100万ヒット記念


 設定 主役は美由希です(´・ω・`)



 

 

 『美由希日記 美沙斗編』





 「はぁぁぁ!」

 「せぇい!」

 休日の昼下がり高町家の庭にある道場では一組の親子が汗を流していた。
 二人はまるで剣舞を舞っているかのごとく二対の小太刀で打ち合う。
 お互いが息を整え次の瞬間、突然二人の姿が消えた。

  ガガンッ!!

 一際大きな金属音の後、美由希は構えを解かずその背後に美沙斗が立っていた。

 「はぁ・・はぁ・・参りました」

 「今日はここまでにしよう」

 「有難うございました・・はぁぁ・・」

 御神流の師範であるか〜さんに一礼をする。
 あ!みなさんこんにちわ、高町美由希です♪
 今、美沙斗母さんと鍛錬を終えた所です。
 私が小さい頃、御神の皆のために人とは違う道に進んだ母さん。
 正しい事ではなかったかもしれないけれど、今では気が付いてくれてこうして高町家で一緒に暮らしています♪

 「美由希、最後の射抜はよかったよ。もう少しで私を超えるだろうね」

 「そんな事ないよ、まだまだ鍛錬しないと・・」

 「ふふ・・そうだな」

 母さんが嬉しそうに微笑む、どこか陰りのある笑顔で。
 そう・・・最近見せる美沙斗母さんのどこか悲しそうな笑顔・・・
 実はこの所の私の悩みだったりします。美沙斗母さんも皆と同じ様に明るい笑顔をみせてほしい。
 私のささやかな願いです。
 

 「美由希、汗はちゃんと拭くんだよ。」

 「うん♪有難う母さん♪」

 優しいのは変わらないんだけどな・・
 上に来ていた鍛錬着をぬぎTシャツになってから体を拭く。

 「・・・・・フッ・・・」

 ほらまた!・・あの悲しそうな笑顔はなんなんだろう。

 「ねぇ・・か〜さん。」

 「如何したんだい?」

 「最近なにか悩みでもない?」

 「ビクッ!!!・・・と・・突然どうしたんだい?な・・悩みなんてある訳ないよ(汗」

 「か〜さん・・」

 あらか様なんてもんじゃなく凄まじい動揺を見せる美沙斗母さん。
 私じゃ力になってあげられないのかな・・・・

 「美由希、終わったのか?」

 「あ、恭ちゃん。うん 今終わった所」

 今道場に入ってきたのは私の兄、高町恭也。
 義理の兄だけど小さな頃からの私の想い人だったりします(赤
 まだ想いは伝えられないけど、いつかきっと・・・って何いわせるんですか(真っ赤

 「美由希、何を一人で悶えているのか知らんが風呂が沸いているさっさと入ってしまえ」

 「え?あ、はぁ〜い」

 「美沙斗さんも汗を流してください」

 「ああ・・お言葉に甘えてお風呂をいただこうか・・」

 そう言えば・・・最近か〜さんと一緒にお風呂はいってないなぁ
 香港から帰ってきた頃は良く一緒にはいってたのに。

 「か〜さん一緒に入ろうか♪」

 「!!!・・いや!先に入っておくれ!チョット用事があるから後でいただこう・・」

 そう言ってバタバタと道場を出て行ってしまう母さん。

 「・・・・・美由希、美沙斗さんはどうしたんだ?声が裏返っていたが・・・」

 「あははは・・・さぁ・・・はぁ」



                  

