『ヘタリア大帝国』




                    TURN36  タイの提案

 タイは東郷、そして日本のところに来た。二人は丁度インドネシアと会ってこれからのことを話していた。タイはそのインドネシアに対してもだった。
 両手を胸の前で合唱させて頭を下げて挨拶をしてからだ。笑顔でこう言ったのである。
「お久しぶりです、日本さんインドネシアさん」
「はい、こちらこそ」
「久しぶりね」
「お元気そうで何よりです」
 まずは国家間の挨拶からだった。
「特に日本さんはお元気そうですね」
「そうですか」
「ええ、そう見えます」
 日本には特に言うのだった。
 そうした話をしてからだ。タイは今度は東郷に顔を向けてこう言った。
「貴方が日本帝国軍の海軍長官であられる」
「ああ、東郷毅だ」
 そうだとだ。彼は笑顔でタイに応えた。
「宜しくな、タイさん」
「はい、こちらこそ」
「それで単刀直入に聞くが」
 東郷は自分に対しても微笑を向けるタイに対して言った。
「貴方は中立国だな」
「はい、そうです」
「そのことは知っている。だからこの戦争にも本来は関わらなくいい筈だが」
「実は。上司の方ともお話したのですが」
「そちらの王様とか」
「それで決めました」
 何を決めたのかをだ。タイはここで話した。
「我が国は日本帝国軍につくことにしました」
「枢軸国として参戦するのか」
「そうです。そのことを決めました」
「そのことを伝えにここに来たのか」
「それとです」
「それと?」
「そちらのインドネシアさん、そしてこれから攻め入られるであろうマレーシアさん達にも関わりのあることです」
 タイのこの話を聞いてだ。東郷はすぐにだった。
 察した顔になってだ。タイの顔を見て述べたのである。
「これからの政治のことだな」
「お気付きですか」
「何となくな。それなら今すぐにだ」
 東郷は日本に顔を向けて。彼に対して言った。
「祖国さん、すぐに御所に向かおうか」
「御所にですか」
「ああ。俺達に国家の人達、にも集まってもらってな」
「その他の方々もですね」
「伊藤首相に宇垣さんにな」 
 首相に外相にだった。
「後は利古里ちゃんだな」
「陸軍長官も。では」
「そうだ。帝にお話したいことがある」
 そうしただ。御前会議のメンバーを全員集めたうえでだというのだ。
「そうしてだ。いいだろうか」
「そうですね。どうやらタイさんは」
 そのタイを見てだ。日本も気付いた。
「かなり重要なお話を持って来られたのですから」
「ああ、だからな」
 それでだとだ。東郷は日本にさらに言う。
「ここは重要な顔触れに集まってもらおう」
「勿論柴神様にもですね」
「そうしてもらう。ではいいだろうな」
「わかりました。では皆さんにお声をかけて」
 国家は自国の領内なら何処でも瞬時に行き来できる。それは自分が掴んでいる人間にも及ぶ。非常に便利な能力と言える。
 それを使ってだ。すぐに全員集まってだというのだ。そしてタイもそうした東郷と日本のやり取りを聞いてであった。
 微笑んでだ。こう言ったのである。
「ではお願いしますね」
「ああ、すぐに帝の御前に来て欲しい」
「インドネシアさんもお願いします」
「うん、いいよ」
 笑顔でだ。インドネシアも応える。こうしてだった。
 東郷と日本はタイ、インドネシアと共に日本本土に一時戻りそうしてだ。主だった面々にも集まってもらい帝の御前に出た。そこでタイはこう言うのだった。
「私は枢軸国、日本につきます。そしてです」
「はい、タイさんのお話は何でしょうか」
 帝は微笑んでタイの言葉に応える。
「何か重要なお話の様ですが」
「私は独立国として参戦します。そして連合国ですが」
 ここでだ。タイは彼等の話題も出した。
「エイリスはともかくガメリカと中帝国は占領した東南アジア、オセアニアの諸星系をです」
「独立させて自分達の経済圏に組み込むつもりですね」
「はい、そう考えています」
「そのことは知っています。では」
「日本は今その東南アジア、オセアニアを席巻しようとしています」 
 まさに破竹の勢いだ。今のところは。
「ですから占領した国家を全てです」
「独立させてそのうえで」
「日本が環太平洋経済圏を設立させてはどうでしょうか」
「彼等より前にですか」
「そうされてはどうでしょうか」
「そうですね」
 帝はタイの話を聞いてからだ。そのうえでだ。
 まずは伊藤を見てだ。こう言うのだった。
「首相にまずです」
「はい、意見をですね」
「聞きたいのですがどうでしょうか」
「よい考えかと」
 これが伊藤の意見だった。
「ガメリカも中帝国もこの戦争ではエイリスと手を結んでいますが」
「その真意はエイリスを退けてですね」
「そうです。環太平洋経済圏の樹立にです」
