『真に守るべきモノ』





第三章「ヒトと言う名の杯(さかずき)」


「・・・・・・・・・・・なぁ衛宮」

「なんだ?」

衛宮邸を出てから大河達は暫く歩き、聖杯戦争の事をよく知るイリヤと言う人に会いに来た。
凛が『アインツベルン城』と言ったので、もしかしたらとても辺鄙(へんぴ)な所に有るんではとも考えた。
考えはしていたんだが、実際は冬木市の少し外れに有る。
まぁ、その敷地に入る手前で衛宮に声を掛けているんだが・・・・。

「・・・・ここは一体何処の富士の樹海だ?」

率直に思ったことを口にする。
仮にも自分が元居た世界であるから、それほど常識外な事は無いだろうと考えていたがそれが甘かった。
目の前に広がる先の見えない森。
間違い無く色んな意味で迷スポットに成り得るであろう場所を見て俺はアングリと口を開けている。

「いや、まぁ、確かに最初はそう言う反応するかもな・・・。
 俺は初めて来た時はそんな事考える余裕が無かったからな」

俺の反応に士郎は少し苦笑いを浮かべている。
一方、俺とは対照的にリリィはそれ程驚きを表してはいない。
アヴァターはわりと自然の多い世界だからそれ程驚く事でも無いのだろう。

「随分深いわね。
 本当にこんな所にそのイリヤって人は住んでるの、凛?」

リリィは凛へと向きながら声を掛ける。

「ええ、ここに住んでるわ。
 もっとも、ここからまだ歩かないと城には行けないんだけどね・・・」

(・・・・・どんな超絶の金持ちだよ・・・)

リリィと凛のやり取りを横で聞いていた大河が静かにツッコミを入れる。

「ここで話をしていても仕方ありません。
 話は城に向かう道中で行えば宜しいのではありませんか?」

「そうね、取り合えず中に入っていきましょう」

セイバーの的確な言葉に凛が答え、それに続いて全員が敷地内に入っていくのだった・・・・。


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暫く歩いて行く。
とても個人の敷地にある木々のようには思えなかった。
まるで天然の樹海がそのままの状態で保たれている。

「・・・・・・・アンビリーバボーだな」

大河がそんな事を口にした。
恐らく、この世界では中々見合える事の無い光景なのだろう。
アヴァターではそれなりに自然があるからさほど気にする事では無いのだが・・・・。
敷地に入ってからそれなりに歩いたのだが、まだ城には着かない。

「ねぇ、凛。
 本当にこっちで合ってるの?」

「ええ、それは間違いないわ」

凛ははっきりと憶えているのだろう。
迷う事無く道を選んでいる。
森は基本的には道を惑わす為にある。
そう簡単にはいかないのだが、凛はそれを実践している。
どうやら魔術師で有る事も嘘では無く、それなりの実戦を経験してきているんだ。
そうこう考えてると、私のすぐ後ろを大河と並んで歩いていた士郎が呟いた。

「・・・・おかしいな」

士郎のその言葉に先頭を歩いていた凛とそのすぐ後ろに居たセイバーが立ち止まって振り返り、士郎を注視した。
それと同時に私と大河も立ち止まった。

「シロウ、一体どうしたのですか?」

「何、衛宮くん?
 私が道を間違えているって言いたいの?」

セイバーは疑問符を浮かべた顔をし、凛は目を細めて如何にも不機嫌そうな顔をしている。
凛のそんな顔を余所に士郎は続ける。

「いや、バーサーカーが居ないなと思ってな」

「狂戦士(バーサーカー)?」

私は聞きなれない言葉の上、あまり良い意味の無い言葉を返す。
それを察したのか、セイバーが説明を加えてくれる。

「聖杯戦争における、サーヴァントのクラスの一つです。
 他にも暗殺者(アサシン)などがあります」

「へぇ・・・。
 で、士郎はそれが居ないのがどうかしたの?」

改めて士郎に問う。

「この森もうちと同じように結界が張ってあって誰かが入ってきたら分かるようになってるらしい。
 つまり、イリヤはもう俺達が向かってるのを知っているはずなんだ。
 で、その上で以前はバーサーカーが警戒の意味も込めて出迎えに来ていたんだが・・・」

