『ヘタリア大帝国』




                          TURN19  イーグル=ダグラス

 ガメリカ共和国の同盟国、実際のところは属国に近いがそれでも友好関係にあるマニラ2000にはガメリカ軍が多く駐留している。ハワイと並ぶガメリカ軍の太平洋方面における前線基地だ。
 その基地に今ガメリカ軍とフィリピン軍が集結している。アメリカは明るい顔で出迎えてきたフィリピン、ガメリカ軍の軍服を着ている彼に握手をした。
 フィリピンも彼に握手を返す。そうして二人は話すのだった。
「やあ、元気そうで何よりだぞ」
「アメリカもね。ところで君が今日ここに来たのは」
「そうだ、ここにガメリカ軍の新しい太平洋艦隊司令長官が来るんだ」
「イーグル=ダグラスだったね」
「おや、聞いていたのかい」
「少しね。それでだけれど」
「うん、フィリピン軍の提督はいるかな」
 アメリカが問うとだ。フィリピンも陽気に返す。
「呼んでるよ。安心してね」
「そうか、それは何よりだ」
「そっちもだよね」
「ガメリカの主な提督は全部呼んだぞ」
「えっ、全員なんだ」
「そうだ。そこには新しく提督になった娘もいるんだ」
 アメリカは実に明るい顔でフィリピンに話していく。
「ハワイの大王は残念だが引退したから来ないがな」
「ああ、あの人ね」
「それが残念だけれどな」
「まあそれは仕方ないね。とにかくね」
「そうだな。もうすぐ皆来る」
 国家以外の面々、即ち提督達がだというのだ。
「では顔合わせと会議をしよう」
「そうしようか。じゃあ会議室に入るかい?」
「いや、そこじゃないみたいだな」
「会議室じゃない?」
「新しい司令長官は旗艦の艦橋に呼んでいるぞ」
「ガメリカ軍の旗艦だね」
「そうだ。そこにだ」
 アメリカは本当に明るくフィリピンに話す。
「ガメリカ、マニラ両国の提督達を集めて顔合わせにするそうだ」
「ふうん、旗艦の艦橋に」
「その方が軍らしいということみたいだな」
「それはまた変わってるね」
 話を聞いてだ。フィリピンはその首を少し傾げさせてから述べた。
「普通こうした場合は会議室で話すからね」
「そうだな。けれどそれでも司令長官が言うならな」
「君の上司だからね。それならね」
「一緒に行こう」
「うん、じゃあね」 
 フィリピンは笑顔で友人の問いに応えた。確かにマニラはガメリカの属国に近いが二人の関係は友人のそれだった。決して悪い関係ではなかった。
 二人がその旗艦、エンタープライズの艦橋に入ると機能的な、最先端の技術に満ちた艦橋の壁にはガメリカの国旗があった。そしてガメリカ軍の軍服の者達が詰めていた。
 二人が入るとだ。彼等は一斉に敬礼をして応えた。
「ようこそ祖国殿、フィリピン殿」
「御待ちしていました」
「ははは、皆御苦労だね」
 アメリカは彼等に対してもフランクに返す。
「じゃあこれから会議だけれど」
「では我々はこれで」
「一旦席を外します」
「そうしてくれ。何かあれば呼ぶよ」
 こうしたやり取りから普通の軍人達が去るとだ。艦橋には。
 まずは髪を金色と赤に派手に染めたパンクな女が来た。化粧も派手でガメリカ軍の軍服を無茶苦茶に着ている。前ははだけさせ赤と白のシャツからは腹が丸見えだ。下は半ズボンで下着さえ見えている。化粧は確かに派手だが青い整った目をしている。鼻立ちもよく唇の形もいい。
 そして次にはダークブルーの腰まである豊かな髪をなびかせた女だった。切れ長の神秘的なオパールの色の瞳はまるで別の世界を見ているかの様である。
 ガメリカ軍の女性士官の軍服だがそこに金色や白の装飾を付けている。やはり化粧をしているがこちらは何処かインドかアラブのものを思わせる。見れば目が尖っている。
 そして三人目は緑の長い髪を左右にまとめた小柄な少女だ。薄緑の目は大きいがその顔立ちはガメリカに多い白人のものではなくアジア系のものだ。見れば顔立ちも幼い感じだ。ガメリカ軍の軍服を真面目な感じで着ている。
 四人目は男だった。案山子に似ており金髪をリーゼントにして青い目をしている。鼻は高く顔にはソバカスがある。随分ふざけた感じにも見える。
 キャヌホークも来ていた。そしてだった。
 紫の波がかった長い髪をダークパープルのリボンで右に束ねた少女も来た。顔立ちは幼いが栗色の目からは人懐っこい、それでいて大人びた光を放っている。やや褐色の肌に明るい可愛らしい顔立ちをしている。ガメリカ軍の軍服だが前ははだけさせ下のスカートもやけに短い。軍服の下のシャツの面積は僅かである。