「私達日本帝国に対しては」
「倒してからソビエトにけしかけるつもりです」
 流石は日本の元老であり首相だ、伊藤はここまで見切っていた。ガメリカと中帝国の思惑を完璧に読みきっていたのだ。
 それでだ。こう言ったのである。
「そうなっては我が国としてはいいことはありません」
「その通りです。我々は彼等の番犬ではありません」
 帝もやや不快感を見せて話す。
「ソビエトと戦うにしてもです」
「自らの意思で戦うべきです」
「ましてやソビエトが相手になると」
 帝はさらに言う。
「我が国はこの戦争で徹底的に打ちのめされる程のダメージを受けます」
「その通りです。それは決してなりません」
「おそらくガメリカと中帝国はこの戦争では我国を負かすだけで終わらせますが」
 問題はその後だった。ソビエトとの戦いだ。
「それからですね」
「だからです。この度は」
「ガメリカや中帝国の大義名分を先に奪ってですね」
 彼等はそのエイリスと同盟関係の為表だっては植民地の独立を言えないのだ。だからこそ日本帝国に攻めてもらっているのだ。
「我々が先に経済圏を築く」
「それがよいかと」
「あっ、その場合盟主は日本さんになりますので」
 タイはすかさずこのことも話す。
「宜しくお願いしますね」
「私が、ですか」
「そうです。この場合は日本さんしかいませんので」
「しかし私は」
「まあまあ。ワンマンでなくていいですので」
 そうしたことが肌に合わずいささか引っ込み思案な日本のこともわかってだ。タイはいつもの微笑みで言うのである。
「宜しくお願いしますね」
「ではそのことは皆さんとお話をして」
「別にいいんじゃないですか?」
「そうですよね」
 日本妹と台湾がまず言う。
「日本さんは今でも私達の代表ですし」
「そういうことなら」
「大切なことはこれまで通り会議で決めて」
「それでいいと思いますよ」
「それでいい的な?」
「そうですね」
 香港とマカオも話す。
「まあ先生やアメリカさんが入ったらその時はその時で」
「お話すればいいですね」
「そうですね。では私も」
「私もです」
 香港妹とマカオ妹も兄達に続く。
「日本さんでいいと思います」
「代表ということで」
「僕もそれでいいと思うよ」
「僕も」
「勿論僕も」
 今度は台湾兄にトンガにインドネシア達が賛成してきた。
「日本さんが一番年長だし」
「国力も高いしね」
「申し分ないと思うよ」
「韓国さんはどうですか?」
 タイは彼等の話を聞きながら韓国にも問うた。
「日本さんが代表で宜しいでしょうか」
「俺はどうなるんだぜ?一体」
「はい、このまま日本さんと同格です」
 色々とあって、特に陸軍や海軍の正義感の強い面々が強硬に主張してだ。韓国の立場は日本とあまり変わらない位なのだ。
「そうなります」
「じゃあ俺も代表なんだぜ?」
「副代表ということになるでしょうか」
「とにかくそのままならいいんだぜ」
 こうした時代に一番ややこしい国もいいとした。国家達はそれでいいことになった。
 後は人間達だ。彼等はというと。
 帝は伊藤以外の高官達にも問うた。己のその顔を向けて。
「皆はどう思うかな」
「そうですな。私としましては」
 宇垣がだ。最初に答えた、
「我国は内地も外地も一体化させた政治を行っています」
「はい、その通りですね」
「それはかなり穏健な政策であり問題はないと思いますが」
「では諸国家の独立には反対ですか?」
「いえ、賛成です」
 それはいいというのだ。実は宇垣も正義感は強いのだ。
「元々エイリスの植民地政策は間違っていると思っていました」
「それにですね」
「はい、ガメリカや中帝国がそうしてくるならです」
「前に私達がそれを築けば」
「彼等の大義名分を奪えますので」
「では外相も賛成ですね」
「はい」
 あらためてだ。宇垣は答えた。
「それでよいかと」
「では次は」
「はい、私ですね」
「陸軍長官はどう思いますか?」
「私は賛成です」
 はっきrとだ。山下は言い切った。
「むしろ。陸軍としてはです」
「独立を全面的に支援ですか」
「そうあるべきです」
 宇垣以上に正義感の強い山下らしい言葉だった。
「植民地、エイリスのそれでの圧政は聞いています」
「そしてそこからですね」
「各国の民衆を解放しましょう」
 右手を拳にさえしてだ。山下は主張する。
「是非共。ですから」
「賛成ですね」
「そうです。異論なぞあろう筈がありません」
「では最後に」
 東郷も見てだ。帝は彼にも声をかけた。
「海軍長官の意見を」
「私も賛成です」
 東郷もだった。
「植民地に大義はありません。それにです」
「政治的、戦略的にもですね」
「そうです。環太平洋経済圏は我等にとっても大きな利益をもたらします」
