訪れたのは平穏。
 でも、それは一時の安らぎ。
 闇の書事件から六年が経って……私達も高校生になって……。そろそろみんな自分たちの進路を考え出す頃で。
 そんな日常な時を壊したのは静かな悲しみ。
 深くて深くてどうしようもなく悲しくて、私達はそれをしっかりと受け止めなくちゃいけないのかも……しれません。

 魔法少女リリカルなのはBREAK’S

 始まります――。


 第一話 新しい友達と緊急集合なの!?


「これで……本当に闇の書事件も御終いね」
 海鳴市の自宅で久しぶりで懐かしい友人であるレティ=ロウランを迎えたリンディ=ハラオウンは、友人が持参した書類にサインを記入し終えると、大きく息をつきながら彼女特有の優しい顔つきを更に柔和にさせた。
 生まれが地球ではないミッドチルダという異次元であるリンディは、黒緑色の髪をポニーテールにまとめてクリーム色のストールを緑色のセーターとストレートのジーパンというスタイルの上から羽織っている。そんな地球式なラフな格好が似合っているのも、彼女特有の優しい雰囲気と見た目の麗しさがあるからだろう。
 対してレティもまたミッドチルダ出身である。
 こちらは紫がかった髪を項でまとめ、幅の狭い眼鏡と若干男っぽい言葉使いしているのでキツく見られがちだが、時折見せる小さな笑顔はリンディと同じく優しさを醸し出す。 上下揃ったベージュ色のタイトスカートのスーツにジャケットの下にボタンに沿ってフリルがあしらわれたシャツという姿の彼女は、友人がサインした書類を見て満足そうに頷いた。
「そうね。ロストロギア事件は状況終了から六年経過を見る事になってるから、ね」
「はやてさんや守護騎士の四人も、肩の荷が下りたんじゃないの?」
「それはお前だろ? PT事件から闇の書事件まで何気に肩肘張っていただけでしょ?」
「あら? バレてた?」
「付き合いはクロノより長いんだぞ」
 互いに紅茶のカップを手に取ると、どちらかともなく口に含んだ。
「さて、それじゃ私は戻るよ」
「もう? 夕飯まで居ればいいのに」
「引退したリンディじゃあるまいし、暇はないよ」
 衣着せぬ物言いに苦笑しつつも、確かにレティが働いている職場を考えると余裕などないのかもしれない。
 元々リンディもそうだが、彼女たちはミッドチルダの時空管理局と呼ばれる政府機関で働いている。ミッドチルダは他次元と比べて高い科学力と共に魔法技術が発達し、それ故まだ別次元との交流ができるレベルではない次元世界にまで手を伸ばそうとするミッドチルダ人が増えた。
 そういった人々を管理する警察的な役割を果たす反面、次元空間の存在自体を脅かす技術に対する発掘や管理業務も存在する。
 レティが今回リンディの元を訪れたのは、彼女が在職中に担当した最後の危険な技術――ロストロギアと呼ばれているが――闇の書事件を担当しており、終了のサインは担当したチームの提督クラスが行わなければならない規則があるからだ。
 それが例え引退したといえども、本人以外のサインは全て無効になるため、急逝以外のどんな場合であれ、引き継いだ担当がサインを受け取りに来るのようになっている。
 特に久しぶりにリンディと再会したレティは、武装局員の取り纏めを行う防衛部のため、こうやって暇を見つけられる事自体が珍しい。
 もちろん、それを理解しているからリンディもそれ以上は何も言わず、玄関へレティを見送りに続いた。
「次はゆっくり遊びに来てね」
「ああ。わかってるわ。今度はフェイトやなのはにも会いに来るよ」
 爪先と簡単に床に当てて足の位置を整えると、レティはお気に入りのパンプスをしっかりと履いた。
「それ……」
 それじゃ。そう言って後にしようとした時、唐突にレティの腕時計式通信機が小さなコンピュータ音を奏でた。
 すぐに腕を持ち上げスイッチを入れると時計の真上に小型のホログラフィモニターが表示され、中に部下が映し出された。
『折角の休息時間にすいません』
「いや構わない。どうした?」
『それが……どうも海鳴の近くにある月守台から極端な魔力反応がありまして……』
「月守台?」
「ここからだと飛んで五分程度のところにある峠よ」
 日本の地名に疎いレティに、リンディがすかさず補足を入れた。
 目で小さく礼を述べると、部下に続きを促した。
『それでちょうど手隙の武装局員が居たので簡単な調査を出したのですが……』
「連絡がない?」
 モニターの中で部下が小さく頷いた。
『申し訳ありません。私が軽率に調査を行ったばかりに……』
「いや、お前のせいじゃない。それより連絡が途絶えたのは何時の話だ?」
『約十分前です』
「空いている武装局員は?」
『――シグナムが休暇でそちらに居ます』
「なら連絡を取ってくれ。休暇途中で悪いけど」
『了解』
 モニターが消え、レティが心配そうなリンディに気付き安心させるために笑顔を見せた。
「大丈夫よ。シグナムが動けば大体終わるわ」

