『HEART CROSS DESTINY』
Episode 0
「…スゥ…・・・・・・ハァ・・・」
出撃前。私はコックピットの中で目を閉じ、手を膝の上で組んで小さく息を吐く。表では慌しい声と音が響いているのがよく分かった。
『I master it and am tense?(マスター、緊張しているのですか?)』
「ん……少しね…」
うっすらと目を開き心配してくれる相方の声に答える。
「…なんでだろね?私…これが初陣ってわけでも無いし戦いが怖い訳でもないのに…。」
少し自嘲気味に……だけど確かな疑問で相方に尋ねる。
私が生まれ育ったこの世界。相方も、私も本来ならこの世界に存在しえなかったもの。けど、いくつかの出会いと偶然、必然が重なりあい今この場所で、この時を送っている。
今の世界に不満があるわけでは無い。行き急いでいるわけでも無い。
ただ今向かおうとしている世界は絶対に認めてはいけない。それは紛れも無い私の気持ち。
『I do not have the feelings to say "strain" to me, but is not what I feel so natural as a person?(私に『緊張』と言う感情は持ち合わせていませんが、そう感じるのは人として当然なのではありませんか?)』
ふっと思考の渦から相方の言葉に引き戻される。
『"Strain" and "readiness." The two mix together, and is not the state that a master falls into now called "Musha ague?"(『緊張』と『覚悟』。その二つが交じり合い、今マスターが陥っている状態を『武者震い』と言うのではないですか?)』
「武者震い?」
『Yes(はい)』
言葉の一つ一つを確かめながら自分の左手を見つめる。微かに掌に汗が滲んでいるのが手を握った時に感じた。
でもなんで?と疑問を浮かべ再び相方に尋ねようとした時、ピピッと音が鳴り通信が入る。
モニタを開きサウンドをオン。画面には同い年ぐらいか…少し年上の女性が映っていた。
「早いねオウカ。もうスタンバイしているんだ?」
ニコっと優しく甘い笑顔で尋ねてきた。同性の私から見ても甘い笑顔にこちらも自然と笑みを返す。
「ええ、部屋に居ても良かったのだけど…」
「緊張してるのかな?」
図星。思わずモニタに映る女性聞き返しそうになったが、ニコニコしている顔を見て言葉を飲み込む。
そうだ。ちょっとした表情から読み取る事ぐらいこの人ならそれほど難しい事ではないハズ。
父の元居た世界、ミッドチルダ。その世界の法の守護者である時空管理局の魔導師。
戦技教導隊 高町なのは一等空尉
それが彼女の肩書きである。
「見た感じ、少し焦ってる様に見えなくも無いけど…」
焦っている?私が…?
「一人で突出しちゃダメだよ?どんなに強くても『個』は『数』に勝てないんだから…。」
「私、別に焦ってなんて…」
「じゃあ気負いかな?」
最後まで言葉を紡がせて貰えなかった。そのどんなものでも見透かしてしまう深い瞳で見つめられると次の言葉も喉で止まってしまう。
ぐっと飲み込んだのを見計らってからなのはさんが言葉を続ける。
「キラがね、『彼女、少し焦ってるみたいですから見て上げてください』って言ってたから…私も気になってたし。」
「キラが?」
優しくて強い自由の翼を駆る彼の顔を思い出す。
前大戦を終結に導いたフリーダムを駆るパイロット、キラ・ヤマト。
カガリ様の双子の弟、同じオーブ出身と知ったのは大戦が終わってから暫くして…。最初の出会いは偶然…後にカガリ様に紹介されて出会ったのが彼だった。
どことなくボーッとしている印象が強かったが、段々その考えは認識違いと知らされる。
最初の戦闘は対峙。
自分はカガリ様を連れ戻す為、彼はカガリ様を連れ去る為、己が剣を手に戦った。
結果は惨敗。信じられない反応速度。攻撃の正確さ。いくらこちらの機体がムラサメのカスタム機だったとしてもそれに追いつく事は出来なかった。
二度目は共闘。
オーブで再びムラサメを受け取った私は機体を持ちオーブを去った。
アークエンジェルを探し出し、合流。
ザフトと地球軍の戦闘を仲介するアークエンジェルの陣営に着く。
この時ザフト兵に幼馴染が居るのを知った。
「…………。」
「……………貴女は一人じゃないよ?」
そんな言葉を向けてくれる彼女をモニタ越しに見つめる。
そんな私をニコッと笑顔で受け止めてくれる。
「私が居る。フェイトちゃんが居る。キラにアスラン、スバルにティアナ、エリオにキャロ。皆貴女の後ろで支えてる。」
彼女の言葉を私はただただ受け止める。
「貴女の大切な国も、帰りを待っていてくれる。それに、貴女の隣には常に頼れる相方が居るんじゃないかな?」
ふっと諭す言葉に手に持つデバイスに目を向ける。小刀の形をした剣が二本。待機状態で無言の返事をくれた。
