『ヘタリア大帝国』




                  TURN135  ワープトラブル

 枢軸軍の動きを見てもだ、貴族達はわかっていなかった。
 彼等は余裕綽々という態度で自分達に向かって来る枢軸軍の鋭鋒を見て言った。
「おお、手柄が自分達から来たぞ」
「数も碌もないというのに」
「速いだけではないか」
「それだけで戦争が出来るものか」
「勝てる筈がない」
 こう笑って言うのだった。
「我等の勝利は間違いない」
「ここで植民地だの欧州の中でも田舎の連中を成敗してだ」
「そしてその手柄で王室に色々要求させてもらおう」
「我等の権益の拡大」
「それを願おう」
 こう話してだ、そうして。
 彼等は悠然とそのままの雑然とした布陣で枢軸軍を待った、だがその枢軸軍の者達はというと。
 ダグラスはモニターから貴族達の軍勢を観て呆れてこう言った。
「馬鹿かあいつ等」
「あんな陣観たことないわよ」
 キャロルがそのダグラスにモニターから言って来た。
「どんだけバラバラなのよ」
「あれで勝てると思ってるのか?」
 ダグラスはこうも言った。
「しかも第一世代か第二世代の旧式艦ばかりだ」
「楽勝ね」
 キャロルははっきりと言い切った。
「こっちは殆ど無傷で勝てるわね」
「ああ、やれる」
 ダグラスも言い切った。
「連中は所詮烏合の衆だ」
「自分達ではわかっていないみたいだけれどね」
「そんな連中に負ける筈がない」
 絶対にとだ、ダグラスはこうも言い切った。
「じゃあやってやるか」
「ええ、今からね」
「朽木中将、いいか?」
 ダグラスはここでイザベラに声をかけた、すぐにモニターにそのイザベラが出て来てダグラスに対して敬礼をする。
「君にガメリカ軍の先陣を頼みたい」
「私がその栄誉に」
「ああ、頼めるか」
「喜んで」
 イザベラは再び敬礼をして応えた。
「では今から当たって砕けてきます」
「ああ、連中に当たればな」
 ダグラスはイザベラにも話す。
「それで向こうが砕けるからね」
「では当たって砕け、ですね」
「そうだ、一気にやってくれ」
「では容赦なく」
「勿論艦載機も出す」
 イザベラが当たるその前にというのだ。
「派手にやてくれ」
「了解です、ミスター」
「ああ、それじゃあな」
 こうしてイザベラがガメリカ軍の先陣となった、先陣を務める艦隊は各国から出されそのうえで進む、そしてだった。
 エイリス軍に突っ込む、しかし貴族達はというと。
 その彼等を見ても余裕のままだった、そうして。
 鈍重な動きの中でだ、こう命じた。
「よし、まずは艦載機だ」
「ソードフィッシュを出せ」
 言うまでもなく旧式機である。
「奴等に艦載機の恐ろしさを教えてやろうぞ」
「砲撃戦の前にな」
 艦載機が出撃していく、だが。
 彼等は発艦したその瞬間に目の前にあるものを観た、そして。
 瞬く間に撃墜されていく、艦載機部隊を率いる柴神の方が驚いていた。
「まさか複葉機とはな」
「はい、私もこれには驚いています」
 後ろからクリスが応えてきた、空母の艦橋から。
「旧式機もいいところですが」
「今はジェット機だ」
 その時になっているのだ、最早。
 それで複葉機だ、これではだった。
「相手になる筈がない」
「気付いていないのですね、彼等は」
「間違いなくな。潜水艦も察知していない」
 それもなかった、既に潜水艦艦隊は攻撃の時に備えて敵の後方に回り込み牙を研いでいる。
「レーダーもな」
「旧式ですね、あちらは」
「勝てる、いや」
「負ける筈がありませんね」
「数が倍でもだ」
 数だけだ、その他のことは。
「今回は一蹴出来る」
「それでは」
「はい、それでは」
「攻める」
 まさにそうすると言ってだ、柴神はソードフィッシュ達を一蹴させてそしてだった、そのうえで貴族達の艦隊に襲いかかった。
 ミサイルが次々に当たり艦艇を沈めていく、旧式艦はミサイルを一発受ければそれで炎に包まれ消えていく。
「な、何という威力だ!」
「敵のミサイルは何だ!」
「爆弾も魚雷も凄いぞ!」
「恐ろしい威力だ!」
 その攻撃の前に驚いたのは貴族達だ、彼等の艦隊は次々に沈んでいきそれを観て今更ながら驚愕したのだ。
 その攻撃にだ、貴族の家臣達、彼等の私軍の将校達も言う。
「損害が二割に達しました!」
「彼等の艦載機の攻撃だけで!」
「強いです!」
「尋常ではない威力です!」
「ど、どうなっているのだ」
 貴族達は皆脂汗を流しながら呟いた。
「まさか植民地あがりの雑兵共が」
「我等を圧倒しているというのか」
「どうということはない連中が」
「この高貴な我等を」
「今更ながら戸惑ってるみたいだね」
 南雲は傍目で見ても狼狽しているエイリス軍を見つつ笑って台湾に言った。