      □ □ □






 道場から自室に戻りお風呂に向かうところで桃子か〜さんが翠屋から昼食をとるために帰ってきた。

 「もう9月だって言うのにまだまだ暑いわね〜」

 「今年も残暑はきびしそうだよ桃子」

 そう言っているのは我が高町家の姉といっても過言ではないフィアッセ
 士郎父さんの事があって、それから随分時も経ち今では家族の一員です。
 
 「あら、美由希?今からお風呂?」

 「うん、道場でか〜さんと鍛錬してたから」

 「いいなぁ〜私も入りたいけど時間ないか・・」

 「そうね〜お店で皆もまだ働いてるんだし自分たちだけお風呂ってのはね」

 「だね、桃子。もう少しだからがんばろう♪」

 うう・・そんな事言われると入りづらいよ(泣
 ・・・そうだ、この二人なら美沙斗か〜さんの悩みをしってるかも

 「母さん、フィアッセちょっといい?」

 「どうしたの?美由希」

 「えっとね、美沙斗母さんが最近何か悩んでるみたいだけど何かしらないかな?」

 「美沙斗さんが?う〜ん・・・聞いてないわねぇ〜」

 「私もきいてないよ、美由希」

 「そっか〜・・」

 やっぱり知らないか・・・って知ってても口止めされてたら教えてくれないよね(汗
 
 「あ!そう言えば・・・」

 「フィアッセ?」

 「ううん、こないだね歌の練習をそこでしてたら視線を感じたの。」

 「うんうん」

 「でね、庭にでたら美沙斗が一人でふか〜いため息はいてたよ?」

 「うんうん!」

 「それだけだけど・・・」

 「あう・・・それだけじゃなんの解決にもならないよぉ・・フィアッセェ〜(泣」

 「でも、ありがとう。お風呂はいってくるね・・・」

 はぁ・・・なんなのかな・・・か〜さんの悩みって・・・

 「桃子、大丈夫かな?美由希」

 「そうね〜って言われても私達も本当に知らないし」




      □ □ □
 



 「ふぅ〜・・・・」

 一人で入る高町家の浴場は広い、だからかも知れない・・・
 美沙斗母さんと一緒にはいったの思い出し、最近一緒に入ってくれないのを寂しいと感じてしまうのは。

 「はぁ〜・・・母さん如何したんだろう・・・・」

 そんな想いに耽っているとドアの向こうに人の気配を感じた。

 「誰かいるの?」

 「にゃ?おねぇちゃん?」

 「なのは?どうしたの?さっきから居るみたいだけど」

 「えへへ・・く〜ちゃんと遊んでたの。それで汗いっぱいかいちゃったから顔洗ってたの」

 「くぅん」

 どうやら久遠もきてるみたいだね。
 そうだ♪

 「なのは〜一緒にお風呂はいらない?♪」

 「いいの?」

 「いいよぉ〜♪久遠も一緒でね」
 
 「くぅん♪」

 「じゃ着替えとってくるね♪」

 パタパタと足音をのこし着替えをとりにいくなのは。
 一人でお昼にお風呂なんて寂しいもんね♪
 それに、美沙斗か〜さんと最近一緒に居る事の多いなのはだったら何か知ってるかも。


 「はや〜〜♪・・・・気持ちいいねく〜ちゃん♪」

 「くぅん♪きもちいい♪」

 なのはと久遠がの〜んびり湯船につかる
 少し前に知ったのだけど久遠はいつも子狐の姿をしているが今は子供の姿だ。妖弧というやつらしい。
 初めて知ったときはおどろいたなぁ〜・・・・
 お化けとか苦手な私だけど久遠はとてもいい子で今では私の大切な妹、なのはの親友になっている。

 「どうしたの?お姉ちゃん」

 「へ?ううん、なんでもないよ」

 そう言ってなのはの頭を撫でる。
 その時なのはがじぃ〜〜〜っと私を見つめてるのに気が付いた

 「なのは、どうかしたの?」

 「にゃ!・・えっとね・・・お姉ちゃんの胸大きいなぁ〜って」

 「へ?・・も、もうやだ・・何処見てるの、なのは(赤」

 「だって、なのはのぺったんこだし・・。なのはのも大きくなるかな?」

 「大丈夫だよぉ〜なのはももう少したてばね♪」

 「うんっ♪」

 もう恥ずかしいなぁ〜・・なのはったら(赤
 それに桃子か〜さんやフィアッセほうがもっと大きいのに。

 「なのは、くおんもおおきい♪」

  バシュッ!

