この話は基本的にクロスオーバーとなっていますがオリジナル要素の強い作品となっております。もし原作の設定を変える等、許されない方は読まない事をお勧めします。それでも読んでいただけるならどうぞ先へお進み下さい。              御月

 

 

 

悠久の剣〜魂と共にあるもの〜

 

人は守りたい者の為に何が出来るだろうか?

出来る限りの事をするだろう

だが、護る事が出来なかったのなら?

自分の命を落とす事になったなら?

訪れるのは絶望かもしれない

砕けるのは自分の命だけはないかもしれない

それでも俺は剣を取る

俺の大切な者を護る為に

俺を必要としてくれる者がいる限り…命を失ったとしても後悔はしない

 

 

 

プロローグ 〜終焉の日、始まりの日〜

 

高町恭也は高校卒業と共に進学せずに翠屋でウェイターをしながらボディーガードを副業としながら生活していた。

時々ボディーガード以外の仕事としても、香港警防隊に所属する叔母、御神美沙斗やリスティ・槙原からの依頼を手伝ったりと普通とは縁の遠い生活をしていた。今回の依頼は美沙斗さんがどうしても来て欲しいと言われ参加する事になった。正直に言ってそこまで言われなくても断る事など俺には必要が無かった。

どうも内容を聞いてみるとテロリスト…しかも龍絡みのアジトを潰す事らしい。命の危険はあるかもしれないが鎮圧に向う。

 

(アジトね…洞窟をアジトにしているのか)

 

恭也は滅多にないケースだがいつもと同じだと思考を切り替える。

 

 

そして遭遇する事になる、自らの運命を決めた瞬間に。

 

不可解な光の柱と、「本」を片手に「浮かべ」、高笑いをする男に。

 

 「くっくっく…開く…開くぞぉ…異次元への扉が開くぞ。闇の書の開放と共に、私の望みは叶えられる」

 

 「っく…あれは…何だ?」

 

 目を細める。龍絡みのテロリストとの情報で鎮圧に来たのはいいのだが目の前の状況に頭が回らない。いくら、非日常的な現象をみてきたとしても目の前の様子は予想外である。

そもそも、よくわからない光の柱を前に狂ったように笑う男…状況を理解しろというほうが難しい。

 

 「美由希、恭也」

 

 美沙斗さんに呼ばれて、我に帰る。

 

 「事情は見てのとおり判らない。が…あれが元凶だろう…沈黙させるぞ」

 

 「了解」

 

 「はいっ」

 

 恭也と美由希は答える、そして刀を抜き戦闘体制に入る…その瞬間。

 

 「おやぁ? お客さんですかぁ? ちょうど生贄がほしかった所でねぇ」

 

 嫌な笑い方をする…。だが…

 

 「散れっ!!」             

 

 三人が、同時に神速の領域に入り、それぞれ刀を振り下ろす。終わりだ!! と心の中で思ったが刃は、男に届くことはなかった。見えない壁を切りつけているようで、刃が進まない。

 

 「危ない、危ない。そんなもの振り回すものではないですよ? では、ちょっとおとなしくしてもらいましょうか」

 

 パチン! 

 

男が指を弾くと、男の周囲に現れた光の弾に体を撃ちぬかれ、そして壁際まで一気に弾き飛ばされる。

 

「がっ…」

 

 なにが起きたのかは理解できない、だが理解できたのは一つだけ…。

 

『こいつに勝つことはできない』

 

 ということだけ…。

 

 「美沙斗さん…動けますか…?」

 

 同じように、吹き飛ばされた美沙斗に声をかける。

 

 「あぁ…なんとかな。そっちはどうです?」

 「神速は厳しいかな…」

 

 美沙斗は先ほどの光の弾で内臓を痛めてしまったようだ。美由希に至っては、しっかりと立つことさえ出来ていない。その様子をみていた恭也は言う。

 

 「……退きましょう」

 

 美沙斗さんも同じ意見に至っていたようだ。

 

 「俺が殿をつとめます。その間に撤退をしてください」

 「「恭也! 恭ちゃん!」」

 

 黙って聞いていた美由希も声を上げる。

 

 「今、負傷が一番軽く、一番戦えるのは俺だ。美沙斗さん美由希をお願いします」

 「……分かった…」

 

 今ここに残ったらどうなるかは先ほど痛いほど解った。死ぬ、確実に死ぬ。しかし、目の前の青年は、美由希をと言った。なら私に出来ることは一つしかない。自分の命を賭けて自分たちの背中を守ろうとしてくれている、恭也に応えるには一つしか…。

 

 「な!? 母さんそんなのっ…」

 

 「ご相談は終わりましたか? こちらは一人でも残っていればいいのでのですが…保険も実は欲しいところでしてね、出来れば全員ここにいてもらいたいのですが?」

 