「攻撃を受けてから」
「そうですね、しかしです」
「今度は砲撃だよ」
「艦載機の損害は零です」
「一機もかい」
「はい、撃墜されませんでした」
「凄いね、そりゃ」
「複葉機にジェット機は落とせません」
 性能が違い過ぎる、速度も武装も。当然電子設備も全く違う。これでは撃墜出来る筈もない。
「それに敵艦隊に対空装備はなく」
「レーダーも古いね」
「まさに的に当てただけでした」
 それで損害が出る筈がないというのだ。
「ですから」
「そうだね、じゃあ次は」
「レーダー照準で」
 それで照準をセットしてだというのだ。
「攻めましょう」
「そうだね、今からね」
「では」
 こう話してだ、そうして。
 枢軸軍は今度は砲撃に入った、敵のアウトレンジから精巧なレーダーで照準をセットした、敵の動きも事前に予想してだ。
 そのうえで攻撃してだ、そしてだった。
 砲撃を開始する、大口径のビームが一斉に放たれ。
 貴族達を撃った、光に貫かれた艦艇達は真っ二つになり火球になって消えていく、それは最早戦闘ではなかった。
「艦載機だけではないのか」
「砲撃もかなりの威力ではないか」
「馬鹿な、我々の戦艦が一撃でだと」
「轟沈とはな」
 このことも驚くのだった、今度は。
「まずいぞ、これでは」
「損害が増えていく一方だ」
「我々はどうすればいい」
「このままでは」
 ここに至ってようやく狼狽した彼等だった、そうして。
 何をしていいかわからず狼狽していた、ここでミサイルも放たれ鉄鋼弾もだった。特に後方からの潜水艦の攻撃は。
 見えない攻撃だ、これに。
「セイレーンか!?」
「また出て来たのか」
「そういえばドクツも枢軸軍にいたな」
「だからか」
「潜水艦も来ているのか」
 その攻撃でも貴族の艦艇は爆発四散していく、炎の花は彼等の中でだけ咲き多くの人命を抱いて銀河の中に消えていく。
 そしてだ、その中で。
 貴族達は今度はだ、青ざめた顔で言った。
「き、救援を!」
「援軍を要請する!」
「早く来てくれ!」
「正規軍はまだか!」
「いや、それはないでしょ」
 彼等のその悲鳴を傍受してだ、キャロルは呆れて笑った。
「幾ら何でも」
「というか自分勝手にも程があるわね」
 ハンナも呆れた顔で言う。
「これは」
「ええ、まあこっちの一通りの攻撃で八割の戦力を失えばね」
 消滅と言っていい程だ、艦載機から鉄鋼弾まで受けてそうなったのだ。
「当然と言えば当然だけれど」
「そうね、自分勝手にしても」
「貴族の連中も生きたいからね」
「エイリス軍正規軍が来たわ」
 ドロシーが二人に言って来た。
「彼等の援軍に」
「最初から読んでいたのね」
 クーは彼等がここで来た理由をすぐに見抜いた。
「それでなのね」
「その様ね」
 ドロシーもこう応える。
「それでは次は」
「ええ、正規軍との戦いね」
「それになるわ」
 こう話してだ、そうして。
 枢軸軍は戦場に到着したエイリス軍を前にした、セーラは貴族艦隊と枢軸軍の間に自身が率いる軍を入れた。
 そうして自分達が盾になる形になってからだ、セーラは貴族達に言った。
「貴方達は撤退して下さい」
「撤退?」
「今は」
「そうです、ロンドンまで撤退して下さい」
 こう命じたのである。
「いいですね」
「どうせならより早く来てくれたらよかったというのに」
「何故もっと早く来てくれなかったのだ」
「戦死した者も多いというのに」
「女王陛下のご決断が」
「おい、ごたくはいいから早く逃げろ」
 イギリスは不平不満ばかり口にする彼等に咎める様に告げた。
「いいな」
「は、はい。わかりました」
「それでは」
「死にたくなかったら逃げろ」
 イギリスは彼等をさっさと追い出させた、戦場から。
 しかし彼等の動きは遅い、その撤退を援護しようにも。
「これではです」
「かなりの時間がかかります」
 その撤退状況についてだ、ロレンスとイギリス妹がセーラに話す。
「撤退の後詰をするにも」
「普段以上に損害が出ますが」
「そうですね、これでは」
 後詰に徹するのではなく反撃もでき出来なかった。鈍重な彼等を戦場から離脱させる為には攻撃ではなく敵軍の前に立ち隙を作らないことが肝心だからだ。
 それで今エイリス軍は守っていた、だが枢軸軍の攻撃の激しさの前に。
「損害を無視出来ません」
「とても」
「それでもです」
 セーラは彼等に苦渋の決断を告げた。
「今は、この戦いは」
「貴族達を逃がす為にも」
「どうしてもですね」
「正規軍を盾にしなければなりません」
 エイリスの癌を守る為にエイリスの宝を犠牲にしなくてはならなかった、それが今のエイリスの状況だった。
「さもなければ彼等が」