「それがないってか?」

大河が士郎の言葉に続ける。

「どっかでメシでも喰ってるんじゃないか?」

「いえ、サーヴァントは基本的に食事を取りません。
 それにいくら食事をしていても侵入者があれば駆けつけるものです」

「そうね・・・。
 いくら自信家でもそこまでしないと思・・・・」

「・・・・・・・・・・・ォォォォォオオ・・・」

凛が話ていると遠くから狼の雄叫びのようなものが聞こえた。
この森には狼も住んでいるのだろうかと考えたが・・・。
士郎、凛、セイバーは別の反応をした。

「今のは!?」

「何!?」

「まさか、バーサーカー!?」

「・・・・・・・・ォォォォォオオ・・・・」

三人は雄叫びがした方角を見ている。
また聞こえた。
どうやら狼では無く、イリヤと言う人のサーヴァントの叫び声のようだ。

「バーサーカーが叫んでいるって事は・・・・」

「戦闘をしている!!?」

士郎の言葉に凛が焦り顔を見せる。

「セイバー!
 先行してイリヤの所に行け!!
 必要ならイリヤ達の助けになってやってくれ!!」

「しかし、それではこちらの守りが・・・」

士郎の言葉に僅かに反論を加えるセイバーだが、凛によって却下される。

「こっちは四人居るから何とかなるわ。
 あとから必ず追いつくから先に行って。
 もしあの子がやられたりしたら、私達は先に進めなくなるかもしれないわ」

凛の言葉に黙り込んでしまうしますセイバー。
少しだけ目を閉じるとまたすぐに開き、士郎と凛を見据える。

「分かりました。
 では先行します、必ず追いついて来て下さい」

士郎、凛ともに首を縦に振る。
それを確認すると、セイバーが前へと走り出す。
すると、セイバーの周囲にゴウッと音を立て風が発生し普段着姿が次に現れた時には鎧へと変わっていた。
凄まじいスピードで声がした方向へと走り去っていく。
そして、その場に居る全員がそれを追い全力で走り出した。


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「・・・・・・・・・くっ・・」

白い髪の青いローブを着た少女・・・・・イリヤが膝を付いている。
いや、正しくは青いはずのローブである。
今は髪の白とローブの青、そして鮮血の赤が滲んでいる。
今まで急所は外してきていたが、ここにきて足をやられた。
痛みで立つ事が出来ずに現在はバーサーカーに守られた形になっている。

「オオオオオオオオォォォォォォォ・・・・・・・・・・・!!」

バーサーカーが威嚇を込めて雄叫びを上げるが、あまり効果が無い。
ただの烏合の衆なら何とかなるのだが、今周りに囲んでいるのは見た事の無いモンスター達。
さらには奇妙な面を被った人間まで居る。
モンスターはまだしも、人間に手傷を負わされるとはイリヤ自身思っていなかった。
この国特有の暗殺集団、忍者と呼ばれる者達。
だが、今はこれ程の数は存在しないはず。
一対一ならともかく多数で攻められるとバーサーカーが反応するのがどうしても遅くなる。
ましてや、魔術師として出来上がっていても格闘戦闘に慣れていない分余計に不利なのだ。
それを気付いているのだろう。
バーサーカーは積極的な攻撃には出ず、イリヤの壁に徹している。

「く・・・バーサーカー!
 攻撃しなさい!
 このままじゃ・・・・・」

「オオオオオオオォォォォォ・・・・・・・・・・・・・・!!」

一振り。
たった一振りだがバーサーカーの目の前のモンスターが幾体か吹き飛ぶ。
元々並の強さでは無いバーサーカーが数で抑えられる事はまず無い。
しかし、一振りで敵を吹き飛ばす程の攻撃はそれだけの隙が生まれる。
目の前の敵だけを倒すのであれば問題は無いが、他の敵も同時に見なければならない分積極的に攻撃が出来ないでいる。
さらにイリヤが怪我おしており、動けない状況。
少しずつ押されていくのは目に見えていた。

「っ!?この!!」

イリヤの目の前にいきなり現れた忍びを衝撃波で吹き飛ばす。
不意を付かれたが何とか回避・・・・・・・したかと思ったが吹き飛んだ敵が途中で木の丸太へと変わった。
そして再びイリヤの目の前に現れた。

「し、しまっ!!?」

バーサーカーも完全に反応が遅れており、イリヤも動けない。
敵の刃物がイリヤの首へと迫る。
だが、あと数cmと言うところで敵は凄まじい音を立て真横へと飛ばされた。

「・・・・・・・?」

死を覚悟して目を閉じていた為、来ない攻撃を不思議に思いイリヤが恐る恐る目を開ける。
目の前には金髪の鎧を着た女性が背を向けて立っていた。

「・・・・・・セイバー?」

イリヤが目の前の女性の名を呼ぶ。

「大丈夫ですか?イリヤスフィール」

セイバーはイリヤを僅かに横目で見る。
目の前に居たはずの敵はセイバーによって横から突き飛ばされており、飛んだ先で仲間を巻き込み倒れている。
突然の乱入に敵の困惑が伺える。

「私達の進入に気付かない程追い込まれているとは・・・。
 シロウと凛の判断は正しかったのですね」

「シロウ達も来てるの?」

「ええ。
 貴方に話があったので・・・・」

既に敵へと視線を投げており背中越しにセイバーがイリヤに答える。
受け答えの間もセイバーは敵を注視し、物凄い気を放つ。

「ですが、それもこの輩共を倒してからですね」

眼つきがが更に強くなる。

「バーサーカー、貴方はイリヤスフィールの守りに徹して下さい。
 私が敵を蹴散らします」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

