『トラハ的な日常1・2・3』






 設定は恭也が大学2年いわゆるALL ENDのご都合主義です。
 トラはシリーズの1.2.3混在SSって事でそれでもいいよって人は進めてくださいませ。







 第10話
 来襲









 「・・・・・・」

 「・・・・・・・」

 「え〜と、貴方達どなた?」

 目の前でいきなり怒鳴り込んできた女性・・・
 戦闘体勢は解かず質問に答える。

 「月村忍の友人ですが・・・」

 「・・・・・成程、あなたが高町恭也か」

 「ええ・・」

 「ふ〜ん、忍も中々見る目あるのね〜♪」

 「えっと、どちら様ですか?」

 美由希も構えを解かないが幾分か殺気を弱めて聞く。

 「ああ、ごめんね〜自己紹介がまだだったわね。えっと、美由希ちゃん?」

 「はい、そうですが・・・」

 「あはは、そんなに怖い目でみないで忍から聞いてたのよ♪そして私は綺堂エリザ」

 「綺堂って言うとさくらさんの・・・」

 「っそ、さくらの・・・姉みたいなものかな♪」

 「え?たしかさくらさんは、叔母と言ってた気が・・・」

  ピクッ・・・

 美由希の指摘にエリザさんのこめかみが微かに動いた様な・・・(汗

 「美由希ちゃん?私は『姉』と言った筈よ〜♪」

 「でも、たしかにさくらさんは・・・」

 美由希が何を言おうとしているのかなんとなく理解したが・・・
 何やらこれ以上は危ない気がする・・・エリザさんから感じるのは確かに微かな殺気(汗。
 その殺気を耕介さんも感じとったのか、話を打ち切るかの様に割り込んだ。

 「まぁまぁ美由希ちゃん、まずは自己紹介をこっちもしないと(汗」

 「そうですね。自分は高町美由希です。恭ちゃんの妹をしてます」

 構えを解き頭を下げる美由希

 「槙原耕介です。さざなみ寮の管理人兼コックをしてます」

 「あら・・・あなたはあのさざなみ寮の管理人さん?神奈さんはやめちゃったのかぁ〜」

 「神奈さんを知ってるんです?」

 「まぁ昔ちょっとねん」

 「神奈さんの甥ですよ」

 「なぁ〜るほど」

 肩までの髪を揺らしながら人懐っこい様な笑顔を見せる彼女。
 さくらさんの叔母と聞いていたが如何見てもさくらさん達と同年代にしか見えない。

 「で、あなたが忍の婚約者、恭也くんね♪」

  ゴスッ・・・

 思わず頭を壁に打ち付けてしまった・・・

 「婚約者とは・・・いったい・・?(汗」

 「え?忍がそう言ってたけど?」

 「違います・・・」

 「違うの?ってことは・・・忍め・・・たっぷりお灸すえてあげないと(ニヤ」

 ぞくりと背筋に寒いものが・・・微笑みが誰かと重なって見えた気がしたが(汗
 む?

