『真に守るべきモノ』





第六章「次元の管理者」


光に包まれたかと思うと、森の景色が消え別の景色が現れる。
広い通路のような場所。
既に出血は止まっているが目を覚まさないシロウを肩で支えて周りを見る。
すると正面に黒い服装の少年が居る。
その子も私達やシロウよりずっと年下に見える。

「ご苦労様、みんな。」

「ただいま、クロノ」

労いの言葉にフェイトと名乗った少女が答える。
少年・・・・クロノは少し笑みを浮かべる。
が、すぐに真剣な顔になる。

「怪我人を医務室に連れて行きます」

私と恐らく桜、リリィを見たのだろう。
私達は無言で頷く。
それを確認して後ろにいた人達に指示を出す。

「じゃ、連れて行って」

「はっ」

担架の上にシロウを寝かせると、すばやい動きでテキパキと行動をし連れて行ってくれる。
ライダーも、そしてここに来て気を失った大河も・・・。
その光景からクロノは視線をこちらへと向ける。

「そう言えば自己紹介がまだでしたね。
 時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンです」

執務官・・・・。
と、言う事は指揮官みたいなものか・・・。
見かけによらず優秀なのだろう。
いや、それはイリヤスフィールに失礼だな。
彼女も既に見かけでは判断できない優れた魔術師なのだから・・・・・。

「では、事情を聞きたいので付いてきて下さい。
 艦長が待っています。
 ・・・・・あ、そちらの大きい方は・・・・」

クロノの目が自然とバーサーカーに向く。
確かにこの大きさではつらいかもしれない。
城ならばまだしも・・・・。

「ああ。
 バーサーカー」

イリヤスフィールが声を掛けると、バーサーカーの姿が消えて行く。
その光景を見てから正面に向き直る。
と、クロノを始め先ほど戦いに手を貸してくれた者達が皆ポカンと口を開けて驚いている。
何を驚いているのだろうと疑問をぶつける。

「どうかしたのですか?」

少し間を置いて帽子を被った少女が聞いてきた。

「な、なぁ。
 あの大きいの何処に行ったんだ?」

「何処にも行ってません。
 霊体化して姿を消しただけです」

「れ、霊体化って。
 つまり幽霊って事ですか?」

今度はシロウが庇った少女。
どうやら彼女達は霊体化して姿が消えた事に驚いているようだ。
私はそれ程驚く事と思わないのだが・・・・。

「幽霊・・・・とは少し違いますが、まぁ似たようなものですね。
 その辺りの話もその・・・艦長と言う人の所で話しましょう。」

「そ・・・・そうですか。
 では、付いてきて下さい」

何とか気を落ち着かせてクロノが背を向けて歩き出す。
暫く歩きながら周りを観察する。
通路は凄く幻想的な造りをしている。
少なくとも、シロウの家や街では見ない感じだ。
ある一定の間隔でドアもあるが、こちらは見た限り取っ手が無い。
どうやって開けるのか少し疑問を抱く。
横に桜が居るのだが、シロウや凛が心配なのだろう。
ずっと暗い表情をしている。
後ろではリリィとイリヤスフィールが周りをキョロキョロして見ている。
年相応のイリヤスフィールはまだ分かるのだが、リリィが頻繁に周りを見ているのは少し奇妙に思えた。
恐らく、彼女の居た世界にもここの造りは無いのだろう。
前を歩いていたクロノの足が止まる。
そこには一つのドアが・・・。

「失礼します、艦長」

挨拶をし、ドアが開く。
入っていくクロノに続いて部屋へと入る。

「・・・・・」

桜達が息を呑むのが分かった。
そこにはこれまた違う雰囲気の部屋だった為だ。
通路の造りに比べて全く違う、純和風の雰囲気を出していた。
そしてその180度違う部屋の中に一人の女性が居た。

「ようこそ、時空管理局艦船『アースラ』へ。
 時空管理局提督アースラ艦長、リンディ・ハラオウンです」


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(・・・・・・想像していたよりもずっと深刻ね)

既に部屋には誰も居ない。
事情を話してくれた人達は休んでもらう為に部屋を用意するようクロノに伝え、案内をさせた。
本局に連れて行く事にも了解を得た。
着くまでの間にゆっくり休んでもらう。
そして今、一人で考える。
さっき話してくれた4人、桜さん、セイバーさん、イリヤさん、そしてリリィさん。
前者3人はなのはさんと同じ世界の出身。
リリィさんは根源の世界アヴァターの出身。
話を聞いた限りで分かった事は、この問題が個々の世界で止まっていない事。
下手をすれば全ての世界が滅ぶ事に結びつく。
そして今は本局で身柄を置いている少女の話がリリィさんと一致した事。
それにより本格的に局が動く必要がある事。

