『トラハ的な日常1・2・3』






 設定は恭也が大学2年いわゆるALL ENDのご都合主義です。
 トラはシリーズの1.2.3混在SSって事でそれでもいいよって人は進めてくださいませ。






 第5話
 夏の孤島





 「いい天気ですねぇ〜♪」

 「そうだね、いい天気だな〜」


 恭也達が砂浜に着いた頃、槙原耕介、愛は島を散歩していた。
 散歩と言っても孤島であり、島の周囲に作られている参道らしき道を歩いている。



 「こんな所が避暑地なんだから綺堂家ってのもすごいな」

 「ですね〜♪」

 神咲の本家にも避暑地はあるらしいけど、山だと言っていたな。
さくらさんの話だと綺堂では幾つかの島を所有しているらしいって昨日きいたが
 その一つなんだろう。

 ツンツン・・・

 背中をつつかれる。

 「どうしたんですか?愛さん」

 「も〜〜〜!「さん」をつけないでって言ったはずです!」

 「どうも慣れなくて(照」

 「どうした?愛(赤」

 うう、男槙原耕介・・・やはり恥ずかしい・・

 「愛だなんて♪キャ〜〜♪」

 自分で言ったくせに(汗
 最近、愛さんが壊れてきたような。

 「そういえば、どうしたんです?」

 「あっ あれなんですかね?」

 「?」

 愛さんが指を指す方向に目をむける。
 洞窟?いや・・・
 
 「なんでしょう」

 ここから崖になっている海側。
 海上に50メートルくらい行った所だろうか
 ポツンと岩場がありその上に洞窟のような、祠のようなものがうっすらみえる。

 「遠くてよくみえませんね、愛さんみえます?」

 「いいえ〜みえません・・」

 ん?なにか・・・
 ソレはなんとなくだが、力?のようなものを感じる気がする
 少し神咲の力でさぐってみるが、やはり何か有るとしかわからない。
 霊力じゃないな。帰ったらさくらさんに聞いておくか。

 「はっきり分からないですけど、もしかしたらさくらさんが言っていた『結界』って奴なのかもしれないな」

 「は〜〜〜」

 分かったような分からな様な返事だが分かってないだろうな(苦笑
 しかし、特に嫌な感じはしない。

 「気にする事ではないでしょうし、もう少し歩こう愛さん」

 「ハイ♪」

 腕をさしだしとく。
 腕を組みたいと目でうったえていたしな^^;
 この先に高台が在るときいたしそこまで行ってみるか。
 そうそう夫婦二人と言うのもないしな。

 「風が気持ちいいですね〜耕介さん♪」

 
 



