『とらいあんぐるハート〜無想剣客浪漫譚』
XIV・まさしく地獄絵図
「……どうしたらいいんだろ?」
目の前に広がる惨劇に、剣心は途方に暮れていた。
自分と恭也の退院パーティを開き、場所と料理を提供してくれたさざなみ寮管理人・槙原耕介とその妻で麓に動物病院を開業している槙原愛はリビングのソファの上で倒れるように眠り、同じ寮の家族である大学生陣内美緒は親友の藤田望と早々に好物と飲み物を持って逃げ、同じく寮生の我那覇舞と木暮奈緒はダイニングでちびちびとウイスキーを開けている。
恭也の妹の高町なのはは、那美のペットである久遠と言う狐と一緒に那美の部屋に退避し、今度は脱走する事に成功した那美と美由希もそれに便乗して姿を消していた。高町家の家主の桃子は、今も剣心の目の前でケラケラと妙なテンションで笑い続けながら、キッチンで酔っ払いの要求にてんてこ舞いになってしまった高町家居候その一・城島晶とその二・鳳蓮飛料理のリクエストを矢継ぎ早に出している
それは剣心の付き添いとして来ていた相川真一郎と野々村小鳥も同じで、今は疲れてベランダにスペースを作って、唯子も含めて三人で談笑しながら体力を回復させている。
そんな中で剣心は庭の片隅で一人ビールを飲んでいた。
春なので、夜も八時を過ぎれば寒いのだが、リビングとダイニングには人が溢れており、ベランダも幼馴染三人組に占領されているので、ここで飲んでいるしかなくなっている。
中でも未だに被害を拡大させているのは……。
「わ〜っはっはっはっはっはっは! いいぞ〜! 脱げ〜! 歌え〜!」
「ふわぁ〜い。一番! 夕凪脱ぎます!」
「アハハハハハハハハハ! フィリスも飲んでるかい?」
「あまり未成年にお酒を勧めるのは肯定したくないんだけど……」
「いいんだよ! 担任が気にしてないんだ」
いやそれは問題だろう。と、いう剣心の心の呟きはまるで砂糖のように甘く無視される。「ん〜、ここにみながいないのは残念ね」
「岡本君は新しいリーグが始まったばかりだろ? しゃーないさ〜」
セクハラ大王こと仁村真雪と、セクハラ小魔王ことリスティ=槙原。そして逃げ遅れた相楽夕凪と、ぐちぐちと正論を口にしながらも止める気配のないフィリス=矢沢。そして最後の寮生である桂木さとみの酒宴であった。
酒豪である耕介もものの二時間で撃沈させると、酔っ払い四天王は次々と獲物を物色し、逃げ切れた者の中にも何杯か飲まされた人もいる。
「あれ? そう言えば恭也さんの姿が見えないな」
一応もう一人の主役である恭也の姿がないのに気付き、周囲を見回すと二階物干し台に恋人の月村忍と一緒に月見酒を楽しんでいる姿が目に映った。
「美男美女のカップルね……。羨ましい事で……」
一人で寒い庭先でビールを飲んでいる自分が妙に哀しくなり、剣心は本日何度目かになる溜息をついた。
そこへタクシーが寮の前に止まった。
誰か帰宅したのだろうと視線を送った剣心は、見知った女性が降りてきたのを見て立ち上がった。
「お帰りなさい」
「ああ、ただいま」
少々疲れた様子ではあるが、普段の凛々しい顔立ちに笑顔を浮かべて、神咲薫は出迎えた剣心に手を振ってみせた。
「どこ行ってたんです?」
「ちょっと東京にいる知り合いに、この前の呪いの剣について聞きに」
目的がなければ伺うことが出来ず、しかも自分の用事のために相応の代価を必要とする次元の魔女と呼ばれる人物がいると話して、剣心は実家の近くにそんな如何わしい人物が住んでいた事にしきりに頷いた。
「それで、結果はどうでした?」
「それはリスティや恭也君も含めて話したいんだが……この様子じゃ……」
死屍累々を地で行っている寮の人々を見て薫は大きく溜息をつき、剣心もようやく同意してくれる味方の登場に乾いた笑いを浮かべるしかなかった。