「でjは海軍としても」
「はい、そうです」
 賛成だというのだ。
「タイさんの提案はいいものです」
「私も賛成だ」
 これまで沈黙を守ってきた柴神も言った。
「是非だ。その環太平洋経済圏政策はだ」
「実行に移すべきですね」
「そしてだが。香港殿とマカオ殿はご兄妹共やがては中帝国に帰ってもらうことになり」 
 そしてだった。
「中帝国の占領している諸星域は中帝国に返還しよう」
「そうですね。私としても領土的野心はありませんし」
 日本も柴神の言葉に納得した顔で頷く。
「ガメリカさんの場合もですね。マイクロネシア等は」
「戦後ガメリカに返還するということでいいだろう」
「そして戦後は」
「彼等も環太平洋経済圏に入ることになる」
 ガメリカと中帝国もだというのだ。
「そのうえで諸国家でソビエトにあたるだろうな」
「全ては戦後ですね」
「この戦争の間でも旗が変わるかも知れないがな」
「ですが少なくとも今はその方針で」
「行くべきだと思う」
 柴神はこう日本に話すのだった。そうした話をしたうえでだ。 
 日本帝国の方針は決まった。タイの枢軸国側での参戦と諸国家の独立、そして環太平洋経済圏の樹立だ。この政策はすぐに世界に向けて発表された。
 それを聞いてまずだ。ガメリカと中帝国が驚いた。彼等はすぐに大統領官邸の会議室に入った。そこでフィリピンも交えて四姉妹に話すのだった。
「大変だぞ、もう君達も知っていると思うが」
「日本が大変なことを言い出したあるよ」
 中国も来ていた。大使館から来たのだ。
「エイリスの植民地の諸国家を独立させてだ」
「環太平洋経済圏の樹立を宣言したあるよ」
「僕達が出すつもりだった政策を先に出された」
「大義名分がなくなったあるぞ」
「ええ、話は聞いてるわ」
 焦った口調で次々に言う二国にだ。ハンナが答える。
「本当にしてやられたわね」
「全くだ。これじゃあ東南アジアやオセアニアに入られないぞ」
「経済圏も日本のものになるあるぞ」
「そうね。まあそれならそれでいいわ」
 ハンナは焦る二人にだ。冷静そのものの口調で返した。
「日本帝国にはそうね、アラビアやマダガスカルまで行ってもらおうかしら」
「そこまでかい?」
「奴等に渡すあるか」
「まず中国さんは今のまま重慶に篭って。それで日本帝国軍の一部をひきつけておいて」 
 これまで通りだ。そうして欲しいというのだ。
「それで祖国さんはハワイでね」
「守りを固めるんだな」
「日本帝国はエイリスの植民地、インド洋まで制圧したらそれからね」
「ハワイに来るんだな」
「来ないというのならこちらから仕掛ければいいだけよ」
 余裕の笑みでだ。ハンナは言う。
「マイクロネシアを攻めて。そこから日本本土を衝くと見せればね」
「日本も動くしかないな」
「適の主力を常に攻めないといけないということはないわ」
 政治、戦略という観点からだ。ハンナはアメリカ達に語っていく。
「適の本拠地を衝けばね」
「ああ、そういうことあるか」
 中国はハンナの話を聞いて納得した顔になって頷いた。
「本拠地を攻めれば敵は戻るしかないあるからな」
「そこでハワイかその辺りで決戦を挑んでね」
 そうしてだというのだ。
「日本は倒せばいいのよ」
「そうすれば同じなんだな」
「例え環太平洋経済圏を宣言しても」
「日本は枢軸国だな」 
 アメリカもこのことに気付いた。枢軸国という悪を討つ連合軍の大義はまだ生きているというのだ。この戦争での最大の大義は。
「それなら倒せばいいか」
「それだけよ。むしろ東南アジアやオセアニアに攻め込む必要がなくなった分」
 それでだ。どうかというのだ。
「私達は楽になったわ」
「そうか。それなら」
「特に焦る必要はないあるか」
「そう思うわ。ああ、あとね」
 ここでだ。ハンナはこの政策を話した。
「独立を宣言した諸国家はね」
「承認ね」
「そうするのね」
「そうするべきね」
 ハンナは今度はクーとドロシーに答えた。
「ここはね。エイリスが何と言ってもね」
「そうね。エイリスがこの戦争での本来の相手だから」
「少なくとも政治的には」
 クーもドロシーも把握していた。ガメリカも中帝国も本来の相手は枢軸国、とりわけ日本ではないのである。
 同じ連合国であるエイリスとソビエトだ。彼等こそ本来の相手なのだ。
 その彼等についてだ。こう話すのだった。
「あの二国を退けないといけないから」
「独立は承認するべきね」
「ええ。フィリピンさんもね」
 ハンナはフィリピンにも顔を向けて話す。
「それでいいわね」
「問題ないよ。むしろ周りが嫌な植民地じゃなくなってね」
「いい話ね」
「うん、僕にとってもね」
 そうだとだ。フィリピンは笑顔でハンナに話す。
「有り難い話だよ」
「あたしも賛成よ」
 キャロルも明るく言う。