 だが――事態はそう簡単に終わるものではなかった。

     ◇      ◆      ◇     ◆

 そうとは知らず、私立聖祥学園高等部・一年D組に在籍する高町なのはは自分の手元に来た進路希望用紙を机に置いて、窓の外に視線を向けた。
 黒板前で説明している鷹城唯子の話を聞きつつも、広がる青空を見つめた。
 なのはの進路はすでに決まっている。
 いや、正確に言うのであれば小学三年生のあの日から、決まっていた。
 声を聞き探しそして助けたフェレット。
 彼との出会いが全てを変えたのだから。
 ふと昔を振り返り、その時に出会った親友を見るべく窓と反対側に座っている金髪の柔らかい髪をストレートにしている女の子に視線を振った。
 ターコイズブルーの瞳で真剣に鷹城教諭の話を聞きながら、用紙とにらめっこよろしくシャーペンを握っている。
 フェイト=T=ハラオウン。
 小学三年生から……いやあの事件から大切な親友となった彼女は、今は同じ時期に知り合いになったリンディの養子となっている。昔はなのはと一緒でツインテールにしていた髪も最近はストレート一辺倒だ。
 ちなみになのはは綺麗な焦げ茶色の髪を左頭上でまとめている。
 今年からマイナーチェンジで色を薄い紫に変えたブレザータイプの制服が西洋風の彼女にはよく似合っている。
 と、フェイトを見ていると彼女の後ろから、同じ金髪でセミロングの勝気な容貌の美少女が話しかけた。
 なのはの幼馴染、小学部入学と共に仲良くなった三人組の一人でアリサ=バニングだ。 実家が日本でも有名な財閥の一人娘なのだが、誰彼構わず人見知りしない性格のせいかまるでそういう事情は鼻にかけない。
 学園でもおっとり系のフェイトと勝気なアリサが並んで歩いていると、男子生徒の注目の的になる。一緒に歩いているなのはが引いてしまうくらいにだ。いつも二人のように可愛くなりたいと思っているなのはには、微妙にトラウマだったりする。
 それはさておき、大体二人が話している内容がわかった。
 アリサももう一人の幼馴染も、なのはとフェイトが決めている仕事に興味を示している。一度見学を希望されたがさすがにリンディとフェイトの義兄に却下された。それでも機会があれば携わりたいと願っているらしく、何回か話を聞かれている。
「でも、何て書けばいいのかな?」
 仕事的には警察関係なのだが、如何せん時空管理局云々と書いても理解されないだろう。「提出は一週間後です。皆さん二年生になる時のクラス分けにも使われますのでしっかりと考えてくるように」
 一度時計を見て少し早くホームルームを終えると、クラス中が一気に放課後ムードに突入した。
 高校一年となれば進路を考え出すが、まだ友人達や恋人との一時を優先したい時期でもある。
 明るい雑談が教室中を包んだ。
 なのはも教科書を学校指定の手提げ鞄にしまうと、人波を縫って親友二人組の前まで移動した。
「フェイトちゃん、アリサちゃん、帰ろ〜」
「あ〜、ごめん。今日は生徒会の集まりがあるのよ〜」
 即座にアリサが答えて両手をパン! と音を立てて合わせた。
「私も……今日は部活が……」
 フェイトは高校で勧誘されて天文学部に入部した。
「明後日の夜間観察の打ち合わせがあって」
「そっか。それじゃまた明日ね」
 なんとも間の悪い空気を振り払うように、なのはは小さく手を振って教室を後にした。
 廊下はちょうどチャイムが鳴ったところで、ようやく並んでいる教室からそれぞれの担任が出てきてたところだった。
 なのははそのまま二つ前のB組の教室を覗き込んだ。こちらは少し時間オーバーしたようでまだ担任の相沢祐一が教室にいた。
「こら! 高町! もう少し待ってろ!」
「あ、はい!」