 〜 時は戻って恭也側 〜


 「名付けて!サブマリーンノエルよ!」

 「忍・・・大丈夫なのか」

 ひしひしと嫌な予感がする。
 美沙斗さんも苦笑いだ。

 「いいじゃねーか青年、おもしろそうだしな♪」

 「そりゃ真雪さんには人事ですしね・・」

 「な〜〜んか、私のこと信用してない?(ジロ」

 なにを・・・

 「当然だ。いや、当たり前だな。今までの事をよく思い出してみろ・・・」

 「そうよ、忍。まともなのはノエルくらいのものじゃない」

 「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!さくらまで!」

 「今回のはすっごいんだから!」

 その言葉になんどだまされたものか・・・

 「一応聞いてやる、どうすごいんだ?」

 意味ありげに少し間をとる忍



 「ふっふっふ・・今回は・・・潜るのよ!!!」



 何故か肌寒い風が・・・

 「忍・・・・・・で?」

 「だ〜か〜ら〜潜るの♪」

 「それは分かっている。つまりノエルが潜るのか?」

 「そうよ♪ノエルが潜るの♪」

 それのどこが凄いんだろうか。

 「それの何処がすごいんだ?」

 「どこって、ノエルが潜るのよ?恭也と」

 聞き間違いであろうか・・・最後に聞き捨てならん言葉があった気がする

 「すまんがもう一度言ってくれるか?」

 「だから、恭也とノエルが一緒にもぐるの」

 「何故だ・・・・」

 「なにが?」

 「だからなぜそこで俺が出てくる」

 当然の様に自分の名前が出てきた・・・いつもの事だが。

 「だって、当然じゃない♪」

 「恭也、もう諦めなよ。ププ」

 リスティさんもか。

 「さぁ、ノエル『アレ』持ってきて♪」

 「畏まりました」

 しずしずとコテージに何かを取りに行ったノエル



 「なぁ、忍よ」

 「何?」

 「今回は自分でちゃんと実験したんだろうな?」

 「そんなのしなくても大丈夫♪恭也で実験なんだから♪」

 はぁ・・やはりか。

 いつの間にか数人が海から戻っていた。

 「恭ちゃん、何するの?」

 「忍に聞いてくれ」

 「何時もの奴だね、恭也」
 
 「ああ・・そうだ。何時もの奴だ、フィアッセ」

 いつもいつも人を実験材料にする一種の病気か・・

 「まぁわたしゃ面白ければそれでいいけどな」

 「真雪さんはそれでいいでしょうね・・」

 「恭也がんばんなさいよ♪」

 「なにをだ・・息子をおもちゃにして楽しむ出来の悪い母よ。」

 「ひどい!桃子さんがいつアンタを玩具にしたのよ・・しくしくしく」

 「いつもだ・・・」

 「いつもだね〜(苦笑」

 そうこうしている内にノエルがなにやらでかい『コンテナ』らしきものを抱えて帰ってきた





 「忍、言いたい事は山ほどあるが・・・何時の間にあんな物を用意した」

 「さくらにたのんで先にここに運んどいてもらったの♪」

 「なるほど、今回はさくらさんも共犯ですか」

 「うう・・ごめんなさいね。恭也くん」

 しかし何やら大掛かりな物らしいな
 忍が意気揚々と説明をはじめる。


 「さて皆お立会い♪ここに有るのは忍ちゃんの技術を結集したマシーンよ♪」

 「まずノエルは自動人形、別名オートマターなのは皆しってるわね」

 「ああ、しっているぞ」

 そうノエルは夜の一族が昔作り出した一種のロボットだ
 パワー、スピード、瞬発力。どれを取っても人よりずば抜けている
 普通に戦闘したら恐らく勝つのはとても難しいだろう。
 何度か手合わせしたがやはりかろうじての辛勝が関の山だ。