「仕方ないわね」
 エリザもだ、貴族達の力をわかっているからこそ言うのだった。
「もう彼等の協力がないとやっていけないから」
「はい、ですから」
「それじゃあね、ここは防戦に徹して」
 そしてだとだ、エリザも全軍に命じる。
「戦いましょう」
「わかりました、それでは」
「今は」
 皆頷くしかなかった、それでだった。
 エイリス軍は守った、そして。 
 彼等は今は守った、そのうえで。
 何とか貴族達がロンドンまで帰るまで守った、だがその時には。
「駄目だな、もうな」
「はい、損害を受け過ぎました」
 セーラは全軍を観てからイギリスに応えた。
「これ以上戦っても」
「勝てないしな」
「無駄に損害を出すだけですね」
「撤退しかないな、俺達も」
 イギリスは苦りに苦りきった顔でセーラに述べた。
「もうな」
「はい、それでは」
「女王さんは離脱してくれよ」
 イギリスは自らセーラにこう促した。
「いいな、後詰は俺が引き受ける」
「いえ、それは出来ません」
 ここでも責任感を出すセーラだった、そして言うことは。
「後詰は私が」
「クイーン=エリザベスも被弾してるだろ」
「これ位なら大丈夫です」
 戦える、だからだというのだ。
「ご安心下さい」
「いいんだな、本当に」
 イギリスはセーラの頑固な性格を知っている、セーラは己の責任のことならあくまで引かずやり遂げようとする、そうした生真面目な女王なのだ。
 だからだ、今はこう言ったのである。
「それで」
「はい、では」
「一緒に後詰をやるか」
「それでは」
 こう話してだ、そしてだった。
 セーラとイギリスで後詰を務めることになった、エリザ達はその二人に切実な顔で言った。
「それじゃあセーラちゃん、祖国ちゃんお願いね」
「申し訳ありませんが」
「ここはお願いします」
「いいから行けよ」
 イギリスはあえて余裕を見せて三人に返した、その余裕は貴族達の余裕とは全く違うものだった、相手に見せるものだけに。
「いいな」
「そうですか、それでは」
「今は」
「ロンドンで会おうな」
 イギリスは微笑みを作って彼等に言ってみせた、そしてだった。
 エリザ達は主力を率いてすぐに撤退にかかった、エリザは撤退する彼等に言う。
「いいわね、セーラちゃんの負担にならない為にもね」
「はい、すぐにですね」
「今すぐに」
「そうよ、撤退するわよ」
 撤退の時間が短ければ短いだけセーラ達の負担が減る、それでだった。
 彼等にだ、こう言ったのである。
「すぐにね」
「急ぎましょう」
 イギリス妹も彼等に言う。
「一刻も早く戦場を離脱して」
「女王陛下をお助けするのです」
 最後にロレンスも言ってだ、そしてだった。
 エイリス軍は素早く撤退していく、セーラとイギリスはその間も枢軸軍の前に立ちはだかり何とか防いでいた。
 その戦いぶりを観てだ、ランファがリンファに感嘆する顔で話した。
「前も凄かったけれど」
「セーラ=ブリテン女王の戦いぶりね」
「ええ、まさに自ら剣を手に戦う」
「それも見事に」
「あんな人滅多にいないわよ」
 こうまで言うランファだった。
「本当にね」
「そうね、まさに敵ながら」
「見事よ」
 この言葉がそのまま当てはまる、それがセーラだった。
「偉大な女王って言うべきね」
「この状況で後詰になるところもね」
「凄いわ、あたしには無理よ」
 名乗り出られてもあそこまでは戦えないというのだ。
「とてもね」
「私も。戦死すると思うわ」
「正直敵でなかったらって思うわ」
 そこまで思うランファだった。
「名将よ」
「本当にね」
「けれどここが正念場だから」
「攻めましょう」
「それで何とかあの女王様を捕虜に出来れば」
「外交カードとしては大きいわ」
 国家元首を捕虜にしてそのうえで外交材料に使うというのだ、それで枢軸軍はセーラを攻めもするのだった。
 しかしエイリス軍の主力は撤退を終えイギリスがセーラにそのことを言った。
「おい、皆帰ったぜ」
「そうですね、それでは」
「俺達もロンドンに逃げるか」
「是非」
 こう話してそしてだった。
 セーラとイギリスも撤退に移った、だがその彼等に。 
 枢軸軍はセオリー通り彼等を追撃した、その先頭には。
 東郷がいる、彼の乗艦である大和が軍の先頭にいるのだ。
 そしてその横には日本が乗る文字通り戦艦日本帝国があった、東郷はその日本に対して確かな顔で言った。
「まだもう少しな」
「追撃してですね」
「敵にダメージを与えておくか」
「そうですね、そして出来れば」
「セーラ女王を捕虜に出来ればな」
「大きいですね」
「貴重な外交カードだ」
 このことは東郷もわかっていた、それで言うのだ。
「あくまで出来ればだが」