 「どうしたんだ?美由希」

 「恭ちゃんが忍さんの婚約者・・・婚約者・・・」

 ・・・・・・・・・・・(汗
 
 「とにかくエリザさん、自分は婚約者じゃなく友人です」

 「そうなんだぁ〜・・・ふ〜ん」

 下から上までしげしげと見られる。

 「あの・・何か?」

 「へ?ああ、何でもないわよ」

 「はあ・・・」

 美由希の殺気が幾分か強くなったのを感じた。。
 それをエリザさんも感じたのか美由希に振り返る

 「だぁいじょうぶ♪そんな心配しなくても『愛しいお兄さん』をとったりしないわ♪」

 「え?あ・・あのあの(真っ赤」

 ???
 真っ赤になる美由希

 「美由希、顔が真っ赤だぞ。熱があるのではないのか?」

 「だ、大丈夫!そんなんじゃないよ!もうっ・・」

 何を怒っているんだ・・・

 「これじゃ忍も美由希ちゃんも苦労するわね〜(苦笑」

 「まったく」

 うんうんと頷く耕介さんと苦笑を浮かべるエリザさん。
 そして今度は俯いてぶつくさ愚痴っている美由希・・・
 なにがなんだかさっぱりだった。

 「ところで、忍やさくらは?」

 ・・・そうだ!
 突然のエリザさん登場で事態を忘れてしまっていたがこんな事している場合ではない。

 「それが・・・」

 そこで耕介さんが声を上げる。

 「いいよ、僕から説明するから」

 「はい・・自分と美由希は周辺を探索してきます」

 「ああ、たのんだよ」

 「了解、いくぞ美由希」

 「はい!」

 装備を整え美由希と共にコテージを後にする。
 外には街燈もなく月明かりのみが周囲を照らしていた。




      □ □ □




 「こっちは駄目だったよ、気配も痕跡もなしだった。恭ちゃんの方は?」

 「桟橋にもいってみたがこちらも駄目だ、クルーザーもそのままだ」

 「でも船はそのままだったって事は、この島にいるんだよね?」

 「ああ、そのはずだ・・・」

 そう、船が来たときのまま置いてあると言う事は島からは出ていない。
 出ていない筈なんだが・・・何故か自信がもてない。
 なにより島からは皆の気配は感じられなかった。

 「・・・・・恭ちゃん」

 「大丈夫だ、必ず見つかる。いや・・見つけるんだ」

 月明かりが届きにくい場所でも美由希と共に長年積んできた鍛錬のおかげで
 夜目は利く。見落としはない筈。
 島を出ていない以上必ず痕跡は何処かにある筈だ・・・
 美由希と共にスッと目を閉じ集中する。

 「・・・・・・」

 ・・・・・どういう事だ・・・
 ある事に気が付いた。

 「美由希、アノ化け物が出る以前に感じた気配を今は感じるか?」

 「あ!そう言えば・・・今はまったく感じないよ」

 「でも、アイツを倒したから消えたんじゃ・・・」

 たしかに美由希の言うとおりそれが原因かもしれない・・・
 だが、なにかが違うと感じる自分が居た。

 「以前調べようとしていた場所がある、そこに行くぞ。」

 「了解、着いていくよ」

 闇の中を駆け出す。
 今居る所からは森を挟んで反対になるが森を突っ切り時間の短縮を図る


 「ここだ・・」

 周囲には草などは無く幾つかの大きめな岩肌だけが有る開けた場所。

 「ここ?何にも無いけど・・・」

 「良く探せ、必ず何かある筈だ」

 確証は無いがここに何かが有った・・・

 「あ・・・恭ちゃん、コレ」

 「花・・・か?」

 「うん、枯れかけてるけど花だよ」

 岩の陰に、二輪・・・
 小さな花だが枯れかけているのか花びらが微かに残っているだけの花
 普段、庭弄りをしている美由希だから気が付いた様なものだ。

 「恭ちゃん、見ててね」

 そう言うとそっと花に触れる

 「む・・・今、僅かに光ったようだが・・」

 「ね?本当に少しだけど、蒼白く光ったよね?」

 「感じていた気配とは、花だったのか・・?」

 「分からないけどこんな種類の花、今まで見た事無いし・・」

 ・・・草木からの気配は確かに有る。
 有るのだが、それは人や動物が発する気配とは異なり漠然としか感じられないものだ。
 しかし、薄いとは言え確かにあの時ははっきりと固体として感じられた・・・
 自然にある物や草木などからあれほど固体として識別できるほどの気配など感じられるものだろうか・・

