何時か重なり合う明日(未来)へ IFシリーズ
王様と王妃様、異世界を渡る
ー魔法少女リリカルなのはシリーズ編ー
第0話
始まりは死とともに
アメリカ合衆国・ニューヨーク市マンハッタン島・国連本部ビル
そこはまさにこの世の地獄だった。
国連総会が行われていたフロアは何者かによって仕込まれた高性能爆弾が炸裂しその場にいた者たちを平等かつ無慈悲に襲い掛かった。
「・・・・・・大丈夫か?」
男が女に語りかける。
「・・・わたしも陛下もこの傷ではもう無理ですわ・・・・・・」
女の口と腹からは血が流れ続けている。女は壁に背を預け座り、
致命傷を負い息も絶え絶えの男の体を残った力を振り絞って引き寄せ頭を膝に載せる。
男は苦痛を表に出すことはない。いや、出来なかった。
「・・・・・・陛下」
「ヤヨイ・・・いや、皐月・・・・・・最後のときは名前で呼んでくれないか・・・・・・」
「はい・・・・・・裕一さん・・・・・・」
男・・・・・・裕一は視界を移し、国連総会会議場入り口ロビーを見る。
そこには国連職員、NGO関係者、各国の外交官達が屍を晒していた。
「・・・・・・今世は短かったが・・・・・・皐月は幸せだったか?」
裕一は囁くように皐月に尋ねた。
「・・・・・・はい、とても・・・・・・とっても・・・・・・幸せです・・・・・・」
皐月は涙ながもそう答えた。
「そうか・・・・・・そろそろ時間だ・・・・・・また次の世界で会おう・・・・・・」
「はい・・・・・・また・・・・・・一緒に・・・・・・・」
ユウイチ・アレクサンドル・ゼオ・ラティオ・イサレリアス、享年40。
ヤヨイ・セアル・ラティオ・イサレリアス、享年35。
世界と言う舞台に彗星のごとく現れた夫婦はあっけない事件によって幕を下ろされ
新たな世界で新しい物語が始まる。
IFのお話らしい。
美姫 「どんなお話になるのかしらね」
まだプロローグ部分だけにどうなるのかは分からない。
美姫 「それでは、次回をお待ちしてます」
ではでは。