 「ノエルには様々な機能がついてるわ。戦闘もこなせるし、料理もバッチリ♪」

 「もちろん水につかったりお風呂に入る事だって出来るわ」

 「ついでに盗撮機能まで完備♪」

 ・・・・・・・・・

 「忍さん、そんな物までつけてたんですか・・」

 「ノンノン美由希ちゃんそれだけではないわ♪赤外線までバッチリよ!」

 「犯罪だ、ばかもの」

 とりあえずゲンコツをおとしておく

 「あいた・・もう!最後まできいてよ・・」

 「いいからサッサと説明しろ」

 「ぶ〜ぶ〜・・」

 「で忍ちゃん?結局なんなの?」

 か〜さんはさっぱりわかってなかった。

 「ここからが本題よ桃子さん」

 「今回はノエルのバージョンアップなの、バックパックをつけて水深100メートルまで潜水可能よ♪」

 「まて・・つまり俺も水深100メートルまでもぐるのか?」

 「恭也なら大丈夫♪」

 めまいがしてきた・・・・・

 「死んでしまうわ!!!ばかたれ!!!」

 水深100メートルなぞ普通の人間が水圧に耐えられるはずもない・・・

 「冗談よ♪」

 「冗談にきこえなかったよね美由希・・(汗」

 「うん・・・」

 「それは置いといてノエル、バックパック装着準備して」

 「了解です」

 ノエルがコンテナに付いているボタンを押す


    ブシュウー・・ガコン・・


 コンテナの前と左右が音をたてながら開いていく


 「おお・・これは・・・」

 「かっこいい〜」

 「すごいですねえぇ〜」

 いつの間にか戻ってきたなのはと那美さんが驚きの声をあげる
 だが二人の感想もわかるきがするな。


 青い流線型のボディ
 形はイルカに似ているがとても近代的なフォルム
 先端にはなにやらレンズのようなものがいくつもついている
 大きさはノエルよりふた周りほど大きい
 どこかなのはが見ているアニメにでてきそうな戦闘機械の印象をうける
 なのはは目をキラキラ輝かせている。



 「どうよ♪この美しいフォルム♪」

 「かっこいい〜!」

 「流石なのちゃんにはわかるようね♪」

 「ちょっと忍、いつのまにこんな物つくったのよ・・」

 「前々から少しづつよさくら♪」

 忍の作った物にしては今回はまともだな

 「いくわよぉ〜サブマリンノエル装着開始♪」

 「音声パスワードを、忍お嬢様」

 
 『マリーンノエルメークアップ!!』


 「・・・・・忍・・その掛け声は必要なのか?」

 「当然♪」

 突然ノエルの瞳の色が青く輝く



 [パスワード確認 装着フェーズに移行します]

 [シーサイドモード起動 内部ラジエーター外部接続準備] 

 [魔晶石ラジエーター起動 エネルギー臨界ポイントまで後3.06秒]

 [パックパックのエネルギーフレームへの接続準備完了 フェース2へ移行します]

 

 「忍、あなたエリザ叔母さんに魔晶石をかしてってこれに使うためだったの?」

 「そうよ♪ちゃんと了解はとってるもん」

 「大丈夫なの?あれの扱いには気をつけないと」

 「平気だってきちんとしてあるよ♪」

 なんだか不穏な会話が・・・



 [最終セフティー1から4まで解除]

 [バックパック装着します]