 この六人がそれぞれアメリカとフィリピンの前に来てだ。こう名乗った。
「キャシー=ブラッドレイだよ」
「クリス=ハルゼーです」
「朽木=イザベラです」
「ジョニー=A=ネクスンだぞ」
「デビット=キャヌホークな」
「ララー=マニィよ」
 こうそれぞれ名乗って敬礼した。アメリカとフィリピンも彼等に返礼する。
 そしてそれからだ。アメリカが陽気に彼等に応えた。
「やあよく来てくれたね。これから会議だよ」
「そうだね。ただね」
 派手なパンクの女キャシーは艦橋の中を見回した。そのうえでこう言うのだった。
「肝心の新しい司令長官が来ていないね」
「そろそろ来るんじゃないのか?」
 キャヌホークはそのキャシーに対して言う。
「そう思うんだがな」
「そういう君はよくここまで来れたね」
「ああ、中帝国からか」
「そうだ。大変だったんじゃないか?」 
 アメリカはこうキャヌホークに尋ねる。
「重慶からよく来られたな」
「ベトナムの方から来たんだよ」
 キャヌホークは陽気にアメリカに話す。
「重慶からのルートがあるからな」
「そうだったな。そこを使ってか」
「そういうことさ。それはそうと祖国さんも元気そうだね」
「ははは、僕は何時でも元気だぞ」
 アメリカは満面の笑みでキャヌホークに返す。
「君も元気そうで何よりだ」
「元気過ぎて女の子にもてもてよね」
 ララーがアメリカに続く形でキャヌホークに言う。やはりその顔は明るい。
「さっきも女の子に声かけられてたでしょ」
「おや、見ていたのかい」
「浮気?中帝国のランファ提督といい仲だって聞いてるわよ」
「いや、あの娘はもう日本帝国の捕虜になったからな」
「関係は消滅?」
「残念って言えば残念だけれどね」
 こうは言ってもだ。キャヌホークはさばさばとした感じである。
「それも仕方ないさ。彼女が助かっただけでもね」
「よしとするのね」
「まあね。俺もここに無事来られたしね」
「相変わらずラッキーボーイね」
 ハルゼーは神秘的な微笑みでキャヌホークに言った。
「貴方の運勢は今日もね」
「いいのかい?」
「かなりね。異性運は特にね」
「ははは、それは何よりだ」
「けれど金銭運はあまりないわね」 
 そちらはだ。よくないというのだ。
「遊び過ぎね」
「確かにな。給料は殆ど消えてるさ」
「それでも遊ぶのは止めないのね」
「俺のライフワークさ。まあとにかくな」
「ええ、後はね」
「新しい司令長官を迎えましょう」
 イザベラは真面目にアメリカや他の提督達に言う。
「もうすぐ来られる筈です」
「そうだな。じゃあこのまま待とう」
 ネクソンは根拠がないまでに明るい。
「新しい司令長官はどういう人かな」
「イーグル=ダグラスですか」
 イザベラはこの名前にだ。記憶に刺激を感じていた。
 そしてそのうえでだ。こう同席している者達に言うのだった。
「何処かで聞いた名前ですね」
「あれっ、イザベラは知らないの?」
 そのイザベラにだ。ララーが言ってきた。
「イーグル=ダグラスって。ララーでも知ってるのに」
「何処かで聞いたことがあるけれど」
「それでも知らないの?」
「誰だったかしら」
「まあイザベラはずっと勉強と訓練ばっかりだったからね」
 キャシーがそのイザベラの横からララーに話す。
「士官学校の時なんて本当にガリ勉だったからな」
「見返さないと気が済まなかったからよ」
 イザベラはきっとした顔になって明るい顔のキャシーを見上げて述べた。
「だからよ」
「ジャパニーズだからか」
「そうよ。偏見なんて糞喰らえよ」
 その気の強い顔でだ。言うイザベラだった。
「私はガメリカ人よ。完全にね」
「その通りだ。イザベラは僕の国の人間だ」
 アメリカはイザベラ本人にもこう言った。
「だからおかしな偏見は許さないからな」
「すいません、祖国さん」
 イザベラはそのアメリカに敬礼をして述べた。
「お蔭で同胞達が助かりました」
「気にすることはないぞ。間違ったことはしちゃいけないんだ」
 アメリカは毅然としてイザベラに返した。
「だから僕は植民地にも反対しているんだ」
「そうです。植民地は間違っています」
 イザベラは強い声でアメリカに続いた。その目が輝いている。
「あの様なものは」
「あれっ、じゃあ君は日本の政策には」
「はい、反対です」
 毅然としてだ。イザベラはフィリピンにも答える。
「あの様なものは全て独立しなければなりません」
「僕みたいにだね」
「そう思います」
「ううん、イザベラは本当にガメリカ人だね」
「両親は確かに日本帝国からの移民です」
 このことは間違いないというのだ。彼女も自分のルーツは否定しない。