(・・・・・正直、クロノとフェイトだけでは心許無い・・・・。
なのはさん達をアースラに臨時配置してもらうようにレティに掛け合うしかないわね)

先程の戦闘を見る限り、ちょっとやそっとの戦力は意味が無い。
武装隊の人員を40人増やした所で、死者が増えるだけだろう。
それこそAAA以上の魔導師じゃないと太刀打ちできない。
桜さん達も並みの魔導師じゃない。
例え系統が違っても実力は伴っていないとあの戦闘は出来ないのだから・・・。
その彼女達でも追い詰められた。
だからこそ、戦力増強が必須なのだ。
思考を展開しながら胸ポケットから手帳を取り出す。
そこに挟んである物。
夫とクロノと自分が写っている写真。
そしてもう一枚。
若い頃の自分と親友のレティ、そしてひょんな事で知り合い意気投合した今は消息の分からない魔導師。

(・・・・貴方はこう言う時どんな心境でいるのかしら?)

常に冷静でとても優秀。
色々と相談にも乗ってもらった。
レティと並ぶ友人だと思っている。
でもある時忽然と姿を消してしまった。
いくら探しても見付からなかった。
提督となった今でも教わる事はがあると思える存在。
目を閉じて僅かに懐かしい記憶に浸る。
そして開いた時には、前を見る艦長の顔に戻っていた。


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「しっかし、凄い戦闘よね〜」

モニターに映し出された映像を見ながらエイミィさんがそんな事を言う。
そこにはフェイトちゃんとシグナムさん、それと金髪の鎧の女性・・・セイバーさんが映し出される。
三つとも基本はクロスレンジ。
凄く早い攻防が繰り広げられている。

「そうだな。
 だが、彼等が『吸血鬼』だって事がどうも信じられん」

横に居たクロノ君がモニターを見ながら言った。
さっき艦長室で聞いた話。
吸血鬼や魔術、召喚器に破滅・・・・。
どうやら私の世界にも魔法・・・・魔術は存在していたみたい。
ただ私が知らなかったんだと、桜さんが教えてくれた。
私は聞かされた話は信じてるんだけどクロノ君は否定的みたい。
フェイトちゃんはと聞こうとしたら、先に口を開いた。

「多分本当だと思うよ、クロノ」

その言葉にクロノ君はフェイトちゃんの方を見る。

「何故そう思う?」

「さっきの話を聞く前に『吸血鬼』って単語を聞いたの。
 あの対峙している人から・・・・」

フェイトちゃんが目線をクロノ君からモニターへと向ける。
そこにはフェイトちゃんと対峙するマントを羽織った男の人。

「・・・・・自分から名乗ったのか?」

「うん、投降を呼び掛けてたんだけど『自分は吸血鬼だ、人間じゃない』って・・・。
 まるで吸血鬼は絶対に投降なんかしない、人間とは相容れないって言われたみたいに感じて・・・・。
 さっきの話を聞いて、あの人が何であんな言い方をしたのか理解できた」

吸血鬼。
だから魔法を使っていないのにあんなに強いのかな?
殆ど身体能力だけで戦っていたみたいだし・・・・・。

「確かに、人と戦っていると言うより怪物と戦っている感じだったな」

「ああ。
 腹ん中からワニやらカラスやら出てきてたしな」

モニターを見ながら戦闘での感想をシグナムさん、ヴィータちゃんの順に述べる。
私の感想としても信じられないぐらいのスピードを使って距離を詰められたし・・・・。
魔法がまるで通じないし、吸血鬼と言われても否定できない。

「ねぇクロノ君。
 これからどうなるの?」

「どうなるって?」

私の疑問に疑問で返してくる。

「あの人達を助ける事は出来たけど、その後・・・。
 本局に戻ってから・・・・」

「そうだな・・・」

クロノ君が手を顎に当てて、考える仕草をする。
皆の視線が集まる。
約一分程考えてから口を開いた。

「少なくとも『次元の乱れ』は局の方も他人事として受けられない。
 当真大河とリリィ・シアフィールドの跳躍は別として今はまだ一般人が他の世界に転移したと言う情報は無い。
 が、この問題がこれから進んでいけば恐らく様々な世界で大きくなっていくだろう。
 多分、艦長も同じ事を考えてるんじゃないかな?
 そうなる前に対処して行こうって・・・」