「お握り軍団をハワイでぎゃふんと言わせてやりましょうよ」
「キャロル、お握り軍団というのは日本のことだな」
「そうよ。日本っていったらお握りだからね」
 それでこの呼び名だとだ。キャロルはアメリカに明るく答える。
「中々いい仇名でしょ」
「ははは、確かにそうだな」
「祖国ちゃんはハンバーガー軍団に中国ちゃんはラーメン軍団ね」
「僕はラーメンあるか」
「駄目かしら」
「いや、いいある」
 構わないとだ。中国はキャロルに返した。
「ラーメンはガメリカでも知られているということあるからな」
「中料理っていったらラーメンでしょ」
「そうなるあるか」
「勿論他にもあるけれどね」
 キャロルは笑ってこうも話す。
「イメージで最初に来るのがそれだからね」
「それであるな」
「そういうこと。それでね」
 キャロルは中国に対してさら言う。明るい感じのままで。
「この国にも中系多いからね、華僑ね」
「皆楽しくやっているあるか?」
「中国ちゃんの別荘で仲良く楽しくやってるよ」
「そうあるか。それは何よりある」
 中国はキャロルのその話を聞いて笑顔になって述べた。
「僕の別荘では皆仲良くやって欲しいあるよ」
「中国ちゃん世界中に別荘あるわよね」
「そうある。ただ」
 どうかとだ。中国は急に暗い顔になった。そして言う言葉は。
「韓国だけはどうしても駄目だったあるよ」
「ああ、日本のところにいる?」
「今度独立するそうあるがな」
「あの五月蝿いのは駄目だったの」
「どうしてもあるよ」
 別荘を置けないというのだ。中国ですら。
「あいつのことは知っているあるな」
「何ていうかね。独特ね」
「あまりにもアクが強くて駄目だったある」
「全く。あいつだけはどうしようもなかったある」
 流石の中国も韓国のところに別荘は置けなかったというのだ。彼にしてもだ。
 その話を聞いてだ。アメリカが中国にこんなことを言い出した。
「ロシアも駄目だったんじゃないかい?」
「一応僕の国からの移民がいない訳でもないあるが」
「しかし東南アジアやガメリカ程じゃないな」
「寒過ぎて抵抗があるある」
 だからロシア、即ちソビエトもだというのだ。
「暖かい方がいいあるよ、僕も」
「そういえばですけれど」
 クーがふと気付いた感じで顔をそっと前に出して中国に尋ねた。
「あの、ええとガメリカの北にある」
「?そういえば何か一国あったあるな」
「はい、アラスカと挟まれている」
「どうした国だったあるか」
「何か名前がちょっと出て来ないですよね」
「クーもあるか」
「はい、中国さんもですね」
 二人共だ。その国の名前は忘れてしまっていた。
「ええと。それで何とかいう」
「あそこがどうかしたあるか?」
「あの国にも中国さんの別荘がありますよね」
「あそこの別荘はガメリカのものと同じ位見事あるよ」
 それがある国の名前は知らないがだ。中国は別荘のことはちゃんとわかっていた。そしてそれはクーも同じだった。
「クーも一度来てみるよろし」
「はい、そうさせてもらいますね」
 クーは微笑んで中国の言葉に応えた。
「この戦争が落ち着いた時にも」
「そうするあるよ」
「そういえばあの国は何といったかしら」
 四姉妹の筆頭であるハンナもだ。いぶかしむ顔で首を傾げさせてこう言い出した。
「一応連合国だったわよね」
「そういえばそうね」
 ドロシーも淡々としている。
「連合国の主要メンバーは六人らしいから」
「えっ、そうだったの?」
「私もこの前はじめて知ったわ」
 ドロシーは驚きの声を上げたキャロルに淡々と返す。
「あの国もそうなのよ」
「そうだったの。初耳よ」
「私も研究所は置いていても」
 それでもだった。四姉妹の中で最も知的な彼女でさえも。
「それ以外は名前も知らないから」
「僕もだぞ」
「僕もだよ」
 アメリカとフィリピンもだった。彼の名前は覚えていなかった。
「何とかいったけれど最近殆ど見掛けないな」
「けれどやっぱり太平洋経済圏に入るのかな」
「太平洋に面しているからね」
 それでだとだ。二人にハンナが答える。
「だからね」
「そうなのか。その国もか」
「太平洋経済圏に入るんだ」
「そうなるわ。まあ特に気にしなくていいわ」 
 実際にハンナもだ。その国のことはどうてもいいという感じだった。
「問題はあくまでエイリスとね」
「そうだな、ソビエトだな」
「その二国だね」
「日本は表面的な敵よ」
 それに過ぎないというのだ。
「問題はあくまでその二国よ」
「敵は連合国にあるんだな」
「その通りよ。祖国さんもわかってくれてるわね」
「わかるぞ。それも完全に」
「じゃあいいわ。それはそうとして」
 ふとだ。ハンナは気付いた感じになってこんなことも言い出した。
「プレジデントは今はどうしているのかしら」