「ですがそれでもです」
「ガメリカ人だっていうんだね」
「そうです。私の血はコーラです」
「言ってくれたね。じゃあこれからね」
「宜しくお願いします」
 イザベラはフィリピンと握手した。お互いの絆も確かめ合う。そうしたやり取りをしているとだ。艦橋にあらたに一人の男が来た。彼はというと。
 見事な金髪、鷲を思わせる感じのワイルドなそれに鋭い青い目がある。その目もやはり鷲のそれを思わせる。
 顔は若々しく覇気だけでなくカリスマ性も感じさせる。何処に出ても映える様な顔だ。ただ整っているだけでなくそこには明らかに輝くものがある。
 均整の取れた長身をガメリカ軍の軍服と白い星の柄のジャケットで覆っている。その彼が薄い格好のいいサングラスをかけて入ってきた。その彼を見てだ。
 キャシーとイザベラがだ。驚愕の顔になって言った。
「あ、あんたまさか」
「映画俳優のイーグス=ダグラス」
「何であんたがここにいるんだよ」
「どうしてなの!?」
「俺がそのガメリカ軍太平洋艦隊司令長官だ」
 ダグラスは驚く二人をその鋭い目で一瞥してこう述べてきた。
「イーグル=ダグラスだ」
「だから何であんたがここにいるんだよ」
「太平洋方面艦隊司令長官って」
「映画俳優を辞めて軍人になっただけだ」
 ダグラスはまだ驚いている二人にそっけなく答えた。
「それだけだ」
「いや、それで納得できるかよ」
「そうよ。本当に」
「言ってなかったか?俺はヒーローになるってな」
 ダグラスは今度は居並ぶ国家と提督達にも述べた。
「映画の舞台挨拶の時にな」
「ああ、そういえば言っていたかな」
 キャヌホークが己の記憶を検索してから応えた。
「デビュー作で」
「覚えてくれてる奴もいるんだな」
「というかこの二人が世間知らず過ぎるんじゃないのかな」
 キャヌホークはキャシーとイザベラを見て言う。
「まあそれぞれ知らない事情はあるみたいだけれど」
「忘れてたんだよ」
 キャシーの事情はこうしたものだった。
「ついうっかりとね」
「私は知りませんでした」
 イザベラはこうしたものだった。
「映画は観ないので」
「じゃあ何を見るんだ?一体」
「士官学校入学前から多忙でしたので」
 つまり勉強ばかりしていたというのだ。
「そして正式に軍人になってからもです」
「映画を観る暇がなかったんだな」
「そうです」
 仕事に専念していたのだ。それがイザベラだった。
「私はそうしなければなりませんから」
「君のことは聞いている」
 ダグラスはイザベラに顔を向けて言った。
「日系人だな」
「そうです。しかしガメリカ人です」
「わかっている。俺も日系人だからといってどうもしない」
 ダグラスもそのことは保障した。アメリカと同じく。
「重要なのは有能かどうかだ。そして祖国さんの為に戦えるかどうかだ」
「当たって砕けろです」
 イザベラはダグラスに対しても強い声で返す。
「この命にかけても」
「わかった。では戦死するか捕虜になるまで頼むな」
「はい」
「君にも艦隊を率いてもらう。今日系人の志願兵達で艦隊が編成されることになった」
「ではその艦隊を私に」
「そうだ、頼む」
 司令長官直々の言葉だった。
「ガメリカの為にな」
「わかりました」
 イザベラとこうしたやり取りをしたうえでだ。ダグラスは一同に告げた。
「じゃあ席に着いてくれ」
「そうだな。ゆっくりと話そう」
 アメリカが応えてだ。そうしてだった。
 彼等は席に着いた。皆着席したのを見てだ。
 ダグラスも着席した。だがその座り方は両足をテーブルの上に放り出した随分と行儀の悪いものだった。そのうえ席に踏ん反り返っていて煙草さえ吸っている。
 だがその傲慢な態度も絵になる。その彼がこう言うのだった。
「まず俺がここに来た理由はだ」
「日本帝国との戦いのことね」
「そうだ。日本帝国は中帝国を追い詰めている」
 ハルゼーに応えてだ。ダグラスは述べた。
「南京も陥ちた。かなりまずい」
「まあ一年はもつだろうけれどね」
 その中帝国から来たキャヌホークも言ってきた。
「それでも。このままだとね」
「中帝国は降伏するしかない。そして日本帝国はまた植民地を増やす」
「そのことは絶対に許してはいけないぞ」
 アメリカがここで右手を拳にして言う。
「日本を懲らしめるんだ。そして中国を助けるんだ」
「しかし日本帝国は俺達の忠告を聞き入れない」
 ダグラスの目からはそう見えることだった。ガメリカの正義を信じる立場からは。
「それどころかここにも攻めようとしている」
