『IZUMO 〜ラグナロク〜』






※この物語は番外編ですが、本編と多少関係しております※


〜注意書き〜

このSSは、ギリシャ神話を基にしておりますが、
随所に実際の神話と異なった部分ばかりです。
特に、冥府神ハデスとペルセポネに関しては完全に弄っている
部分を多様していますので、ギリシャ神話に関わらず、
神話の重要性を重んじている方はご注意ください。
それでも構わないと言う方はこのまま読み進めて頂ければ幸いです。

それでは始まります・・・・・・
















其処は和臣達が暮らす世界とは別の世界・・・・・・

其処の時代は和臣達が暮らしている時代とは別の時代・・・・・・

其処はネノクニとは別の世界・・・・・・

其処の時代はネノクニとは別の時代・・・・・・

其処は一体何処なのか・・・・・・

そう・・・其処は古の神々が暮らす世界・・・・・・

最も古き神々が生きる時代・・・・・・

その世界の名は・・・・・・












――――――――――オリュンポス――――――――――












・IZUMO〜ラグナロク〜
         番外其の弐・冥府神の恋物語











此処オリュンポスで暮らす少女ペルセポネは最近感じ始めた妙な視線が気になっていた・・・・・・
誰かと思い振り返って見ても、其処にあるのはニュサの花畑に咲く水仙と、大きな亀裂があるばかりだった・・・・・・


暫くの間は気のせいだろうと思っていたが、日が経つほどにより強く視線を感じるようになり、
さすがに気味が悪くなって来たのでオリュンポスを治めている神であるゼウスに相談しようと神殿に向かう事にした・・・・・・
実はゼウスはペルセポネの従兄妹なのである・・・・・・


ペルセ:「ゼウスお兄さん・・・最近、私妙な視線を感じるんですけど・・・」
ゼウス:「うん・・・それで?」
ペルセ:「あの・・・その・・・誰の仕業かご存知ありませんか?」
ゼウス:「あ〜・・・知ってはいるんだけど・・・」
ペルセ:「えっ?」
ゼウス:「ん〜・・・これもう言ちゃって良いのかなぁ?」


ペルセポネは、ゼウスが視線の正体を知っている様なので問いただす事にした


ペルセ:「あの・・・それはどう言う?」
ゼウス:「ペルセを見てたっていう視線の犯人だけどさ・・・」
ペルセ:「はい?」
ゼウス:「あーその〜・・・・・・」


ゼウスがあまりにも、はっきりしないのでペルセポネはどんどん不機嫌になっていった・・・・・・


ペルセ:「お兄さんいい加減に焦らすのは止めてください!!」
ゼウス:「あう・・・ペルセを見てた犯人はさ・・・・・・」
ペルセ:「はい?」
ゼウス:「実は、兄貴なんだよね・・・・・・」
ペルセ:「あっ・・・あの・・・あ、兄貴って・・・ハデスお兄様ですか?」
ゼウス:「クス・・・そこで真っ先に、ハデスの兄貴を思い浮かべる辺り、ペルセらしいね」
ペルセ:「あぅ・・・」


そこでペルセは真っ赤に染まった・・・・・・


ゼウス:「そこでポセイドンの兄貴とか思わなかった訳?」
ペルセ:「わっ・・・私は、ハデスお兄様にしか興味ありませんからっ!!」
ゼウス:「うわっ・・・開き直っちゃったよこの子は・・・・・・」
ペルセ:「あっ・・・あぅぅぅっ」


そこでペルセは更に、真っ赤に染まった・・・・・・


ゼウス:「まぁ・・・そう言う訳・・・・・・」
ペルセ:「何でハデスお兄様は私なんか・・・・・・」
ゼウス:「理由は一つしか無いと思うけど?僕は・・・」
ペルセ:「え・・・でもでも・・・それって・・・・・・」
ゼウス:「その答は自分で導き出すモノだよ?」
ペルセ:「あ・・・はい! ありがとうございましたゼウスお兄さん!」


ペルセポネは早足で神殿を去って行った・・・・・・
ゼウス:「ペルセ・・・兄貴・・・兄として、弟として応援してるからね・・・」


その時、ゼウスの後ろの方から声がした・・・・・・

ヘラ:「あら・・・貴方が人様の色恋沙汰の応援するなんて珍しいわね?」
ゼウス:「あのさ〜ヘラ・・・それじゃあ僕が何時も女性を侍らしてるみたいじゃないか」
ヘラ:「ちがうの?」


―――――ゴスンッ―――――
その時、神殿の中では何者かが鈍器で殴られたような音を出してコケテいた・・・・・・


ゼウス:「ひどいなぁ〜・・・それだったら結婚なんてしないよ」
ヘラ:「あら・・・だったら、そこらじゅうの女の子を口説くの止めて貰えませんか?」
ゼウス:「だって、人生にスパイスは必要でしょ?」
ヘラ:「限度があります・・・・・・」
ゼウス:「ヘラはお堅いねぇ〜」
ヘラ:「そのお堅いのと結婚したのは何処のどなたでしたっけ?」
ゼウス:「えへへ・・・僕」
ヘラ:「分かってるじゃないですか・・・・・・」
ゼウス:「まぁ・・・ともかく、あんな一途な子を口説くほど僕は落ちぶれちゃいないよ」
ヘラ:「上手く行くと良いですね・・・」
ゼウス:「だねぇ〜」