「今シカゴに行っているじゃないか」 
 アメリカがそのハンナに話す。
「そうしてるじゃないか」
「そうだったわね。昨日ね」
「忘れてたのかい?」
「今はね。そうね、道理でここにいない筈ね」
 アメリカを見ながらだ。ハンナはさらに言う。
「祖国さんがいてくれたら話はそれで済むところがあるのは確かね」
「今のプレジデントは影が薄いかい?」
「祖国さんと比べたらね」
 どうしてもそうなった。やはり国家、特にアメリカの存在感はかなりのものだ。しかも今この会議室はどうかというと。
「中国さんもいるから」
「僕もあるか」
「とりあえず中国さんは私達がハワイ近辺で日本との決戦に勝ったらね」
 そうしたらだというのだ。
「重慶から攻勢に出てね。そうしてね」
「わかったある。それではある」
「とりあえずは日本にはアラビア、マダガスカルまで進んでもらうわ」
 エイリスを助ける気は全くなかった。同盟関係にあるとはいえ敵だからだ。
「インドを太平洋に入れるかどうかは別にして」
「あの国はアジアだけれど太平洋じゃないよ」
 フィリピンがこのことを指摘する。
「だから。太平洋経済圏に入れるとなると」
「少し違うわね」
 キャロルもフィリピンの言葉を聞いて言う。
「確かにね」
「そうだよね。けれどインドが独立したら」
「エイリスの国力はそれだけで激減よ」 
 キャロルはこのことは尚更明るく指摘した。
「東南アジアとオセアニアの植民地にアラビアまで失うとなるとね」
「確実に世界の指導者としての地位は喪失するわ」
 ドロシーはここでも淡々としている。
「まさに願ったり適ったりよ」
「僕も同感ある」
 エイリスが世界帝国の座を失うことはだ。中国も賛成だった。
「日本にはまずは、あるな」
「徹底的に攻めてもらうわ」
 エイリスをだと。ハンナはまた言う。
「そして植民地には全て独立してもらうわ」
「アフリカはどうするんだ?」
「アフリカね」
「エイリスはあの辺りも植民地にしているぞ」
「大丈夫よ。アラビアまで失えばエイリスにはもうアフリカを押さえる力は残っていないわ」
 ハンナは冷徹な目になっていた。戦略を見ている目だ。その目でアメリカの問いに答えたのである。
「その状況でドクツと戦うのよ。生き残ってもね」
「もう満身創痍だな」
「その状況では本土を維持するのが精々よ」
「だとすればアフリカもか」
「自然に独立するわ」
 そうなるというのだ。
「まあ。ドクツと精々潰し合ってもらうわ」
「よし、じゃあエイリスはそれでいいな」
「そういうことよ。さて」
 ここまで話してだ。ハンナは一同に述べた。
「会議はこれで終わりで後は」
「よし、皆で中国の別荘で食べるぞ」
 アメリカが笑顔でこう提案するとだ。クーが突っ込みを入れた。
「それは祝勝じゃなかったんですか?」
「ははは、それはそれでだ」
「今回はですか」
「そうだ。折角中国が来ているんだ。フィリピンもいるしな」
 それでだというのだ。
「皆で親睦をj深める為に中料理を楽しもうじゃないか」
「ではいい店を紹介するある」
 中国もそのアメリカの横から一同に話す。
「そこで皆で食べるある」
「じゃあ皆で早速行こう」
 キャロルは二人の提案に笑顔で乗った。
「ラーメンね。それ食べよう」
「私は蒸し餃子」
 ドロシーはそれだった。
「あとは北京ダックも」
「僕・・・・・・いえ私は海老炒飯を」
「どうせなら全員で満漢全席にしましょう」
 ハンナはまとめてだ。派手にこうきた。
「祖国さんにも中国さんにも。勿論フィリピンさんもね」
「僕もなんだ」
「ええ、力をつけてもらわないといけないから」 
 それでだというのだ。
「ここは贅沢に身体のいいものを多く摂りましょう」
「じゃあその店に案内するある」 
 満漢全席のある店の中でもそうした店をだ。紹介するというのだ。
「そうするあるよ」
「ええ。じゃあね」
 ハンナは中国の言葉に笑顔で頷く。ガメリカと中帝国は日本帝国の宣言に確かに驚いたがそれはそれで使えるとだ。結論を出して今は動かないことにした。
 しかし問題はエイリスだった。ロンドンの議会では貴族達が大騒ぎになっていた。
「既にインドネシアが独立したぞ!」
「トンガもだ!」
「このままではニュージーランドも危ういぞ!」
「いや、敵の主力はマレーに向かっているんだ!マレーも独立したら四国も占領されて独立だ!」
「早く日本を倒せ!」
「全艦隊を送り込むんだ!」 
 議会は紛糾していた。それは最早議論ではなかった。
 誰もが恐慌状態になり喚いているだけだった。その彼等を王族、そして国家の席から見ながらだ。マリーがイギリス妹に対して囁いた。
「もうこれじゃあね」
「はい、何の意味もありません」
「議論になってないし」