バーサーカーは答えない。
だが、元々言葉を喋らない彼にはこれで納得が出来たのだろう。
セイバーは躊躇わず、目の前に居るモンスター達を狩る狩人となった。

「はぁ!」

激しい風を纏い、己を竜巻と化したセイバーは止まる事無く走る。
一つ二つ三つ・・・・。
止まらない、止まらない。
モンスターの肉を切り、骨を断ち、防ごうとした武器までも斬って捨てる。
白兵戦最強と謳われるセイバーに間違い無かった。
何処までも止まる事無く目の前に立ち塞がる敵を斬り続ける。

「せや!」

斬撃の軌跡は一本の線になる。
上から斬り下ろし敵を倒せば、次は僅かに斬り上げる。
右から薙ぎ払えば、次は左から。
間違い無く敵を一振りで倒し、次の敵を標的とする。
それはまるで風に舞う花の咲く草原で踊っているかのように、気高く美しく見える。
その動きに無駄は無い。
最低限の動きで確実に仕留める。
だが、セイバーの風の舞は一つの言葉と殺気で終わる事となる。

「ほう、中々やりますね」

「!!」

流れる動きを強引に止め、目の前の空間が僅かに歪んだのを見て反射的に剣で防ぐ。

 カキン

甲高い金属音。
ほんの僅かに後退し、目の前の剣を見る。

「な、一体何処から!?」

セイバーは剣を注視する。
それは間違い無く浮いている。
周りには相当数のモンスターの肉塊がある。
その為に余計に不可思議な光景に見える。

 ブン

鈍い音を断て、浮いていた剣が消えその奥から男が一人現れる。
決して屈強と言う訳では無い。
だが只ならぬ気配を持っている。
はっきりとした強さでは無く、静かな嵐の前の静けさの感じさせる。

「ふむ。
 あれだけ居たのをここまで減らしましたか。
 ふふ、中々楽しめそうですね」

「・・・・・・・・・」

先程消えた剣は既に男の右手に握られており、刀身を横にした状態で正面に持っている。
剣を持っているがマントを羽織っている為格好が剣士らしくない。

「・・・・・貴方がモンスター達を率いて此処に攻め入ったのですか?」

セイバーが男に尋ねる。
男は不敵に笑いセイバーを見据える。

「ええ、その通りですよ。
 『聖杯』と呼ばれる者を破壊するように命を受けたのでね・・・」

「命を受けた・・・・と言う事は貴方はトップでは無いのですね・・・」

「おや、私とした事が・・・。
 思わず口を滑らせてしまいました」

などと言うわりに全然困った顔をしていない。
むしろ可笑しそうに笑っている。

「ああ、失礼。
 貴方には面白いものでもないですね。
 ではこちらは仕事をさっさと終わらせたいので退いて頂けませんか?
 そちらの少女には死んでもらわないといけないんで・・・」

「そのような事を承諾するとでも?
 我がマスターから彼女を守るように言われている。
 それに・・・」

「それに・・・?」

男が疑問符を浮かべる。
セイバーは自分の意を全力で伝える。

「それに・・・・・・貴様を見ているととてつもなく不愉快だ」

「おやおや、随分嫌われてしまいましたね。
 では仕方ありません。
 貴方にも此処で死んでもらいましょう」

男が僅かに剣を握りなおす。
それに答えるかのようにセイバーも構えなおす。

「出来るものなら!」

同時にセイバーは男に斬りかかる。
上段からの斬り降ろしに男は慌てる事無くそれを捌く。
二撃目は踏み込んで左からの薙ぎ払い。
それも簡単に捌かれる。

「ハァ!」

次は男からの突き。
セイバーはそれを右に受け流す。
その流れに沿っての右からの薙ぎ。
男は剣を縦てそれを受ける。

(な、なんてやつなの・・・・)

イリヤはその戦いを見て素直にそう感じた。
セイバーは剣士のクラスを持つサーヴァント。
剣捌きは間違い無くセイバーが上になるはずなのだ。
さらには不可視の剣でもある故に、そんな簡単に捌けるものでもない。
だが男はセイバーと剣を交え『戦い』を演じている。
サーヴァント同士ならいざ知らず、人間がサーヴァント相手に『戦い』を繰り広げる事にイリヤは驚いていた。

(だけど・・・・・)

イリヤの考えは当たっている。
例え『戦い』になっていても、決して勝っていると言うわけではない。
少しずつだが、確実にセイバーが相手を塞いでいっている。
十数回は剣を交えている。
あと二、三回で間違いなくセイバーが討ち取るであろう。
一回一回確実に男は劣勢になっていく。
男がバランスを崩す。
戦いが始まって初めて体勢を立て直しが効かない状態。

