第一話「始まりのとき 前編」

 

SIDE ウルトラ警備隊

 

ここはウルトラ警備隊極東支部。

雅樹と美沙紀はパトロール中に見つけた少女を保護しここのメディカルセンターへと運んできたのであった。

おそらく少女の看護が終わったらしく、隊員でもあり、ここの担当でもある川上 雪香が部屋から出てきた。

「大丈夫ですよ。あの子は元気です。」

「そうですかぁ。良かったわ。ねっ、雅樹。」

「あ、そうだね。」

「ねえ、雪香?」

「なんですか?美沙紀さん?」

「この子って一体どこの子なのかしら?」

「分からないわ。でも思うんですけどもしかしたら・・・」

「もしかしたら?」

「松井さんが言っていた時空の歪みが関係してるかも」

「松井参謀?一体どんな話だったの?」

「ええっと、実はここ最近、各地で時空の歪みというのが観測されてるらしくて、この子が見つかる二時間前に同じ歪みが観測されたからウルトラ警備隊が捜査することになったの。それと管理局のリンディさんからの協力要請もあるからね。」

「ちょっ!そんなの聞いてないわよ!」

「それもそうだわ。だってお二人で仲良くパトロール行った後でしたし・・・」

「仲良くってどういうことよ!雅樹と私はそんな関係じゃないわよ!」

と美沙紀と雪香が喧嘩をしている横で雅樹はある考えに達していた。

(この時空の歪みはやはりただの歪みじゃない。誰かが裏で動いてるとしか思えない・・・)

「雅樹!」

「ハイ!!!」

雅樹はいきなり呼ばれて飛び上がった。

「あんた、聞いてるの!?私たちってそんな関係じゃないでしょ?」

「いや、そんな関係だよ。」

「やっぱり〜〜!!」

(え?何この反応?)

鈍いとしか言いようが無い鈍さである。

「ま・さ・き〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

「いや、ちょっと待ってよ。何で怒ってるの?」

「もう何も言うことはな〜い!!」

「うああああああああああああああああ」

メディカルセンターで大声を出しながら追いかけまわる美沙紀。

逃げる雅樹!速い!速い!速い!

「・・・あの二人やっぱり仲いいわ・・・」と呟くしかない雪香なのであった。

「うっううう・・・。ここは何処じゃ・・・?」

気を失っていた少女が目を覚ました。

雪香は少女のそばへと近づくと話しかけた。

「私は川上 雪香と言うの。ここは地球防衛軍の極東支部よ。」

「そうか。お主は雪香というのか。私はクレシーダ・バーンフリート。クレアと呼んでくれ。」

「分かったわ。クレアちゃん。ねえ、貴方は何処から来たの?」

「!!そうじゃ、皆は?大河は?皆、どこへ行ったのじゃ?」

「クレアちゃん一人で倒れていたっていってたけど・・・。どうかしたの?」

「そ、そんな・・・」

(大河って誰かしら、でも聞いたことがあるような・・・確か、あれはリンディさんが言っていたような・・・。そう、アヴァター!アヴァターよ!この次元の根っこの部分となる世界って言ってたわ。連絡をもらった時、アヴァターにいたって子を保護したって聞いたから、もしかしたら、この子も?)

と思い当たった雪香はもう一つ質問をぶつける。

「ねえ、クレアちゃん。貴方はアヴァターの出身なの?」

「そうじゃ。私はアヴァターの出身じゃが・・・」

(やっぱり。隊長に連絡しなきゃ)

「どうしたのじゃ?雪香?」

「クレアちゃん、ここにいてね。少し用事が出来たから」

「分かった。」とクレアが返事をしたのを聞くと雪香は司令塔目指して走り出した。

そして一人残されたクレアは「皆、何処にいるのじゃ」と寂しげに独り言を言うのであった・・・。

 

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シーンチェンジ 司令室

 

「そうか・・・。運んできた少女はアヴァターの王女だったのだな。」

「はい。」

隊長と雪香が向かい合って話し合っている。

「よし。崎島。」と連絡係の崎島を呼び寄せる。

「はい。隊長、なんですか?」

「アースラのリンディさんに連絡をしてくれ。」

「はい。わかりました。」

「隊長つながりました。」

「うむ、では繋いでくれ。」

隊長の一言が発せらると目の前のスクリーンに時空管理局の巡行艦であるアースラのリンディ・ハラオウン艦長が映し出される。

「こんにちわ。岡崎隊長。」

「こんにちわ。リンディさん。」

「ええ、それで連絡したいということは?」

「例の時空の歪みのことについてなのですが、先ほど連絡をもらった時にそちらでアヴァターの少年を保護したといっていましたよね。」

「当間 大河君のことですか?ええ、保護しましたが。」

「実はこちら側でもアヴァターの少女、いや、王女様を保護したんです。」

「そうなんですか?大河君が言っていたんですけど、集まっていた時にフェルロッサという男によって皆そろってバラバラにされたと言っていました。」

それを聞いて考え込む、岡崎。すると、「だったらそちら側にクレアさんを預かってもらったほうがいいかも知れないっすよ。」という一言とともになんとも場違いなカッコ(パジャマ姿)の男、ウルトラ警備隊のプランナーである倉科が立っていた。