「解決案も出ていません」
「何か皆あれだよね」
 騒ぐ貴族達を見ながらだ。マリーはイギリス妹にさらに言う。
「自分のことしか考えてないっていうか」
「はい、どなたも植民地に利権がありますので」
「だからね。そのことばかり頭にあって」
「言うことはそこからです」
「そのことしかないよね」
「はい、他には全くです」
「じゃあここにいても仕方ないかな」
お言葉ですが時間の無駄です」 
 イギリス妹は言い切った。毒を含んだ言葉で。
「もう立ち去るべきです」
「そうだね。それじゃあね」
「はい、それでは」
 イギリス妹と共にだ。マリーは議会を後にした。議会ではまだ誰もが喚いていた。それを延々と続けるだけになっていた。
 マリーとイギリス妹は王宮に入りセーラとイギリス、それにエルザにだ。こう話したのである。
「もうね。議会はどうにもならないわ」
「機能不全に陥っています」
「だから日本の環太平洋経済圏と植民地の独立についてはね」
「ここでお話するしかありません」
「そうですか。議会はどうにもならないですか」 
 セーラは女王の執務用の席に座ったうえで曇った顔で述べた。
「この事態に」
「うん、残念だけれどね」
「どうしようもないです」
「ではです」
 セーラはここで言った。
「議会はこのままにしておいてです」
「放置するの?」
「騒いでいるだけなら何ともありません」
 だからそうするとだ。セーラはマリーに答えた。
「とりあえずはそれでいいです」
「姉様がそう言うならいいけれど」
「はい、問題はここで話し合いましょう」
 王室でだ。エイリスにとって未曾有の国難にあたるというのだ。
「それしかありませんので」
「そうだな。正直なところな」
 どうかとだ。セーラjの左脇に立つイギリスが言ってきた。右隣にはエルザがいる。
「この状況は参ったな」
「はい、その通りです」
 セーラはイギリスの言葉にも難しい顔になる。
「日本の宣言により各植民地の民の独立運動が激化しているそうですね」
「マレーでもベトナムでもな」
「インドもですね」
「このままじゃ日本に協力する奴がどんどん出て来るぜ」
 イギリスはセーラにこの危険を話した。
「実際にマレーは相当やばいな」
「そうなのですか」
「ネルソンさんが率いる艦隊はマレーには間に合わない」
 イギリスはエイリスにとってよくないことを話した。
「だからな。あそこの艦隊の奮闘を祈るしかないな」
「若しマレーまで失うと四国も間違いなく失います」
「ベトナム位しかな。東南アジアとオセアニアの植民地は維持できないな」
「しかも悪いことにな」
 さらにだとだ。イギリスは苦い顔でさらに言う。
「ガメリカと中帝国は植民地の独立を承認するって言ったからな」
「そのことも問題ですね」
「あいつ等の考えはわかっていたさ」
 イギリスとて馬鹿ではない。ガメリカと中帝国がエイリスの植民地を全て独立させて環太平洋経済圏に組み入れる考えなのはわかっていた。
「植民地を独立させたかったのはな」
「はい、そうですね」
「で、それでな」
 さらにだとだ。イギリスはうんざりとした感じの顔になってさらに話す。
「連合の身内の承認だからな」
「認めないといけませんね」
「このまま。日本が殖民地を独立させていけば」
「我々はそれだけ植民地を永遠に失っていきます」
「ネルソンさんなら大丈夫だろうけれどな」
「少なくとも日本を止めない限りは」
「俺達は植民地を永遠に失ってな」
 イギリスが言うとだ。セーラも述べた。
「その国力や兵力も喪失します」
「だよな。それだけドクツとの戦いもやばくなるからな」
「ドクツは今は動きがないけれどね」
 エルザがここで言った。
「ただ。戦争を止めた訳ではないわよ」
「ソビエト侵攻ですね」
「その準備にかかっているわね」
「そうですね。情報部から話を聞いています」
 セーラは情報部と関わりのあるイギリス妹を見ながら母に話す。
「ソビエトを倒しその力をそのまま手に入れると」
「そうなったらまずいわよ」
「ドクツの国力はエイリスを凌駕しますね」
「そうなるわ。そうなれば危ういわよ」
「はい、l本当に」
 その通りだとだ。セーラも暗い顔で答える。
「今のうちに戦力を立て直したいですが」
「先の本土防衛で相当な戦力を失ったのが痛いわね」
「しかも北アフリカにその太平洋に」
 戦力を振り向けないといけない。セーラにとってはまさに頭痛の種だった。
「本来なら戦力をエイリス本土に集めてオフランス方面から攻勢を仕掛けたいのですが」
「したいけれどできる状況じゃないのよね」
「はい、全く以て」
 その通りだった。
「それはとても」
「戦力が足りないわ」
 何につけてもだった。
「これではどうにもならないわ」
「今は動けないです」 