「もらったぁ!」

男は前屈みになっており、セイバーが上段から斬り降ろす。
が、男に当たる事無く剣が空を斬る。

「え?」

セイバーが訳も分からず一瞬硬直する。
男は確かに目の前に居る。
間違い無く頭を斬った。
だが、当たった感触も血が吹き出る事も無い。
目の前の男が笑みを浮かべ顔を上げる。

「もらったのは・・・・」

「私の方です」

途中で男の声が男のさらに後ろから聞こえてきた。
それと同時に目の前の男が赤く光る。

 ズン

「がっ!?」

爆発とはまた違う衝撃がセイバーを襲う。
それにより、セイバーの体が宙を舞う。
男は手を前へと突き出し、空に居るセイバーへと向ける。

「・・・・・裁かれよ。
 余りにも愚かな人間共!!!!」

瞬間、男の前に高圧縮された魔力の塊が出来上がる。

「なっ!?」

イリヤが驚きの声を上げる。
剣を持ち、セイバーと撃ち合いをしていた為に剣士とばかり考えていたが実際は違った。
男は魔術師だった為である。
圧縮された魔力がセイバーへと飛んでいく。
そしてセイバーを巻き込み空へと運ぶ。

 スヴァンッ

森の木々の高さを少し越えた辺りで青白い爆発が起きる。

「くっ」

余りの光にイリヤは思わず目を閉じる。
少し収まった辺りで目を開けると・・・。

 ドシャ

鈍い音がして何かが落下してきた。
イリヤはそれを見て一瞬何か分からなかった。

「セイバー?」

イリヤの目の前にセイバーが鈍い音を立て落下してきたのである。
うつ伏せの状態で体から煙を上げ、鎧の所々が壊れている。
信じられない。
戦いは間違い無くセイバーが優勢だった。
魔術もほぼ完璧に防ぐ事の出来るセイバー、にも関わらず今地に伏せているのはセイバーである。

「・・・・・く、・・・・ぐぅ・・・・」

低い呻き声を挙げてセイバーが何とか立ち上がろうとする。
不可視の剣を逆手に持ち、支え杖の代わりとして状態を起こす。
頭から少し流血し顔を伝っている。
サーヴァントに手傷を負わせる人間。
イリヤにはそれが不気味で仕方が無かった。
男は追い討ちを掛ける事無く、セイバーが立ち上がるのをじっと見ている。

「ほう。
 まだ戦おうというのですか?
 中々タフですね」

「く、貴様は一体・・・・?」

「これから死を迎える貴方に関係の無い事です」

男は僅かに左手を上げ、周りのモンスターに指示する。
モンスターはそれに従い、セイバー達を囲む。
バーサーカーは判らないが、イリヤとセイバーは苦々しい表情をする。
男はそれを見て嬉しそうな顔をした。

「・・・・・・やれ」

左手を前に出し、モンスターに攻撃の合図をする。
瞬間、イリヤ達を囲んでいたモンスターが一斉に攻撃に転じた。
まるで、早い者勝ちだと言わんばかりに・・・・。

「「「「グワハァァァ!!!!」」」」

だが、それはどのモンスターも叶わなかった。

「グギャウゥゥゥ!!」

セイバーが走って来た方角から銃を乱射するような音をたてて魔弾が飛んできたのだ。

「―――Vier Stil Erschiesung……!」

今度は詠唱も聞こえてきた。

「ギャハゥワッ!」

イリヤ達の周りのモンスターが次々と倒されていく。

「――――投影、重装(トレース フラクタル)
 ――――I am the bone of my sword.(我が骨子は捻じれ狂う)
 ――――“偽・螺旋剣”(カラドボルグ)」