「じゃあ、今回の担当は私達アースラスタッフなのかな?」

「だけじゃないだろう。
 対処する上で彼等との戦闘は避けられないと思う」

フェイトちゃんの疑問に肯定と否定を混ぜた答えを返す。
画面を改めて見て言う。

「武装局員を派遣してもらうか、もしくはなのはやユーノ、はやて達が臨時で就いてもらうかもしれない。
 可能性としては後者の方が高いと思う」

「我々がか?」

シグナムさんが少し驚きの顔をしてクロノ君を見る。
その顔を見ながら僅かに頷く。

「シグナムから見てだが、アレに一対一で勝つ自信はあるか?」

「おい!?誰に言ってんだよ!?
 あたし等は騎士だぞ?
 そう簡単に・・・・」

と勢い付いていたヴィータちゃんだったけど、シグナムさんの顔を見て急に大人しくなった。
シグナムさんがすぐには答えず、少し伏せ目がちになっていたからだ。

「シ、シグナム?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・勝てなくはない」

長い沈黙の後に出た答え。
それを聞いてヴィータちゃんのテンションが上がる。

「ほら見ろ!
 シグナムが負けるわけ無いじゃん!!」

「だが・・・・・・・」

次の言葉に空気が一気に冷めた。

「絶対かと言われると自信は無い。
 それに・・・・」

モニターに映し出されている赤い炎のような女性。

「あの女には勝つ自信は微塵も無い」

全員が黙ってしまった。
かなりの実力を持つシグナムさんが勝つ自信が無いと言う。
シグナムさんが勝てないと言うとなると私も勝つ事が出来ないと言う事で・・・・。
でも・・・。

「でも、それなら今より強くなれば良いんだよね?」

自然とそんな言葉が出た。
すると皆が目を丸くして私を見る。
あれ?何か変な事言ったかな?

「・・・・そうだね、勝てないなら勝つ為に強くなれば良いんだ」

フェイトちゃんが優しい目をして同意してくれた。
一度画面を見て、また私に視線を戻す。
その目には強い意志。

「じゃあ、なのは。
 早速トレーニングしよう」

「あ、うん!」

すぐに駆け足でトレーニングルームへと向かった。
呆然としている人達を残して・・・・。


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「あいつ・・・・・・めちゃくちゃシンプルだな?」

二人が出て行ったドアを見て、呆れ顔のヴィータがそんな事を呟く。

「だが、それが彼女の良い所だ。
 常に前を向いて自分が出来る事をしようとする。
 ああ言う所を見習いたいな」

素直な感想。
実力的にはまだなのはに負ける事は無いと思う。
でも、ああ言った心の持ちようは凄く手本になると思っている。
後ろを見るなとは言わないけど、後ろばかり見ていない。
あれは彼女の本質なのかもしれない。

「・・・・・そうだな」

「あれ、シグナム?
 何処行くんだ?」

同意しながらドアへと向かうシグナム。

「私もトレーニングに付き合ってくる。
 今勝てないなら勝てるようにすればいい」

そう言い残して部屋から出て行く。

「あ、おい。
 あたしも行く」

ヴィータも続いて出て行った。
エイミィと二人でその後ろ姿を見送る。

「ホント、皆向上心高いよね〜」

「慢心しない事は良い事だよ」

エイミィの呆れているような感心している声に答える。

「このままだとクロノ君、立場無くなるんじゃない?」

「そうならないように努力するさ」

意地悪顔で言って来るエイミィに出来るだけ余裕顔で答える。
本音を言えば相当焦っていたりするんだが・・・・・・。
それはさておき改めてモニターに映る女を見る。

「エイミィ、彼女の魔方陣見れるか?」

「ん?この人?
 ちょっと待ってね・・・」

言いながら手を動かしキーを押す。
すぐに赤い魔方陣が映し出された。
それを見て思考を展開する。

「・・・・何か気になる事、あるの?」

「ああ、一応見てみたくてね。
 もしかしたら何処の世界の魔方陣か分かるかもしれないし・・・」

「なるほど・・・」

だが、やはり見た事は無い。
魔方陣にも色々とあるが、少なくとも自分が知っているミッドやベルカの魔方陣じゃない事は確かだ。

(赤い五芒魔方陣・・・・・・これは一体何なんだ?)


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青黒い空間。
いや、青と言うより蒼。
その通路となっている部分を歩く。
右も左も上も下も、何か物があったりしない。
見渡す限り始まりも終わりも無い空間。
何処まで行っても果ての無いそこを真っ直ぐとフロックスは進む。
特に急ぎもせず、優雅に歩いているように見える。
今は周りにアルクェイドを始めとする吸血鬼たちの姿は無い。
それもそのはず、この空間は神創衆のみ、或いはそれらが許可した存在しか踏み入れる事の出来ない場所。
現段階では神創衆しか立ち入る事が出来ない。
そこはかつて神の次元が存在していた場所。
救世主、当真大河によって神が殺された場所なのだ。
神の次元・・・・・今は『神創空間』と呼ばれている。
フロックスが足を止める。
その前には何も無い。
否、何も見えない。
ゆっくりと目を閉じ、右手を掲げ見えない壁に手で触れる。

