕虜やなくか」
「そうです、今から枢軸に加わって頂けるでしょうか」
「そう言ってくれるんやったらな」
キューバも返す、こうしてだった。
キューバは枢軸に参加することになった、そしてその中には。
「ホーーーーー!」
「ホーーーーー!」
「あの、ハニワさん達も一緒ですが」
日本妹が騒ぐハニワ達を見ながら宇垣に問うた。
「これは」
「はい、私も想定していませんでした」
ハニワ達が加わることはだった、宇垣も考えていなかった。
「ですがこれもです」
「当然の成り行きですか」
「宇宙怪獣はともかくとして」
彼等は既に何処かに消え去っていた。
「ですが」
「この人達は」
「中南米が加わると」
「ハニワさん達も」
「そうなります、しかし」
「個性的ですな」
宇垣も少し引いている。
「全く以て」
「しかし悪い人達ではないですね」
「それはそうですね」
宇垣もそれはわかっていた。
「しかしどうも」
「風変わりですね」
「しかし様々な種族と共にいてこそです」
宇垣は帝の言葉をここで思い出した。
「真の八紘一宇ですからな」
「そうですね、それでは」
「はい、彼等とも親睦を深めていきましょう。ただ」
「ただとは」
「私はあまりそうしたゲームはしませぬ」
宇垣はそれはだと言う。
「ですから」
「そちらのことはですか」
「どうでもいいです」
こう日本妹に話す。
「まあ彼等の趣味も罪にさえならばければ」
「よいということで」
「そう考えています」
かくしてキューバも枢軸に加わった、このことはメキシコに入っていた主力にも即座に報告された、そしてそれを聞いたハニートラップが言う。
「ああ、キューバさんも入ったの」
「そうある」
中国がモニターから彼女に応える。
「しかもハニワへの攻略法も確かになったあるよ」
「要するに艦載機ね」
「それか鉄鋼弾ある」
「先手を打つなら艦載機の方がいいわね」
ハニートラップは自身の祖国に話す。
「そっちが」
「そうなるあるな」
「あたしはねえ、それはね」
ハニートラップは香港兄妹とマカオ兄妹から愛を受けて艦隊指揮はかなりのものになっている、だがそれでもだった。
「空母はね」
「今ハニートラップの艦隊は戦艦あるぞ」
「だからね」
それでだというのだ。
「艦載機はないから」
「ビームでは難しいあるな」
「ハニワのバリアをぶち抜くことは出来ないわよ」
こう難しい顔で言う。
「残念だけれどね」
「幸い今は偵察ある、敵を見つけたら下がるよろし」
「ええ、わかったわ」
「それならそれで相手がいるある」
人間と国家の艦隊に宇宙怪獣達である。
「無理はしない方がいいあるよ」
「わかったわ。それはそうと祖国さん」
「今度は何あるか?」
「中帝国系で今こっちにいる艦隊は九個よね」
「そうある」
「で、あたしやリンファさんとランファさんが打撃部隊で」
「香港兄妹とうちの妹は空母ある」
中国は妹に話す。
「そうなっているあるよ」
「他は皆打撃艦隊なのね」
「六つある」
「そうね、あたしも含めて」
「その通りある、では」
「とりあえずは偵察ね」
「宜しく頼むある」
とりあえずは偵察だった。ハニートラップはそれを行いすぐにだった。
前方に大軍を見た、艦橋の士官達が口々に言う。
「多いですね」
「百個艦隊はいます」
「ええ、キューバにいるのは十個艦隊と聞いてたけれど」
ハニートラップも言う。
「こっちは十倍以上ね」
「ハニワも多いですよ」
そのハニワ達もだった。
「何か異様に」
「ええ、見てるわ」
「これはやはり」
「勿論一個艦隊では向かわないわ」
ハニートラップはこう返した。
「そうするわよ」
「はい、それでは」
「艦隊の数は把握しましたし」
「下がるわよ」
ハニートラップは敵艦隊の全容を把握するとすぐに艦首を返させた、そうして主力と合流し一部始終を報告した。
それを聞いて東郷は全軍に言った。
「ではこのまま正面から向かう」
「正面からですか」
「ああ、そうだ」
こう秋山に述べる。
「正面から攻める」
「敵は我が軍より戦力は上ですが」
秋山は東郷にあえてこのことを言った。
「手強いですよ」
「そうだな、ハニワに宇宙怪獣もいるしな」
「それでもですか」
「作戦は変えない」
東郷は言う。
「このまま正面から向かい合いだ」
「艦載機を出しますか」
「確かに数はあちらが多い」
それを踏まえて、言葉にそう入っている。