「無理はされないのですね」
「エイリス軍に損害を与えている、こちらの損害を回復させればだ」
「ロンドンに侵攻出来る様になったからですね」
「ああ、無理はしないでおこう」
 次がある、それでだというのだ。
「そうしよう」
「わかりました、それでは」
「ではだ」
 東郷はあらためて言った。
「追撃にかかろう」
「それでは」 
 こうして戦いは最後の追撃戦に入った、東郷と日本は軍の先頭に立ったままその追撃戦を指揮する、その彼等を観て。
 イギリスはセーラにだ、こう言った。
「おい、何かな」
「クイーン=エリザベスがですね」
「遅くないか?」
「どうもエンジンの調子が悪くなりまして」
「そうか、実はな」
「祖国さんの乗艦もですか」
「何かまずいな」
 イギリスの乗艦であるエイリスもだというのだ。
「これはな」
「どうしますか、ここは」
「ワープで逃げるか?」
 ロンドンまでだ、そうしようかというのだ。
「ここはな」
「ワープですか」
「ああ、そうするか?」
 イギリスはこうセーラに提案した。
「ロンドンまでな」
「そうですね、このまま撤退しても」
「追いつかれるぜ」
 イギリスは後方から迫る枢軸軍をモニターで観ながら話す。
「そうしたら捕虜にされるからな」
「捕虜、ですか」
「そうなれば向こうは最高の外交カードを手に入れるだろ」
 セーラとイギリス、国家元首であり国家そのものだ。
 その彼等が捕虜になる、それは即ち。
「エイリスに一方的な講和を要求してきてこっちも受け入れざるを得ないだろ」
「そしてそうなれば」
「王室の権威は暴落だよ」
 それと反比例して。
「帰属の力が上がってな」
「それではエイリスは」
「負けてそれだ、最悪だろ」
「はい、それでは」
「ここは捕まる訳にはいかないんだよ」
 絶対に、というのだ。
「だからいいな」
「わかりました、ワープですね」
「何とかな」
 それでロンドンまで撤退する、こう話してだった。
 セーラとイギリスはワープに入る、だがその時に。
 東郷と日本の乗艦が来た、それも全速力で。日本は東郷に対して言う。
「ここは、ですね」
「ああ、どうやらエイリス軍のあの二隻はエンジンに損傷を受けたらしい」
「長官、あの二隻ですが」
 秋山も東郷に話す。
「クイーン=エリザベス、それにエイリス帝国です」
「セーラ女王とイギリスさんですね」
「はい」
 秋山は日本に対しても答える。
「間違いありません」
「そうですね、それでは」
「ここで捕虜に出来れば」
 秋山もわかっていた、このことは。
「ですからここは是非」
「接舷してからは任せるのだ」 
 山下も大和にいる、手にしている刀の柄に手をやりながら。
「私があの女王を捕虜にしてみせる」
「それは利古里ちゃんに頼めるかな」
「私は二度目に剣を交えた相手に敗れたことも引き分けたこともない」
 そのどれもだというのだ。
「だからだ」
「やってくれるか」
「うむ、そしてあちらの祖国殿もだな」
「捕虜にするつもりだ」
 東郷はイギリスについても答えた。
「二人を捕虜に出来れば大きい」
「それで我々の勝利は確定だな」
「間違いなくな」
「ではまずは接舷してくれ」
 山下はあらためて東郷に告げる。
「後は陸軍に任せろ」
「そうさせてもらうな」
 こう話してそしてだった。
 大和と日本帝国は全速力でクイーン=エリザベスとエイリス帝国に迫る、イギリスもそれを見てセーラに言う。
「急がないとな」
「はい、ワープの用意と共に」
「連中が来た時は」
「海兵隊は艦内戦の用意を」
 セーラは二隻の戦艦の将兵達にこうも命じた。
「敵が接舷してきた時は」
「ではその時は」
「我々が」
「私もです」
 セーラもだった、自ら腰の剣を抜いて宣言する。
「戦います」
「おい、俺もいるからな」
 イギリスはそのセーラにモニターから言う。
「無茶するなよ、女王さんに無理はさせないからな」
「祖国殿、では」
「ああ、女王さんは俺の上司だからな」
 それでだというのだ。
「日本の武士にも指一本触れさせないさ」
「お願いします」
「ああ、その時はな」
 こう話してそしてだった。
 ワープ準備に入りながら接舷戦の用意も進める、まさに運命の時だった。 
 東郷達も迫る、だがここで。
 ここでだ、クイーン=エリザベス達はワープに入った、イギリスは間に合ったと見てほっと一息吐き出した。
 そしてだ、こう言うのだった。
「間に合ったな」
「はい、そうですね」
「それじゃあロンドンまでな」
「撤退しましょう」
 ワープシステムに損傷はなかった、このままいける筈だった。
 しかしワープに入る瞬間に日本軍の二隻の戦艦がそれぞれ激突してきた、それが両艦に思わぬ衝撃となった。
