このSSはとらハ3とティンクルセイバーNOVAのクロス作品です。
キャラクター達の性格、発言が原作とかけ離れている可能性があります。
また、一事が万事筆者のいい加減な記憶と適当な確認に基づいて書かれています。
もう一つ、前作のあとがきに書いた恭也の設定を変更してます。
現在恭也は大学生になっています。
そう言った作品が嫌な方は「戻る」で戻られることを推奨します。
それでも構わないと言う方は、お進みください。
学校法人 美咲輝学院
東京湾上の人工島に東京都美咲輝区として存在し、幼等部から大学院、各種専門学校、
はては公共施設にレジャー施設を備えた超巨大学園都市である。
この学院に恭也が転校してきてから数日が経ったある日の出来事。
とらいあんぐるセイバーNOVA
〜Sweet Song Star〜
その2
その日の放課後、恭也は転校初日に出会った少女、
はやな、葵、さつきに誘われQ.Jへと来ていた。
「でも、まさか本当に先輩達と同じクラスになるとは思いませんでしたね」
「ビックリだよね〜〜」
「まあお約束と言うかご都合主義と言うか、出来すぎな感は否めないけどね…」
3人は恭也と出会った日を思い返し、そう呟いた。
4人が出会った翌日、恭也が転入したクラスにははやなと葵の姿があった。
まさに嘘から出た真…
自己紹介の際、母親仕込みの営業スマイルを浮かべる恭也に
多くの女生徒が見惚れ顔を赤くしていたのは言わずもがなである。
しばらく談笑していたが不意にさつきが、
「そう言えば高町さん。ちょっと気になっていたんですけど…
この学院に転校してきた理由、聞いてもいいですか?」
若干遠慮気味に聞いてきた。
さつきの質問に恭也は嫌な事を思い出したかのような複雑な表情を浮かべる。
その表情に何かを感じたのか、
「す、すみません。言い難い事でしたら…」
と告げるさつきに「いえ、構いませんよ」と返し恭也はゆっくりと話し始めた。
「あれは……」
☆☆☆
〜1週間前 高町家〜
「という訳で恭也。あんた美咲輝学院に転校しなさい」
「…………………………は?」
日曜日の昼下がり、突然の母・桃子の発言にリビングでくつろいでいた恭也は
呆けた顔のままたっぷり10秒程固まった。
桃子曰く「恭也のあんな表情初めて見たかも」との事である。
「だ〜か〜ら〜、美咲輝学院に行って彼女の一人や二人作ってきなさいって言ってるの」
「ちょっとまて高町母よ。
突然何を言い出したかと思えば、転校しろ?彼女を作って来い?何を考えているんだ。
と言うか、何がという訳なんだ?
さらに言うなら一人はともかく二人はまずいだろう…」
恭也の反論はもっともである。
だがそんな事は意に介さず桃子は続ける。
「だってあんた、周りにあんなに良い子達がいるのに彼女が出来る気配すらないんだもの。
さすがの桃子さんもいい加減心配にもなるわよ」
「む…。非常に納得いかないが心配をかけてしまったのはすまなかっ…」
「それにこのままだと、30代おばあちゃんの夢が〜」
「……………」
その発言に謝りかけていた恭也は再び固まった。
「という訳で、美咲輝学院で彼女作ってきなさい」
ビシィ!!っと桃子は恭也に指を突きつけて命じる。
「……一応念のため聞いておくが、俺に拒否権は…」
何とか復活して藁にもすがる思いで聞く恭也に、
「そんなものある訳無いでしょ♪」
と満面の笑みで答える桃子。
そのあんまりと言えばあんまりな答えにため息を吐きつつ、
ふと疑問に思った事を尋ねる。
「しかし、その美咲輝学院とはどんな学校なんだ?