 「美由希、その花を摘んで一度コテージに戻るぞ」

 「うん・・・他には何もみつからないし・・」

 悔しそうに呟く美由希の頭をポンとかるく叩いてやる・・
 美由希は少し恥ずかしそうに頷いた。




      □ □ □




   〜〜少し時間を遡り〜〜


 「さてと、何があったか教えてちょうだい」

 「ええ・・・」

 「なんとなく予想はできるんだけどねぇ、浜辺のアレを見れば」

 「先にコイツを紹介しときます。御架月」

 先に紹介しておくべきかな・・・
 御架月を抜き放ち翳す。

 「神咲霊剣が一刀、霊剣御架月と申します。以後お見知りおきを」

 片膝を着き頭を下げる御架月。

 「あ〜らま、ただの刀じゃないとは思ってたけど・・・まさか霊剣とはねぇ〜・・」

 「知ってるようですね」

 「まぁね、十六夜さんは会った事あるし」

 「姉様とですか?」

 「弟さんだったの?十六夜さんに弟さんが居たのは知らなかったわ」

 御架月が目覚めた経緯を知らなければ当然かな。

 「まぁ色々ありまして、結構最近なんですよ御架月が目覚めたのは」

 「そっちの話も興味あるけど、今はここでの事態が先ね」 

 「そうですね、ただ起こった事もわからない事だらけで・・・」

 「まずはお茶でもいれますよ、待っててください」

 「ありがと、御架ちゃんと話しでもしてるわ♪」

 「御架ちゃん・・・ですか(汗」

 「そ♪御架ちゃん♪」

 「御架月、たのんだぞ(苦笑」

 「分かりました、耕介様」


 そう言い置き、お茶を入れに行く。
 しかし・・エリザさんか、底の見えない人だ.
 恐らく自分のことも最初から気が付いていたはず。
 御架月が霊剣であることも・・・