「我、神の魔なり・・・・・」

ピシッと赤い光が走る。
まるで電気ショートをしたかのように・・・・。

「我、神の心なり・・・・・」

今まで音さえ無かった場所に呻くような響く音がする。

「我、神の技なり・・・・・」

何処からとも無く風が吹き、髪を巻き上げる。

「我、神の力なり・・・・・」

音も風も自然に大きくなって耳に響いていく。

「我、神の器なり・・・・・」

壁に当てた手の位置から壁全体ある溝に赤い光が走り描かれる。
壁一面に浮かび上がる赤い五芒魔方陣。
目を開き、最後の呪文を告げる。

「我ら、神に成る者・・・」

 ゴゴッ

赤い光が強くなり、真ん中から割れ扉がゆっくりと開く。
重い音を響かせながら・・・・。
ある程度開くと中へと入っていく。
そこは外の通路とは少し違う。
先程と違い、壁が視認出来るからだ。
壁の所々に白光の灯火がある。
そして、恐らく部屋の真ん中だろう場所。
縦に白い光が立っている。
その手前で展開されている五芒魔方陣に歩み寄る。
しかし、その色が黄色では無く薄紫色の為に歩く速度が落ちる。
陣の中に入る前に中に居る人物が振り返った。

「お帰りなさい、フロックス」

笑顔と言うわけでも、邪険しているのでも無い顔で迎える。
強いて言えば無感情と言うのだろうか。
そこに居たのは淡紫色の長髪の女性。
白い肌をしており、少し幼さい雰囲気を持つ。
物腰がゆっくりとして、落ち着いた感じがある。
その女性を見て、フロックスの顔が一気に険しくなる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何であんたがここにいるのよ?」

物凄い敵意をぶつけながら声を出す。
今にも魔法で攻撃をしそうなぐらいの敵意で・・・・。
それは女性らしからぬ声の響き。
この女性も勿論気付いている。
が、特に気にした様子も無く背を向け光に向き直る。

「何でって・・・私も神創衆だから・・・」

「そんな事は聞いていない!!!!!」

今にも殴り掛かって来そうな剣幕と絶叫に近い声。
フロックスはこの女性の事を快く思っていない。
何故かは分からない。
生理的、精神的、あるいは本能的に受け入れないのか・・・。
神創衆は同じ神から生まれた存在。
完全な近親憎悪である。
女性は背を向けたまま答える。

「・・・・・・・・・・お兄様に留守を任されたから・・・・」

何をそんなに怒っているの?と言いたげな顔をする。
この女性はフロックスを邪険したりしない。
むしろ好意を抱いていたりもする。
真っ直ぐな性格ではっきりとものを言う態度に憧れを抱いているからだ。
だが、相手に嫌われている以上何をするにしても裏目に出てしまうので基本的に二人だけで話す事は無い。
必要最低限の会話に止まっている。

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

長い沈黙。
互いに言葉を発する事無く時間だけが過ぎる。
元々時間の概念が無い空間だが、それでもここ以外の場所では時間が流れているわけだ・・・・。
そして何も無い空間に音は存在しない。
両者の呼吸音が聞こえる程の静けさが周りを支配する。
しかし、それはフロックスよって破られた。

「・・・・・・・・それで?
 三人は何処に居るの?」

「皆それぞれ違う世界に行ったわ。
 数日で帰って来るって・・・・・」

「そう・・・」

つまりその数日間は二人で過ごす事となると言うわけである。
フロックスはそれが耐えられないのだろう。
予想はしていても苛立たしさが滲み出す。

「・・・・・・・あなたは?」

「ん?」

「あなたはどうだったの?」

振り返る事も無くフロックスに訊ねる。
眉がピクリと動く。

「・・・・・何でそんな事聞くのよ?」

「一応、留守を任されてるから・・・」

本当に水と油の様な二人である。
さっきまで纏っていた空気が更に冷たく重いものになる。
周囲に誰かいたら泣いて逃げ出すのではないだろうか?
そんな空気の中だが、フロックスは渋々・・・・・・と言うより突っぱねる感じで言葉を発する。