ぎゅっと相方を握り、ありがとうとお願いをする。
なのはさんも嬉しそうな顔をしていた。
「……それじゃ、オウカ。私行くね。全力全開で頑張ろう!」
「はい!」
そう、引いてもダメ。逸り過ぎてもダメ。
一番大事なのは成すべき事の明確な気持ちと、常に冷静に状況を判断できる思考。
「オウカさん。」
再びモニタに通信。今度はなのはさんではなく…。
「スバル、どうしたの?」
「………アスランさんに、少しだけ話聞きました。幼馴染の事。」
「……うん。」
目を閉じ再び開いた時に映るのは決意の表情。
「以前、操られたギン姉と本気の戦いをした事があるんです。」
艦の中でも一際目立つ仲良し姉妹の殺し合い。想像もつかない上に自分に似た状況をこの子もしていたと理解する。
「…幼馴染、連れ戻しましょう!話が通じないのなら諦めないでぶっ飛ばしてでも!!」
そんな直球ストレートな彼女の励まし方に少しポカンとして…それから笑いがこみ上げてきた。
今度はスバルが戸惑った顔を見せる。「あれ?変な事言った?」ってそんな事を呟きながら…。
「ふふ、大丈夫、ありがとスバル。絶対にあいつの目、覚まさせてやるんだから」
「!………はい!」
なのはさんと言い、この子と言い、ホントいい子達ばっかり…。
「父さん、少し貴方の生まれた世界に行って観たくなりました。」
ボソッと呟き。
気付けばガチガチに固まっていた体もかなり軽くなっている。緊張、しっぱなしだったみたい。
『The master who will go. To protect it.(行きましょうマスター。護る為に。)』
「そうだね、双姫(そうき)。私達の国を…世界を…。デュランダル議長の示す世界を否定する為に。」
『By all energy fully opening!(全力全開で!)』
「うん!」
発進シーケンスが既に開始されている。エリオが出撃、次いでキャロ、スバル、ティアナ…。なのはさん、フェイトさんも順次発進していった。
カタパルトに接続。眼前に広がる黒い大海原。
艦船クラウディアのオペレータからの通信。
「オウカさん、発進どうぞ!」
眼鏡をかけた女性…確かシャーリーだったかな?…が発進を促してくれた。
無言で頷き出撃する。まずはあの大量破壊兵器、その中継ポートを破壊する為に!
命を護る。私の流派の教えを実行する為に!
「オウカ・ミカミ、双姫、行きます!」
暗い星の海に黒き姫が舞う為に………。
〜*あとがき HEART CROSS DESTINY編*〜
お久しぶりです皆さ…
AYU:死ね!害虫!!!!
ぐあはぁ!?
いいいいいいいいきなり随分なご挨拶じゃないか!
AYU:知るか!大体なによ!?
『真に守るべきモノ』の八章を投稿してから一体どれだけの月日が経ったと!!??
ええっと…たしかアップして頂いたのが8/21…
AYU:そう!で、今コレを書いてるのが!?
………10/5
AYU:なにあんた二ヶ月近く放置プレイかましてんのよ!!!!!!
ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!
AYU:逃げるな!せめて逃げるなら説明『しながら』逃げろ!
無茶言うな!大体今捕まったら一生を棒に振る気がしてしかたが……
AYU:よくわかってるじゃない!このまま…「これ飛ばないのよねぇ〜」…とか言いながらオ○スタンのBモード撃ってやるから戻ってこい!
誰がそんな脅しうけて戻るよ!?
AYU:イイから帰ってきて素直に受けろ!!
浩さんや、美姫さんは九章を楽しみにしてるってコメントくれてたのよ!!??
それを何!?あんた恩を仇で返すのかぁぁぁ!!!??
ゔっ
AYU:この恩知らず!ド変態!!ツンデレ属性!!!
否定しないけど肯定もしたくない!!
AYU:黙れバカ!で、何でこんなこのSS書いたのよ!?
いや、StrikerSの最終回を迎えてから夢に出てきたから…
AYU:やっぱ行き当たりばったりかぁ!
うお!?ちょっとマテ!それはヤヴァイ!マジで消し飛ぶ!
太陽に飲み込まれ…
AYU:飲み込まれちゃえぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
バスターキャノンとか死ぬぅぅぅぅぅうぎゃああああああああ!!!!!
AYU:はぁはぁ…浩さん、美姫さんすいませんm(_ _)m
メインも頑張って書かせますんで、今回はコレで…。
オリジナル×なのはStS×ガンダム種運命です。短編ですが、良かったら見てやってください。
それでは失礼します。
それでは失礼し……ミギャ!
AYU:死んでこい。
ガンダムシリーズにはとんと疎いですが、頑張ってついていくぜ。
美姫 「そうそう、何事も努力が大事よ」
おうともさ! さて、Stsの方はまだ見てないんだが……。
美姫 「DVDは発売してるわよね」
……時間が、時間が〜。まあ、こっちの方は、いずれ絶対に見るから大丈夫だよ。
美姫 「ともあれ、新連載頑張ってください」
ファイト〜!