事の発端は剣心が那美と美由希を助けた事から初まる。
それに新学期二日目に現れた鵜堂刃衛との戦闘による二人の入院。
那美と美由希は助けてもらった礼をしたいと考えていて、更に恭也の件で桃子が二人に同調した。そこへ事情を知った耕介と薫が加わり、どうせならば一辺に終わらせようと、立案されたのが本日のパーティである。
「やぁいらっしゃい」
午後四時に交流があるという幼馴染三人組に連れられてさざなみ寮を訪れた剣心は、頭一つ分自分より背の高く、それでいて身に着けた蛙のアップリケを胸に刺繍された白のエプロンをした耕介に感じた妙なギャップに対処するべく思案していると、真一郎、小鳥、唯子は顔見知りなのか、簡単に挨拶をかわすと勝手知ったるなんとやらで、すぐにリビングへと消えていった。
「君もリビングで寛いでいて」
「は、はぁ。それじゃお邪魔します」
「はい、どうぞ」
受けた事のない相槌を受けて剣心はリビングへ顔を出し、直後に固まった。それは先に入った真一郎も同様らしく、一瞬白くなった後に慌てて顔を背けた。
「ちょ! 真雪さん! お願いですからお客様の前でワイシャツと下着一枚の姿は止めてください!」
「なんだ、リスティの妹の癖に相変らずかったいなぁ。いいじゃねぇか。今風呂上りで熱いんだよ」
「だったら自室で脱いでください!」
「なぁんでこれから宴会って時に部屋に戻らにゃいかんのだ!」
そこにはワイシャツのボタンを全開にして、薄い黄色と白の横縞ストライプというとんでもない姿で突如姿を見せた仁村真雪と、大慌てで服を着せようとするフィリスが必死の説得を試みていた。
「大体知り合いばっかだろ? いいじゃんか。男共は役得の一言で」
「倫理観の問題です!」
大人しい印象のフィリスが大声を張り上げている姿に、思わず剣心が呟いた。
「フィリス先生が切れてる……」
「お! 真一郎に小鳥に、唯子! 久しぶりだな」
強引にフィリスの事を意識の外に追いやって、軽く手を上げる。
「お、お久しぶりです」
「にゃはははは。真雪さん相変らず〜」
「…………」
振り向けない真一郎も何とか小声で挨拶をしているが、聞こえたのは隣の剣心のみだった。
「あ、見慣れない奴がいる」
「だったら知り合いだけじゃないでしょ! 服を着てくだっっっさい!」
どうやら剣心に気付いた真雪の隙をついて服を着せる事に成功したらしい。衣服でくぐもった反発が聞こえてくるが、真一郎の隣で白くなっていた剣心が気付いた時には、ボサボサになった髪を文句を言いながら梳かしている。
もちろん隣ではパーティ前にぐったりとしたフィリスがソファにもたれている。
そんな彼女にかける労いもなく、四人は案内されるまま空いているソファに腰を下ろした。
「それで、そこのちっこい赤毛は誰?」
コンプレックスをあっさりと指摘されて少しきつい視線を送るが、とうの本人は何処吹く風で気にしていない。
「彼がさっき話した緋村剣心君ですよ」
「あ〜罰ゲーム実行中の那美と高町妹を助けたっていう」
罰ゲームって何? と質問したいが、突然納得した真雪は何度も頷きながらキッチンへと行ってしまった。
と、入れ替わりに二人の女性がリビングへ駆け込んで来た。
「ただいま〜」
「お邪魔します」
一人は陣内美緒と言い、明るく濃い紫に見えるセミロングに笑顔が健康的で印象深い、黒のタンクトップの上に薄手の七分袖のカーディガンを腰回りで結んでいる
もう一人友人の藤田望。剣心より更に身長が低い眼鏡をかけた女の子だ。厚手のトレーナーを着て行儀良く体の前で手を組んでいる。
「こんにちわ。美緒ちゃん」
「お! 唯子に小鳥なのだ」
「し、真一郎さんもお久しぶりです」