 セーラは項垂れた顔だった。
「ネルソンに期待するしかありません」
「俺も行ってるからな」
 イギリスはセーラを励ます様にしてセーラに述べた。
「それで絶対に勝ってくるからな」
「どうか日本を止めて下さい」
「ああ、それにしてもガメリカと中帝国はな」
 どうなのかとだ。イギリスは苦い顔で述べた。
「同盟を組んでいてもな」
「敵ですね」
「援助もしてこねえしな」
 ただだ。エイリス単独で戦っているのだ。それが欧州戦線の今の状況である。
「俺達が衰退するのを待ってるんだよ」
「このまま世界帝国の座から降りることを」
「奴等は望んでるな」
「間違いなくそうですね」
「そんなことさせるかよ」
 イギリスにも意地がある。それ故の発言だった。
「絶対にな。だからな」
「はい、お願いしますね」
「日本と俺とネルソンさんで止める」
 イギリスは強い声で言い切った。
「そうしてこの戦争を乗り切るからな」
「では私もです」
 まだ傷が残る身体でだ。セーラは言った。
「何があろうともこの本土を守りますので」
「僕もだよ」
「私もいます」
「当然私もね」
 マリーにイギリス妹、エルザも言ってきた。
「だからね。皆で力を合わせてね」
「この国難を乗り越えましょう」
「例え何があろうともね」
「そうですね。どれだけ辛くとも」
 セーラは顔をあげた。そのうえで緑の目に確かな光を宿らせて言った。
「エイリスは生き残ります。では」
「今から軍の視察よね」
「それに向かいます。ロレンスはそこにいますね」
「うん、港で全体の管轄にあたってるよ」
 だからここにはいなかった。マリーがそのことを説明する。
「頑張ってるよ、ロレンスもね」
「ほぼ不眠不休です」 
 イギリス妹がこのことを話す。
「それが問題です」
「セーラちゃんもよ」
 エルザは上の娘でもあるセーラにここで言った。
「怪我もまだ残ってるのね」
「休んでいないというのですか?」
「そうよ、あの戦いの前から。開戦の時から」
 まさにだ。その時からだった。
「全然休んでないでしょ」
「そんな状況ではないですから」
 それでだというのだ。セーラは。
「女王である私がまず動かないと」
「だから。セーラちゃんは真面目過ぎるのよ」
 これはその通りだった。
「何をするにも。子供の頃から」
「ですから私は」
「女王だからっていうのね」
「はい」
 こくりとだ。セーラは深刻な顔で母に答えた。
「だからこそ」
「それはいいけれどね。責任感があるのは」
「それでもですか」
「とにかく。セーラちゃんは真面目過ぎるの」
 こう言ったのである。
「何時か倒れるわよ」
「だよな。女王さんはな」
 イギリスも言ってくる。
「正直なところな」
「祖国さんも言われるのですか」
「ああ、根詰め過ぎなんだよ」
 イギリスもだ。セーラはそうだと見ていた。
「だからな。本当にちょっとはな」
「休むべきですか」
「さもないと倒れるぜ」
 イギリスは本気で心配していた。セーラのことを。
「そうなったら元も子もないからな」
「わかっています。ですが」
「とにかくちゃんと寝てな」
 そうしてだというのだ。
「後はな。紅茶でもな」
「紅茶ですか」
「ロイヤルミルクティーでも飲むか?」
 セーラは紅茶が大好物だ。その代わりコーヒーは嫌いだ。そのセーラの好物を話に出してだ。イギリスはこう言った。
「じゃあ丁度いい時間だしな」
「ティータイムですね」
「三段ティーセット出せるよな」
「はい」 
 イギリス妹は兄の問いに答える。
「すぐにでも」
「よし、じゃあ今からな」
「ティーセットを出して」
「皆で楽しもうな、女王さんもそれでいいよな」
「はい、それでは」
 ティーセットと聞いてはだ。セーラも異論はなかった。
 それで紅茶を飲むことにした。それが休息になった。
 休息はオフランスでも行われていた。彼等はマダガスカルで舞踏会を行っていた。しかしその舞踏会はというと。
 列席者、オフランスの者達は戸惑いを隠せなかった。それで軍服や着飾ったドレスの姿で野外の会場でこう話していた。
「シャルロット様のお考えとはいっても」
「そうですな。まさかこうされるとは」
「現地の者まで招待されるとは」
「夢にも思いませんでした」
「全くです」
 戸惑いを隠せないままだ。彼等は話していた。
「こうした舞踏会は貴族の為のものだ」
「若しくは豊かな者のものです」
「オフランスの文化の結晶ですが」
「そこに彼等を招くとは」
「奇想天外ですな」
「いや、全く」
 こう言い合い困惑していた。それは彼等だけでなくだ。
 現地の者達も同じだった。彼等も困惑しながら話す。
「おい、俺達ここにいていのか?」
「場違いだよな」
「そうだよな。あの摂政さんはどう思ってるか知らないけれどな」