 「きゃっ・・く〜ちゃん!?」

 「うわ・・・・」

 目の前に大人姿になった久遠が現れる。
 そうだった・・大人にもなれるんだったね久遠(汗

 「はやや〜〜・・・おっきいぃ・・・・」

 「くぅん♪」

 うう・・・負けた・・・さらにスタイルでも負けてる気が・・・・(泣
 敗北感をたっぷりと感じてしまうくらい、アダルト久遠のスタイルは抜群だった・・・ 

 「美由希、なのは〜そろそろ上がってご飯たべちゃいなさい。冷めるわよ」

 「「はぁ〜い」」

 「そろそろあがろっか」

 「うん、く〜ちゃんもお腹すいてるもんね♪」

 「くぅん♪」

 あ!お風呂あがって気が付いた・・・美沙斗母さんの事聞き忘れてたよ・・・(泣
 おまけに久遠にたっぷりと敗北感を・・・
 

  

      □ □ □




 「美由希よ、何があったかしらんが食事くらいは普通にたべろ・・・」

 美沙斗か〜さんと久遠の件でず〜〜んと重い空気を背負ってる私

 「そっとしといて(泣」

 「はぁ・・・そう言えば那美さんがきているぞ」

 「え?那美さんが?」

 「なんだ、知らなかったのか。てっきりお前宛だと思っていたのだが」

 「ううん、今日は約束してないよ」

 そこに久遠が

 「なみ、みさとにあいにいくっていってた」

 「か〜さんに?何だろう・・・」

 「まぁ後で挨拶くらいはしておけ」

 「うん」



 那美さんが母さんに?・・何の用事かな
 食事も終わり美沙斗か〜さんの部屋に向かう。

 「・・・・・・これなんて・・・・」

 「いやいや・・・こっ・・・」

 あれ?晶とレンの声・・・
 少し集中し美沙斗か〜さんの部屋に居る気配をさぐる

 「う〜ん四人かな・・・」

  コンコン・・

 「か〜さん?那美さんが来てるって・・・・」

  ガタガタガタッ!!!・・・・

 な・・何だろう・・・(汗
 凄い音がしたけど・・・・

 「か、か〜さん!開けるよ?」

 「ま!待っておくれ美由希!」

  ガラッ!・

 「あ、あれ?(汗」

 そこには普通にお茶をすすっている四人がいた。

 「お邪魔してます、美由希さん」

 「こ・・こんにちわ・・」
    
 平然とお茶を飲みにこやかに挨拶する那美さん(汗

 「ね、ねぇ・・今すごいガタガタ・・・」

 「美由希!どうしたんだい?なにか用事があったんじゃないのかい?」

 「用事は特になかったんだけど・・・」

  ぴんぽーん

 「ほらっ!美由希、来客だよ!」

 「う、うん・・・」

 半ば押しやられるように部屋から出される・・・
 怪しいよ・・・(汗
 しぶしぶ玄関に向かうがすでに恭ちゃんが出ていた

 「こんにちわ♪」

 そこに立っていたのはフィリス先生

 「あ、こんにちわ〜。今日は恭ちゃんに?」

 「いいえ、美沙斗さんいらっしゃいますか?」

 「美沙斗母さんですか?か〜さんなら部屋に・・・」


  どたどたどたっ!


 「やぁフィリス先生!こんにちわ」

 ものすごいスピードで階段を駆け下りてきた四人
 先ほどか〜さんの部屋に居たメンバーである。

 「さ、さぁ!行きましょうか!」

 そういって那美さん、レン、晶、そしてか〜さんがフィリス先生を引っ張り飛び出していった・・・・

 「・・・・・・・・・」

 「・・・・・・・美由希よ、一体なんだったのだ・・・・」

 「私に聞かないで(汗」

 呆然と佇む私と恭ちゃん。
 もう何が何やら・・・・(泣


 これしかないか・・・・
 そう思い開けはなれたままの美沙斗母さんの部屋の前に立つ。
 勝手に入るのは気が引けるけど、もう限界だ。

 「か〜さん、ごめんね・・」

 そう呟き部屋に入る。
 特に変わった様子は見られない。
 先ほど四人が飲んでいた湯のみが四つ、そして座布団も四つ
 他に変わった物は・・・・そこでか〜さんが座っていた座布団の下から何かがはみ出しているのに気が付いた。