普通大学を転校などと言って変わる事は出来んと思うのだが…」
「ああ、それなら大丈夫よ。
だって転入するのは高等部の2年だもの」
「なっ………」
「先日ティオレさんと電話する機会があっってね、その時に話したのよ。
そうしたら『それはいいわね。でもそれだけじゃ面白くないから、
いっその事高校に転入するようにしたらどうかしら?
学年は…そうね、2年くらいがいいんじゃない?』って」
その情景を想像し妙に納得した表情を浮かべうなだれる恭也。
母・桃子とティオレの共通点。
楽しそうな事には首を突っ込み、さらに楽しそうという理由だけで引っ掻き回す。
この2人が手を組んだ以上、恭也に成す術は無かった。
「ちなみに転校手続きもう済んでるから。
ティオレさんが『その辺の手続きは私に任せて』って言うからお願いしちゃった♪」
普段ならこのような発言には突っ込む所なのだが、
今の恭也にその余力は残っていなかった……
「そうそう、恭也。この事、なのは以外には黙っておいた方がいいかもね。
先に話しちゃうと色々大変な事になりそうだし」
普段ならそれらも含めて楽しむ桃子なのだが、
その所為で恭也が転校できなくなってしまっては本末転倒である為、そう告げる。
恭也もその意見には賛成なのか、コクリと頷く。
「向うに通うのは来週からだから。準備、早めにしちゃいなさいね。
みんなには恭也が出発した後、私から上手く言っておくから」
桃子の言葉に恭也は「頼んだ…」と答えつつヨロヨロとリビングを後にするのだった。
そして出発の日。
桃子となのはにだけ「行ってきます」と告げ、恭也は美咲輝学院へと向かった。
☆☆☆
「と、そういう訳でして…」
苦笑しつつ話す恭也。
勿論本当は大学生であると言う事は話していないが。
話を聞いていた葵とさつきは、そのあまりにも突拍子もない内容に
完全に言葉を失っていた。
ただ1人はやなは、
「あはははは、楽しいお母さんだね〜」
と、笑顔であったが。
「……た、高町さんもお母さんには苦労してるんですね…」
同じく母親には色々と苦労させられている葵がしみじみと呟く。
その胸中では、
(うちの都さんとは絶対に会わせちゃいけない。とんでもない事になりそう…)
と、恐ろしい事を考えていた。
「普段は俺には勿体無いくらいのいい母親なんですが、
時々暴走してしまうのがたまにきずでして…」
「「…はあ〜…」」
顔を見合わせ同時にため息を吐く2人を、はやなとさつきは苦笑を浮かべ見ていた。
おしまい
あとがき
ご無沙汰してました、真下 烈です。
随分と長い事放置でしたが、とりあえず以前投稿した作品の続きです。
今回は過去編と言うか、恭也が美咲輝学院に転校してきた理由の巻です。
オチはないですし、無理やり終わらせた感がありますが…しかも短いし。
護衛の仕事関係ってのも考えてみたんですが、
はっきり言ってその設定を生かせるネタも発想力もないもので…
そんな訳で、こんな風になりました。
なんと言うか、自分で書いおいてなんですが
桃子さんとティオレさんハチャメチャ。
本当はここに美沙斗さんも絡んでくるはずだったのですが、自分の腕では無理でした。
美沙斗さんもすっごい飛びついてきそうですけどね…
最後に謝罪です。
冒頭でも述べましたが、恭也の設定を少し変えてます。
前作では本編と同じ19歳としてましたが、それだと先に進まなくなっちゃったので、
大学生になってもらいました。
この辺いかに行き当たりばったりで書き進めてるかが窺えます…
本当すみません。
ではでは、最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
にしても、流石は桃子さん……?
美姫 「折角、大学に進学できたのにまたしても高校生をやり直す羽目になるなんてね」
恭也も災難だったな。
美姫 「でも、そのお陰でこんなに楽しい目に」
楽しいのか!? まあ、否定はできないかもしれないが。
美姫 「それじゃあ、またね〜」
ではでは。