 遠巻きに俺たちの様子を眺めていた男が、嫌な笑みを浮かべる。この場面で相手の言葉を信じる事など出来るわけがない…が今は状況が違う、こいつの言葉を信じるしか、二人を逃がすすべは無い。少なくとも俺が犠牲になれば二人は逃げる事はできるかもしれない。だからこそ、二人に決断させるために叫ぶ。

 

 「行けっ!!」

 

 男に向かい八景を構える。

勝つことができないと判っていても

この男が言っている生贄が何のことかは判らないが、確実に自分が犠牲になるだろうことになろうとも…

 恭也の声とともに美沙斗は美由希を引っ張り走り出す。

 

 「さて、残ったのはあなたですか? では、大人しく私の実験に付き合っていただきましょう」

 

 パチンとまた指を鳴らす。先ほどと同じように幾つもの光弾が恭也めがけて飛来する。

 

「…っは。二人が逃げられるなら実験だろうがなんだろうがいくらでも付き合ってやるさ」

 

神速の状態に入り、全て切り落とすつもりで抜刀するが、光弾の威力に耐えられず八景が叩き折られる。

 

「まだ…っだ!!!

(受けきれない事ぐらい解ってはいたさ…もう刃は残っていないならこの身を盾にしても後ろには一切通さん!!

 

引き伸ばされた時間のなか恭也は二人が逃げていった通路に立ちふさがるように立ちふさがった。その瞬間…鈍い音

 

 二人が逃げるの感じたときには恭也はボロボロだった。手足を打ち抜かれ、多くの打撃を受け体は、生きているのが不思議な状態になっている。

 

 「危ない、危ない、つい殺すところでした。ではあなたには鍵に成っていただきましょう」

 

 頭をつかまれ光の柱の中に投げ込まれる。

 

 「来たれ、来たれ、来たれ。異次元への門よ。魔道の導きにより、その扉は開かれん!!」

 手にしていた本の力を暴走させる男。しだいに光の柱が赤く染まってゆく。

 

 「ははっ。これで扉が開く!!」

 

 その瞬間男のしている手袋が燃えるように爆ぜる…その男の手には恭也達が追っている龍の刻印がしるされていた。そいて歓喜の笑みを浮かべられていたのは一瞬だった…恭也を取り込み、本の暴走を受けた魔力が暴走し爆発を起こしたのだから。

 

恭也にはもうそんな様子すら見えていない

 光の柱の中…失われかけている意識の中で思う。

 みんなすまない…帰ることはできないようだ…。

 家族の顔、友人の顔が頭に浮かぶ。

 熱い…光によって体が焼かれていく。そのとき

 

「見つけた!!」

 「諦めないで!! 私のたった一人のマスター…」

 

 頭に響く声を聞きながら恭也は光の中で意識を失う。

 

 時空管理局巡洋艦アースラ艦橋

 

 「今回の、回収は楽に済んで助かりましたね艦長」

 「そうねぇ…未然に防げたといった形だしんなにより被害が出なくてよかったわ」

 

 通信主任のエイミィに艦長であるリンディ・ハラオウンは返した。

 

 「でも今回のあれは、なんだったんですか?」

 「あぁ、あれね。今確認されているのだとデバイスということだけど」

 「デバイス? そんなに強力なロストロギアなんですか?」

 「第一級指定は出ていないから危険度はそう高くは無いと思うのだけれど…ただ言えることはストレージ、インテリジェンスと違い、今では効果がまったくわからない融合型のデバイスなのよ。しかも、起動方法がさっぱり判らない特殊なデバイス。ただ機能が生きていることだけが確認できているだけだもの」

 「はぁ…凄いのやら、凄くないのか解りにくいですけど、被害がないのが一番ですよ」

 

 エイミィがリンディの説明に自分なりの考えを返したときに、警報が鳴る。

 

 「エイミィ何が起きたの!?」

 「今、調べます!! 場所は…ロストロギアの保管庫!?これは…封印が破られています…加えてきわめて小規模の次元振動あり。何かが転送されて…来ます!!これは…人?」

 「人!? 武装局員を急いで!! 私も直に行きます」

 

(嫌なことにならなければ良いけど…)

 

リンディが直接動くのは、ロストロギアを抑えるだけの魔道師がいないから

 

「っつ…」

 

 明るさで、恭也は目を醒ます。

 知らない天井、知らない部屋、どうにも意識が纏らない。俺は死んだんじゃなかったのか…? ぼんやりと思い出す、あの理解不能の光の柱の中で焼かれるようにして意識を失った事を。何がなんだか正直わからないがどうやら俺は生きているようだ。

 

 「マスターッ!!」

 「どわっ!?」

 「やっと目を醒ましてくれたっ!!」

 

 何故か小さな女の子に抱きつかれる。

 黒い髪をしたロングヘアーの女の子。まだ幼さを残す顔立ちを見て、なのはと同じくらいだろうかとぼんやりと思う。それに、ここまで懐かれていると無下に振り払う気にもなれない。