「望ちゃんも元気そうだね」
やはり旧知の仲なのだろう。
懐かしげに話を弾ませるメンバーに、どうも剣心は一人だけ取り残され気味だ。
生まれてこの方海鳴で育った者と、地方から移って来た彼とでは確かに積み重ねがなくしばらくつけっぱなしにしていたテレビをぼうっと見ていた。
「ただいま〜」
「戻りました〜」
そこへ聞き覚えのある声が玄関から聞こえ、入り口に視線を向けると両手にビニール袋一杯に飲み物を詰め込んだ那美と夕凪が汗だくになりながら入ってきた。
一斉におかえり〜。と、返事がしてそのまま二人はダイニングへ消えていった。
特に話をした訳ではないのだが、やはり知り合いが少ないという事に多少気を張っていたのだろう。肩から力が抜けた気がした。
その後、合流した高町家と帰宅した愛とリスティ。それに降りてきた寮生と挨拶を交わし、パーティへと突入したのが……。
一時間後。
「そういえば、罰ゲームって何です?」
まだお酒が大して出回っていない状態で、剣心は先程から何度か話に出てる罰ゲームについて質問した。
途端、手が止まる美由希と那美。それと同時に邪悪な微笑みを浮かべたのは真雪、リスティ、美緒の邪悪三姉妹であった。
「おやぁ? 知りたいかい? 剣心?」
「フフ。中々ナイスな質問だよ」
「あれは凄かったのだ。もうそれは涙無しでは語れないのだ」
三者三様の邪悪さが滲み出ている返答に、事情を知っているメンバーは苦笑を洩らした。現場にいて理解していなかった愛を除いてだが。
そんな静まり返った食卓で、美由希と那美はだらだらと嫌な汗を流し続けている。
「どうしたの?」
そんな二人に小鳥が心配そうに声をかけるが、引き攣った笑顔で何でもないと答えるだけだ。だが、そんな乾いた笑みすら突き崩す爆弾が真雪から投下された。
「剣心、この二人の年齢ってわかるか?」
美由希と那美の箸が床に落ちた。
「いや……でも高校生じゃ?」
「美由希も那美も風校出身だからセーラー服じゃないのだ」
「え? でも、この間はセーラー……」
「わわわわわわわわわわわわわ! ま、真雪さん! それ以上は!」
「ふええええええええええええ! お、お願いですから……」
剣心を遮るように狼狽し始める二人だが、リスティと美緒の唇がますます耳まで裂けていく。
「どうしたんだろね?」
「さあな?」
事情を知らない幼馴染三人組と剣心の顔には疑問符だけが溜まっていく。
そこに満を持してリスティがトドメを刺した。
「二人とも二十歳なのにね〜」
もちろん剣心は顎の骨が外れたかのように口を開け、事情を察知した幼馴染三人組と事情を知っているメンバーが思い思いに笑い声を上げた。
まぁ中心人物の少女二人は、穴があったら入りたいと言った状態で、顔半分をテーブルの下に隠してしまっている。
「あの……あの二人って高校生じゃ……?」
恐る恐る隣に座っている唯子に聞いてみる剣心に、彼女は目の端の涙を拭い取った。
「アハハハハハ! 美由希ちゃんと那美ちゃんはもう二十歳だよ〜」
「う〜……、私、まだ十八……」
「四捨五入で二十だ」
どうやら最後の抵抗も恭也に打ち崩されてしまったらしい。
美由希の頭は完全にテーブルに埋没してしまった。
その後三十分は何事もなく食事が進んでいたのだが、ある時口にした水が妙に舌にピリピリするのに剣心が気付いた時には、すでに真雪とリスティの企みは終了していた。 お子様メンバーには淹れなかったが、飲めるメンバーには少量ずつお酒を混ぜていたのだ。 最初に気付いたのは、二度と罰ゲームの餌食にはなりたくない美由希と那美だった。
「あ、そうだ。美由希さん、実は部屋に頼まれてた物が置いてあるんですよ」
「え? あ、そうなんだ。うん。お腹もいっぱいになったし、見に行こうかな」