 「御架ちゃんは十六夜さんと同じくらいの時を?」

 「はい、姉様と同じ時に・・・」

 「なるほどね〜あの耕介くんも相当の力をもってるわね」

 「そうですね神咲では天才と」

 「あれだけの資質をもってればね」

 「エリザさまも・・・」

 「ん?どうかしらぁ♪」

 「正直測れません・・エリザさまのお力が」
 
 エリザさまの持つ力・・・その力は底知れない。
 だからか恐れを抱いてしまう、霊剣として・・・そして自分としても。

 「そんなの測らなくていいの♪」

 「しっかし・・・海鳴にはまだあんな子達がいたのねぇ・・・」

 「それは恭也さまと美由希さまですか?」

 「そそ、驚いたわ。人でありながら恐らく人を超えてる」

 「霊力などではなく純粋な力で・・・ですか」

 「彼らの力は幼い頃からの鍛錬と・・・後は血筋かしら」

 「そうかも知れません、あの方々がもつ力・・それは神咲とは違い純粋な剣術として、そして殺人術として極限まで研ぎ澄まされた刃・・」

 「ほんとに海鳴って町はおもしろいわぁ♪」

 「されど大きすぎる力が集まると災いを招く事もあります」

 「クスッ・・・そうね、でも海鳴の子達が集まれば怖い物無しってとこかしら♪」

 「かもしれません(苦笑」

 そんな話をしていると耕介様がお茶を入れて戻ってきた。

 「あんまり御架月に変な事吹き込まないで下さいよ(苦笑」

 「や〜ね、そんな事しないわよ♪」

 「取り合えず、いま分かってる事を話します」

 「ええ、いいわ」




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 〜〜約30分後〜〜


 「と言うわけで最後に皆の気配を感じてたのは御架月だけだったんです。」

 「・・・・・ふ〜む」

 小首をかしげ何かを考えてるエリザさん。
 この人は本当にさくらさんの叔母なのかな(苦笑
 そう思ってしまうほど今のエリザさんは幼く見えた。

 「まさか、皆消えちゃってたとは・・・島に着いた時気配の少なさにちょっと引っかかってたんだけど・・」

 「気になるのは恭也くんたちの事なんですけどね・・」

 「・・・・・ねぇあの子達ってもしかして『御神』?」

 「え!?」

 「生き残りが居たんだ」

 「知ってるんですか?」

 「当たり前でしょ。私達の一族はどちらかと言えば表じゃないからねぇ」

 「『御神』って言えばこちら側の世界じゃ有名だしね」

 「でも、さくらさんや忍ちゃんは知らなかった見たいでしたけど」

 あの二人は知ってて隠してたのか?
 いいや、そうとは思えない・・・神咲でも聞くまでは教えてもらえなかった。

 「さくらと忍は綺堂の全てを知ってる訳じゃないわ。まぁさくらは少なからずこっち側なんだけどね」

 「しかし、一目見て良く流派まで・・・」

 「昔に関わった事があるのよ、それであの小さな刀を二本で構えてたでしょ?」

 「たしかに特殊なスタイルですね」

 「ふっふっふ♪『神咲』も良く知ってるわよ♪あのおばぁちゃんまだ生きてるの?」

 「和音様までご存知なんですか・・・」

 御架月が驚くのも無理はない、この人は一体何処まで・・・・
 恭也くん達も驚くだろうな。

 「それで気になるって言うと?」

 「ご存知なんでしょうけど、恭也くんと美由希ちゃんは幼い頃大切な人達を失った」

 「で、自分では抑えてるつもりでも今回の事で・・・・って事?」

 「はい、恭也くんは冷静に捉えている様ですが、美由希ちゃんはかなり取り乱したので」

 「分からないけど、いざとなったら殴ってでも押さえつけるわよ♪」

 本気・・・だろうな(汗

 「それに幾つか分かった事もあるし、たぶん居場所もね♪」

 「な!居場所ってわかったんですか!?」

 「落ち着きなさいな、たぶんって言ったでしょ?確証はないけど二人が戻ったら話すわよ」

 「それに耕介くんも御架ちゃんも私を怖がる必要なんてないわ。勿論居なくなった皆の事が心配なのも分かるけどね」

 お見通しか・・・まいったな(苦笑
 ん?恭也くんたちも戻ってきたか。


 「ただいま戻りました」

 「おかえりなさ〜い」

 「どうだったかな?」

 美由希ちゃんが無言で首を横に振った。

 「これを」

 「あら、花ねこれ何処で?」

 「南西の森のそばです」

 「そっか〜・・ま、ご飯たべましょお腹ぺこぺこなの(泣」

 「食事を取る場合では・・・」

 恭也くんが少し苛立った様にエリザさんへ視線を落とす。
 気持ちはわかるけど・・・

 「大丈夫よ、彼女達は無事だから。それに貴方たち怪我してるでしょ」

 「無事とは・・・皆何処に居るのかわかったんですか!?」

 「はぁ〜・・耕介くんにも言ったけど落ち着きなさい。どちらにしても動くのは朝からよ」

 「しかし・・・!」

 「しかしもカカシもないわ。今晩はゆっくり体を休める事!明日から大変なんだから」

 「・・・・恭ちゃん、たぶん今すぐどうにか出来そうにもないし。エリザさんの言うとおりに」

 美由希ちゃんが何か我慢するように恭也くんへ呟く

 「む・・・分かっている・・」 

 照れ隠しだろうがパチンと美由希ちゃんのおでこを弾いた

 「あいたっ・・うう・・・乱暴な兄だよ」

 「クスクス・・・さぁ折角彼女たちが作ってくれた料理なんだし頂きましょ♪」

 皆はちゃんと食事ができてるのかな・・・





      □ □ □ 




 「どうだった?知佳」

 「リスティ、駄目どこにも居なかったよ」

 「こっちも居なかった・・・あの三人なら無事だろうけど」
 
 「忍、一旦コテージに戻ってよ。さくらとね」

 「でも・・・」

 「ノエルも完治してないんだし、僕らはもう少し奥まで行ってみるから」
  
 「待て坊主、知佳も取り合えず飯を食いな。本格的に動くのは朝からだ」

 そう言う真雪の顔もどこか晴れない。
 恭也と美由希、それに耕介と離れ離れになって数時間・・・ここは・・

 「ノエル、ここが何処かわかった?」

 「さくらお嬢様、GPSに反応がありません緯度・経度共に不明です」

 「どこか壊れてるのかな〜・・」

 ノエルさんのGPSに期待してたんだが・・・駄目か。
 ここは何処だ・・・わからんが居なくなったのは三人だけ、まぁあの三人なら大概のことは平気だろうが。
 当初SFなんかで出てくる並列世界なんていう奴かとも疑った・・・だけど坊主の羽なんかで調べて回った所、
 どうも単純に別の場所へ飛ばされたってのが有力らしい。