 即座に見つかってしまい、頬を赤くしながら廊下に引っ込んだが、中から小さな笑いが聞こえてきて顔中真っ赤にしてしまった。
 そんな教室の中で一人だけ苦笑していた女の子がいた。
「あかんなぁ。なのはちゃんったら」
 八神はやて。
 六年前に起きた闇の書事件と呼ばれるロストロギア事件の被害者であり加害者である。彼女は大規模破壊を行っては転生していく闇の書と呼ばれる意識を持った魔道書がマスターとして選んだ少女であった。闇の書は封印を解くと同時に彼女にヴォルケンリッターと呼ばれる四人の守護騎士を与えた。だが子供らしい純粋さからか、生まれてから味わったことのない家族の温もりのせいか、四人を家族として迎え入れた。
 今はすでに回復しているのだが、当時は車椅子を使わなければならない生活を行っており、彼女の病気の原因は闇の書による魔力の衰退が原因であった。守護騎士はマスターであるはやてに内緒で、闇の書を完成させるべく生き物の魔力の源・リンカーコアを集めて回った。
 これが被害者であり加害者でもあるという所以だ。
 だが闇の書事件の後、彼女と守護騎士は時空管理局に入局し、今では捜査官として働いている。
 ショートカットで横に垂らした一房の髪に十字の黒いアクセサリーとオレンジ色の平行になった細い棒のアクセサリが彼女のトレードマークだ。
 相沢教諭もすぐにはやてに気付き、クラス委員長に終礼を促した。
「起立、礼!」
「高町〜、もういいぞ〜」
「あ、は〜い」
 またしてもどっと教室中が湧いてしまい、真っ赤になりながらも教卓前にいるはやてのところにやってきた。
「なのはちゃん。タイミング悪すぎや」
「う〜。恥ずかしかったぁ」
 四十人に笑われれば、それは恥ずかしいだろう。
 ぽんぽんと机につっぷして隠れているなのはの頭を優しく撫でながら、はやても少し口元に笑いが零れている。
「それでどないしたん?」
「あ、うん。別に用事がある訳じゃなくて、一緒に帰ろうと思って」
「ありゃ。ごめんな。ウチ、今日はヴィータと待ち合わせしてん」
「待ち合わせ?」
「前々から約束してた映画行こうかと思ってて。なのはちゃんも一緒に行く?」
「う〜ん……、今月はお小遣いピンチなんだ」
「ありゃりゃ」
「ごめんね」
 こちらもどうやらフラれてしまい、苦笑しながらなのはは再び教室を後にした。
 後ろからはやての謝罪の言葉に、振り返らずに手を振ってから残った親友を思い浮かべて隣のA組を覗き込んだ。こちらはすでにHRも終わったのか、担任も見えなければ生徒も疎らだ。その中でも自分の真ん中の列の一番後ろにいた、目立つ濃紺の綺麗な髪をフェイトと同じくストレートにして、それをリボンで前髪が落ちないようにまとめている。毛先が少しウェーブかかっているのは、彼女の母親の遺伝で天然パーマがかかっているらしい。
「すずかちゃ〜ん」
「え? ああ、なのはちゃん」
 自分を呼ぶ声に月村すずかは少しだけ周囲を見渡してから、後ろの入り口付近で手を振っているなのはに気がついた。
 まだ鞄の中に教科書を入れ終えてなかったすずかの元に、なのはが結んだ髪を上下させながら親友の隣に並んだ。
「ね。すずかちゃん、一緒に帰ろう?」
 てっきりいつもの調子であれば「うん、いいよ〜」と若干間延び気味の返事が返ってくるのだが、今日に限ってはすずかも他の三人と同じく表情を曇らせた。
「ごめんなさい。今日は忍お姉ちゃんのところに顔出さないといけないの」
 忍というのはすずかの姉であり、なのはの兄・恭也と同じ大学の工学部に通っている容姿端麗の才媛だ。才媛なのだがかなり変な部分もあり、自分の発明に意欲的であるために、時折自室から出てきて食事すら忘れてしまう事があるのだ。そのため両親が時々すずかを忍の元に派遣するというアクシデントが発生する。