「・・・・ふん。
 器の破壊には失敗。
 救世主だけならすぐにでもと思ったけど、何か厄介なのが動き出したみたいだし」

「厄介?」

「・・・・・・・時空管理局とか言うの。
 あの、次元間の問題を管理するとか言ってる人間共・・・・」

目線を女性から逸らして話を進める。

「ま、人数が多かったってのもあるけどね。
 初めて見たけど中々な魔導師がゴロゴロ・・・・・。
 正直ちょっと厳しいかと思ってね」

フロックスは悪態をつくかのように言葉を並べているが、顔はそう見えない。
それを横目で見ている女性が容赦無く指摘する。

「・・・・・・嘘。
 貴女ならそんな事思うより先に魔法を放ってる。
 ・・・・・・わざと引き上げたんでしょ?」

的確に的を射抜く様な視線と言葉。
女性・・・・ストケシアは無表情でフロックスを見ている。
フロックスは半目でストケシアを見て開き直る。

「そうだよ?
 わざと引き上げたのさ。
 もう少し強くなって貰わないと面白味が無いからね」

冷徹冷酷、そして狂喜に満ちた顔。
神創衆全てが神から生まれた存在。
故に持ち合わせるモノは比較的似通ってくる。
特にココロは・・・・・。

「・・・・じゃ、あたしは部屋に戻る。
 皆が帰ってきたら起こして」

「・・・・・あの人達はどうするの?」

入り口に向かい歩いていたフロックスが足を止め振り返る。

「あいつら?
 好き勝手にしてきなって命令したから、好き勝手に暴れに行ったんじゃない?」

「・・・・・・・そう」

「・・・行っていいかしら?」

「・・・・・・傷、治しておいた方が良いわよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

最後の言葉を聞き、フロックスの出口に向かう足が止まった。
が、すぐに沈黙のまま部屋から出て行く。
歩いていった方向の床には血痕が残っていた。

 ゴォン

重い入り口が閉まる音がして、再び部屋に一人きりとなる。
フロックスは皆が帰ってくるまで間違い無く来ない。
となると皆が帰ってくるまで自分はこの部屋で一人で時を過ごす事になる。

(・・・・・・・・・)

別に寂しいわけではない。
ただ虚しい。
話し相手も何も無い時を過ごすのは大変だ。
だから心を閉じて感情を殺す様に待つ。
それが一番効果的だから・・・・・。
部屋の中央の光に目を向けて意識する。
すると前に3つの画面が映し出される。
そこに映っていたのは、一騎打ちで破れ体を真っ二つにされる騎士とそれを見下ろす剣士、泣き叫ぶ家族を笑いながら虐殺していく男、そして炎に飲まれた街を空から見下ろす黒き蝶・・・・・・・・イースの姿だった。


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「ねぇセイバー。
 これからどうするの?」

アースラの廊下をセイバーと二人で歩いている。
艦長であるリンディに話をした後、部屋を割り当ててもらえたがどうも休む事が出来ないでいた。
それは二人部屋で一緒になったセイバーも一緒のようだった。
いつまでたっても埒が明かないと思うや否や、二人で医務室に向かっていた。
大河や士郎、凛にライダーの容態が気になったから・・・・。
その道中でセイバーに徐に聞いてみた。

「どう・・・・とはどういう事です?リリィ」

「そのままよ。
 成り行きでお互い関わっちゃったけど、目的は元々別物でしょ?
 だから、これからどうするのかって・・・・」

少し間を置いてセイバーが口を開く。

「リリィ。
 それはおかしい。
 確かに関わりは偶然かもしれないが、目的は一つに収束している。
 貴方達が世界を滅ぼそうとしているのも、聖杯戦争が止まらないのも犯人は同じだ。
 なら、協力するのが効率が良い。
 それに、あれ程の実力・・・・正直私一人では相手にするのは不可能だ。
 そう言う意味でも戦力として貴方達と共に戦いたいと思っている」

凄く真っ直ぐな真摯な目で言われ、少し気圧されする。
彼女の事は殆ど理解出来ていないけど、それでも嘗(かつ)ては王として君臨した事が在ると言うだけあってクレア様に近い存在感とカリスマが有る。
言われる事に無意識に首を縦に振ってしまいそうな程の・・・・・。
すると少し表情が柔らかくなる。

「・・・・それに私は見てみたいと思っているのです」

「何を?」

「貴方達が居たアヴァターと言う世界を・・・・・。
 今もこうして異世界の船に乗っている。
 シロウ達が怪我をして不謹慎かとも思いますが、そう言う興味が無いわけでは無いのです」

王としての顔と少女の様な顔を持ち合わせている騎士。
その顔を見て少し頬を綻ばせる。

「何かそう言って貰えると嬉しいな。
 セイバーには是非アヴァターに来て欲しいって思うわ」

私が言った言葉が嬉しいのだろう。
セイバーも優しい笑顔で返してくれた。
そのまま笑みを交し合いながら医務室へと向かう。
そして医務室の前に立ち止まって・・・・・・・・頭痛を覚えた。

「・・・・・・・だ・・・・・・・・ぅ!」

ドア越しに大河の声が聞こえる。
これでもかと言うぐらい嬉々した声で・・・・・。
あいつがこう言う声を出す時は1パターンしかない。

「どうやら大河が目覚めた様ですね・・・・って、リリィ?どうしたのです?」

良かったと言う顔が私の顔を見て驚きの顔に変わるセイバー。
手で大丈夫と合図をしながら口にする。

「・・・・・・・・・取り合えず入りましょう・・・」

 ウィン

自動的にドアが開き、十中八九予想していた光景が目の前にあった。
大河が元気一杯に手当てをしてくれたであろう女性の手を握り、迫っていたのだ。
勿論、言うまでも無く女性は困って・・・・もとい、迷惑な顔をしているわけで・・・・。