 そうこうしているうちに準備が出来たみたいだ
 ノエルがコンテナの前で背中を向ける


 ガコン・・・

 
 ノエルの背中が一部開きバックパックに接続された
 みんなから歓声があがる。
 しかし・・・

 「忍お嬢様、装着完了です」

 「ねぇ忍、なんていうか・・」

 「何?リスティさん」

 「背中のはたしかにカッコイイけどさ、ノエルさんが背負ってるみたいで陸の上だとチョット間抜けだね・・(汗」

 たしかに・・・陸の上だとノエルが大きなイルカの様な物を背負っているようで
 ノエルの整った美貌とあいまってすこし異様でもある(汗

 「そうかな〜でも性能はすごいんだよ」

 「ん?・・・忍?たしか俺も潜るんだよな?」

 「もちろんそだよ」

 「・・・どこに乗るんだ?」

 「・・・・てへ♪」

 乗る場所を作るのをわすれていたんだな・・・


 「なーんて大丈夫だよ♪」

 「ちょっと恭也、そこに立っててね」

 「???・・ああ」

 言われるままにほんの少し前に出る
 とノエルが目の前に立っている

 「恭也。万歳して」

 「・・・・・」

 言われたとおり万歳をしておく

 「恭也さま失礼します(ポッ」

 「ぬお!何をする」

 頬を赤らめながらノエルに正面から抱きつかれる・・


 「「「「な・・・・・・・!!!!」」」


 周りからも絶句の声が


 「し・・忍!なんだこれは!」


 ぐう・・まともに柔らかい感触が!!
 こ・・これは色んな意味でヤバイぞ・・・・
 ノエルがぴったりと体を密着させているから色んな場所に感触が・・特に胸が・・(汗 


 「実は、乗る場所を確保できなかったの。でそうやってノエルが抱えて潜るんだよ♪」

 俺も男だ・・こんな状態でずっといれば・・

 「何を馬鹿なことを・・大体なんで正面からなんだ・・(汗」

 「ああ、それはね酸素ボンベをつける場所なんてないからノエルの中に圧縮空気のボンベがはいってるの」

 「で、空気を吸うときは『マウス トゥ マウス』でノエルの口からね♪」

 ノエルがまたまた頬を赤らめる
 ああ・・忍はこういうや奴だったな・・・

 「あっはっははは、よかったじゃねーか青年役得って奴だな♪」

 「勘弁してください・・・」

 真雪さんは大うけだ・・
 しかし不思議な事にリスティさんはのってきていない

 「・・・・・・」

 少し放心しているようだ
 それに周りの数人から凄まじい殺気が・・(汗

 「と・・取り合えず放してくれ・・ノエル」

 「はい・・・」

 何故か名残おしそうにはなしてくれた

 「忍、こんな状態でもぐれるか!!」
 

 ゴン!!!!!


 徹をこめて思いっきりどついておく


 「ぎにゃっっ・・・・!!」

 「!・・!!・・」

 不思議な声をもらし声もあげずゴロゴロと頭を抱え砂浜を転げまわる忍

 「うは・・いたそぉ・・・」

 「恭ちゃん、今本気だったよ・・・アレは食らった人しか痛さはわからないんだよねぇ・・」

 しみじみと語る美由希にみんなは苦笑だが
 自分はさすがにアノまま潜るなんて出来ん
 それに、く・・口から酸素を・・(赤

 「どうしたんですか?」

 フィリス先生達ももどってきた

 「い・・いえ・・(赤」

 「??どないしたん?恭也君」

 「なんでもないですよ・・ゆうひさん」

 さすがに恥ずかしくてノエルには悪いが一緒に潜ることはできんな


 「フィリスせんせ〜い〜(泣」

 「ど!どうしたんですか??忍さん?」

 「頭へこんでませんか!?(泣」

 「はぁ?」

 ・・・・・・・・

 「さくら〜ねぇ頭へこんでない!?」

 「大丈夫よ・・・」

 「本当に?ほんと〜に?・・・」

 「馬鹿な事いってないで取り合えずノエルのバックパックとやらをはずしてやれ・・」

 さすがにノエルもおもそうだ・・足元が砂に少しうまっている。

 「恭也が頭やったくせにぃ〜・・・」

 「ノエル、バックパック解除通常モードに移行」

 「了解しました通常フェーズに移行します」

 ゴウン・・とコンテナにバックパックをもどすノエル

 「あっ チョットまってノエル」

 「はい」

 「もうちょっと我慢してね、みんなに簡単に機能を説明しとくから」

 なにやらリモコンの様な物をとりだし説明を始めた


 「丁度みんな戻ってきたから説明しとくね」

 「さっきも言った様にノエルの潜水用バックパックなんだけどこのリモコンで遠隔操作もできるの」

 「潜水モード、水上モード主にこの二つね」

 「後はここのレンズで撮影もできるしこの胴体の6角形の部分はレーダーよ」

 レーダー?何故そんなものが・・・

 「そして・・ぽちっとな♪」

 ゴウンッ・・・

 バックパックの左側から何やら砲身のような物騒な物があらわれる

 「なんだ?これは・・」

 「かんたんに言っちゃえば水中でも使えるエネルギー砲だよ♪動力の魔晶石からのエネルギーをうちだすの♪」

 「・・・・・なぜそんな物騒な物が」

 「ロマンだから♪」

 にこやかに宣言する忍
 それにキラキラとした目で反応するなのは

 「忍さん忍さん!ロケットもあるんですか?」

 「あるよ〜♪」

 なのは、いつからそんな子に・・・お兄ちゃんは感心しないぞ・・・

 「ロケットっていうか水上でもつかえる小型の物だけどね」

 そういってまたポチっとスイッチを押す

 「あ・・・忍お嬢様・・・」

 「ん?大丈夫よノエル安全装置がかかってるから発射口が開くだけだしね」


 ガパ・・・・・バシュッ!バシュ!