 すずかの家もアリサの実家と同じくらいに有力な資産家なので、メイドを雇っているのだが忍が自分のお抱えメイドを二人とも発明につき合わせ、更に他のメイドの入室を禁止してしまうため、妹のすずかが様子見の役割を担う羽目になった。
「あはは……。忍さんらしいや」
 また忍は兄の恋人でもあるため、なのはも生態はある程度熟知している。
 思わず零れた苦笑に、この後のすずかの苦労が頭の上にありありと浮かんでしまった。
「そういう事だから、なのはちゃん、ごめんね」
「ううん。大丈夫だよ。それじゃ一人で帰るね」
「他の三人は?」
「みんな用事」
 それを聞くと、すずかの表情がもっと申し訳なく沈み込んだ。
「ああ、気にしないで。こういう日もあるよ」
「うん……。本当にごめんね」
 どうせ帰るのであれば、一緒に帰ればいいのだがすずかが両親から忍の様子見を申し付かったという事は、三日は食事もせずに自室に篭りっ放しになっている筈だ。そのためお迎えのリムジンが到着し、大急ぎで帰ってしまう。
 それでも玄関口まですずかとおしゃべりを楽しんで、車が走り去るのを見送るとなのはもため息混じりに自宅への帰路についた。
 こうして一人で帰る事も最近は多くなっている。
 アリサは生徒会、フェイトは部活、はやては四人の家族を持っているので家事で忙しいし、すずかは比較的空き時間は多いがそれでも習い事が多いのですぐに帰ってしまう。忙しいとはいえ塾が一つと喫茶店の手伝いだけの帰宅部員としては、こういう時間帯がどうしても寂しく思う。
 昔は良かったな……。
 等と思うほど前の出来事ではないが、それでも中学まではみんな一緒に帰っていた。
 帰りによく翠屋によってお茶をしたのも、ここ一ヶ月で一回あったかどうか。
「早く帰って、本局に行こう」
 本日は普通の休日なので、海鳴でのんびりと友人達と語らおうかと思っていたのでやる事がないなのはは、ミッドチルダ時空管理局の無限書庫で司書をしている友人であり、魔法の先生でもあるユーノ=スクライアの手伝いでもしようかと思い浮かべた。
 その時、胸にペンダントとして下げているなのは赤い宝石『レイジングハート』が小さく振動した。
「レイジングハート?」
 と、宝石の名前を呼ぶと同時に、今度は手に巻かれたレティと同じ腕時計型通信機が鳴った。
 なのはは周囲に人気がない事を確認してから、スイッチを入れた。
「はい、なのはです」
『あ、なのはちゃん? エイミィだけど、今大丈夫?』
 エイミィ=リミッエタ。
 六年前の事件で知り合った、今では友人であり姉のようでもある元気な女性だ。ちょっと癖っ毛だが、うまくアレンジして外にピンと跳ねさせていて、それがまた彼女に元気印を印象つけている。
 そんなミッドチルダ本局付移動戦艦アースラのメインオペレーターを勤める彼女からの通信に、なのはの表情が引き締まる。
 お元気で時折抜けた動作をしてしまうが、職務中に意味のない通信をするような人でないのを知っているからだ。
『実は月守台で異常な魔力増減を感知して、シグナムが調査に出たんだけど連絡が途絶えたの』
「シグナムさんが?」
 闇の書事件の際にはやての守護騎士となった赤いポニーテールの凛とした女性騎士で、ミッドチルダの魔導師ランクでAAA(最高ランクS+)を誇る凄腕の魔法剣士である。
 使う魔法はベルカと呼ばれるミッドチルダと次元を同じくする魔法国だが、今は闇の書のせいで存在していない。だが彼女と彼女が杖の代わりに使う魔導剣レヴァンテインは数々の事件を解決してきた敏腕である。
 だが――。
「えっと、ただ通信機を壊しちゃったとか……」
『科学的な呼び掛けと魔術的な呼びかけを行って連絡なし。元々レティ提督の武装局員が連絡が取れなくなって、代わりに確認をお願いしたんだけど……』