 「何だろう・・・週刊誌?」

 手にとって見ると女性週刊誌だった。

 「へぇ〜、か〜さんもこんなの読むんだ・・・」

 美沙斗母さんが女性週刊誌など読んでる姿を見た事もない私はパラパラとページをめくってみた
 すると幾つかのページに折り目が付けられている。

 「??・・・え〜っと」



 《これであなたもバストアップ!!》

 《いつでも出来る簡単バスト体操》

 《巨乳になる100の方法》



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ!!
 駄目駄目!暫く意識が・・・(汗

 「もしかして・・・・・」

 もう一度先ほどの事を思い出す。
 ここに居たメンバーは・・・那美さん、レン、晶、か〜さん、そして美沙斗宛にきたフィリス先生。

 「わ・・私は開けてはいけない箱を開いてしまったのでは(汗汗」




      □ □ □




 海鳴在住 高町美由希 一八才
 これまでの一八年と少しの人生の中でこれほど悩んだ事などあるだろうか・・・
 と言うほど自室に篭りひたすら悩んでいた。
 ジッと目を閉じ恰も悟りでも啓くのか?と思わせるほど静かに正座している。

 「・・・・・・・・・」

 「・・・・・・・・・」

 時計は美沙斗の部屋に入った頃からすでに2時間ほど進んでいた。

 「・・・・・・駄目だぁぁぁ〜!!」

 「な〜んにもいい考えが思いつかない(泣」

 私こと高町美由希はここ最近、実母が何かを悩んでいるのを目の当たりにし
 どうにか助けてあげたいと心から願っていました。
 そしてついに母の悩みの種を見つけるまでに至ったのです。
 そう・・・至ったのですが・・・

 「うう・・・か〜さんの悩みを見つけたはいいけど・・・まさかあんな事だったとは・・・」

 「そりゃあ、同じ女性として気持ちは分かるんだけど・・・・」

 「分かるんだけど!・・・『胸の大きさ』なんてどうにもできないよぉ(泣」

 御神美沙斗の悩み事、それはズバリ『胸』!!
 先ほど見つけた女性週刊誌のページに付いた折り目はどれも『胸を大きくする方法』が書いてあるページだった。
 あんなの利くとは思えないんだけど(汗

 「でもページの淵が擦り切れるほど何度も読み返してたみたいだしなぁ(汗」

 ページの端は僅かに色あせさらには重要と思われる部分には斜線まではいっていた・・・
 そしてもし!そんな事をしていたなんて事が愛娘にばれたと知ったら・・・・
 幾つかシュミレートしてみる。



 〜〜〜美沙斗に女は心だと訴えた場合〜〜〜〜



 『美由希!!!知ってしまったのかい!!!』

 『か〜さん、女性は胸なんかじゃないよ・・・ハートだよ!!』

 『美由希・・・・』

 『か〜さん・・・・』

 『ふふ・・・私は暫く旅にでるよ・・・探さないでおくれ・・』

 『ええぇ〜〜〜!!!』

 『実母が娘に内緒で密かにバストアップ体操をしてたなんて・・・こんな母を許しておくれ(泣』

 『ああ・・・静馬さん・・・美由希は立派に成長しました心も胸も・・・』

 『二度も娘に諭される不甲斐ない私は誰にも見つからない世界の片隅でひっそりと暮らします・・きっと直ぐに静馬さんと会えるはずです・・』

 『なんでそうなるのぉ!?(汗』



 ・・・・・・・・・・・・・却下。



 〜〜〜励ました場合〜〜〜



 『ついに知られてしまったんだね・・・・』

 『か〜さん!大丈夫だよ!そんなに努力したんだからきっと大きくなるよ!』

 『美由希・・・・・』

 『か〜さん・・・・』

 チラッ・・・チラッ・・・(美由希の胸を見た後、自分の胸を・・)

 『か、か〜さん?(汗』

 『フッ・・・済まない・・・美由希・・不甲斐ない母を許しておくれ!・・娘の胸はあんなに成長してるのに私の・・・(以下略』 


 駄目だぁぁぁあああ・・・・うう、どうしても結末が同じに・・(汗
 ぼふっとベットに倒れこむ。
 どうシュミレートしてみても最後にか〜さんが出ていく事に変わりないなんて・・・
 少し自分の母の志向性に疑問が出てきてしまう私(汗

 「ううぅぅ〜やっぱりあんなの見つけるんじゃなかったかも(泣」

 「何を見つけたんだ?」

 「だから〜か〜さんの悩みごとだよぉ〜・・」

 「ほう・・・・」

 え?・・・・・・・(汗

  ガバッ!!