 「お姉ちゃんも食べよう」

 「ああ、今行く」

 知佳と一緒にコテージに戻る。
 ついさっきまで居たコテージに見えるが中は別物だった。
 だが冷蔵庫にはぎっしり食い物があって、水も電気も通っていた。


 「おかえりです〜、ささどうぞ」

 「亀がつくったもんなんかよりコッチをどぞ」

 「両方おいしいよ〜♪唯子の太鼓判なのだ♪」

 「そうなのだ、おいしければどっちでもいいのだ♪」

 「さっきまで大人しかったのが嘘みたいだな・・」

 「でもいいのかな・・・勝手に食べちゃって・・・」

 「しょうがね〜だろ、もし誰か居て文句を言うようならちゃんと金ははらうさ」

 「う〜ん、そう言う問題じゃない気も(汗」

 「それに、誰かの意思でここに飛ばされた・・・ってのがたぶん正解だ」
 
 「気が付いたらここに皆いたしね〜」

 「瞳たちはまだ帰ってないのか」


 恭也くんたちを手分けして探そうと戦闘ができる数人で島を回っている。
 お姉ちゃんと私、リスティ後は忍ちゃん達で北側を瞳さんフィリスそして美沙斗さんで南を・・・
 後の皆はコテージで周辺の警戒と食事をつくっていた。


