『魔法詩篇とらいあるぐるハートA's』




第五話

復活、魔法剣士達なの!? 前編


会話設定


「」=人間の会話
【】=場所、他
『』=回想
≪≫=ディバイス英語、もしくはドイツ語
<>=ディバイス日本語
()=人間思っていること








【アースラ艦内 フェイト就寝室−】









―――強がって譲れない自分の明日を賭けることさえできない。






―――――――――――――――だけど君に出会えた意味を見つけた。







―――君がもし壊れようとしているなら






――――――――――――――――――たくさんの悲しみを一つにして















禁忌を抜刀する






(一単体でありながら複数体でもある、それが私)





(ある時は自分の娘を殺し)






(ある時は破壊者で)






(ある時は爆弾テロに遇い)





(ある時は病気で倒れ)






(ある時は小さな命を救えず)





(ある時は拘束され)





「そして、今に至る」






(私はいったい誰なのか?)






(いつの頃からか、自分で付けたのか、誰かが付けたのか)






(私は愛音。理の剣士とも呼ばれていた)








「はっ、」

 フェイトは夜中に目を覚ました。

「また、あの夢?」

 最近、毎晩見る夢にフェイトは悩まされていた。いや、正確には困っていた。

 何故か、夢から覚めた後、何分も涙が止まらないからだ。





































【高町家 なのは部屋−夢の雫】


『あの時のお兄ちゃんは、今よりも女性らしかった。』

『―――別人というくらいに』





「私は旅立つの。失われた過去を取り戻すために」

「貴女の願いはかなうことはない。失われた都はすでに本来の在り方から外れて、もう地獄でしかないのだから」

「....どういうこと?」

 プレシアの質問を無視して恭也は語り続ける。

「....技術は、ただの異質な力に....世界は異界へ」

「それでも私はそれにしか縋ることができないのよ」

「―――ならば、導きましょう。輪廻から外れた異界という地獄に」

「えっ」

(どうして...........元に.....戻る)