 「きょ・・きょ・・恭ちゃん〜〜!!!」

 「ああ、お前の兄だぞ」

 「いつからそこに(汗汗」

 「いつからって・・ちゃんとノックもしたし入って良いかとも聞いたのだが・・・」

 「ぜっっんぜん!!気が付かなかったよ・・・・」

 何処まで聞かれたんだろう(汗
 どうしよ〜(泣

 「まぁ何にせよ考え事や独り言はもう少し小さな声でするもんだ」

 「へ?・・・もしかして」

 「ああ・・奇妙なうなり声など下まで聞こえていたが・・」

 「うあぁぁぁ・・・か〜さん帰ってきてた!?」

 「いや、まだだ。今はお前と俺しか家にいないぞ。なのはも遊びにいったしな」

 「よ・・よ・・よかったぁぁぁぁぁ〜〜(泣」

 「???」

 でもまさか恭ちゃんに聞かれるなんて・・・・
 ・・・・・・・・・いや、これは天の助けかも(汗
 ここは男性の意見のほうがいいのかもしれない。
 同じ立場からよりこういう時は客観的にみれる第3者のほうがいいのかな?(汗

 「どうした?」

 「恭ちゃん・・・お願いがあるんだけど・・・」

 「俺に出来ることなのか?」

 「うん!恭ちゃんの意見が聞きたいの!!」

 「もしかしてさっき言ってた美沙斗さんの悩みとやらか?」

 「うん!」

 「俺なんかに聞いてもどうにもならんと思うが・・・」

 他にこんな事相談できる男の人なんて知り合いにいないし・・(汗

 「いいの!恭ちゃんの意見がききたいの!!」

 「まぁ・・聞くだけなら・・・」

 「ありがとう〜〜♪」

 「まだ解決したわけじゃないぞ・・」




      □ □ □




 もう駄目かと思われた時、天の助けか高町恭也と言う同志を得た私。
 一人でどうにも成らないなら二人ならもしかしたら何か良い考えが浮かぶかも、
 そう思い私は恭ちゃんに全てを話そうと決心しました。
 そして今、恭ちゃんの部屋で向かい合いどう話をきりだそうかと。
 手元には煎餅と熱いお茶。

 「念のためもう一度聞いておくが、俺が聞いて良い話なのか?」

 「良いかどうかは私には言えないけど、もう私一人じゃ手に負えないから(泣」

 「ふむ・・・分かった何も言うまい」

 そう言って恭ちゃんはお茶をずずっと一口すすり煎餅に手を伸ばす。


  ポリポリポリ・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・

 「ねぇ・・恭ちゃん。真剣に聞く気ある?(汗」

 「当たり前だ、ちゃんと聞いているぞ」

 「本当〜・・?」

 恭ちゃんの顔をジッと見据える。
 恭ちゃんの進撃な瞳がまじかに・・・・(ポッ

 「なにを赤くなっている・・・・」

 「へ?え、あ・・は、話すよ!もう・・」

 「いいから早く話せ」

 恭ちゃんがまた一口お茶をすすった。
 私は覚悟を決め口をひらく・・・

 「おっぱい・・・・(ボソ」


  ブッッッ!?


 「あっっつっ!!!!」


 目がっ!!目がぁ〜〜!!
 恭ちゃんが噴出した熱いお茶が顔にマトモにかかって余りの熱さに畳を転げまわる!!
 