神殿の中でゼウスとヘラは早足で帰って行くペルセポネを微笑ましく見つめていた・・・・・・


神殿から戻って来てしばらく時間が経つとまた視線を感じる様になった・・・・・・

だが今までとは違い、ペルセポネは後ろから視線を感じると嬉しくなった・・・・・・

視線を感じる度に、何時もより念入りに身だしなみを整えた・・・・・・

視線を感じる度に、何時もより念入りに髪をすいた・・・・・・

視線を感じる度に、もっと自分を見て貰える様に努力した・・・・・・


そして、数日が経った・・・・・・
ペルセポネは今日も背中に視線を感じていた・・・嬉しかった・・・しかし・・・・・・


ペルセ:「ハデスお兄様・・・・・・?」


ペルセポネは視線だけでは嫌になってきた・・・・・・

ペルセポネは視線だけでは我慢出来なくなってきた・・・・・・

ペルセポネはちゃんとハデスと話したいと思った・・・そして、自分の気持ちを伝えようと・・・・・・


ペルセ:「ハデスお兄様・・・いらっしゃるんですよね?」

―――ドドドッ―――

下の地面から馬に乗った全体的に黒い印象を持った青年が現れた・・・・・・

ハデス:「ペルセ・・・何時から気がついてた?」
ペルセ:「ハデスお兄様だと分かったのは1週間ほど前からです・・・」


ペルセポネは真っ赤になりながらも、そう答えた・・・・・・


ハデス:「そうか・・・」
ペルセ:「あの・・・どうして私なんかを見ていらっしゃったんですか?」
ハデス:「・・・・・・好きだから・・・」
ペルセ:「えっ・・・」
ハデス:「好きだからじゃ・・・駄目か?」
ペルセ:「えっと・・・あの・・・いいえ・・・・・・」


ハデスはペルセポネが真っ赤になっている中で、己の気持ちを打ち明けた・・・・・・


ハデス:「ペルセ・・・俺はゼウスみたいに女の子と接することは出来ない・・・いや・・・接し方が分からなかった・・・」
ペルセ:「・・・・・・」
ハデス:「こんなだから、人を好きになる事なんて無いと思っていたし、好きになるつもりもなかった・・・・・・
     だけど、ペルセ・・・俺は君の事が好きになった・・・・・・」
ペルセ:「あぅぅ・・・・・・」


そこで更に、ペルセポネは顔を紅潮させた・・・・・・


ハデス:「だから君を好きになった時、どうすれば良いか分らなかった・・・・・・」
ペルセ:「だからずっと見てたんですか?」
ハデス:「あぁ・・・見てるだけで諦めようと思ったんだ・・・・・・」
ペルセ:「そんな・・・」
ハデス:「だけど・・・そうしてる内に諦めるどころかドンドン想いは募るばかりでね・・・・・・
     どうしようかと思っていた所に君が声を掛けたと言う訳だ・・・」
ペルセ:「お兄様・・・私、この1週間嬉しかった・・・」
ハデス:「えっ・・・」


そこでハデスはとても意外そうな顔をした・・・・・・


ペルセ:「お兄様の視線を背中に感じて嬉しかった・・・・・・もっと私を見て欲しいと思った・・・・・・」
ハデス:「・・・・・・」
ペルセ:「お兄様の視線を感じる度にこう思ったの・・・私は、こんなにもお兄様のことが好きなんだって・・・・・・」
ハデス:「ペルセ・・・・・・」
ペルセ:「ハデスお兄様・・・私の気持ち受け取ってくれますか?」
ハデス:「あぁ・・・こんな俺で良かったら幾らでも・・・・・・」
ペルセ:「あ、ありがとうございます・・・・・・んっ・・・・・・」


ペルセポネの嗚咽はハデスの口付けによって途切れていた・・・・・・












そして数年後、二人の間には一人の子供が生まれた・・・・・・次期冥府神となる子供が・・・・・・


ハデス:「人を思いやり、公正に接する事が出来る様になるんだぞ――」
ペルセ:「お父さんみたいに優しい人に育ってね――」


ハデス・ペルセ:「俺(私)達みたいに幸せになってくれ(ね)」






〜FIN〜











〜あとがき〜

ど〜も、冥牙です
番外編(ちょっと本編に関係あるよ)のあとがきとなりましたが、いやはや・・・
約一年ぶりの投稿になるんですね・・・・・・;;
あぁ〜何故、三節よりこっちが早く上がったのだろうか・・・・・・
聖夜:「はぁ〜・・・一年ぶりかと思えば本編じゃないだ?」
おう!
聖夜:「何考えてんだっ貴様は!!」
仕方ないだろ・・・色々あったんだから・・・・・・
聖夜:「何だよ色々って?」
思い出すだけでもおぞましいから言わない・・・・・・
聖夜:「なら言うなよっ!」
さて・・・三節も仕上げねば・・・・・・
聖夜:「一応聞くが・・・・どれ位で上がる?」
長くて1月・・・・・・短くて1週間・・・・・・
聖夜:「差がありすぎだ・・・・・・」
こればっかりはどうにも・・・・・・
聖夜:「まぁいい・・・・・・」
さて・・・・・・今日はこの辺にするか・・・・・・
聖夜:「仕方あるまい・・・・・・・・・」
それでは皆さん今度こそ、第三節・三里と和臣(後編)でお会いしましょう
さよ〜なら〜



うーん、ゼウスがやけに腰が低かったな。
美姫 「まあ、相手はヘラだったしね」
この番外編は神様たちのお話だった訳か。
美姫 「みたいね」
本編とどう絡んでくるのか。
美姫 「今回はこの辺で〜」
ではでは。



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