「それならそれで戦い方がある」
「では」
こうした話をしてだった。
東郷は全軍をアステカ軍の正面に向かわせた、そのうえで対峙しその目でも敵の全軍を見て秋山に言った。
「よし、今からだ」
「まずは艦載機を放ちますね」
「そうしよう、最初はな」
「わかりました、しかし艦載機も」
秋山はこれから攻撃に出す艦載機の話もした。
「世代交代を果たせましたね」
「第六世代にな」
「零戦も素晴らしいものでしたが」
「今はさらに凄いな」
「はい、ジェットになると」
「速さが全然違う」
「それにパワーも」
世代交代が進み艦載機自体が変わったのだ。
「ガメリカ軍のクルセイダーに匹敵する電征ですが」
「いい艦載機だ」
「これならです」
秋山は強い声で言う。
「これまで以上に戦えます」
「数も多い、それならだ」
「はい、まずはハニワ艦隊を叩きましょう」
「総員発艦」
東郷は機動部隊に命じた。
「ハニワ艦隊を攻撃してくれ」
「了解です」
日本海軍機動部隊司令官である小澤が応える。
「では今から」
「頼むな」
「毎度あり〜〜〜」
何故かこう無表情で言う小澤だった、そして。
枢軸軍の艦載機、ジェットのそれが次々と発艦する、空母の上でダイアモンドの編隊を組みそのうえで敵のハニワ艦隊に向かう。
クリスはその彼等に通信でこう言った。
「いい?敵軍には艦載機はないわ」
「つまり迎撃の心配は無用」
「そういうことですね」
「ええ、そうよ」
パイロット達にその通りだと答える。
「だから安心してね」
「わかりました、それでは」
「敵の対空防御にだけ気をつけて」
「流石にそれはあるみたいだから」
ハニワ艦隊にも護りはある、そういうことだった。
「だからそれに気をつけて」
「はい、敵のハニワを倒します」
「まずは」
「ビームが効かない敵を倒して」
それからだというのだ。
「そしてその余剰で」
「敵の普通艦隊や宇宙怪獣ですね」
「そういった相手にも」
「向かって。とはいっても」
クリスは展開しているハニワ艦隊の数も見ていた、そのうえでこうも言うのだった。
「この数だと今回の攻撃ではね」
「ハニワ艦隊への集中攻撃ですね」
「それになりますね」
「ええ、そうなるわ」
その辺りは割り切ることにしたクリスだった。
「宇宙怪獣とかは打撃艦隊に任せるわ」
「では我々はまずハニワですね」
「連中を叩きましょう」
「割れてもすぐに元通りになるから」
ハ二ワ達はしぶとい、ほぼ不死身だ。
「やり過ぎとかは気にしないで」
「ううん、本当にどういう生物なんですかね」
「というか生物ですか?」
「それは私にもわからないわ」
実際クリスもハニワ達が生物かどうかというと疑問があった。
「ただそれでもね」
「今戦う相手ですね」
「そのことは間違いないですね」
「そうよ、まずは彼等を攻撃して」
そしてだというのだ。
「そのうえでよ」
「他の敵とも戦いますか」
「攻撃を仕掛けますね」
「そうしていきましょう」
「あたしもそっちに攻撃仕掛けるからな」
キャシーはモニターからクリスに威勢よく言う。
「残りは任せてくれよ」
「頼むわね。貴女のビーム貫通はかなり効果があるから」
「だよな、しかし機動部隊の割合が凄いね」
「ええ、軍全体でね」
軍全体の割合で四割以上に達している、とにかくその割合が増えている。
「そうなっているわね」
「うちもそうだしな」
「機動部隊は耐久力はないけれどね」
「ビームより先に攻撃出来るからな」
「だからいいのよ」
先手を打つ、そこから考えるとだというのだ。
「艦載機は使い方が難しいけれど」
「いや、これで中々いけるよ」
今では機動部隊の司令官の一人になっているキャヌホークも言ってきた。
「何しろ先に放てるからね」
「あんたも案外空母の使い方上手なんだな」
「祖国さん達から愛を受けたからね」
それで彼も大型空母を二隻、水雷駆逐艦を二部隊配した艦隊を運用出来る様になっているのだ。国家の愛は大きい。
「普通の国や妹さん達は愛を三つ持っていて」
「祖国さん達原始の八国は五つよ」
「そうだからね」
キャヌホークはクリスにも応じる。
「俺もこうして空母を動かせる様になったよ」
「そういうことね」
「さて、それじゃあ」
キャヌホークは飛び立った艦載機達はハニワ達に殺到するのを見て言う。
「ハニワが割れるのをこの目で見ようか」
「さて、楽しみだね」
キャシーも好戦的な笑みを浮かべている、その彼女の目の前で。