 「あ・・・」  

 「ぬお!」


    シュゴ〜〜〜〜・・・


 青空に飛び出し綺麗な放物線を描きながら海とは反対がわに飛んでいく二つの物体
 ジェットからの白煙はコテージのさらに向こうに落ちていく



          ズ・・ズズ〜〜〜〜ン!!!!!!

            ドッッッッゴ〜〜〜ン!!!!!

               ゴゴゴゴ・・・・・・・・・・


 「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」


 「あ・・・あれ?あ、あはははは・・・・・」

 「装着準備の時にセフティー解除とプログラムしたのは忍お嬢様では・・・・」

 「・・・・・・・えへ♪」

 無言で眉間に拳をあてる

 ぐりぐりぐり!!!!!!

 「ち・・ちが・・・ぎゃ〜〜〜〜〜!!」

 「なにが違うんだ」

 ぎりぎりぎり・・・・・

 「あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!・・・・」

 周りでは、いまだ爆音と黒煙があがった空をみつめボーゼンとしている皆





 「取り合えず被害を見に行ってきましょうさくらさん・・」

 「はぁ・・・ええ、そうね」

 「恭也、私も行こう」

 「いえ、美沙斗さん達はここでなのは達を見ていてやって下さい」

 「そうか、分かったよ」

 危険な事はないだろうが皆でいくこともあるまい

 「皆は遊んでいるといい、幸いコテージには落ちていないのはわかっているし心配あるまい」

 「一応私もいくよ、仕事で現場はみなれてるから」

 「知佳さん、大丈夫かとおもいますが」

 「まぁ一応ね♪」

 「それじゃあお願いします」

 そういって着替えてきてもらう

 「美由希みんなをたのんだぞ」

 「はぁ〜い、恭ちゃんも気をつけてね」

 「ああ、それじゃ真雪さん、美沙斗さんたのみます」

 さくらさんと知佳さんもきがえて戻ってくる

 「あ・・あのぉ〜・・・・」

 「なんだ・・・?」

 忍は鋼糸でしばってそこにある木にぶら下げている

 「お・・下ろしていただけると嬉しいんですけど・・(泣」

 ブラーン・・ブラーーーン・・・

 「却下だ。」

 「ひん・・・(泣」

 丁度そこに耕介さんと愛さんがもどってきた
 そ・・そう言えばあまりのことで二人をわすれていたな・・(汗


 
 「さっきのすごい轟音はなんだったんだい?恭也くん」

 「それが・・『アレ』が・・」

 そういって忍を指す

 「な・・なるほどね・・・(苦笑」

 「被害を見てくるからお兄ちゃん皆をおねがいね」

 「知佳も行くのか、気をつけてな」

 「はぁ〜い」

 「行きましょうか、さくらさん知佳さん」

 「うん♪」

 「ええ、行きましょう」

 歩き出した所にメイド服に着替えたノエルが

 「私もいきます」

 「ノエル、さっきのはノエルのせいではないぞ。気にするな全てあいつのせいだしな」

 ぶらんぶらんと揺れて少し酔ったのか顔色の悪い忍を指す

 「いえ、重いものなど動かすのにお力になれるかと・・」

 たしかにノエルなら鉄骨の1本や2本はどうって事はないであろう。

 「ふむ・・・では頼むか」

 「畏まりました」

 4人になり遊歩道をあるいて爆破現場にむかう
 いまだ島の反対側では黒煙があがっていた。




 「何処も壊れてなければいいけど・・・」

 「あっちには何があるんですか?」

 「エリザ叔母さんの個人の別荘とかがあるわ」

 「エリザ様の研究室もあると伺っております」

 エリザと言う人は学者かなにかなのだろうか

 「私も会った事はないけど国際救助隊のなかに知り合いは数人いるみたいだよ」

 「隊長から話を聞いた事があってとても綺麗な人って聞いたけど」

 「なるほど・・・」

 「さくらさん、その方は学者かなにかですか?」