「貴女はまさしく白衣の天使!!
 どうですか??今すぐ俺だけの天使になりません!?」

「えぇ〜っと・・・・」

見るからに人が良さそうな感じ。
白衣を着て、治療をしてくれたのだろう。
ただ、今回ばかりは治療した相手が悪かった。
この歩く善人破壊兵器にはもってこいのカモって所なのかしら・・・・?
ともかく、今私に出来る事と言えば・・・・・・・。

 ゴスッ!!

全力で大河の顔面に拳を叩き込む事。

「〜〜〜〜〜ッ!!〜〜〜〜〜〜ッ!!!」

両手で顔を押さえて蹲(うずくま)る大河。
横ではセイバーが唖然と言うか呆気に取られていると言うか微妙な顔をしている。
今の間に女性に謝罪する。

「すいません、このバカがご迷惑をおかけしました」

「あ、いえ、その、大丈夫ですから・・・」

多分、二重の意味で驚いているんだろう。
少しテンパってる。

「それで、迷惑ついでに誰の迷惑にもならない心置きなくぶっ飛ばせる場所とかありませんか?」

「リ、リリィ??」

セイバーが笑顔で物騒な事を口走っている私に躊躇しつつ声を掛けてくるが、今はこのバカをどうするか思案する。

「あ、セイバーは士郎や凛のお見舞い、私の分も宜しく」

「わ、わかりました」

セイバーは引き攣った笑顔のまま了承してくれる。
それは目の前の女性も同じ様で、答えに困った顔をしているが返事は返ってきた。

「そ・・・・それだとトレーニングルームとかが良いかと・・・・。
 ここを出て、左に進んで行ったら分かると思います・・・・」

「そうですか、ありがとうございます」

出来るだけ優雅に口調も丁寧にしてしゃべる。
今は、ここで暴れないように抑えるのが必死だ。

「では・・・・」

今だ蹲っている大河の裏襟を固く握り引きずる。

「うげっ!
 ちょ、待ったリリィ。
 せっかくの白衣の天使が・・・俺だけの天使が・・・・」

何か反論しているようだが、この際無視。
出来るだけ早足で部屋から出てトレーニングルームに向かった。
部屋に呆然とする二人を残したまま・・・・・。


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トレーニングルーム。
高町なのはとテスタロッサの後から部屋に入ると既に二人は訓練を開始していた。
そのままトレーニングを始めても良かったのだが、人が揃っているのもあったから一時中断してもらい連携の意味も込めて二対二のチーム戦に切り替えた。
それから既に十数合の交錯した。
時間にして30分以上だろうか?

「せやっ!!」

「はあぁぁぁ!!」

レヴァンティンを振りかざし斬りかかる。
ヴィータもグラーフアイゼンを振り競り合う。
普段ならベルカとミッドの分け方をするのだが、今回は少し変えて私とテスタロッサ、高町なのはとヴィータと言うチーム分けにした。
互いに相手になる事により分かる事もあるが、時には同じ位置から見るのも大切。
その方がよりレベルアップを望めると踏んだのだ。
そして、実戦に劣らない戦いを繰り広げている。

「プラズマスマッシャー!!」

私達から少し離れて魔方陣を展開しているテスタロッサ。
競り合いの横から高出力魔法でヴィータを襲う。
ヴィータはそれを察するとすぐに競り合いを引き、回避する。
が、それを私は許さない。

《Explosion》

レヴァンティンのカートリッジロードを行い、魔法を回避したヴィータに詰め寄り間合いに一気に縮める。
初めての先制の好機。

「紫電・・・・・・・・・・っ!?」

炎を剣に纏い、叩き伏せようとした。
だが、反射的に危険を察する。
視界の何処にも高町なのはが見えない。
思うや否や、ヴィータとの間合いを広げる。
すると今自分が向かおうとしていた空間に上から砲撃が走った。
見あがると杖を構えた高町なのはが居た。

「だあぁぁぁ!」

声を上げ、ヴィータが攻撃してくる。
僅かに反応が遅れたが、それで間に合う。
剣で防御し再び競り合う。
それも束の間、次は私に魔法砲撃が襲い掛かって来るのが目に入った。

(以前に比べて魔法の発射速度が上がってきている・・・)