 「いきなり何を・・・!!お茶がもったいないではないか、ばかもの」

 「大切な妹の顔に熱いお茶吹き掛けて最初に言うのがそれなのぉぉ!!!」

 「いきなり変な事言うほうが悪いわ!」

 恭ちゃんが投げたタオルを受け取り顔をふくが熱さのせいでまだジンジンと痛い(泣

 「ううぅ・・女の子の顔にやけどしそうなほど熱いお茶をかけるなんて・・(汗」

 「お前なら平気だ」

 「そんなの言われても素直によろこべないよ・・・我が家の兄は極悪人だよ・・」

 「話の続きをしろ・・(汗」

 「むぅぅ・・・・」

 どこか釈然としないまま話を続ける。



 〜〜〜30分後〜〜〜


 「・・・・って事なんだけど、如何したらいいと思う?」

 「・・・・・・・・」

 「・・・きょ、恭ちゃん?」

 「・・・・話は理解した」

 「ほんとに?」

 「ああ、だが一つ疑問がある」

 「へ?・・・」

 「今の話の何処で美沙斗さんは悩んでいるのだ?」

 「・・・・・何にも理解してないじゃない!!」

 「理解はしているぞ!だが胸が小さいと言うだけで何故そんなに悩まねば成らん」

 「恭ちゃんには分からないんだよ・・『胸』のコンプレックスの深さは・・・」

 「美由希は『小さな胸』なのか?」

 「わ!私はちがうよ!!平均以上あるもん!」

 そう、フィアッセや桃子母さん、アダルト久遠には敵わないまでも
 すくなくともそこらの女性よりは大きいと言う自信は有る(汗

 「つまりお前にも美沙斗さんの本当の気持ちは理解できないと言う事だな」

 「だからこんなに悩んでるんだよ〜・・・どう声をかけていいか分からないし(泣」

 「了解した、様は『胸』をどうにかすればいいのだな」

 「え?それはそうなんだけど・・・どうにか出来るの?」

 「分からんが、少し時間をくれ」

 この時私・・・高町美由希は兄の頼りになりそうな言葉に本当にどうにか成るんじゃないか・・・
 そう思えていました・・・・
 そして、それから数日が経ち美沙斗母さんの前でもなんとか平常心で過ごせて居たそんな時に
 恭ちゃんから、良い方法が見つかったとの知らせをうけ事態は急展開したのです。




       □ □ □




 「恭ちゃん!本当に良い方法がみつかったの?(汗」

 「まぁ落ち着け。ちゃんと兄は見つけてきたぞ」

 「うう・・流石恭ちゃんだよぉ(泣」

 「多少苦労はしたが、これで万事解決のはずだ」

 「それで?どんな方法?」

 「ふっふっふ・・・それは今夜のお楽しみだ。すでに那美さんとフィリス先生も呼んである」

 おお!恭ちゃんが不適な笑みを・・・

 「その方法は恭ちゃんが考えたの?」

 「いいや、忍だ」

 「え?・・・・・・」

 一瞬忍さんの微笑みが浮かぶが、その笑みは決して明るいものではなかった(汗

 「心配するな、今回は怪しげな機械類は一切でてこない」

 「そ・・そう・・・」

 忍さんが考えたと言うだけで嫌な予感がするのは気のせいでしょうか・・・
 ひしひしと嫌な予感を感じながらも時間が止まるはずもなく、夜が訪れました。


 高町家には、フィリス先生と那美さん。それとかーさんがリビングのテーブルを囲っていた。
 それ以外にも高町家一同が勢ぞろいだ。

 「恭也さん、なんですか?プレゼントって」

 「そうだよ、恭也。突然どうしたんだい?」

 「まぁまぁ、折角恭也くんがくれるって言ってるんですからいいじゃないですか♪」

 「まぁ皆さんにはいつもお世話になってますから、ほんの気持ちってことです」

 「恭也〜〜、桃子さんにはぁ?」

 「今回は美沙斗さん達が主役だ。高町母よ」

 恭ちゃんが嬉しそうに話す。いつもは無口な恭ちゃんだがよほど良い方法が見つかったのかも♪

 「いいなぁ〜・・・なのはもほしいな〜」

 「すまんな。コレはなのはがもう少し大きくなったらな」

 ・・・・・・・なのはが大きく?(汗

 「本とは晶とレンにもと思ったのだが、合うのが無かったのですまんが我慢してくれ」

 恭ちゃん・・・『合う』って・・・(汗
 私の脳裏に一つの物がうかんだ・・・
 まさか・・・まさか・・・ソレは『寄せて上げる・・・・』(汗汗
 最悪の事態を想定した私でしたが恭ちゃんが持ってきたのはそこそこ大きな箱でした。