 それでワープに誤差が生じた、それがそのままだった。
「まずい、ロンドンにワープ出来ません!」
「ワープ空間に入ります!」
「何っ、まずいだろ!」
 イギリスはワープ管制からの報告、いや悲鳴を聞いて声をあげた。
「まさかワープの瞬間に激突するなんてな」
「これでは何処に出るかわかりません」
「全くです」
「どうなるんだ、一体」
 イギリスは不吉な予感しか感じなかった。
「もう大抵枢軸の勢力圏だぞ」
「いえ、希望はあります」
 セーラが顔をしか目指せるイギリスに述べてきた。
「若し枢軸諸国の星域に出ても」
「エイリスを軸としたワープ航路を使ってか」
「はい、あの航路を使って」
 ロンドンまで撤退しようというのだ。
「そうしましょう」
「そうか、あれがあったな」
「問題はその航路を枢軸諸国に察知されないことです」
 それが大事だというのだ。
「何処かの星域まで出られれば」
「俺達は助かるな」
「ですから希望を捨てずに」
 今はワープで出る場所を見ようというのだ。
「行きましょう」
「それじゃあな」
 イギリスはセーラの言葉に記憶を戻した、そして。
 日本側もだ、東郷が言った。
「案ずることはない、ワープのトラブルに巻き込まれてもな」
「それでもですね」
「死ぬ訳ではないですから」
「そうだ、生きていれば希望がある」
 東郷は傍らにいる秋山とモニターに映っている日本に話した。
「何処かの星域、それこそロンドン以外に出られればな」
「その可能性の方が遥かに高いですね」
 秋山は東郷に話した。
「ですから」
「そうだ、ロンドンに出たら全速力でパリにまで撤退する」
 それだけだというのだ。
「他の星域ならどうということはない」
「今や世界の殆ど全ての星域は枢軸です」
 ここでこう話した秋山だった。
「エイリス領以外ですから」
「そうだ、だから安心していい」
「ただ、ワープ空間の中に漂う危険があります」
 日本はその可能性についても話した。
「そうなれば」
「ワープ空間か」
「あの場所がどうなっているかは誰も知りません」
 国家達でもだ、このことは誰も知らないのだ。
「ですから」
「ワープ空間か、確かにな」
 東郷もワープ事故については嫌になる程聞いている、ワープは瞬時に移動出来るがそれと共に事故の危険が付きまとう諸刃の剣なのだ。
 ワープ事故で行方不明になった者は多い、そしてそのワープ空間について言われていることも。
「色々な噂があるな」
「魔界だの異性物がいるだのと」
「不気味な噂に満ちているな」
「そうです、誰も知らないからこそ」
 噂話をして何処にいるかというのだ。
「余計に」
「そうだな、しかし」
「しかしですか」
「若しもワープ空間に出ても」
 それでもだというのだ。
「幸いこちらのワープシステムに異常はないからな」
「ではその中からも」
「やってみればいい」
 ワープ空間からの脱出、それをだというのだ。
「そうするとしよう」
「生きていればですか」
「生きていれば希望は絶対にある」
 人が生きていればだ、それだけでだというのだ。
「僅かな希望でもそれは大きく出来る」
「では」
「この状況でも諦めないことだ」
 決してだというのだ。
「ではいいな」
「わかりました、それでは」
 こう話してだった、彼等はワープを待つことにした。
 ワープに入り四隻の戦艦が消えた、宇垣はそれを観て言った。
「まずいな」
「うむ、ワープ空間に迷い込んでいなければいいが」
 平賀が久重の口からその宇垣に応える。
「しかしだ」
「ワープから他の星域に出るのは一瞬だ」
「助かっていれば」 
 その時はだとだ、平賀が言う。
「ではだ」
「各星域を捜索させましょうぞ」
 宇垣はこう平賀に返した。
「それでは」
「はい、それでは」
 こう話してだ、そして。
 宇垣達は捜索を開始した、彼等にとっては一瞬のことだった。しかし柴神は深刻な顔でこう呟いたのだった。
「若しワープ空間に入れば」
「どうかしたのですか?」
「いや、何でもない」
 日本妹の問いに返す。
「ただ」
「ただ?」
「戻って来るのならすぐだ」
 彼もこう言うのだった。
「一瞬だ、一瞬で済むからだ」
「では今私達は」
「捜索だ、長官達を探そう」
「わかりました」
 彼等はその一瞬に賭けた、しかし。
 東郷達は違った、彼等が出て来た場所は。
 ワープ空間だった、東郷はその紫と黒が混沌と渦巻く縦も横もない空間の中を見回していた、だがその空間から。
 銀河に出た、それでこう言った。
「何処の星域だ?」
「わかりません」
 大和の航宙長が艦内のコンピューターを観ながら話す。
「それが」
「わからない、どういうことだ」