咄嗟に回避を行う。
反応が遅かった為か、僅かだけかすめ威力でバランスを崩す。
その僅かをベルカの騎士がみすみす見逃すはずが無い。

「もらったーーーーー!!!!」

力いっぱい振りかぶりグラーフアイゼンでの攻撃が来る。
さっきよりも更に反応が遅れている。
防御は出来ても競り合いには持っていけないし体勢が悪い。
すぐさまそう判断し防御を取る。
レヴァンティン越しに重い衝撃が走り、地面に向かって一気に加速する。

「ぐっ!」

地面に激突を防ぐ為に体勢を立て直し静かに降り立つ。
そして追撃に備え構えて上空を見上げた。
だが、そこにあったのはヴィータの追撃ではなく、遠距離からの砲撃魔法だった。
回避はまず間に合わない。
思った時にはレヴァンティンの名を叫んでいた。

「レヴァンティン!!」

《Panzer geist》

剣を目の前に立て、体に光り輝く鎧を纏う。
纏いきって1テンポ遅れて魔法による衝撃が走り、爆煙を上げる。
ゆっくりと煙が晴れて視界が戻る。
少しヒヤッとさせられたが、魔法防御が間に合った。
改めて上空を見上げる。
高町なのはは杖を構えたまま、こちらを見ている。
一方のテスタロッサはヴィータとのクロスレンジでの攻防が行われている。
恐らく、追撃に掛かろうとしたヴィータにテスタロッサが邪魔をしに入った形か・・・。

(しかし、普段ライバル心を燃やすだけあってよく相手を理解している。
それに確実に強くなってきている)

初めて合間見えた時に比べテスタロッサや高町なのはは勿論、私やヴィータにもそれが言えた。
力の近い者同士で訓練を続けていけば当然と言えば当然なのだが・・・・・。
それでも他に比べて驚異的と言えるスピードだろう。

(ヴィータがチャンスを作って、高町なのはで仕留める寸法か。
なら先に砲台から落とすべきだな。
テスタロッサ、ヴィータを任せて良いか?)

念話で確認を取る。

(大丈夫。
チャンスがあったら援護するから・・・)

はっきりとした返事が返ってくる。
強敵として認識していた存在が今は仲間として一緒に戦える事に喜びを感じている。
その喜びを噛み締めながら、レヴァンティンを構え直し足に力を入れる。
そして弓のように加速して攻撃に入ろうとした・・・・・・が、思わぬ声に止まってしまった。

(ヴィータちゃん、シグナム。
トレーニングルームに居たりする??)

((シャマル?))

医務室で怪我人の手当てをしているはずのシャマルからの念話。
名前を呼ばれた私、そしてヴィータも動きを止めてしまい完全に訓練が中断してしまった。
完全に止まってしまったのだから念話で喋らず声を出す。

「どうした、シャマル?
 今はテスタロッサ達とチーム訓練をしていたんだが・・・・・」

(あ〜、やっぱりトレーニングルームに居るんだ・・・)

その声はとても残念と言うか、どうするべきか悩むような声に聞こえる。
とにかく疑問を素直に口にする。

「どうした?何かあったのか?」

(あったと言うか、これからあると言うか・・・・)

「えらくはっきりしないな」

三人ともが私の周りに降りてきて、ヴィータが横から口を挟む。
少しの沈黙のあと、シャマルが喋りだした。

(あのね、今そっちに赤い魔導師の・・・・リリィさんと言う人と医務室に運ばれてきた中で一番怪我の軽かった大河さんが向かってるの)

「そうか。
 それで、それがどうしたんだ?」

シャマルの言おうとする事がイマイチ掴めない。
割とはっきりとものを言うはずだが、ここまで言いよどむのも珍しい。

(それでね・・・・・・二人がそっちに行ったらすぐに離れた方が良いと思うの)

「それはどういう・・・・・」

 ウィン

音と共にドアが開き、赤い髪の魔導師が入ってくる。
二人が向かっている言っていたが見た限り、一人が来てもう一人が引きずられている。
少し呆気に取られて言葉を無くす。
他の三人も同様だ。
三者三様の呆然顔をしている。
そして見るからに不機嫌な赤い魔導師。
引きずっていた人物を徐(おもむろ)に前に投げ、上から見下ろす。

「さぁ、大河。
 覚悟は良いかしら?
 せめて遺言ぐらいは聞いてあげるけど・・・・?」

否、不機嫌を通り越して怨恨の顔をしている。
一方の大河は尻餅をついたまま、必死に距離を取ろうと後退る。

「ま、待て、リリィ!
 話し合おう!
 暴力はいけない暴力は・・・!」

「安心しなさい。
 『力を暴れさせたり』しないわ。
 丁寧かつ的確に制御してあんたにぶつけてあげる」

「それを人は暴力と言う!!」

「うるさい黙れ。
 これは、躾であり忠告であり仲間としての警告よ!!」

どうやら話し合い以前にリリィにとっては魔法を行使する事は既に決定事項のようだ。
左手に魔力が収束している。

(シ、シグナム?
あれぶっ放したらあたしらでもヤバくないか?)