 「あら、おかえりなさい。お風呂つかえるみたいよ」

 「すいません、桃子さん」

 「いいのよ〜、今なのはとフィアッセ、アイリーンさんで掃除してるから。暫くだれも使ってなかったみたいだし」

 「そうすか、ゆうひ達で寝るとこ作ってるはずですから、今日は一箇所に固まって寝ようかと」

 「いいわね、なんか修学旅行みたいで♪」

 「きっと恭也くん心配してるだろうな・・・」

 「そうでしょうけど直ぐにこっちに来てくれるわ。なんてたって士郎さんの息子なんですもの」

 エヘンッとばかり胸をたたく桃子さん(苦笑
 そこに薫さんと那美ちゃんが戻ってきた

 「薫、この周りはどうだった?」

 「特に危険はなさそうです。十六夜も何も感じないといっとりました」

 「そうか、葉弓さんたちは?」

 「今、万が一に備えて周囲に結界を楓と一緒に張っとるとこです、これで大概の事ではここは安全です」

 「悪かったな」

 「よかとですよ、まずは安全を確保せんと・・」

 薫さんの言うとおり、まずは安全を優先しないといけない。
 なのはちゃん達もいるんだしね。

 「で?那美はなんでそんな濡れ鼠になってんだ?」

 「あうぅぅ・・水溜りがあって・・」

 「その水溜りの中へ見事にこけたわけか」

 「くぅん」

 「那美、着替えてこんね」

 「着替えがないよ・・・」

 「わっ、那美どうしたの?」

 さくらさんと忍ちゃんがリビングへ帰ってきた。
 フィアッセとなのはちゃん、アイリーンさんも一緒だ

 「こけちゃいまして(泣」

 「ありゃ・・お風呂はいったら?もうは入れるよ♪」

 「あ、いただきます」

 「知佳ちゃんも一緒に入ったら?少し汚れてるわよ。なのはは後で母さんと入ろうね〜♪」

 「うん♪」

 「アイリーン、私達も入っちゃおうか」

 「でも美沙斗さん達まだもどってないでしょ?」

 「構わないわ、皆で入れるほど広くはないし順番だから入れる人からね」

 そう言う桃子さんに進められ四人でお風呂場に向かう。
 うう・・・着替えがないのがつらいな・・・


 脱衣所に向かうと少し古い型の洗濯機まであった

 「洗濯機まであるんだ・・・」

 「うん、私達もびっくりしたよ」

 「でも有りがたいです、服も下着も洗いたいですし(汗」

 「だね〜♪」

 「でもさ、いくら女の子だけしかいないって言っても裸で過ごすの?」

 「ふっふふ〜♪コレを着よう」

 そういってフィアッセさんが持ってきたのは大きなシーツ
 コレを体にまくのかな?(汗
 少し不安を覚えながらお風呂場に入る。

 「結構おおきいですね〜」

 ザザーと掛湯をしながら那美ちゃんがお風呂場を見渡した。

 「でしょ?でもそんなに汚れてなかったのよね・・・」

 「うんうん、もしかしたら誰か住んでたりして」

 「そう考えるとちょっと怖いかも(汗」

 「大丈夫だよ、私の羽でここら辺調べたけど何にも感じなかったし」

 そういいながらエンジェルブレスを開いてみせる
 まだ幼い頃は何故自分だけ・・・と思っていた羽の力も今では自分を支えてくれる、
 大切な力と思えるようになった。


  カポーン・・・・・・


 「「「ふぅ〜〜・・・・」」」

 「いい気持ちですねぇ〜〜・・・」
  
 「でもいいのかしらこんなにノンビリしてて・・・私達何処にいるか分からないんだよね・・」

 「う〜ん、お姉ちゃんも言ってたけど本格的に動くのは明日の朝からだって」 

 「恭也たち心配してるだろうね・・・」

 「そうですね・・・恭也さん達は無事なんでしょうか」

 「きっと大丈夫だよ、あの恭也だもん」

 フィアッセさんが自信まんまんに胸をポンとたたく。
 そんなフィアッセさんに思わず三人とも笑ってしまった

 「なにが『あの』なのか分からないけどフィーみてると大丈夫って思っちゃうわね(苦笑」

 「そうよ、私は小さな頃から一緒だったんだから♪」

 「うらやましいです・・・」

 「小さい頃の恭也かわいかったなぁ〜♪」

 「「「ぶぅ〜〜〜」」」

 三人で抗議のブーイングを上げる(笑
 あ〜あ、私も小さな頃の恭也くんとあってたらな〜・・

 「!!・・・」

 「どうしたの?知佳」

 「今、誰かがそこの窓の向こうを通った様な・・・」

 「え!?覗き!?」

 すぐに羽を広げ周囲を探る・・・
 やっぱり!! コテージから遠ざかる気配を確認した
 リスティに直接呼びかける。

 『リスティ!すぐに周囲をさぐって!遠ざかる気配があるはず!』

 『ああ、今確認した、帰った美沙斗と一緒に追ってるよ。直ぐに皆をリビングへ』

 『了解』

 「皆、直ぐ上がってリビングに集合」

 「う、うん!」



 〜〜〜リスティ・美沙斗〜〜〜


 「こっちだ!」

 「アレだね」

 前方に人影が見えた。
 丘のように高くなった小さな広場、そこに立っている。

 「止まりな、僕たちからは逃げられないよ」

 「手荒な事はしたくない、両手を頭にのせてこっちを向くんだ」

 少し小柄に見える人影がゆっくりと此方へ向く。
 
 「・・・・女の子?」

 月明かりを背中から受け吹き抜ける風で長い髪がさらさらとたなびく、
 透き通る様な蒼い瞳と月の光をうけ腰の辺りまである髪が金色に光っているように見えた。
 思わず息を呑むほどその幻想的な光景は美しい・・・


 静かに吹き抜ける風と揺れる月明かり、その中で彼女との邂逅をはたした彼女たちだった。





 第11話

 日のあたる場所へ

 につづく








 ひよひよです。


 うう・・・エリザさんって書くの難しい(泣

 仕事の合間に彼女の構成をすればするほど

 毎回キャラがかわってしまう・・・

 なぜか御神宗家の某おばぁさまに重なる部分があったり^^;

 そんな感じでようやく書き終わりました第10話・・

 読んでいただいた皆様・・言いたい事は山ほどあるでしょうが、

 11話でエリザさんを活躍させる予定なので

 今回は目をつぶってくださいまし(汗


 デハデハまた11話で〜 


とりあえず、今回は現状の把握って所だね。
美姫 「次回以降、どう動くのかね」
後、最後に出てきた少女も気になるし。
美姫 「美由希が持ち帰った花もね」
一体、どんな事態になっているのか。
美姫 「早く次回が読みたくて、読みたくて」
そんなこんなで次回を待っています〜。
美姫 「それじゃ〜、また次回で〜」



頂きものの部屋へ戻る

SSのトップへ