「じゃあその場合は仕方ないね」
 ネクソンが言う。
「その日本帝国軍を迎え撃つんだ」
「司令部はハワイに置く」
 ダグラスはその戦略も述べはじめた。
「そのうえでこのマニラ、ミクロネシア、ソロモンに艦隊を配備する。しかしだ」
「主力はこのマニラに置くんだね」
「その通りだ、奴等はこのマニラを攻略して一気に東南アジアとオセアニアに雪崩れ込む」
 そうしてくるとだ。ダグラスも読んでいた。
「それを防ぎ逆に日本本土に攻め込む為にだ」
「このマニラに主力を置く」
「そして日本を迎え撃つ」
「ここには俺が駐留する」
 太平洋歓待司令長官自らがだとだ。彼歯鋭い目で言った。
「後の配備は俺が考える。俺がいる限りこのマニラは陥落しない」
「では。ここで」
「そうだ、日本帝国軍と決戦だ」
 今の主力艦隊を以てだ。そうするというのだ。
「そして勝つからな」
「ただ。今はね」
 ハルゼーがここでダグラスだけでなく他の面々にも言ってきた。
「ミクロネシアやラバウルにも艦隊を配備して欲しいと」
「現地からの要請か?」
「いえ、国防省からよ」
「上からか」
「ええ。だからここに置ける艦隊は限られるわ」
「そうか。できればミクロネシアを囮にしてもだ」
 そうしてでもだというのだ。
「マニラから攻めたかったがな」
「ここから日本本土へのルートもあるし」
「しかし。国防省が言ってきているか」
「キリング長官自らね」
「キリング財閥のご令嬢か」
 ダグラスの顔がここで微妙なものにもなった。
「一応カレッジで軍の教育は受けているらしいな」
「士官学校出身ではないですが」
 だがそれでもだとだ。イザベラが話す。
「軍事教育を優秀な成績でマスターされています」
「じゃあ軍事については素人じゃないな」
「はい、間違いなく」
「そうか。素人が口出ししないならいいさ」
 ダグラスはそれならばいいとした。
「ただ、俺は士官学校を飛び級してやったがな」
「君は士官学校はじまって以来の成績だったな」
 アメリカがそのダグラスに対して言ってきた。
「そのせいで士官学校を僅か一年で卒業してだ」
「二年でここまでなった」
 太平洋艦隊司令長官になったというのだ。
「どいつもこいつも抜いてやったさ」
「そうだったな」
「ああ、俳優を辞めて三年だ」
 合わせてそれだけだった。
「そして今俺はここにいてだ」
「日本帝国軍と戦うのね」
「何か人が少ないがな」
「今丁度休暇中なのよ」
 ララーが明るく笑ってダグラスに答える。
「それで皆いないのよ」
「休暇中?戦争が近いのにか?」
「国防省からの命令でね」
「わからないことするな、ペンタゴンも」
 ダグラスは国防省の通称も出した。ガメリカ国防省は建物のその形からペンタゴンと呼ばれるのだ。いささか宗教的な感じもする呼び名ではある。
 その通称を出してだ。ダグラスは首を捻ったのである。
「普通は全員待機だがな」
「そうね。けれど貴方はここに来た」
「ああ、それで陣頭指揮を執る」 
 ダグラスはクリスにも答える。
「そうするからな」
「俺はどうするべきかな」
「キャヌホーク、君はそのまま中帝国にいてくれ」
 キャヌホークに対してはこれまで通りだと伝える。
「テコ入れの意味もある。ただしだ」
「展開次第によっては」
「対応が変わる」
 そうなると伝えるのだった。
「そういうことで頼む」
「わかったよ。それじゃあね」
「基本的には祖国さんにフィリピンさんにだ」
 国家達を見てだ。ダグラスは真剣な面持ちで話す。
「クリスは参謀兼航空艦隊司令官だ」
「わかったわ」
「イザベラにララー、ネクソンは艦隊を率いる」
「了解」
「わかったわ」
「わかったぞ」
「キャシーも同じだが」
 ここでキャシーを見るとだ。彼女はというと。
 腕を組み首を項垂れさせている。見れば寝ている。
 その彼女を見てだ。ダグラスは少し笑って言った。
「御姫様はゆっくりとお休みだ」
「ははは、キャシーらしいな」
 アメリカはダグラスよりさらに明るく笑っている。
「実戦派だからな」
「そうだな。まあ起きてもらおうか」
「キャシー」
 ダグラスの言葉に応える形でクリスがキャシーのその肩をぽんと押す。するとだ。
 キャシーはそれで目を開いてだ。こう言うのだった。
「何だよ。会議はもう終わりかい?」
「まだ途中よ」
「そうかよ。じゃあもう一眠りすっか」
「あの、ブラッドレイ中将」
 イザベラは真面目な顔でキャシーを注意してきた。
「仮にも提督ならばです。もっと真剣に」
「おいおい、士官学校の時と変わらないな」
「当然です。軍人たるものは生真面目に」