 「いいえ、まぁ学者って訳じゃないけど・・とても幅広い知識と経験で一族のなかでも彼女に意見する人は少ないわね」

 夜の一族のなかでもそうとう権力を持ってるらしい。
 忍から名前は聞いたことはあったが。

 「忍をとても可愛がってくれた優しい人よ」

 「そうですか、一度お会いしてみたいですね」

 「くすくす、彼女もそう言うとおもうわ♪」

 忍やさくらさんの一族が持つ掟などは詳しくはしらないが
 安二郎とかの事もあり複雑な立場の忍を可愛がってたとなると
 さくらさんが言う様にとても優しい人なんだろうな。

 「あそこね・・みえたわ」

 「ちょっと空からみてくるね」

 「知佳さん気をつけてくださいね」

 「うん♪ありがとう♪」

 そう言うと知佳さんは純白の羽をひろげそらに舞い上がった
 やはり綺麗だ・・・フィアッセやフィリス先生とはまた違う
 知佳さんの羽、たしかエンジェルブレス?だったか

 「うわ〜〜〜 結構ひどいかも・・(汗」

 上空の知佳さんから声が届く

 「下からみてみますね」

 「うん、気をつけてまだくすぶってるみたいだから」

 「はい」

 まったく・・忍の奴、物騒なものを・・・




 到着してみると確かにかなり酷い
 通信設備だろうか、小さな建物の半分が吹き飛んでいる
 そして、別荘のほうもかなり損傷が激しい

 「まったく・・あの子は・・・悪気があってじゃないのはわかるけどやりすぎよ(汗」

 「さくら様、通信の方は完全に使用不能です」

 「この惨状じゃぁな・・」

 上空から知佳さんが降りてきた

 「これ何かな?」

 知佳さんが割れた赤いガラス玉をもってきた

 「これは・・・どこでありました?」

 「この建物のうらにちらばってたけど・・」

 さくらさんは何かを考え裏へと歩いていく
 取り合えず付いていったほうがよさそうだな。

 「ここね・・・」

 さくらさんとノエルがあたりを見回し砕けた塀や石などをどけていくと
 何やら記号か文字の様な物があらわれた

 「これは・・?」

 「たぶんエリザが施した物だろうけど、初めて見るものよ」

 「この島にあるって言う結界かな?」

 「いいえ、結界は海上につくった祠に施してあるの。これとは別のよ」

 研究してたと言うからそれの事だろうか、学者みたいな物らしいし。

 「ノエル読めるかしら?」

 「この術式に使われてる文字に類似するのは幾つかありますが、適合率はどれも50%以下です」

 「微妙ね・・・封印式って訳じゃなさそうだけど・・・」

 「とにかくエリザさんじゃないとお手上げってところですか・・」

 その時知佳さんが今来た方向の林をじっと見つめた
 なんだ?・・意識を集中し、あたりの気配をさぐる
 さくらさんとノエルも気が付いた様だ二人とも重心を少しさげいつでも動ける体勢をとる。

 「む・・・この気配は・・」

 「さくらさん、知佳さん、ノエル大丈夫だ」

 「?」

 「でてこい、久遠」

 見知った気配に声をかける

 「くぅん・・・」

 付いてきたのか・・・脅かしてくれるな(苦笑
 自分も海と言うことで少したるんでいたらしい・・・情けない
 久遠が気配を消していたとは言え、気がつかんとは・・・
 もうすこし引き締めとかねば。

 「どうしたんだ?久遠」

 「きょうや しんぱいだった」

 「そうか、ありがとな」

 久遠の頭をなでてやる、
 知佳さん達がうらやましそうなのは気のせいだろうか・・(汗
 そわそわとこちらに視線が・・・

 「いったん、戻りましょうか・・・」

 「そうね・・別荘の鍵はコテージだし、これが何かってのも戻ってすこし調べたいわ」

 「そう言えば、他への連絡はどうやってするの?」

 「忍に修理せるわ。あの子がこわしたんだしね♪」

 「たしかに・・・」

 そこでふと気になった・・・エリザと言う人は何を研究していたのだろうか・・・
 周囲に嫌な気配や気はかんじられない、しかし遊びでにしては余りに本格的すぎる
 帰り道さくらさんに聞いてみる