今度は別の詠唱。
威力のある攻撃が残った敵を消し飛ばしていく。
一通りの敵を消し飛ばし、攻撃をしてきた者達がイリヤ達へと駆け寄る。

「イリヤ!大丈夫か!?」

「・・・・・シロウ・・・」

イリヤは士郎の顔を見ると安心したのか、スゥっと倒れこむ。
それを士郎は優しく受け止める。

「イリヤ!?
 おい、イリヤ!!」

「大丈夫よ、士郎。
 イリヤは気を失っただけ。
 多分、魔力のその殆どを使い切っちゃったようね」

慌てた顔をする士郎を凛がなだめる様に言う。
それを聞き、少しホッとした顔をする士郎。
凛はバーサーカー、セイバーの順に顔を見る。

「まさか、貴方達が押されるなんてね。
 バーサーカーはともかくセイバー、貴方は大丈夫なの?」

「・・・・・・・・」

「ええ、凛。
 ですが気をつけて下さい。
 敵は予想以上に強い」

今は先程の攻撃で姿が見えないが、その敵が居るであろう方向をセイバーが睨みつける。
一方、一緒に付いて来ていた大河とリリィが周りに倒れているモンスターを見ている。

「・・・・おい、リリィ。
 こいつら・・・・」

「破滅のモンスター・・・・ね。
 一体どうやってこの世界に・・・・?
 それに、アヴァターでもここまでの数はもう見ないって言うのに・・・・」

「・・・・どうやら大河達はこの輩共が何か知っているのですね。
 では、その辺りを答えてもらいましょうか・・・」

セイバーは大河達にも言葉だけを発する。
煙の向こうに居る、自分に手傷を負わせた敵を睨みつけたまま・・・。
そして、煙が少しずつ晴れ敵の姿が見えてくる。

「随分久しぶりですね。
 当真くん、リリィさん」

「お、お前は!?」

「ダウニー・・・・リード・・・」

リリィと大河が驚く。
かつて教師として自分達を指導し、後に破滅につき最後は神の依となった男。

「あんた、何で生きているのよ!?
 あの時死んだんじゃなかったの!?」

「ええ、死にましたよ。
 ですが、新たなる生命を頂きましてね。
 その方の命によってここに来ているのです」

リリィは驚きを示すが、それ以上に敵意をダウニーに向けている。
一方の大河は・・・・。

「へっ・・・」

「大河?」

笑っていた。
余りにも場違いなその笑いにダウニーも眉を歪める。

「・・・・・何が可笑しいのです?」

「いや、一度倒した相手だし、何とかなると思ってな。
 それに・・・・」

「それに?」

「お前をここで締め上げれば粗方の問題は解決するしよ」

大河の言葉にいち早く凛が反応した。

「なるほどね。
 モンスターならともかく、話が通じる人間なら情報はあるわね」

「ああ。
 それにあんた達が言ってた『死者の蘇生』もこいつがここに居る時点で実証された。
 残りの問題はこいつから聞き出せばいい」

その言葉と同時にトレイターを手にする。
ダウニーはその光景を見て、鼻で笑う。

「ふっ。
 いつかの私ならそうでしょうが、今の私はそう簡単にはいきませんよ」

言ってダウニーも改めて剣を構え直す。

「召喚器ディスパイヤー・・・・。
 ホント懲りないわね」

「あの時はただの武器として扱っていた。
 そう教えてくれたのは貴方でしたね、リリィさん。
 お陰で私はより高みに行く事が出来ましたよ」

「そう、それは良かったわね。
 でもここで即刻退場願うわ。
 ブレイズノン!」

呪文と同時にダウニーの居る場所に炎の柱が上がる。
飛び上がり回避するダウニーに大河が追い討ちを掛ける。

「どりゃ!」

「むんっ!」

下方から槍に変形させたトレイターをダウニーはディスパヤーで捌き、カウンターで突き返す。
ディスパイヤーはその形がフェンシングの剣に近い形をしている為、斬る攻撃はさほど威力を望めない。
だが、召喚器の名を冠しているから並の剣よりは斬れるが、やはり一番攻撃力を望めるのは突きである。
細い刀身は一点に力を集め、敵を突き抜く。

 ガキン!

もちろんそれは大河も判っている事。
それ故に突きに対しては確実に捌ききる。

「ヴォルテクス!」

捌いた大河の後方からリリィが援護で雷を放つ。
それを回避するダウニーだが僅かにかすめて顔を歪ます。
そこへトレイターの斬撃が襲い掛かる。
空中での体勢を持ち直しは普通なら出来ない。
しかしダウニーは空中に浮遊する形で持ち直し、大河からの一撃を受け止めた。

 ズドン

空中で受け止めきらず、地面へと二人が落下。
煙が晴れていき、落下地点を見る。
そこで大河とダウニーは剣を交差させたまま、競り合いをしていた。
大河の方が力がある為押し気味ではあるが、それでも押し切れずに膠着する。
でも、それは僅かの事。
一瞬力を入れ替えた大河は引き寄せた後、次は思いっきり前へと力を加えてダウニーを吹っ飛ばす。

「ぐっ!」

呻くダウニー。
すぐに上体を起こし大河からの攻撃を防ごうとする。
が、大河は吹っ飛ばしたダウニーへと追い討ちを掛けていなかった。

「なに?」

何故追い討ちを掛けないのか訳が判らずに声を出す。
大河は剣を肩に担いだ状態で立っている。
こちらへと攻めずに・・・。

「でっかいの、いくわよ!」

だが、それは大河がであって攻撃がでは無かった。
吹っ飛ばされたダウニーの頭上からリリィが魔術を放っていた。
気付き頭上を見るが虚をつかれ気付くのが遅すぎ、魔力の弾はすぐに押し寄せてダウニーを飲み込む。
青い閃光を放ちながら巨大な柱が上がる。