(って言うか、あれを本気で撃つのかな?)

(ま、まさかぁ。
いくらなんでもそんな事しない・・・・・・・よねぇ?)

ヴィータ達の心配そうな声が念話で聞こえる。
恐らく声に出したらこっちに矛先が向かないかと思っているのだろう。
・・・・・・・・私もそう思う。

「救世主戦争が終わって帰って来てから少しは落ち着いてきたのかなと思ってたんだけど、撤回。
 あんたやっぱりバカ大河だわ。
 いいえ、むしろ大バカ大河になってる!
 今この場に皆が居ない事を感謝しながら死になさい!!!!!!」

((((殺す気!!!?!?!?!?!?!?!))))

私達四人が目を見開き驚く。
その間にも一気に魔力が膨れ上がっていく。
それが目に入った瞬間本能的に大河が立ち上がり全力疾走で離れていく。

「マ、マジで洒落にならん!!!」

「逃がすか!!」

「いや、ちょ、待っ!」

「リ、リリィさん!!」

「えっうそ!?」

皆が静止させようとするが時既に遅い。

「てええええぇぇぇぇぇい!!!!!!」

魔法が解き放たれて物凄い速度で大河に襲い掛かる。
大河が後ろに振り返った瞬間、光の柱を立てて飲み込まれていった。
ガラガラと瓦礫と破片が落ちてくる。
私達は防御をとって防いだが・・・・・あれをまともに喰らって平気なのだろうか?

「ふんっ!」

鼻を鳴らし赤い魔導師が部屋から出て行く。
完全に私達が部屋に居た事を認識していなかったようだった。
一方の大河はと言うと・・・・・・・。

「耐えた!
 ついに耐え切ったーーー!
 ふははは、どうだリリィ!
 俺は遂にお前の魔法を耐え切ることに成功したぞーーーーー!!
 あははははは・・・・・・はは・・・・・・・」

と、何故か叫び喜びながら高笑いをしていたが、最後は笑いながら前のめりに倒れていった。
私達はその光景を驚異と感じずにはいられなかったのだが・・・・・・。

「・・・・・出来ればもう見たくない光景だな」

「「「同感」」」

半ば呆れて見ていた。
余談だが、リリィの魔法はアースラを揺るがし航行に(多少)影響を与えたとかなんとか・・・・。




第七章に続く






〜*あとがき 六章編*〜
AYU:進展らしい進展は無いわね。

コラ、読んで頂いた方々に挨拶も無しとは失礼だぞ。
どうも。相変わらず文才の無いルシファーでございます。

AYU:補佐(?)のAYUです。
    んで、進展らしい進展は無いわね。

振り出しに戻ったな。
そだね、進展ってかぶっちゃけ進展してない。
状況の説明、整理ってところかな?
ほら、ワンクッション入れておきたいし・・・。

AYU:つまり自分のためと?

・・・否定できないス|||orz

AYU:良いけど。
    て言うかさ、章の中に必ずアクションを入れてるわね。
    ホントに好きなのね〜。

だってこのSS、基本アクションと(勝手に)思ってるし・・・。

AYU:これでもっと文才があればねぇ〜。

否定できないMk-U|||orz
が、頑張ってもっと良いの作れる様にします。

AYU:うんうん。
    その意気や良し。
    んで、フロックスお姉さんは一体いつ怪我を受けたのかしら?

大河の初撃を素手で止めた時。

AYU:・・・・・・今思いついたでしょ?

・・・・・・いや、そこしか接触無かったし。

AYU:まぁいいけど。
    三人目ストケシアも出てきたわね。

おう、これからの話のキーパーソン。

AYU:意味知ってる?

重要なキャラってぐらい!

AYU:(大丈夫かしら、このSS)
    取り合えず・・・

ゴスッ!ズゴンッ!!

AYU:よし、土に埋まったからこれで暫く静かね。
    全く、この人ももう少し計画性があればもっとわかりやすくなる思うんですが・・・。
    やっぱりストレスの溜め過ぎはお肌に良くないですね。
    よし。
    (ゴソゴソ)
    それでは今回はこれで。退散〜〜。

コチコチコチ・・・・・・・・・・・チュドーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!
ピギャァァァァァァァァァァァ!また次章おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!



大河とリリィのこのやり取りはやっぱりDUELらしいというか。
美姫 「これが出来るのはまだ余裕がある証拠よ」
敵の強さの前にそれぞれが鍛錬する管理局の面々か。
この先、どうなっていくんだろう。
美姫 「楽しみよね」
ああ。次回も楽しみにしています。
美姫 「待っていますね〜」



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