 「恭也、本当にもらっていいのかい?なにやら高価そうだが(汗」

 三人の前に置かれた箱にみんなが集まる。
 本当に何がはいってるのか・・・

 「さぁ。開けてみてください」

 「それじゃぁ♪・・・ドキ・・ドキ・・・」


  「「「パカッ・・・・」」」

 
   ビシィッ!!!・・・・・


 
 瞬時にして高町家のリビングにある空気が固形化・・・・。


 コッチ・・コッチ・・・と時計の音だけが空しく響く中

  ぴんぽーん

 陽気なインターホンの音が聞こえた。

 「お、来たな。今回の発案者でもある忍を呼んでおいた」

 恭ちゃんはみんなに語りかけるが誰も聞いていない。

 「ねぇ。お兄ちゃん、コレなぁに?」

 なのはが箱から取り出したのはゴムのような素材のお椀型をした物体・・

 「ん?それはな『ヌーブラ』と言う物らしい。忍の話ではこれを着ければ『貧乳』も一発で解消と言う話だ」

 「どうだ?美由希よ、お前の頼み通り兄は素晴らしい物をみつけてきたぞ♪これで美沙斗さんたちの悩みも解消だな」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「恭也〜、もうアレは渡したの?」

 「ああ、忍。たった今渡したところだ」

 「そっか〜、でもアレを着けなきゃイケナイなんて誰か知らないけどちょっと可哀相よね」

 「まぁ私はアレを着ける必要のない完璧なプロポーションだけど♪あっははは♪」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・終わった(泣
 背後に膨れ上がる殺気と呼ぶのもおこがましい程の気を感じ・・・思った。

 「あはははは・・・はは・・・当分、朝日は見れないだろうなぁ(泣」



 涙で霞んだ視界に映ったものは一瞬で拘束された恭ちゃんと忍さんだった・・・










 「「「ああああああああああああああぁあぁっぁぁあぁぁぁ!!!!!」」」












 終わっとけ(汗


      □ □ □

       後日談

 高町家

 「美由希〜ご飯だよ」

 「はぁ〜い、今行くよ〜。か〜・・さ・・ん」


 さざなみ寮

 「那美ちゃん、ご飯だ・・よ・・・」


 そして海鳴病院

 「フィ〜リス〜、タバコ代が切れたんだ。ちょっと貸してくれ・・・ないかと思ったけどいいや(汗」




 「「「昨日までと胸の大きさが『違う!!』(汗」」」


 以外と好評だったり








 ひよひよでございまする・・・

 遅らせながら100万ヒットおめでとうございます^^

 このSSは先ほどの新潟の震災で

 新潟の某市に住む親戚のもとへ急いで帰ったおり

 幾つかの写真をみて思い出した『実話』をもとに書き上げました^^;

 勿論丸々ではありませんが知人から当時えらい剣幕をくらったのを覚えております;


 会社からも幾つかの物資を運んだのですが東京から電車で5時間強・・・関西からだったので、さらに・・(泣

 親戚はおかげさまで怪我もなく避難生活ですが健在です。

 自分も阪神の震災をもろに食らった経験がありその時随分助けてもらったので少しでも助けに

 なればと1週間ほどボランティアしてまいりました。

 復興まではまだまだ時間がかかるでしょうが親戚と共に避難されてる方々は誰も強い

 意思をもって頑張っておられたので自分も感動してしまいました・・・

 そんなこんなで、早く上げると言っていた『トラは的・・・第9話』が大幅におくれてしまいました;

 すいません;

 また執筆活動再開するので駄文でよければよんでやってくださいませ^^;



ひよひよさん、ありがとうございます〜。
美姫 「100万ヒット記念〜」
今回のお話のポイントは、胸だな。
美姫 「胸ね」
あまり多くは語るまい。
夜道が怖いからな。
美姫 「それが懸命ね。まあ、私みたいに完璧なプロポーションの…」
美姫、それ以上は言うな。
お前じゃなく、俺の身が危ない!
美姫 「……まあ、良いけど」
ふ〜。さて、それじゃあ、トラハ的も楽しみにしてますね。
美姫 「ではでは〜」



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