「そうですね。確かにいいかもしれません。」とリンディもなるほどと頷く。

「倉科、それはいい考えだ。だが、制服に着替えてこい!」と岡崎は一喝する。

「すいませ〜ん。」倉科は小走りで去っていった。

「リンディさん、申し訳ございません。」

「大丈夫ですよ。こういうのは大丈夫ですから」と微笑みながら返すリンディ。

とその時、警備隊の緊急警報が鳴り響き、同じくアースラのレーダーにも魔獣の反応がキャッチされた!

まったく同じポイントである。

「隊長、かなり巨大な生物です!」崎島が声を上げる。

「艦長!」と同じようにエィミィが声を出しているのが聞こえる。

岡崎とリンディは顔を見合わせるとそれぞれの顔に戻る。

「岡崎さん、こちらからなのはちゃんとフェイトがもう既に到着して戦っています。」

「分かりました。あと5分で我々も向かいます。」

「宜しくお願いします。」画像が消え、慌ただしく隊員たちが入ってくる。

岡崎は入ってきた隊員たちにそれぞれ指示を出す。

「美沙紀!雅樹!ホーク3号!私と倉科はホーク1号!雪香!古木!ポインターで向かってくれ!」

「「「「「了解」」」」」

隊員たちはヘルメットを持ち、そのまま格納庫へと向かった!

 

SIDE 智大

 

「さて、あいつらの元へと行くか。」

と溝井 智大は愛車である特殊改造車「シュナイダー」を飛ばしていた。

ピピピピ。ビデオシーバーに連絡が届く。 

「ああ。溝井だ。」

「ヤッホー。智大、元気か〜?」

「・・・おきらくすぎるぞ。昌平。」

このビデオシーバーに連絡をしてきた男は井川昌平という。智大の親友の一人であり、凄腕の魔術師でもある。

「いやあ、大変なことが起きまくってるからね。そろそろ動こうかなと。」

「さっさと動け!アホ!」

「紘一に代わるわ。」

「逃げるな!おい!」

毎度毎度のことであるが自分勝手である。

「智大、すまんな。」声が高石 紘一に代わる。

「紘一、大丈夫か?」と智大も昌平の時とは違った反応で答える。

「ああ、そっちに向かっているから安心しろ。」

「了解。ポイント35−1に一週間後。」

「かしこまりましたと。じゃあな。」

カチ、っとシーバーを切る智大。

しかし、智大のレーダーに生物反応がかかる。 

「!!この反応は!!」

智大は驚いた反応を見せるも、シュナイダーを魔獣の反応があったポイントへと向かわせる。

そして、ウルトラ警備隊の岡崎に向かっていることを知らせる。

「岡崎さん、俺です。溝井です。」

「ああ、溝井君か。この反応をつかんだんだな。」

「はい、援護に行きます。」

「それとなのはちゃんとフェイトちゃんが先に行っているらしい。彼女たちを頼む。」

「わかりました。」

さらにスピードを上げ、突っ走るシュナイダー。

そしてポツリと呟いた・・・。

「鎌城 雅樹・・・。セブン・・・。多分、いるに違いない。なんとかしてくれよ・・・。」と

 

次回予告第二話

 

何とか魔獣リガーを止めようとするなのはとフェイト!しかし止まらないリガー。

彼女たちのピンチにウルトラ警備隊が駆けつける!そして、セブンついに登場!

智大は警備隊と管理局のメンバーとの面会中に登場する!

 

次回 「始まりのとき 後編」 さあ、来週も皆で見よう!

 

 

第三話

 

海鳴で今、CSSの歌手で現在売り出し中の歌手、「七海 光」のコンサートが行われることとなった。

なのはや恭也もフィアッセに誘われてコンサートへとやってきていた。

しかし、光の声が何者かによって奪われた!魔術師の仕業か!?一体誰が!?

歌いたいという彼女の涙を受け、管理局のメンバー、そして、ウルトラ警備隊も動き出す!

 

次回「狙われた歌声」 さあ、来週も皆で見よう!



あとがき

 

今回は一週間ぶりの新作となります。

由真「隋部遅かったわね」 

色々あったからね。それと次回予告のとおり作りたいと思います。

それではまた次回でお会いしましょう。





謎の少女はクレアだった。
美姫 「大河も保護されているみたいだし」
アヴァターでの破滅はどうなった状態なんだろうか。
美姫 「その辺は追々分かるんじゃない?」
だな。それじゃあ、今回はこの辺りで。
美姫 「それじゃ〜ね〜」



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