「ぐあぁぁぁぁ!」

叫びながら空へと舞い上げられる。
光が収束すると、ダウニーが上空から地面へと叩きつけられた。
うつ伏せになっているダウニー。
その戦闘を見ていたセイバー、凛、士郎が静かに言葉を出す。

「すげぇな・・・」

「ええ。
 救世主候補って言う位だからある程度の見積もりはしてたつもりだったんだけど・・・・・」

「あまりにも予想がズレましたね。
 大河の戦闘スタイル、リリィの魔術、そして連携。
 タイミング的にも敵に反撃を許さず互いに相手の力量を知った上でサポートしあっています。
 恐らく、大河達の他の仲間も相当の実力者でしょう」

「私達やサーヴァントには持ち得ない戦い方。
 それに一番凄いのはやっぱり・・・・」

「召喚器・・・・か?」

士郎の言葉に凛が黙って頷く。
小声で話している上、大河とリリィより少し後ろに三人が立っている為前の二人には聞こえていないが・・・。

「そう、大河の召喚器は多種多様な使い方が出来る。
 リリィの方は恐らく魔力を蓄積しているんでしょうね」

「宝石みたいにか?」

「ええ、用途としてはね。
 でも魔力絶対量が違いすぎる。
 例え今リリィが私の宝石を持って使った所で、さっきの魔術は使用できないわ」

「そうなのか?」

「系統がまるで違うし、あれ程の魔力。
 ちょっとやそっとの宝石じゃ賄えないわ」

冷静に判断、分析をする凛。
この世界でそれなりの力を要していても、アヴァター出身の魔術師には及ばないと感じていた。
三人がそうこう話していると、大河はダウニーを挑発しだした。

「へっ、もう終わりか?
 高みに行く事が出来たとか言ってる割には以前と変わらないじゃないか。
 むしろ、以前より弱くなったか?」

「ふふ・・・・」

僅かに笑みを溢しながら立ち上がるダウニー。
それにいち早くリリィが反応した。

「ボロボロの癖に何笑ってるのよ!?」

「ふふ、可笑しいから笑っているに決まっているじゃないですか?」

「なんだと?」

その行為に大河も顔を歪め、大河達の後ろに居る三人もじっとダウニーを見据える。

「さっきの戦いは以前の私と今の貴方達ですよ」

「・・・・・つまり手を抜いていたって事か?」

「ええ、そうです」

士郎の指摘をあっさりと肯定する。
さらにダウニーは続ける。

「最初から全力で戦っても面白くないでしょう?
 ですから、以前の私の実力で戦って差し上げたのですよ。
 まぁ、それで倒せるとは思っていませんでしたけどね」

「っ・・・この野郎」

リリィは目を更に吊り上げ睨みつける。
そしてライテウスが光り輝きだし、リリィの周りに魔方陣が現れる。

「本当にムカつく性格してるわ。
 そんなに出し惜しみしたいのなら、そのまま永遠に倒れなさい!」

ダウニーへと毒づきながら、更に魔力を高め左手をダウニーへと向け構える。
向けられた当人は先程までの余裕顔ではなく、真顔でそれを見ている。

「くっ。
 な、なんて魔力なの!?」

「さ、さすがアヴァター最強と自負するだけの事はあります。
 これ程の魔力を持つとは・・・・」

凛、セイバーがリリィに関心している。
大河もリリィから少し離れる。
そして、一気に魔力を解き放つ。

「ファイトマル・・・・ファルブレ・・・」

 シュ!

リリィの魔術が発動した。
それは完全なものではなく数発の爆発。
呪文を最後まで唱えなかった為である。
その爆発が終えると驚く光景が大河達の前にあった。

「なっ!?」

「リリィ!?」

大河、セイバーが叫ぶその先にあったのは魔術発動に失敗し僅かな魔方陣を纏うリリィ。
そしてリリィの首を右の片手で握り締め、掲げている女だった。

「おや、貴方がこちらに来られたのですか?」

女がダウニーへの返事の代わりに右手に力を加える。

「ぐっぁ…」

首を握られ苦しそうに呻く。
それを下から持ち上げて居るにも関わらず、見下ろしているかのようにリリィを見る女。
長い紫のロングスカートに白い服を着ている。
髪はショートで金髪。
だが、一番異様に思えたのがその目だった。
金の瞳、そして紅い目。
それだけで十分。
この女がどう言うものかを判断するには・・・・。

「リリィ!!」

大河がトレイターを掲げ女に攻撃しようとする。
が、女の強烈な眼光が攻撃を躊躇させた。
その一瞬で女の方から間合いを詰めてき、リリィを持ったままの手で大河を殴りつける。