「コンピューターに検索をかけても」
 現在地をだ、そうしてもだというのだ。
「出ないのです?」
「?宙図に出ていない星域か」
「どうやら」
「そうした星域があっても不思議ではないな」
「それはそうですが」
「しかし場所がわからないとなるとだ」
 どうかとだ、東郷は難しい顔で述べた。
「どうして戻るかだな」
「それが問題ですね」
「他の艦はどうなっている」
「はい」
 日本が大和のモニターに出て来た、そのうえで東郷に話す。
「私も乗員の皆さんも無事です」
「そうか、祖国さんも無事か」
「それとです」
 日本はモニターにあるものを映した、そこにはクイーン=エリザベスとエイリス帝国もいた。その二隻もだった。
「どうやらイギリスさん達も」
「無事か」
「その様です、動いておられます」
「全員無事か、しかし」
「問題はここがどの星域かですね」
 日本は難しい顔になって東郷に述べた。
「それが問題です」
「一体何処かだ」
「とりあえず祖国さんは大和に来てくれるか」
「そのうえで会議ですね」
「そうだ、まずは無事を祝おう」
 生きていれば希望がある、東郷は今もこの言葉を忘れていない。それで日本に対してもこう言ったのである。
「ここが何処かも知りたいしな」
「そうですね、それでは」
 こう話してだ、そしてだった。
 彼等は今は集結してそのうえで会議に入った、そして。
 山下は難しい顔で大和の会議室にいる日本、秋山、そして東郷に話した。
「ここが何処かだ」
「それが問題ですね」
 秋山はその山下にこう返した。
「一体」
「宙図にはこの星域のことは一切ありません」
 日本が話す。
「それも全く」
「それではどうして帰るかだが」
「とりあえず今の場所をコンピューターに入力する」
 東郷は一同にこう話した。
「それからパリに、その場所を細かくコンピューターに指定してだ」
「そしてですか」
「そうだ、今の場所がわからなくてもだ」
 それでもだというのだ。
「パリの場所さえ入力出来れば何とか帰られる、そうしよう」
「わかりました」
 こう話してだ、そうして。
 彼等は早速ワープに入ろうとした、だが。
 ワープを指定してもだ、これが。
「ワープが指定出来ない!?」
「はい、パリの細かい場所を指定してもです」
「これが」
 全くだ、指定出来ないというのだ。ワープ管制を担当する管制士官達が難しい顔で東郷に対して困惑した顔で報告する。
「全くです」
「入力すら出来ないのです」
「ではこの星域はだ」
 どういうことかとだ、東郷は難しい顔になり話した。
「我々のいる世界じゃないな」
「?といいますと」
「どういうことですか?」
「この世界は我々が存在している世界ではなくだ」
「別の世界ですか」
「我々の世界とは違う」
「そうだ、どうやらな」
 こう言うのだった。
「全く別のな」
「ううん、では一体」
「この世界は」
「それはわからない、しかしよくSF小説で書かれているな」
 東郷は小説から話すことにした、ここでは。
「我々の世界とは別の世界がある」
「はい、よくある話ですね」
「そうした話は」
「ここはそうした世界か」
 東郷は今も冷静な顔で話す。
「どうやらな」
「ではどうして帰りましょうか」
「ここは」
「まず知ることか」 
 東郷はこの状況でも落ち着いている、そうして言うのだった。
「この世界を」
「それからですか」
「どうするかですか」
「そうだ、水や食料はある」
 このことも話す東郷だった、まさに生きる為の生命線についても。
「だからまずは調べよう」
「それではですね」
 ここでだ、秋山が言う。
「大和に内装されている偵察艇を全て出しましょう」
「それで調べるか」
「はい、そうしましょう」
 こう東郷に提案したのだ。
「それで調べましょう」
「そうだな、それじゃあな」
「ではすぐに」
 秋山の提案通り大和の偵察艇が出され調査がはじまった、日本もそうする。そして東郷はエイリス軍についても言った。
「エイリス軍はどうしているか」
「我々と同じですね」
 日本が東郷にこのことを話した。
「この星域の調査に専念しています」
「戦闘どころじゃないな」
「はい、全くです」
「むしろ今ここで衝突すればな」
「それは共倒れになります」
「そうなれば何にもならない」
「ではここはこちらから手出ししないということで」
 そう話す、しかしだった。
 ここでだ、東郷はふと閃いてこう日本で提案した。
「エイリス側と話すか」
「エイリス軍とですか」
「ああ、あっちのセーラ女王、それとイギリスさんとな」
「協力ですか」
「敵対しても今はどうにもならない」
 こう判断してなのだ。
「だからここはな」