ダイアモンドの編隊の艦載機達がハニワ達に殺到し一撃離脱方式で波状攻撃を浴びせる、そのミサイルや爆弾を受けて。
メキシコにおいてもハニワ達は次々と割れる、その割れたハニワ達が叫ぶ。
「ホーーーーー!」
「ホーーーーー!」
断末魔かと思われる叫びだったが違った、割れ四散するが。
すぐに元通りにくっつく、そのうえで言うのだった。
「こいつ等頭がいい!」
「小さい船で攻撃してくる!」
「強い!強いぞ!」
「バリアに対してくる!」
「どんどん割れていってるやないか」
メキシコはくっついた彼等を見て言う。
「よくない展開やな」
「メキシコさん、悪いけれど撤退するホーーーー!」
「ここは仕方ないホーーーーー!」
「ああ、割れた奴は撤退や」
それはもう仕方ないというのだ。
「ご苦労さんってことでな」
「わかったホーーーー、それなら」
「後はお任せするホーーーー!」
彼等は次々に戦場を離脱していく、まずはハニワ達からだった。
キャシーも己の艦隊を突撃させつつ部下達に命じる。
「わかってるだろうね!」
「はい、敵の一点を集中してですね」
「ビーム攻撃を仕掛けますね」
「そうだよ、そのポイントはね」
キャシーは敵のハニワ艦隊を正面から見て言う。
「ここだよ」
「そこですか」
「そこにですね」
「ああ、ここだよ」
ハニワ艦隊のバリアのあるポイントをパソコンのマウスでクリックして言う。
「ここにだよ」
「そこにビームを集中させる」
「それでバリアを破りますか」
「他の奴には難しいけれどね」
だがキャシーならばだというのだ。
「見極められるからね」
「はい、それならですね」
「あの点に」
「攻めるよ」
こう言ってだった、キャシーは全艦の攻撃ポイントを一点に集中させた。
それを受けてすぐにだった、キャシーの艦隊のビームが一斉にそのポイントを撃った。
ハニワ達の誇るバリアは貫かれた、そして。
この艦隊のハニワ達も割れる、瞬時に元通りになるがそれでもだった。
「やられたホーーーー!」
「撤退するホーーーー!」
こう叫んで戦場を退く。キャシーもまた一個艦隊を仕留めた。
続いてビーム攻撃だった、こちらは。
ドワイトはメキシコが率いる通常艦隊を冷静に見据えながら部下達に話す。
「このまま攻撃舎弟に入ればだ」
「その時にですね」
「いつも通り」
「戦艦での一斉射撃だ」
それに入るというのだ。
「それでいくからな」
「わかりました、それでは」
「今から」
「そろそろ射程に入る」
彼等の戦艦の主砲のだ。
「今回も派手にやるか」
「はい、では主砲の一斉射撃の後は」
イザベラがドワイトにモニターを通じて言ってきた。
「これもいつも通りですね」
「水雷攻撃に入るからな」
「お任せ下さい」
水雷攻撃となると俄然張り切るイザベラだった、その言葉が強い。
「接近し止めを刺します」
「相変わらずだな、朽木中将は」
「相変わらずとは」
「接近しての攻撃が好きだな」
「当たって砕けろです」
実に攻撃的な言葉だった。
「それが私のやり方ですので」
「いつも通りだな。しかしな」
「それでもですか」
「慎重さも頼むな」
ドワイトは微笑んでイザベラに告げた。
「迂闊に前に出ても怪我をするだけだからな」
「しかし前に出なくては」
イザベラは持ち前の攻撃性、ガメリカ軍においてキャシーとも比べられるそれを如何なく発揮してドワイトにも言う。
「戦果は挙げられません」
「まあそう言うと思ったがな」
「やってやります!」
イザベラの声は強い。
「この戦いでも」
「そこまで言うのならやってくれるな」
「是非共」
「じゃあ俺もやらせてもらうか」
「閣下も水雷攻撃に入られるんですね」
「おいおい、何の為の水雷駆逐艦だと思ってるんだ?」
ドワイトの艦隊にも水雷駆逐艦が配備されている、枢軸軍では駆逐艦といえばこの種類になっているのだ。
「それなら当然だろ」
「ではビーム攻撃の後は」
「打撃部隊は一旦敵軍に接近する」
そしてだった。
「一撃離脱で鉄鋼弾も撃ち込むからな」
「それでは」
その話をしてそしてだった。
枢軸軍の打撃部隊はまずはビームの一斉射撃を浴びせた、それで敵を撃った後で。
イザベラは艦橋で果敢に叫んだ。
「全艦突撃!」
「はい、そしてですね!」
「今から!」
「水雷攻撃に入る!」
自身の部下達に答える。
「そしてだ!」
「はい、鉄鋼弾発射後離脱ですね!