「はい。久遠も行く?」
「くぅ〜ん」
「く〜ちゃん行くなら私もー」
こうしてまず四人が逃げ……。
「望、あたし達も二階でゲームなのだ!」
相変らずゲーム好きな美緒が望を拉致し……。
「な、なぁ、ウチらも見たいドラマあったやんか」
いつものチャイナ服の蓮飛と、
「あ、そ、そうだったな!」
グレーの短パンに濃紺のトレーナーの晶がリビングへ逃げ、そして事情がわからない剣心は逃げ遅れた人々と凶悪な酒盛りをする羽目に陥った。
「……で、場所がなくてここで一人寂しく飲んでる訳です」
「それはそれは……」
キッチンからコップと新しいビールを持ってきて、剣心は薫に中身を注いだグラスを手渡した。
一時はリビングで飲もうとも考えたが、真雪の暴走は舞と奈緒を巻き込み、見るに耐えないものに発展している。少しでも顔を出せば間違いなく餌食になるだろう。倒れてしまった晶からソーセージと簡単なオニギリを貰い受け、庭先でささやかな夕食を食べる事にした薫は、本日の惨劇の全容を聞いて苦笑を浮かべた。
「明日は平日だっていうのにいいのかな」
「愛さんも居るし、問題ないよ」
言いながらオニギリを口にする。
中身は耕介が作り置きしてあった佃煮だ。握り方も中々ふっくらと仕上っており、忙しい中手を抜かない晶の性格が伺える。
「それで、この間の奴の事、何かわかりました?」
「いやこれと言って。だけど確かに明治維新の時に鵜堂刃衛っていう維新志士がいたらしい」
「じゃ、あれは名前を語ってるだけかなぁ?」
「そうとも言い切れないんよ」
指についた米粒を丁寧に口に運びながら、薫は口の中をすっきりさせるためにグラスの中身を全て煽った。
「言い切れないって?」
「緋村君にはまだ話してないけど……十六夜」
薫が呼ぶと十六夜は刀からふわりと姿を現した。
「彼女は霊剣十六夜と言って、特別な呪法で刀に宿る精霊のような状態になっている」
「真道破魔神咲一灯霊剣十六夜と申します。こうやって落ちついてお話するのは初めてですね」
「あ、ご丁寧に。緋村剣心と言います」
互いに頭を下げあう剣心と十六夜に一度咳をして話題を戻すと、薫は会話を再開した。
「それでこれと同じ事を行うと、人から魂を移す事ができる」
「……つまり、その可能性があるから、あれは本人かも……と?」
「可能性の話だよ」
しかし可能性であれ、二百年前の人間と名乗る存在がいる限り、何かしらの霊的要因が絡んでいると薫は考えていた。
このまま何事もなければいいんじゃけど……。
そう願わずにいられない薫であった。
その後、真雪に発見された薫は夕凪の二の舞となり、妙に馬の合った十六夜と剣心は庭先で将棋を指すという姿が深夜まで続いた。
そして何も起こらないまま、部隊はイギリスへと移る――。
<後書という名の懺悔>
よし、終わった。後は早々に引き上げて……。
夕凪「あれ? 璃斗さん何してんの?」
ギクーーーーーーー!
夕凪「……また何かやったの?」
い、いえ、べ、べ、べ、別に何も……(汗
夕凪「今更十月〆切りのコンテストだの、投稿連載が四つもあるだのは言わないけど」
言ってるじゃないさ……(←言葉のナイフによって串刺し
夕凪「それはともかく、何で逃げる準備してるの?」
え? あ? だ、誰が逃げるって……?
夕凪「怪しいなぁ……。ん? これは? (机の上に一枚のメモ)」
あ! そ、それはだめ!」
夕凪「(メモを見て固まってる)」
こそこそこそこそこそ。
夕凪「マティ」
ガシィ!と頭を掴まれる璃斗。
夕凪「この、とら剣の最終回までの話数スケジュール、どういう事……?」
とら剣って、またベタな略仕方を……い、イテテテテテテテ! お願いだから頭蓋骨が軋むまで力入れないで!