 「さくらさん?エリザさんは何の研究を?」

 「忍が物理や科学ならエリザ叔母さんは、考古学や魔術かしら」

 「魔術・・ですか・・?」

 「ええ、私達一族はかなり古い時代から神や魔術なんかを研究してきたの」

 「簡単に言ってしまえば血のせいかしら」

 たぶん夜の一族の事だろう。

 「もともと人とは違う、そして魔力を扱える私達は人が神って呼んでる物や神秘的な力にかかわりがあったの」

 「神様っているの?」

 「さぁ・・どうでしょうね。ただ、世界には数多くの信仰があってそれぞれに神がいるわ」

 「その中のいくつかは遠い昔、私達みたいに人にはない力を持った一族はいくつか存在したの」

 少しさくらさんの表情が曇る。

 「でもね、夜の一族は人との共存を選んだ。でも人とは違う力を持った者たち全てが共存を選んだわけじゃない」

 「ある一族は身内から衰退したり、また人によって滅ぼされた者達も多い・・」

 「今ではお互いにかかわり合わぬよう、ひっそりと暮らす一族も世界にはあるはずよ」

 「そういった一族が持つ力や術と呼ばれる物を研究してるの」

 なるほど・・・魔術とはそう言うものなのか。
 まぁよくわからないが人を超える力は夜の一族だけの専売特許ってわけじゃないって事だろう。
 日本の神咲みたいな一族もあるんだしな

 「世界は広いんだよね〜、私もこの仕事を初めてから改めてそう感じるもん」

 「そうかもしれませんね(苦笑」

 もっとも人とはまったく違う生き物も今、俺の腕の中にいるんだったな
 おもわず苦笑をうかべてしまう。

 「くぅん?」 




 む?・・・・・・
 今、鈴の音がきこえたような。

 「どうしたの?恭也君」

 「あ、いえ・・知佳さん?今なにか聞こえませんでしたか?」

 「ううん、きこえないよ?」

 「ふむ・・・・気のせいか」

 さくらさんも不思議に思ったのだろう
 いつも隠しているふさふさの耳をだしてピコピコとあたりを伺っている
 なんていうか、かわいらしいな(苦笑

 「さくらさん、たぶん自分の気のせいですよ」

 「そう?」

 「ええ、帰りましょう」

 さくらさんにはああ言ったが・・・・・なにかが引っかかっている
 なんだ?・・・この感じは・・・不安でもない。かといって危険な気配もない
 一応用心しておくか。



 浜辺に戻った頃にはすでに日が傾きかけていた。









 第6話

 日常?非日常?浜辺に咲く花

 へ続く



 第5話終了〜

 ねむいっす;

 仕事かえようかしら・・・

 第5話いかがでしたでしょうか

 相変わらずの下手な文書には目をつぶってください(泣

 6話から少しシリアス展開になる予感です・・・



 それとリリカル見ました

 自分にはあわない;

 どうも設定が・・・PCとはちがってしまって^^;

 仕事でみれないですし、ちゃんと見れば楽しめそうな物

 なのかもしれませんが(汗

 見る時間はないです;

 とにかく6話を急いでしあげなければ。


 では、宜しければまた第6話でお会いしましょう〜

 ひよひよでした〜



投稿ありがと〜。
美姫 「今回は笑ったわ〜。忍が最高」
確かに。しかし、次回からは少しシリアスになるみたいだな。
美姫 「そうね。やっぱり、この壊れたエリザの別荘に関係してるのかしら」
それは、次回以降のお楽しみだ。
美姫 「それもそうね〜」
という訳で、次回も楽しみにしております。
美姫 「じゃ〜ね〜」



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