「そうですね。それがいいかも知れませんね」
「ではまずは秋山、そして利古里ちゃんとも話してな」
「正式に決めますか」
「そうするとしよう」
 こうして再び四者会議がはじめられた、まずは秋山が答えた。
「そうですね、今は」
「協力すべきですね」
「可能なら、ですが」
 あちらが乗ってくれるならとだ、秋山は日本に答える。
「それが出来ればいいでしょう」
「それでは参謀総長は賛成ですね」
「そうです」
 その通りだとだ、秋山は日本に答えた。
「私は」
「わかりました、それでは」
「利古里ちゃんはどうなんだ?」
 東郷は山下に問うた。
「賛成か反対か」
「そうだな、私はな」 
 山下はまずは一呼吸置いた、そのうえでこう答えた。
「賛成だ」
「ああ、賛成か」
「この場合はその方がいい」
 協力、その方がだというのだ。
「下手に争うよりもな」
「徹底抗戦ではなくですか」
「それはない」
 山下は日本に対しても答える。
「それが何にもならないことは私にもわかる、むしろだ」
「ここは協力し合った方がですね」
「生きて戻れる可能性が高い」
 そのことを計算しての考えだった。
「無駄な争いは避けるべきだ」
「では」
「早速会談の場を設けよう」
 話が決まればすぐだった、山下は三人に提案した。
「そして話をするとしよう」
「それでは」
 秋山が応えそうしてだった。
 彼等はエイリス軍に会談を申し出た、するとだった。 
 モニターのセーラが東郷にこう答えた。
「実は私達もです」
「貴方達も、では」
「ここは一時休戦してです」
 そのうえでだというのだ。
「協力しこの場所から元の世界に戻ることがいいと結論が出ていました」
「そうでしたか」
「この世界が私達の世界と違うことも」
 そのこともだというのだ。
「私達も把握しました」
「では」
「長官、ここは互いに協力し」
 そしてだというのだ。
「元の世界に戻りましょう」
「それでは」
「今から正式に会談をして休戦、協力関係を約束し」
「この世界から脱出することですね」
「そうしましょう」
 こうして両者は会議の場を設けそのうえで休戦と協力を約束した、まずはエイリス側の二隻の戦艦のエンジンを修理することになった。
 その修理は万全だった、エンジンはすぐに修理された。
「よし、これでな」
「はい、無事に航行が出来ますね」
 セーラはこのことについては安堵した顔でイギリスに話せた。
「まずはよしとしましょう」
「じゃあこの星域のことを探してな」
「そうしてですね」
「ああ、行こう」
 イギリスはこうセーラに話した。
「今からな」
「日本軍と共に」
 こうして双方は協力することになった、一時的にではあっても。
 そしてこのことについてだ、イギリスは日本に何処か落ち着いた顔で話した。今二人はイギリスの乗艦の中で紅茶を飲んでいる。
 共にあるのは三段ティーセットだ、勿論紅茶はミルクティーだ。日本はそのミルクティーを飲みつつイギリスに話す。
「そういえばイギリスさんの紅茶をご馳走になるのも」
「久し振りだよな」
「はい、本当に」
「昔は結構一緒に飲んだけれどな」
 日英同盟を結んでいた頃のことだ。
「その時は本当によくな」
「ご馳走になりましたね」
「思えばあの同盟はいいものだったよ」
 イギリスはその時のことを思い出しながら日本に話す。
「本当にな」
「そうですね、あの同盟は」
「ロシアの奴も防げたしな」 
 ロシアの進出を防いだのだ、その頃中帝国は内部の混乱で満州即ち北京の境に築いている防衛ラインから北を放棄せざるを得なかった、ロシアはその満州に来ていたのだ。
 そこから太平洋への野心を露わにさせていた、それでエイリスは日本との同盟を選び日本もそれに応えたのだ。
 しかしだ、その同盟は。
「ガメリカと中帝国の思惑に気付くべきだったよ」
「私達の同盟を破棄させれば」
 どうなるか、二人はその頃を思い出して話していく。
「両国の目の上のたん瘤がなくなります」
「連中はその頃から太平洋経済圏を考えてたんだよ」
「一次大戦の後で」
「まあ御前もそっちに入ったけれどな」
「ですが両国が仕切るのではなく」
 日本が盟主だ、この辺りは両国の計算が狂ったのだ。
「太平洋は合議になっています」
「連中は何でも仕切りたがるけれどな」
「そこはかなり違ってきています」
「太平洋でもな」
「はい、違っています」
「まあどっちにしてもこっちはな」
 エイリスにしてみれば、イギリスは強張った顔で言った。
「植民地がなくなって国力激減だよ」
「そのことについては」
「まあな、植民地もな」
 どうかとだ、イギリスも既にわかっていた。
「貴族連中が搾取して利権を貪ってな」