「わかりました。丁度時間もありますし、私が様子を見てきます」
『いいかな? お願い! 休日で平日でしょ? フェイトやはやてちゃんは用事あるってアルフとクロノ君から聞いてたし、他の守護騎士とクロノ君は別任務ですぐにいけないし困ってたんだぁ〜』
 あまりにあっけらかんと事情を自白したエイミィに笑顔を返して通信を切ると、なのはは近くのビルの屋上に上がった。
 そして胸元からレイジングハートを取り出すと目の高さに持ち上げた。
「レイジングハート!」
<YES.MY MASTER>
 宝石の名前を呼ぶと同時に、レイジングハートから赤い光が零れ始める。また同じくして輝きは意思を持つように点滅や輝く箇所を変え、言葉を発した。
 別次元であるミッドチルダ。
 かの国のある次元では魔法が化学と融合しながら発展を遂げた。魔法をより強化するべく人工知能搭載型魔法補助道具。通称デバイスが開発された。なのはの持つレイジングハートはその一つだ。
 そしてなのはがそれを持つという事は、彼女もまた地球のある三次元に住みながらも高次元にあるミッドチルダ時空管理局に属する魔導師なのである。
「セーーーーットアップ!」
<STAND BY READY.SET UP.>
 レイジングハートの表面に白く文字が浮かんだ。文字はそのまま白と赤の光の帯となって宝石から飛び出しなのはの体を包み込んでいく。手には指の出る形のグローブ。ハーフパンツの上に右下半身を覆うような薄い生地のパレオに、肩にパットが入っているような丈の短い長袖のジャケットの下に赤いリボンが胸元にあしらわれたボディラインのわかるシャツがある。髪を止めていたリボンも大きなものへと変化する。
 ポイント毎に青や赤というアクセントはあるが、全てを白一色でまとめた姿は、魔導師が魔法を使ったり戦闘になる時に体を守る役割のあるバリアジャケットと呼ばれるものだ。
 成長に合わせて何度か衣装チェンジを行ったが、今は活動的な服装に足元もヒールの低いロングブーツを履いている。
 そして最後にレイジングハートが変わった。
 宝石が大きくなり周囲を魔法粒子として空間に収納していた金色の半円形の金具の中に収まると、ピンク色の柄部分が組み合わさる。
 それは杖であった。
 杖となったレイジングハートを手に持つと、閉じていた瞼を開き、魔導師高町なのはは大きく息をついた。
「それじゃ行くよ! レイジングハート!」
<YES.MY MASTER>

 こうしてなのはもまた月守台に向かった。そこに待ち受けているものが何なのか知らずに……。




夕凪「あれ? こんなに時間が空いてとら剣や極上じゃないんだ?」
うん。それについては真面目な弁解があって、PCクラッシュで現在復旧作業中なのだ。
夕凪「なのでお遊び予告とかじゃなくて、普通に予告していたリリカルなのはのSSになったのね」
そうそう。だから正直今回だけは遅れた事は勘弁してほしいかな。
夕凪「そうね。PC直すのにマザーボード三回交換、CPUメーカー故障確認。HDDの総とっかえなんてやってたもんね」
そういう訳なので、近々とら剣は新しいの投稿しますが、それまでリリカルなのはでお楽しみください」
夕凪「TVアニメの終わった六年後の設定。どんな戦いが待ち受けるのかお楽しみに!」
……楽しみにしている人いるのか?
夕凪「知らない」





勿論、楽しみにしてますとも。
美姫 「遂に始まった夜上さんによるリリカルのお話」
一体、何が待ち受けているのかな〜。
美姫 「楽しみよね〜」
うんうん。PCクラッシュは辛いだろうけれど、頑張ってくださいね。
美姫 「それじゃあ、次回も待ってますね〜」
ではでは。



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