「だからな。おめえは真面目過ぎるんだよ」
「中将が不真面目過ぎるのです」
「同期で階級も同じなのにその口調は止めろよ」
 くだけた調子でだ。言うキャシーだった。
「本当によ。居眠り位でよ」
「居眠りは最もあってはならないことです」
 やはりイザベラは真面目だ。まだ言うのだった。
「会議の場においては」
「じゃああれか?」
「はい、起きて下さい」
 イザベラは真面目なままである。
「宜しいですね」
「ああ、じゃあコーヒーでも飲んでな」
 テーブルの上のコーヒーを飲んだ。そうしてだ。
 少し目を覚ましてだ。キャシーは言うのだった。
「で。日本人達をぶん殴るんだよな」
「そうだ。そして韓国と台湾は独立だ」
 ダグラスはキャシーにあらためてこのことを話す。
「その前に東南アジアとオセアニアは独立だ」
「日本に攻めさせるのかよ」
「作戦としてはそうだ。しかしだ」
「あたしは政治はわからないんだけれどな」
 生粋の軍人、戦争屋だからだ。キャシーは政治とは無縁だ。だからこそ言うことだった。
「まああれだな。エイリスのいけ好かない貴族共もか」
「できればガメリカが倒すべきだがな」
 ダグラスはエイリスは嫌いだった。その感情を隠さない。
「植民地なんてふざけたものに頼る奴等はな」
「ガメリカとしても本音はそうなのよね」
 クリスはここでは参謀として話す。
「けれどそれはね」
「そうだ、エイリスとは同盟中だ」
「だからこそ日本と戦わせて」
「植民地には独立してもらう。そしてその独立した国家達はだ」
 どうなるかというのだ。その東南アジアやオセアニアの国家は。
「ガメリカの同盟国になる。フィリピンさんと同じくな」
「うん、東南アジアは今は僕とタイしか独立国はないけれどね」 
 フィリピンもだ。ダグラスの言葉に応え陽気に話す。
「それが変わるね」
「まあ。日本をすぐにぶん殴るかエイリス軍に戦ってもらって消耗してもらうかというとな」
 ダグラスの作戦はというとだった。
「エイリスに先に攻めてもらうか。俺のやり方じゃないがな」
「つまりあれだね」
 キャヌホークはここではやや参謀的な視点から話した。
「俺達はここにいてエイリスにはマニラを通過してもらい」
「そうだ、日本と正面からやってもらう」
「エイリスが勝つんじゃないかな」
「いや、エイリスの連中はドクツと対峙している」
 オフランスが破れだ。いよいよ直接対決が迫っているのだ。ダグラスは太平洋だけでなく大西洋のことも見て戦略を立てているのだ。
「そっちに主力がいくからな」
「じゃあこっちに来るのは」
「主力じゃない。しかしエイリスの太平洋方面の戦力全て合わせてだ」
 そうしてだというのだ。
「ようやく日本と戦える」
「成程ね。彼等とはそのうえで消耗してもらう」
「狼とライオンには殺し合ってもらう」
 日本帝国、そしてエイリスを争わせるというのだ。
「そして植民地の国家達はエイリスが弱まった隙に独立だ」
「その国家はすぐにガメリカは承認するんだな」
 ネクソンは何の淀みもなく明るく述べた。
「いいことだな」
「エイリスにも文句を言わせない。そしてエイリスが勝てばそこで止めさせる」
 エイリスと日本の戦いの仲介に入るというのだ。ガメリカがだ。
「日本が勝てばその日本を俺達がぶん殴る」
「そして太平洋経済圏の確立だね」
「その通りだ。フィリピンさんもその時は頼むな」
 ダグラスはフィリピンにも好意的な顔を向けて話す。
「あんたはガメリカの大切な友人だからな」
「わかってるよ。これからも宜しくね」
「日本はホワイトハウスの予定だと太平洋経済圏のナンバースリーだ」
 ナンバーワンは言うまでもない。中帝国がナンバーツーとなる。
「そのうえでソビエトと潰し合いだ」
「日本は随分と貧乏くじね」
「植民地を搾取してたんだ。当然のことだ」
 ダグラスは日本の政策を見事に勘違いしていた。台湾と韓国を日本の植民地と信じ込んでいる。
「その分の償いはしてもらう」
「カナダはどうなるんだ?」
 アメリカはふとこの国のことを言った。
「彼はどうなるんだい?」
「カナダ?ああ、あの国か」
 ダグラスはカナダと聞いて一瞬間を置いた。それからこう言った。
「どうだろうな。あの国は」
「そういえばそんな国もあったかな」
「そうですね」
 キャヌホークも士官学校首席のイザベラもだ。カナダについてはこんな有様だった。
「ううん、特に気にしなくていいんじゃないか?」
「そうですよね」
「とりあえず太平洋経済圏のナンバースリーまでの席次は決まっている」