夕凪「なら答えなさい。このスケジュールは何?」
け、計算した最終話までの話数です。
夕凪「アンタはぁぁぁぁぁぁぁ! 投稿作品で大台超えてどうすんのよぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
お、お願いだから見逃し……(←すでに腰が抜けている)
夕凪「問答無用! 二重の極み!」
NOoooooooooooooooooooo!
夕凪「後は美姫さんにこのボロゾーキンを送って、え〜っと『バカがヤバイスケジュールを立ててしまいました。一応制裁は加えたけど、後はお好きにしてください』っと」
璃斗を乗せた宅急便は軽快なフットワークで走り去った。
…………この郵便物って、ま、まさか。
は、はははは。まさかね〜。幾ら夕凪ちゃんでも、本当にする訳。
(ガタガタガタ!)
う、動いているよ…。品目の生物(なまもの)って、まさか生物(いきもの)って読むとか言わないだろうな。
(ガタガタガタガタ!)
えっと……。ま、まさかとは思いますが、YESなら一回、Noなら二回動いてくださいね〜。
ずばり、夕凪ちゃんの仕業である。
(ガタ!)
……えっとえっと。
ほ、本当に璃斗さん?
(ガタ)
……ぬぐあぁぁぁぁ!ほ、本当に送ってきたよ〜。
何で、美姫といい夕凪ちゃんといい、こうも俺達に対して無茶をするかな。
(ガタ)
あ、同意ですか。
って、今すぐ出しますよ〜。
(ガタ)
美姫 「浩〜。只今」
ビクッ!
(ビビクッ!)
や、やあ美姫。おやつは美味しかったかい?
美姫 「ええ、美味しかったわ。って、それは何」
あ、あははははは。な、何でもないよ〜。
美姫 「怪しいわね」
べ、別に怪しくなんかないぞ。
(ガタ)
こ、ここは返事しなくても良いんですよ〜。
美姫 「今、動かなかった?」
(ガタガタ)
だ、だから返事しなくても…。
美姫 「動いたわよね」
き、気のせいだよ。
美姫 「そう言えば、夕凪ちゃんから荷物が届く予定なんだけど。何でも、好きにしても良いって…」
ビビク!(ビクビク)
は、ははっは。そ、そうなんだ。と、とりあえず、これは俺宛ての荷物だから…。
えっと、それじゃあ、これで……。
美姫 「えー。何か見せてくれてもいいじゃない」
だ、駄目!駄目ったら、駄目!
美姫 「ケチ〜」
そ、そう言うもんだいじゃないんだよ〜。
美姫 「じゃあ、いいじゃない」
よくない、よくない。そ、そうだ。
こ、これは間違って届いたんだよ。だから、勝手に開けたらいけないんだ、うん。
(ガタ)
……。
美姫 「やっぱり、動いたわよね」
き、気のせいだって。と、とりあえず、そういう訳だから、これは返してくるよ。
美姫 「間違ったんなら、引き取りに来てもらえば?」
い、いや、丁度出掛けるところだったし。
美姫 「怪しいわね。ちょっと伝票見せなさいよ」
わーわー。えっと、そ、そうだ。お、俺のおやつをあげよう。
何かお腹が一杯で、食べれないから。
美姫 「本当!?」
あ、ああ(泣)
美姫 「じゃあ、貰い!後で駄目って言っても遅いからね!」
わ、分かってるよ。
美姫 「ん〜♪〜〜♪今日のおやつは桜餅〜♪」
ぬぐわ〜!よりにもよって、俺の好物ですか(大泣)
グスグス。か、悲しくなんかないやい。シクシク。
(ガタガタ)
ああ、そうだった。さっさと送り返さないと。
窮屈でしょうが、もう少し我慢してくださいね〜。
(ガタ)
今すぐ、送り返しますから〜。
(ガタ)
あ、次回も楽しみに待っていますので。
(ガタ)
ではでは。
(ガタガタガタ)