「ごあっ」

そしてそのまま後ろの木に叩きつけられた。

「大河!」

凛が大河の飛ばされた方を見た。
すると次の瞬間、目の前に先程の女が現れ左手で凛を薙ぎ飛ばす。
体を360゚回転させ、運ぶような形で大河の上に凛を投げつける。

「遠坂!
 んのやろうっ!」

反射的に前に居た女を投影で造り出した干将と莫耶で士郎が攻撃する。
女は顔にきたそれを避けつつ、左手を上から振り下ろし士郎の頭から地面へ叩きつける。
さらに士郎の頭を掴み、リリィを大河達の方へ投げて追い討ちを掛けるように上空へ跳び、士郎を三人の上へ投げつける。

「・・・・・・ふん、弱いわね」

女は四人をあっと言う間に戦闘不能の状態までもっていってしまった。

「シロウ・・・・・!!」

「でも、貴方は楽しませてくれるんでしょう?

着地してきてそう言うと改めてセイバーと対峙する。

(・・・・・・この女、どこかで・・・)

何か頭の記憶に引っ掛かりを覚える。
だが、女は士郎達を一瞬で倒した。
セイバーは剣を握り直し、目の前の強敵を睨む。
それを見た女は面白そうに笑う。

「あはははは!
 そうよ、そうで無いと面白くないわ!
 せいぜい楽しませてもらうわよ!」

両手を広げ狩りを楽しむかのように・・・・。

「でもね・・・」

女が静かに囁く。
そして・・・瞬く間にセイバーとの距離を詰めた。

「今の貴方じゃ遊ぶ事も難しいわ」

言うや否や下から腕を振り上げると、紅い波がセイバーを襲う。
それを全力でガードするが、終わった頃には空から紅い輪が襲ってきた。

「ぐ!」

その攻撃にも何とか耐えた。
それを見て少し離れた所から女が嬉しそうに言う。

「へぇ、ネーゲルとシューレの攻撃に耐えるんだ。
 偉いわ〜」

目は悦びとに満ちている。
獲物を痛めつける楽しみが増えたと言わんばかりに・・・・。
だが、やられっ放しでは何も変わらない。
そう考えたセイバーは剣を僅かに下げ、全力で敵との距離を詰める。

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

敵は強い。
恐らくダウニーと言う男よりも数段この目の前の女の方が強い。
そう考えたセイバーは小細工抜きで攻撃を仕掛けた。
刀身が姿を現し、黄金の光を放つ。
それは約束された勝利の剣。

「エクス・・・・・」

光が更に強くなり、セイバーが剣を肩に掲げる。
そして一気に振り下ろす。

「カリバーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

必殺の宝具。
当たれば如何なる敵をも打ち砕く。
セイバーの最強の攻撃。

 ギャァァン!!!!

が、それは通る事は無かった。

「なっ!!!?」

「残念・・・」

エクスカリバーを止められ、セイバーは放心状態になった。
勿論、それは一瞬。
しかし、目の前の女に一瞬のスキがあれば十分な時間。

「どうやらこれが最強の攻撃みたいね。
 ふふ、当たれば確かにただではすまなかったけど・・・」

伏せ目勝ちな状態だったが少しずつ顔を上げてくる。

「・・・・グナーデン・シュトース」

見る見る内にセイバーが幾つもの鎖に纏わりつき締め上げられる。

「ぐああああああぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!!!!」

「ふふふふふ・・・・・」

その姿を見ながら女が笑い出す。
そして女の周りにエネルギー体ができ、その流れがセイバーを襲う。

「あはははははははははははははははははははは!!!!」

全ての攻撃を受け、セイバーが木に叩きつけられ大河達の傍に落下する。
鎧も粉々になり、服もボロボロ。
剣だけがほぼ万全の状態だった。

「あっけないな〜」

「いやぁ、見事ですね。
 あっと言う間に倒してしまった」

今まで傍観していたダウニーが女に寄る。

「ふん、あんたが遊びすぎなのよ。
 とっとと器を壊してきなって言われてたくせに・・・」

「いえ、昔の教え子に会って少々遊びたくなりまして・・・」

「あんたの教え子?
 それじゃ大した事無いわね」

皮肉たっぷりの言葉。
女は気にした様子も無く言葉を続ける。

「まぁ、いいわ。
 取り合えずこいつら全員殺すわ」

言って大河達に詰め寄ろうとする。
が、その前に大きな壁が立ちはだかる。

「何あんた?」

体の大きい大男。
バーサーカーがその行く手を阻んだ。

「・・・・ぐっ。
 バ、バーサーカー・・・」

セイバーが僅かに体を起こし、名を呼ぶ。
主人の命では無く自らの意思で・・・。
バーサーカーも英雄と呼ばれた人間がなった姿。
助けに来てくれた者を無碍には出来ないのだろう。
ダウニーが女の後ろから言う。