 ダグラスもカナダについては軽視している。
「四番目でいいだろ」
「オーストラリアがいるぞ」
「じゃあ四番目はオーストラリアだな」
 ダグラスはアメリカの話を聞いてオーストラリアを先にした。
「オセアニアの盟主だ。ならあの国だな」
「そうだな。それでいいな」
「よし、じゃあオーストラリアにはその時に僕が話そう」
「頼むな」
 こうした話をした。誰もカナダについては無関心だった。
 キャシーもだ。こんな始末だった。
「カナダってどんな国だよ」
「ガメリカの北にある国よ」
「何だよ、南にはメキシコがあるよな」
「ええ」
「で、北ってアラスカだろ」
 ガメリカの領土だ。資源が豊かな場所である。
「カナダなんてあったか?」
「私もあまり知らないけれど」
「おい、クリスもかよ」
「謎に包まれた国かしら」
 本当に知らないのだった。クリスさえも。
「ケベック、そしてカナダがあって」
「星域は二つか?」
「確かそうだったわ」
「そうか。随分目立たない国なんだな」
「我が国と同じ頃にエイリスと独立したらしいわ」
「ああ、独立戦争の時か」
「けれど。影の薄い国みたいね」
 クリスはその整った奇麗な眉を少し歪ませて腕を組みつつ首を捻る。
「太平洋の国は全て頭に入れていたけれど」
「祖国さんは知ってるのかよ」
「いや、実は僕もあまり知らないんだ」
 アメリカでさえこうだった。キャシーに問われてもこんな有様である。
「何しろ今まで忙しくて。付き合いがなかったからな」
「じゃあ気にしなくていいな」
 ダグラスはカナダはこれで終わらせた。
「そんな目立たない国のことはな」
「よし、じゃあカナダは思い出したら話をしよう」
 アメリカは一同に言った。
「では日本との戦いのことをさらにな」
「よし、話そう」
 ダグラスが応えてだ。そうしてだった。
 日本帝国との戦いのことを話していく。ダグラスは就任早々国家や提督達をまとめた。そのうえで彼は旗艦エンタープライズの艦橋に留まった。その彼にだ。
 まだ残っているクリスがだ。こう尋ねてきた。
「ヒーローになるって言ってたけれど」
「さっきの話か」
「それは今で終わりではないわね」
「それも言った通りだ。俺はな」
「さらになのね」
「この国の大統領になる」
 強い意志をその目に込めてだ。ダグラスは言った。
「そしてガメリカを立て直す」
「あら、ガメリカはそんなに腐ってるかしら」
「少なくともまだ不充分だ。正義と自由はな」
「完全には為されていないかしら」
「日本帝国が許せないならどうしてエイリスと同盟を組んでるんだ?」
 エイリスへの反感をだ。ダグラスはありのままクリスに話す。
「あの国の植民地は日本の比じゃないからな」
「数もね」
「あそこの搾取は半端じゃねえ。けれどそのエイリスとガメリカは手を組んでいる」
「それが間違っている」
「ああ、本来ならエイリスを真っ先にぶん殴るべきだ」
「けれど今のガメリカにはそれができない」
「ガメリカの中にも腐った奴が多い。ふざけた犯罪者も多いしな」
 ガメリカは近頃凶悪犯罪が目立っているのだ。
「だからな。俺は」
「そんなガメリカの国内を立て直して」
「そしてエイリスみたいな国も許さない」
「そういう国にするのね」
「その為に俺はガメリカの大統領になる」 
 そうした意味でのヒーローだった。ダグラスが目指すヒーローは。
「映画俳優で終わりじゃないんだよ」
「映画ね。実はね」
「実は?」
「貴方のデビュー作だけれど」
 クリスは何処か夢見る少女、しかも憧れの対象を前にした顔になりだ。そのうえでダグラスに言ってきた。
「私何度も観たのよ」
「おや、俺のファンだったのか」
「そうだと言えばどうかしら」
「有り難いな。こんなところにも俺のファンがいるなんてな」
 ダグラスは機嫌のいい笑みになってクリスに返した。
「じゃあサインでもしようか」
「それはもう持ってるわ。貴方の直筆をね」
「そうか。それじゃあ今は」
「私の見たところ貴方は」
 クリスは今度は占い師の顔になった。
「大きな運命の中にいるわ」
「運命?」
「ええ、そして貴方の人生はこれから最も輝く時を迎えるわ」
「俺がヒーローになるのか」
「そこまではわからないけれど」
 だがそれでもだというのだ。
「貴方の運命は大きく変わるわ」
「そうなるのか」
「ええ、間違いなくね」
「そうか。それじゃあな」
「それじゃあ?」
「その輝く時を楽しませてもらうぜ」
 不敵な笑みだった。ここでも。
「思う存分な」
「そう言うと思ったわ。それでこそね」
「イーグル=ダグラスっていうんだな」
