何時か重なり合う明日(未来)へ IFシリーズ
王様と王妃様、異世界を渡る
ー魔法少女リリカルなのはシリーズ編ー
第1話
in to the parallel world by lyrical 後編
その後、なのはに情報を提供してもらい頭の中で整理する。
まず、高町士郎が生きていること。
恭也が交通事故に遭っていない。
恭也に恋人が居ない。
美由希は世界が変わっても料理が破滅的にダメだとか。
さざなみ寮との日常的な接点がない。
月村忍との接点がある。(恭也と友人らしい)
忍の両親が健在で妹がいる。(妹、すずかとなのはは親友である)
クリステラ家との縁は薄い。(1,2年に一回逢うか逢わないか)
など・・・・・・。
情報のお礼に実は魔法使いな事も出来ると言って簡単な映像魔法〔インスタントビジョン〕を実際に見せるとなのはも「私もみんなには内緒だけど魔法少女なんです」と教えてくれた。ならばとリンディ・ハラオウンとクロノ・ハーヴェイの映像を見せると驚いていた。どうやらすでに会っているらしい。しかも聞くところによるとクロノの姓はハラオウンで、親子とも時空管理局と言う次元世界の治安維持機関の職員で艦長と執務官と言う肩書きだそうだ。
色々話しているうちに他の家人が帰ってきて全員で自己紹介と食事を共にすることとなった。
「ふむ・・・じゃあ君達はこの世界の住人ではないと?」
高町家の主、士郎が裕一たちに尋ねる。
「はい。高町家限定で言えば、イギリスで士郎さんが亡くなられて、恭也君が無茶な修行をして右膝を壊して、同居人の三人がいる世界から原因不明の現象で此処に流されてきたんですよ」
拍手を一回打ち二回指を鳴らす。裕一と皐月の後ろに何十枚もの画像が現れ漂う。なのは以外は困惑する。
「これはいったい・・・・・・」
「深くは考えないほうがいいですよ、美由希さん。私たちはファンタジーな力を扱える、と思ってくださいな」
にっこり、と皐月が笑う。
「・・・・・・ねえ、これ恭也よね?両横に抱きついているのは忍ちゃんと・・・・・・フィアッセちゃん?しかもウエディングドレスきているしっ!?」
ふよふよ漂う一枚の画像を捕まえ、喜色満面の笑顔で尋ねてくる桃子。
「なんだって!?」「なに!?」「恭ちゃん!?いつのまに!?」「はわわわ!?」
四人が我先にその画像の前に集まり凝視している。画像を見た恭也が裕一のほうに向き顔を青ざめて目線で訴えてくる。『これはどういうことだ』と。
「これは俺たちの世界の恭也の写真。まあ、ご覧の通り向こうでは恭也は二人と結婚して家庭を持っているよ」
簡単に説明する裕一。
「子供さんもおられますよ?」
皐月の言葉にダメージを受ける恭也。こうかはばつぐんだ。
「その写真はあるの?あったら見たいなー。見せてくれたら、ももこさんなんでもしちゃう!」
「俺も見たいぞ!」
士郎と桃子が裕一と皐月に詰め寄る。
「私もみたいかな?」「見たいみたーい」
美由希となのはが好奇心いっぱいに言う。
「・・・・・・ふむ、では取引としてこっちの条件としては・・・・・・住む所が決まるまで此処に厄介になること、もちろん翠屋の手伝いも受けますし、恭也君と美由希ちゃんの鍛錬の相手もしましょう。ついでに写真についても、美由希ちゃんとなのはちゃんの向こうの写真も付けます。いかがですか?」
真面目な顔で自分の交渉カードを場に並べ士郎と桃子を窺う裕一。
「「了承」」(3秒)
それでいいのか高町夫妻!?
『向こう』の恭也の話題を肴に高町家は二人の来訪者を迎え入れる。しかしそれは本来の時の流れに幾つもの波紋をこの世界に起こすこととなる。
続く
あっさりというか、本当に良いのか高町夫妻。
美姫 「3秒了承の技をあの主婦以外が使うなんてね」
まあ、桃子さんならありかもな。
美姫 「にしても、恭也は相当ショックみたいだけれど」
まあ、こっちに関しては皆してスルーみたいだけれどな。
美姫 「うーん、これからどうなるのかしらね」