「例の器のサーヴァントですよ。
 何かと邪魔をしてくれます」

それを聞いて女がバーサーカーの僅か後ろに居るイリヤを見つける。
すると口元を不敵に歪め笑う。

「そう、そんなに死にたいの。
 ならそうしてあげるわ。
 力の差を知りなさい!!」

女が右手を掲げ、空を仰ぐ。
すると周りが暗くなり、凄まじい衝撃の風が現れる。

「こ・・・これは・・・?」

「く・・・・な、何かヤバイ・・・・。」

セイバーと凛が思うように動かない体を動かし、何とか起き上がろうとする。
しかし、ダメージがあまりにも大きく言うことを聞かない。

「プルート・ディ・シュヴェスタァ」

そして空から月が現れた。

「さぁ、みんな仲良く逝きなさい」

「バーサーカー!
 あの女を攻撃して。
 じゃないと皆本当に死んじゃうわ!」

「オオオオオオオォォォォォ!!!」

凛の叫びにバーサーカーは斧を両手で持ち、女へと斬りかかる。
右からの横薙ぎ。
だが、その斧を女は素手で受け止めた。

「あはははは!
 その程度で私に勝てると思ってるの!?」

女は逆に斧を持ち、力任せにバーサーカーを投げ飛ばす。

「な!?」

その光景を見た凛が驚きを隠せないで居る。
明らかに力の差が有るであろうと考えていたが、女の力は体つきからは想像が出来るものでも無いようだ。

「あはははは!
 さぁ、もっといい声で啼きなさい!!」

「そうはさせません!!」

「!!」

声と同時に十数本もの剣が飛んでくる。
ダウニーと女が避けていくが一本だけ女の肩に刺さった。

「ぐ!?」

標的を外して地面に刺さっているそれを見て凛は思った。

(黒鍵?)

それは聖堂教会で用いられている武器だった。
凛のかつての兄弟子が用いた武器。

「ちぃ!」

先程まで起きていた衝撃波が止み、暗かった周囲に元のアインツベルンの森が現れる。
そして、修道服を着た女性が凛達の前に降り立つ。
女が肩に刺さっている黒鍵を抜きながらその姿を見て毒づく。

「まさか、あんたがこんな所に居るなんてねシエル!」

修道服の女性、シエルは女を注視する。

「・・・それはこちらの台詞です。
 この事件の片棒を貴方が担いで居るとは・・・・」

静かにそれでいて重い言葉を向ける。
同時に左手で三本黒鍵を持ち、縦に構える。

「・・・・・ち。
 あんたまで出て来た上に、まだ増えそうね。
 いいわ、今日は見逃してあげる」

女は言うと構えを解く。

「良いんですか?
 邪魔は今の内に消しておく方が・・・・」

「そう言うなら最初から遊ばずにしなさい。
 このまま戦っても目的の達成は難しそうだし、もっと楽しみたいしね」

それに同意したのか、ダウニーはそれ以上追求せず変わりに足元に魔方陣が生まれる。

「・・・ぅ。
 しょ、召喚陣・・・・」

リリィが僅かに目を開け、呻くように言う。
女は召喚陣を確認すると改めてシエルを見る。

「じゃあね、シエル。
 次は本気で戦ってあげるわ。
 これからもっと面白くなる」

「・・・・・・・・」

二人は光に包まれ、そして消えていった・・・・。




第四章に続く






〜*あとがき 三章編*〜
はい、前章では全力で焦げてたルシファーでございます。

AYU:自業自得?

聞かないで、ついでに言えば君当事者だし・・・。

AYU:あれ?そうだっけ?

だから聞かないで。
ふっ、何となくわかっていたさ。
どうせ自分は敷かれる立場なんだって事は・・・。

AYU:で、今回の章ですけど、メインはセイバーと暴走アルクェイドの戦闘かしらね?
    元々彼はアクションが好きだから戦闘を書くのが好きみたいだし。
    でも文才がもう少しあればもっと面白く分かりやすく出来たと私は思うんですけどねぇ。

こらそこ。
いきなり解説に走った上に俺は放置かよ。

AYU:うん。

即答・・・|||orz

AYU:だって長そうだったし。
    で、ダウニーもなんかメチャメチャ強キャラになってますね。
    まぁ、このSSはキャラクターの強さバランスが若干崩れているのです。
    もし不快に感じた方がいらっしゃれば全力で謝罪するとともに了承していただきますようお願いします☆

A、AYU・・・。

AYU:勿論、この人がサンドバックにでも何でもなるって言ってるんで♪

言ってねえええええええええええええええええ!!!!?

AYU:それではまた次章〜☆

しかも素無視かああああァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!



アルクェイドが敵側?
美姫 「うーん、次々に出てくる強敵たち」
事態は複雑な様子を見せだしたな。
美姫 「これからどうなるのかしらね」
次回も楽しみに待っています。
美姫 「待ってますね」



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