「やっぱり貴方は私が思ったいた通りだったわ」
「銀幕の中の俺と現実の俺は同じか」
「完全にね」
「俺は飾ることはしないさ」
 例えそれが銀幕の中でもだというのだ。
「俺は俺だ。変わらないさ」
「そうね。けれどそうできる人はね」
「少ないか」
「映画俳優は演じるものよね」
「そうさ。それが仕事だからな」
「けれど貴方は演じながらも貴方のままだった」
 そうだったというのだ。かつてのダグラスもまた。
「そこに憧れたのよ」
「それで演技力はどうだったかな
「言うまでもないと思うけれど」
 微笑みで返すクリスだった。
「私はお芝居には五月蝿いのよ」
「そうか。じゃあ演技力も確かだったんだな」
「折り紙付きだったわ。そしてその貴方が」
「ああ、大統領だ」
 それになりだというのだ。
「ガメリカを立て直す。今以上に偉大な国家にするさ」
「祖国さんもその言葉を聞くと喜ぶわね」
「俺はあの人が好きだ」 
 アメリカについての感情もだ。ダグラスは素直に述べた。その顔は微笑んでさえいる。
「国家の中で一番な」
「愛国心ね」
「そうだな。愛国心だな」
「それ故になのね」
「ああ、俺はあの人を今よりもずっとよくする」
 その明るい笑顔を思い浮かべながらだ。ダグラスはクリスに話すのだった。
「きっとな。祖国さんは今よりも遥かに素晴らしい国になる」
「そうね。きっとね」
「俺はこれでもお坊ちゃんだったんだがな」
「そうらしいわね」
「ところが世界恐慌で経営している会社が破綻した」
 ガメリカではよくあることだった。ガメリカは永遠の繁栄の二十年代から恐慌の三十年代に陥ったのだ。多くの会社が破綻してしまったのだ。
 そしてダグラスの家もだ。どうなったかというのだ。
「後は。苦しかったな」
「あの頃は誰もがそうだったわね」
「ああ、親も姉さんも必死に働いてくれてな」
「貴方を大学に行かせてくれたわね」
「そうさ。まあニューディール政策が上手にいってな」
 今の大統領ルースの政策だ。民主党のこの政策が当たってだというのだ。
「ガメリカ自体も俺の家もよくなってな」
「それで何とかなったのね」
「俺は映画スターになった。けれどな」
「恐慌で多くのことを知ったのね」
「あんたことは二度と御免だ」
 忌々しげな顔になりだ。ダグラスは述べた。
「とはいっても共有主義も反対だがな」
「あの思想は危険よ」
「そうだな。共有主義は全部ぶっ潰しちまう」
「貴方を育ててくれた家族も何もかもね」
「ソビエトにしてもな。厄介な相手だ」
「あのカテーリンという娘だけれど」
「あの娘は何なんだ?」
 怪訝な顔でだ。ダグラスはクリスに尋ねた。
「急に出て来てソビエトの書記長とやらになったが」
「そしてあれだけの政策を行う」
「とんでもない政策だが統率力が半端じゃない」
「まるで女王蟻の様ね」
「あんなことをあんな子供ができるのか?」
 ダグラスは真剣にこのことを疑問視していた。
「まだ小学校に通う様な歳じゃないのか」
「けれどソビエトでは絶対の存在ね」
「それがわからない。あの娘は何者だ」
 また言うダグラスだった。
「何か秘密があるのか」
「諜報部が探っているけれど」
「謎に包まれたままらしいな」
「ソビエトは今や学級会の様なものよ」
 それがソビエトだというのだ。
「言うならカテーリンがね」
「クラス委員か」
「若しくは生徒会長か」
「どちらにしろそうした世界か」
「一見清く正しいわ。けれどね」
「それが行き過ぎるとな」
「生徒集会も恐怖の会合になるわ」
 クリスは学校の持つそうした一面を語った。
「それがソビエトではないかしら」
「あそこは元々。ロシア帝国もな」
「強権政治だったわね」
「皇帝の独裁だった。あれはあれで問題があった」
「けれど今のソビエトは」
「独裁の裏は独裁なんだな」
 ダグラスは忌々しげに言い捨てた。
「それでしかないんだな」
「そうね。円と同じね」
「回っていけばその先にあるのは同じか」
「右でも左でもね」
「あれはファンシズムだ」
 ダグラスはソビエトの本質を見抜いていた。それだというのだ。
「そうした意味でイタリンやドクツと同じだがな」
「そういえば両方共資本家やそうした存在を制限するわね」
「ソビエトみたいに完全に潰しはしないがな」
「けれど全てを国家の、アイドルの下に統率する」
「それは資産主義じゃない」
 ダグラスはこう看破した。ファンシズムに対しても。
「独裁だ。そしてソビエトもな」
「イタリンやドクツ以上の独裁主義ね」
「あのカテーリンって娘のな」
「我が国ではそれ程多くはないけれど」