「ここは俺達がいていい世界じゃないだろ」
「どう考えてもな」
 こう言い合っていた。それでだ。
 双方分かれてそれぞれで集まっていた。舞踏会とはいっても場は二つになっていた。しかしそれでもだった。
 シャルロットは双方にだ。天真爛漫そのものの笑顔で言うのだった。
「さあさあ皆さん、ご馳走にワインも楽しまれて」
 そうしてだというのだ。
「踊って下さいね」
「まあお互いに手を取り合ってな」
 フランスもシャルロットの横で言う。
「楽しくやろうぜ」
「皆さん、今宵は無礼講ということで」
「賑やかにやろうね」
 フランス妹とセーシェルもシャルロットの横にいた。そこから双方に声をかける。
「楽しく過ごしましょう」
「飲んで食べてね」
「祖国殿がそう仰るのなら」
「それでいいけれどな」 
 お互いの祖国に言われてはだ。彼等もだった。
 頷くことにしてそのうえでだ。お互いに手を取ってだ。
 舞踏をはじめた。シャルロットはそれを見て目を細めさせていた。
 そのシャルロットも見てだ。フランスは微妙な顔になって首を捻りながらだ。妹にこう囁いた。
「これどうだろうな」
「成功かどうかですか」
「ああ、微妙な空気だよな」
「はい、確かに」
 フランス妹もそのことは感じ取っていた。それで言うのだった。
「この状況は」
「正直な。俺も最初に王女さんの提案を聞いた時にはな」
「私もです」
「驚いたよな」
「何かと思いました」
 二人はそれぞれ言う。
「実際オフランスはこの星域とセーシェルのことは植民地にしか思っていません」
「ああ、そうなんだよな」
「そして現地の方々もです」
 そのアライグマそっくりの彼等もだというのだ。
「オフランスには反抗心を持っていますので」
「だよな。だからな」
「こうしたことをしてもです」
「何の意味もないと思うんだけれどな」
「しかしシャルロットさんはあえて行われました」 
 現地の者達も招いた舞踏会を開いたというのだ。
「驚かないでいられません」
「だよな。どうなんだろうな」
「溝が確かにあります」 
 見てわかるまでにだ。それが確かにあった。
「しかしそれに気付いておられるのかいないのか」
「無意識でも気付いてるだろ」
 シャルロットでもだ。そうだというんだ。
「けれどそれでもな」
「こうしてあえてですか」
「舞踏会を開くっていうのはな。確かに凄いな」
「いい意味でのお言葉ですね」
「ああ、そうだよ」
 その通りだとだ。フランスは妹の問いに答えた。
「大人物であるのは確かだな」
「誰であろうと公平に接されますし」
「ただ筋がいいだけじゃないな」
 統治者として、軍の指揮官としてだというのだ。
「まあ。最初はこんなもんか」
「双方の間もまた」
「ああ、また開いて今もな」
「今のこの舞踏会もですね」
「ここでも一緒に踊るか」
 フランスがこう言うとだ。既にだった。
 シャルロットはビルメを取っていた。ビルメはその彼女を見ながら問うた。
「何のつもりだい?」
「はい、今からご一緒に」
「あたしと一緒に踊るってのかい?」
「お嫌ですか?」
「いいのかい?あたしはここの人間だよ」
 オフランスの者ではなくだ。植民地の人間だというのだ。
「種族も違うんだよ」
「それがどうかしたのですか?」
 シャルロットは無邪気な笑みでだ。ビルメに返した。
「何かあるのですか?」
「いや、そう言われるとね」 
 ビルメもこの返事には止まった。それでだ。
 少し呼吸を置いてからだ。こう言ったのである。
「別にね」
「では今から」
「こうした踊りは知らないけれどいいんだね」
「はい、私の動きに合わせて頂ければ」
「そこまで言ってくれるのならいいけれどね」
 ビルメも受けることにした。シャルロットの誘いを。
 それでだ。シャルロットと共にだ。
 二人で踊りはじめる。オフランスではかつてなかった舞踏会が開かれていた。シャルロットは無自覚のうちに大きなことをはじめていた。


TURN36   完


                           2012・7・7



やっぱりガメリカや中帝国は静観する方策で来たな。
美姫 「寧ろ潰しあってくれれば後で美味しい所を持っていけるものね」
だな。それが分かっていても囲まれている以上は日本としては止まれないしな。
美姫 「静観しているお蔭で多方面に展開しなくても良いしね」
とは言え、最低限の戦力は割かないといけないがな。
美姫 「領土が広がればそれだけ防衛も難しいものね」
さて、ここからが正念場でもあるし、どうしていくんだろうか。
美姫 「次回も待っていますね」
ではでは。



▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る