「即座に!」
「狙いはそれ程定めることはない!」
それは何故かというと。
「ホーミングの能力を信じろ!
「新開発の自動追尾式魚雷ですね」
「その能力を」
「あれは凄い能力だ」
これもレーティアが開発しその性能を飛躍的に上昇させた。
「しかも日本軍の酸素魚雷の技術も入っている」
「長射程、しかも当たればですね」
「それこそ魚雷一発で」
「巡洋艦も沈められる」
そこまでの威力があるというのだ。
「だから即座に放ちだ」
「またビームの射程に戻る」
「そうしますね」
「その通りだ。ではいいな」
「はい、わかりました」
「今より」
「敵の攻撃は散開してかわせ!」
地上戦で言う散陣になれというのだ。
「そしてだ、いいな!」
「攻撃の時に再集結に入る」
「そうしますか」
「攻撃を受けても怯むな!」
元よりその程度で怯むイザベラではない。
「そのまま突撃しろ!」
「了解!」
「それでは!」
イザベラの部下達も上司に似て攻撃的な者揃いだ、その彼等がだった。
艦隊を動かす、その突撃してくる彼等にメキシコはすぐに攻撃を命じた。
「あいつ等にや!」
「はい、攻撃ですね」
「今から」
「いきなり散々やられたけれどな」
枢軸の艦載機、それにビームにだ。
「それでもや」
「反撃ですね」
「今から」
「ビームの照準を合わせるんや」
そしてだというのだ。
「そのうえで反撃や、ええな」
「了解です」
「では今から」
「狙い撃ちや」
こうも言うメキシコだった。
「ほなええな」
「俺達もやられっぱなしじゃないですからね」
「それなら」
「そういうこっちゃ。じゃあ行くで」
メキシコは全軍に照準を合わさせた、そうして。
ビーム攻撃を放たせる、アステカ側の数を頼りにしたビームが銀河の闇を切り裂く、そのうえで枢軸軍も切ろうとしていた。
だがその前にだった、突撃する枢軸軍は。
散開していた、それでビームをかわす。
「いい攻撃だがな」
「それでもだな」
「はい、第四世代の戦艦の攻撃ではです」
突撃する打撃部隊の中にはロンメルとドイツもいる、ロンメルは隻眼で敵軍の攻撃を見ながら祖国に言う。
「最早今の我々には」
「効果がないか」
「これならかわせます」
「ダメージは最低限に抑えられるな」
「はい、そしてです」
かわしそのうえでだというのだ。
「敵の前で再集結をし」
「水雷攻撃に入るか」
ドクツ系の艦隊もそれは同じだった。
「そうするか」
「そういうことでいきましょう」
こう話しそうしてだった。
枢軸軍はアステカ軍のビームをかわす、攻撃を受けた艦艇も多かったがそれは艦艇の耐久力で凌いだ。
そのうえで接近して鉄鋼弾を浴びせる、ホーミング式で酸素魚雷の技術を入れた枢軸軍の新型鉄鋼弾の威力はかなりだった。
アステカ軍の艦艇は次々に撃破され動かなくなった、これで勝負は決まった。
再び艦載機が放たれビーム攻撃が行われた、ここでメキシコは決意した。
「もうあかんわ」
「ではもうですか」
「我々は」
「宇宙怪獣も全滅したしな」
頼みの彼等もだ。
「これ以上戦っても無意味や」
「それではですね」
「ここは」
「降伏や」
彼もまたこの選択肢を選んだ、そのうえで。
枢軸軍に降伏を打診しそれは受け入れられた。こうして枢軸軍はメキシコでの戦いにも勝利を収めアステカとの二つの緒戦を制したのだった。
TURN83 完
2013・1・17
アステカに向け、キューバ、メキシコ戦は勝利を取ったみたいだな。
美姫 「この二国も枢軸軍へと加わって、更に戦力もアップね」
ハニワも一緒に来たけれど、彼らにも出番はあるのだろうか。
美姫 「そういえば、今回の宇垣と津波の会話から予想した事があったんだけど」
ああ、俺も思わず思ったが、幸いにして予想は外れたな。
美姫 「次回以降は分からないわよ〜」
何故に楽しそうなんだ。
美姫 「まあまあ。それじゃあ、次回も待っていますね」
ではでは。