「イギリスさんにしても頭の痛い問題だったのですね」
「俺だって植民地の連中をいじめたりするのはな」
 本意ではなかったのだ、彼にしても。
「叛乱鎮圧の艦隊の派遣や駐留、配備も大変だったからな」
「予算が」
「そうだよ、かなりな」
 こう言うのだった。
「植民地からの収入なんて殆どなくなってたんだよ」
「そうだったのですね」
「ああ、本当にな」
「ではイギリスさんは」
「俺はもう植民地は全部放棄すべきだって考えてるんだよ」
 この考えに至ったというのだ。
「本当にな」
「そうですか」
「ああ、植民地の人達を虐げて貴族の連中だけがいい目を見てな」
 そしてさらに。
「軍を展開させて碌に実入りもなくなってるからな」
「だからですか」
「もうエイリス本土だけでいいだろ」
 その所有している星域は、というのだ。
「後は貿易主体でやっていくさ」
「それでは世界の盟主の座は」
「ああ、それももうな」
 イギリスはティーセットのスコーンを食べながら言う、上段にそれがあり中段はエクレア、そして下段にはケーキとフルーツだ。今回は中段にはサンドイッチではなくエクレアを置いていることが普段とは違う点だ。
 そのエクレアも見つつだ、イギリスは日本に話す。
「いいさ」
「エイリスの誇りでしたが」
「誇りはあるさ」
 既にだというのだ。
「俺達の中にな」
「誇りそのものが」
「だからいいんだよ、もうな」
 こう日本に話すイギリスだった。
「世界の盟主とかもな」
「では世界の盟主は」
「もう誰もいないだろ」
 エイリスも他の国もだというのだ。
「というかいらないだろ」
「どの国もならない」
「太平洋は太平洋、欧州は欧州になってるだろ」
 既にその区分になっているというのだ、この戦争で植民地が解放され独立したからに他ならない。
「だったらな」
「世界の盟主というものも」
「なくなったさ、というか最初からなかったのかもな」
 世界の盟主、そんなものはというのだ。
「球界の盟主、そっちのと一緒でな」
「あっ、そのチームは今五十年連続最下位ですのね」
「巨人だったか」
「はい、しかも四十年連続勝率一割です」
 まさにぶっちぎりの弱さだ。どの世界でも巨人には無様な負けがよく似合う。
「弱いにも程があります」
「何か凄いな」
「はい、しかし球界の盟主というものも」
「ないな」
「彼等が勝手に言っているだけでした」
 そうして盲信している者達だけがだ。
「そうしたものでした」
「何かの盟主ってのはやっぱりな」
「幻想ですか」
「そうだろうな」
 所詮だ、そうしたものに過ぎないというのだ。
「実際のところは」
「では」
「ああ、もう盟主なんていいさ」
 そうしたものにはこだわらないというのだ。
「俺はな」
「欧州の一国として生きられますか」
「そのつもりさ、まあ欧州はこれからはな」
 戦争の後だ、欧州はどうなるかというと。
「ドクツが中心になるだろうな」
「ドクツの発展した国力、それに」
「あの総統さんがいるからな」
「だからですね」
「エイリスは欧州の一国だよ」
 例えそれが大国のうちの一国だとしてもだ。
「そうなるな」
「ですか」
「ああ、もうそれでいいんだよ」
「欧州の一国で」
「世界の盟主が実は貴族連中の利権の温床になってるのならな」
 何の意味がないというのだ、こう話しながら。
 イギリスは中段のエクレアも下段のケーキも食べた、日本もまた。
 そうしてだ、イギリスは日本にこのことを話した。
「今度はそっちの長官さん達や女王さんも呼んでな」
「お茶会をですね」
「しような、後は日本の茶道もな」
「それもですね」
「うちの女王さんに振舞ってくれよ」
「はい、それでは」
 日本はイギリスに微笑んで応えた、二人は久し振りに心ゆくまで話をした。両国の絆は既に戻っていた。


TURN135   完


                            2013・9・7



逃げる貴族達の殿を務める女王か。
美姫 「本当に凄い人よね」
だよな。それに比べて貴族たちは、もう何と言うか。
美姫 「それでも庇って、とうとう、異世界に行ってしまうとはね」
不憫過ぎるな。
美姫 「まあ、祖国さんたちも一緒だから多少は心細さも和らぐかもね」
とは言え、問題は戻る方法だよな。
美姫 「そうよね。幾ら食料を積んでいると言っても無限ではないしね」
東郷たちは無事に戻る事が出来るんだろうか。
美姫 「それに、元の世界でどうなるのかという事もあるしね」
それらも含め、次回も待っています。
美姫 「待ってますね〜」



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