 恭也の変身が解けてもとの姿に戻る。その事実に本人も同様していた。

「でもね、それはあたしだけで十分」

「!?俺には貴女の力が、まだ必要なんだ!!」

「こんな力は恭也には必要ないわ」

「愛音さん待ってくれ!!」

「これは貴方への私からのプレゼント」

「愛音さん!!」

「お兄ちゃん行っちゃやだ!!」

「貴方には、もう、本当に護りたい人がいるでしょう?」

「ええ」

「なら、悲しいけど、また最悪な結末の時に逢う事になるわよ」

「で、ですが....」

「時間よ」

「くっ」

「お兄ちゃん!!」

 次元の穴へと落ちていく兄を見て叫ぶなのは。











「―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――永き輪廻より舞い降りる」





 それは、ディバイスの起動パスワードにして、今の恭也の嘆き。






「―――――――――――――――――――現実を受け止め断たれた心、戦えぬ我、護れぬ我」






 すべてを救えるとは思わなかったが、身近な人ぐらい救いたかった。









「―――――――――無力に嘆く我に力を!!」







 だから、あの人の力の欠片であっても、俺は力を求めずにはいられなかった。







「断章!!set up!!」










「なんで...」

 PT事件の終幕の時の夢を見たなのはは、何かに怯えるかのように、体を震わせていた。






















【アースラ医療施設】





「ありがとうございました〜」

 アースラにて身体の状態を検査していたなのはは、医務室から出た。すると、それを待っていたようにフェイト、ユーノ、アルフの
三人が走ってきた。

「なのは〜」

「あ、フェイトちゃん。ユーノ君にアルフさんも」

「検査結果は、どうだった?」

 フェイトが尋ねると、なのはは左手を上げて握りこぶしの親指だけといて答えた。

「完全回復だよ。でも、これでも少し遅かったね」

「そうだけど、これだけは仕方ないよ。私達、体休めないで御神流の鍛錬をしてたんだから。」

「レイジングハートとバルディッシュはどうだった?」

「こっちも、大丈夫だよ」

 そう言って、フェイトはなのはにレイジングハートを渡した。

「よかったね、レイジングハート♪」






≪Thanks my master≫






その間に、アルフはエイミィにもう直着く事を連絡していた。すると、アルフ表情が一変する。

「また、あいつらが出たって!?」

それを聞き、表情が厳しくなるなのはとフェイト。

「……はい。……分かりました」

ユーノが念話を切ると、なのはが尋ねてきた。

「ユーノ君。またあの人たちが?」

「うん。君達にも助っ人として来て欲しいそうだけど……行ける?」

ユーノに尋ねられた二人は、互いに自分のデバイスを見つめる。
















「御神菜乃葉」

「不破飛翔」

















「「行ってきます」」






<敗れることは絶対にありません>

<絶対に守り通します>









【海鳴市 市街地 封時結界内上空】






 その頃海鳴市上空では、ヴィータとザフィーラが管理局局員によって囲まれていた。





「……囲まれたな」

「でも、チャラいよこいつ等。かえりうちだ、アイゼン!!」






≪Jawohl≫





 ヴィータがそう言ってアイゼンを構えると、突如として囲んでいた局員たちがその場から退避したのだ。

「なんでコイツら?」

「上だ!!」

 ザフィーラの言葉でヴィータが上を見た。そこには、S2Uを構えているクロノの姿があった。

「スティンガーブレイド・エクゼキューションシフト」

 クロノの魔方陣の周辺から、魔法の刃が放たれた。それを見たザフィーラが、間一髪障壁を展開し、防ぐ。




「ザフィーラ!!」

「心配するな・・・これくらいで負けるなど、ベルカの守護獣の名が廃る」

「……じょうとうじゃん」

「少しは効いた……か?」

 余裕な状態を見て、次の手段を考えるクロノ。すると、突如エイミィから通信が入ってきた。

「局員配置完了だよ、クロノ君!!」

「了解!!」

「それから、現場に助っ人を送ったからね」

「助っ人?」

「なのは!! フェイト!!」

 デバイスを握り締めたなのはとフェイトが立っていた。












 なのはとフェイトは互いにデバイスを構えたまま、ヴィータたちと対峙していた。

「どうして、闇の書を完成させようとしている理由、教えてもらいないの?」

「フン、そんなデバイスまで構えていて、話し合いを通そうってのがおかしいだろうが」

「……私たちは、あくまで話し合いで解決できるならそれでもいい。」

「だけど、それができないなら……実力行使で行くよ」

 フェイトがそう言っていると、上空から結界を破ってシグナムが現れた。着地したと同時に、フェイトが呟く。

「……シグナム」

「テスタロッサ……か」

 フェイトはシグナムを睨む。

「……騎士の在り方すら忘れてしまっているのなら、もう一度思い出させてあげる」

















 なのはとフェイトはデバイスを掲げた。

「レイジングハート!!」

「バルディッシュ!!」

「「 set up 」」


 次の瞬間、なのはとフェイトは宙に浮かび上がった。そしてそのまま、レイジングハートからは桃色の光のリボンが、バルディッシ
ュからは金色の稲妻を纏った鳥が出現し、なのはとフェイトの周りをグルグル回り始めた。





≪Order of the setup was accepted≫

≪Operating check of the new system has started≫

≪completely cleared from the NEURO-DYNA-IDENT alpha zero one to beta eight six five≫

≪The deformation mechanism confirmation is in good condition≫





「な、何?」

「今までと・・・違う」

 今までとは違うデバイスに困惑する二人に、エイミィから念話が入ってきた。





「二人とも、落ち着いて聞いてね。レイジングハートとバルディッシュには――――」

 エイミィの通信に割り込んだユーノ。

「あともう一つ、レイジングハートには断章の基礎構造技術、バルディッシュには断章のシステムを移植しているよ」

「断章……お兄ちゃん」

「……恭也さん」

「呼んであげて!! その子たちの……新しい名前を!!」

 それを聞き、なのはとフェイトは自身のデバイスの新しい名を叫ぶ。






















「レイジング・ハート・リアクセル!!」





「バルディッシュ・エリヌース!!」





≪Get set≫

≪Standby, ready≫






≪≪Drive ignition≫≫

































































≪≪≪≪≪≪ErrorError≪Erro≪ErorErorErorErorErorErorErorError≪rror≪Eror≫Eror≫≫≫≫≫





「えっ、バルディッシュ?」






≪mode release≫





 いつもと変わらぬバルディッシュがいた。










「……なのは、シグナムは私がなんとかする。なのははあの赤い帽子の娘を」

「でも、強化前のバルディッシュじゃ……」

「いざとなったら、御神流を使うよ」

「……でも」

 剣術など、魔法の前では役にたたないのを分かっているなのはは不安になる。

「大丈夫、菜乃葉より私の方が剣術は上手いんだから」

「うん、分かった。私は勝って、事情を聞かせてもらうよ」




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


『――――物語は分岐する。』






『心の内面に存在する潤いの全くない荒野を秘めた貴女の物語』

『〜INSIDE OF A WILDERNESS〜』






『永遠の愛の誓いを守れなく、度重なる転生、逆行、繰り返される非日常の中、愛を証明する貴女の物語』

『〜TRANSMIGRATION OF LOVE PROVE〜』








『すべての攻撃手段が潰された私に襲い掛かるシグナム』

『そのとき、私の側に光柱が現れ、会いたかったあの人に、最悪の結末を聞いてしまった。』

『―――貴女の声は届いていても、翼のない私は堕ちていくだけ』

『―――セピア色に色褪せる事無く、悲劇は私を苦しめる』

『次回、詩篇 〜INSIDE OF A WILDERNESS〜 第六話 復活、魔法剣士なの!? 中編に「ブレイクアップ』




















『フェイトちゃんがやられそうになったとき、お兄ちゃんが助けに来てくれた』

『でも、お兄ちゃんは、あの時の姿で……』

『次回、詩篇 〜TRANSMIGRATION OF LOVE PROVE〜 第六話 復活、魔法剣士なの!? 中編に「ドライブ、イグニッション」』







緋翔「第六話から分岐構成で書いていこうと思います」

フェイト「私、いつの間に日本国籍取ったんですか?」

なのは「わたしまで改名されて御神になってるよぉ〜」

緋翔「....それは、もう一つの詩篇(外伝)を作成予定しているので、その物語をお楽しみにしていてください。お二人とも」

飛翔・菜乃葉「『緋翔さん』それよりも」(無の位の構え)

緋翔「えっ、二人ともその構えって!? それ御神流じゃないでしょうが!!」(慌てて手に持ったのは竹刀)

飛翔・菜乃葉「「飛天御剣流」」

飛翔・菜乃葉「「龍追閃・斬」」

飛翔・菜乃葉「いい加減、加筆修正をしなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!」

緋翔「というわけで、修正作業を優先しようと思います」(二人の剣を神谷活心流奥義と白刃取りで防ぐ)






『加筆修正についてご指摘ございましたら掲示板に書き込みよろしくお願いします』







新たなデバイスが発動。
美姫 「でも、フェイトのデバイスはエラーが」
一体どうなっているのか!?
美姫 「次回が気になる」
それでは、次回で。
美姫 「それじゃ〜ね〜」



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