…容姿の観察はいいがマスターってなんだ? いきなりのことなのでうまく理解をすることができないとりあえず状況の整理からはじめることにした。

 

 「えっと…君はだれだい?」

 

 なるべく優しく聞く。

 

 申し遅れました、私はEverlasting(エヴァーラスティング)。悠久の心理の名を冠する貴方と剣であり、翼です。マスターのお名前は?」

「俺は高町恭也だ。君の事はEver…む…ラスティでいいか?」

 「はいっ。マスターの思いのままに」

 

 にっこりと笑いながら答えてくれる。非常にこそばゆいのだが…、まだいくつか聞かないといけないことがあった。

 

 「俺は…何故生きているんだ? 死んだと思ったんだが…それに、ここはどこだ?」

 「マスターの傷に関しては、私が再構成させて頂きました。急ぎだったので、体の細かい傷までは治す事が出来ませんでしたが…「膝」を含め運動、命に関ることは修復させて頂きました」

 

 ん? 膝? そういえば神速を連続していたはずなのに痛みが無いな。それに治した?

 

 「まて…治ったといったか?」

 「はい、体の歪みが出ていましたので、治したんですが…駄目でしたか?」

 

 ちょっと涙目になっている。

 

 「いや、その助かるよ」

 

 嬉しくないわけがない。正直もう治らないと思っていた膝が治ったのだから。

 

 「二つ目の答えには、私が答えましょうか」

 

 と、一人の女性が入ってくる。

 「ここは時空管理局巡洋艦、艦船アースラの医務室よ。私はリンディ・ハラオウンこの船の艦長をしているわ」

 

 リンディの前にラスティが立ちふさがる。

 

 「…時空管理局の提督が何の御用でしょうか? 私は、ロストロギアとしても封印指定だろうが封印させませんし。それに、マスター手を出すなら…」

「私は、あなたを封印しにきたんじゃないわ。あなたのマスターに話を聞きに着ただけ。はじめまして、貴方の名前をもらっていいかしら?」

 「高町恭也です…」

 

 挨拶を終え、リンディに説明をしてもらってゆく。

 

魔法のこと。

 ここは何処なのか。

 自分はどうなっていたのか。

 これからどうするのか。

 

  出身世界は?と聞かれ、とりあえず日本と答え、調べてもらった所、驚くべきことにまったく同じ人物が要ることが判明した。それは、自分がこの世界の人間ではないということ、

帰れる可能性はゼロに等しいこと、最も大きな問題として帰るべき場所が無いことを意味していた。

  ただ今の恭也には、一度死んで、次元を歪めるほどの魔力の中で、生き返ったせいか膨大な魔力を秘めているらしい。つまり魔法使いとしての素養が出来ている。

  ラスティを見て思う。帰る可能性を諦めるわけではないが現状ではゼロである。それに、ここには自分を必要としてくれる人がいる。ならばここで生きてみるのもいいのではないかと思う。

 数日の間考える時間をもらい、リンディに

 

 「これからよろしくお願いします」

 

 と挨拶にいった。生活について、その他諸々について相談があったから。

 そして新たな世界での恭也の歩みが始まる。

 

 「なぁ、ラスティ」

「何でしょうマスター」

 「そのマスターってのと敬語をやめてもらえないか? 妹と同じくらいの年齢の子にそれを言われるのは少し恥ずかしい」

 「…妹さんがいたんですか? なんて呼ばれていたんですか?」

 「おにーちゃん、やら、恭ちゃん、師匠だったか」

 

 妹と妹分の姿を思い出しながら、語る。

 

 「んーじゃぁ、お兄ちゃんでいいかな?」

 

 無邪気に微笑みかけてくる、ラスティを見てなのはと姿がダブって見えた。今は自分を慕ってくれているこの子だけがたった一人の家族である。その頭を軽くなでながら

 

 「これから、よろしくな。ラスティ」

 「うんっ」

 

 笑顔で腕に絡み付いてくる。

 ラスティの呼び名が変わったのを聞いて、リンディとエイミィにこれでもかとからかわれたのはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 


あとがき

どうも御月と申します。恭也がもし魔法にであったらをコンセプトに書き始めてみました。といっても改訂版なのですけども…。

 拙い文章はありますがここまで読んでいただきありがとう御座いました。

 

                       




御月さん投稿ありがとうございます。
美姫 「ございます〜」
リリカルとのクロス。
美姫 「行き成り初っ端からピンチだったわね」
でも、そのお陰(?)でマスターに。
美姫 「でも、日本には同名の自分が」
混乱する中、恭也は魔法使いとしての新たな道を歩き始める〜。
美姫 「これから、一体どんな物語が始まるのかしらね」
今から楽しみです。
美姫 「それでは、次回を期待してますね」
ではでは。



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