「今世界中に共有主義者がいるな」
「日本もそうね」
 彼等がこれから戦うだ。その国もだった。
「あの国も今は」
「よりによってゾルゲが来ているらしいな」
「そうらしいわね。ソビエトの工作員の」
「相当な奴らしいがな」
「ええ、超人的な身体能力に明晰な頭脳」
 その二つを併せ持っているというのだ。ゾルゲは。
「しかも巧みな弁舌に変装能力」
「まさに完璧だな」
「工作員としてはね」
「そのゾルゲが日本担当か」
「日本にも共有主義者は増えているわ」
「それなら。日本をぶん殴った後は」
 日本帝国に勝った後、その後はどうかというのだ。
「あの国の中の共有主義か」
「プレジデントはどうか知らないけれど」
 クリスもルースが共有主義、ソビエトには好意的なふしがあることは知っていた。このことはガメリカの政府や軍の高官達の間では比較的知られていることだった。
「それでもね」
「共有主義がガメリカの一番の敵だな」
「貴方もそのことはわかっているのね」
「当たり前だ。祖国さんだってそうだしな」
「祖国さんはそもそもロシアと仲が悪いわね」
 国家同士の関係もあった。
「だから余計にね」
「ああ、勿論俺は祖国さんにつく」
 ガメリカ人として当然のことだというのだ。
「そしてソビエトをぶっ潰す」
「そうするわね。それじゃあ貴方は」
「何度も言うが俺が目指すのはヒーローだ」
 鋭い目はそのままだった。
「ガメリカのヒーローだ。そうなる」
「では私はその貴方に協力させてもらうわ」
「悪いな。それじゃあな」
「ガメリカの為に。けれどね」
「けれど。何だ?」
「不思議なことがあるの」 
 クリスは少し怪訝な顔になりダグラスに述べた。
「どうもね」
「不思議なこと?何だそれは」
「ええ。貴方のことは占ったわね」
「ああ、これから俺の人生の中で一番輝くんだな」
「だけれどどう輝くのかはわからないの」
 こうダグラス本人に話すのだった。
「そして祖国さんもね」
「あの人のことも占ったのか」
「祖国さんのことはいつも占っているわ」
 ガメリカ人としてだ。どうしても気になるからだ。クリスはその占いの結果をアメリカ兄妹に話して忠告もしている。愛国心のある占い師でもあるのだ。
「その結果祖国さんも妹さんも凄い運勢が上昇してるけれど」
「だったらいいだろ」
「いえ、その上昇の仕方がおかしいのよ」
「おかしい?どういう風にだ?」
「普通はこうした場合は何の混ざるものもなく上昇するけれど」
 だがそれがだというのだ。
「色々な。一時的みたいだけれどよくないものも混ざってね」
「そのうえでの上昇か」
「祖国さんも妹さんもね。こんな占いの結果ははじめてよ」
「不吉じゃなくてもか」
「ええ。どういうことかしら」
「だが祖国さん達にとって悪い結果じゃないんだな」
「最高の結果ではあるわ」
 占いの結果。それ自体はだというのだ。
「だから余計にわからないのよ」
「そうなのか。けれどな」
「いい結果ならというのね」
「それでいい。なら祖国さんは戦争に勝つな」
 ダグラスはクリスの占いをこう捉えた。
「色々苦労をしてからな」
「そうなるのかしら」
「ああ。じゃあこれからデスクワークだ」
「デスクワークもするのね」
「司令長官ともなれば必須だからな」
 軍人にデスクワークは付きものだ。とりわけ提督以上にもなればだ。それはダグラスとて例外ではない。だからこそだというのである。
 それでだ。ダグラスは言うのだった。
「確かにあまり好きじゃないがな」
「少なくとも貴方はサインをしている方が似合うわね」
「だろうな。だがこれもサインだ」
 書類へのサインである。
「務めは果たすさ」
「では頑張ってね、そちらも」
「ああ、そうさせてもらう」
 クリスに軽い余裕のある笑顔で応えてだ。そうしてだった。
 ダグラスはデスクワークもするのだった。それも日本との戦いのことだった。ガメリカと日本の開戦の日は刻一刻と確実に迫っているのである。


TURN19   完


                        2012・4・15



イザベラたちの待遇がましになっているみたいだな。
美姫 「祖国さんが居るからでしょうね」
ガメリカも着実に準備を進めているし、益々日本は厳しい状況になるな。
美姫 「焦るのはまずいけれど、早めに中帝国との決着をつけないとね」
さてさて、どうなるかな。
美姫 「次回も待ってますね」
ではでは。



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