閑章「動き始めた謎の組織」

 

 

 

――2001年1月28日、午後11時32分

 

 

 

東京・文京区千石の広壮な邸宅を次々に訪ねる、黒塗りの乗用車の姿があった。

乗用車はいずれも、どっしりと構えた四脚門の中にはいっていき、門前の爪どころで張り番に立つ警察官が、そのつど、直立不動の姿勢で挙手をした。

それだけで、この邸宅の主も、黒塗りの乗用車に乗って訪れる者達も、ただならぬ人物であることが見てとれる。

やがてやがて四脚門は固く閉じられ、辺りに漂っていたかすかな排気ガスの臭いも、冬の冷たい風で消え去り、夜の静けさが深まった。

ひとすじの風が吹き抜けて、邸宅内のうっそうたる樹木がざわついたが、すぐまた静けさを取り戻した。

ここは内閣総理大臣・海棠(かいどう)俊造(しゅんぞう)の屋敷であった。国民や諸外国の政財界筋から、“白鯨”の異名で呼ばれる、日本の大型宰相である。否、超大型、と形容するべきかもしれない。

その類稀な、卓越した政治手腕は、特に外交において発揮され、彼の持つ膨大な人脈は、低迷していた日本の経済状況を、高度経済成長期の98%まで回復させていた。

まるで細い銀の糸を思わせる白髪は見事の一言であり、そこから、“白鯨”の異名はきている。

その、海棠邸の、二十畳ほどの奥座敷。

冬の澄んだ空気に触れた枯山水の庭に面した、その書院造風の座敷に、海棠を含め、11名の人物が集まっていた。

海棠以外の10人のうち、6人の人物を明らかにすれば、内閣官房長官・深町(ふかまち)伝達(でんたつ)、法務大臣・伊達(だて)和人(かずと)、財務大臣・(くに)(はやし)秀和(ひでかず)、国務大臣・藤原平三郎、警察庁長官・杉山(すぎやま)(れい)太郎(たろう)、そして最高検察庁検事総長・新道(しんどう)(かつみ)という、錚々たる顔ぶれであった。

“白鯨”の異名を持つ超大型宰相の下に集ったこの6人は、いずれもが海棠同様、しばしば超大型の形容を用いられる、まさに日本の『カミソリ集団』であった。過去、未来において、これほどまでに優れた内閣組織はもうあり得ないだろうとすら、言われている。

さて、この『カミソリ集団』と、“白鯨”海棠俊造を除いたあとの4人は、おおよそこの7人と一同を介すにしてはそぐわぬ恰好をしていた。

なんと彼らは、全員が軍服をその身に纏っているのだ。自衛隊将校の制服ではない。また、既存の各国軍隊のものでもない。アサルト・スーツと礼服としての役割を兼用した、独特の軍服であった。

我々は、この4人のうち、3人を知っている……

奈良県『外・大神神社』で200日にも及ぶ断食をこなした、大神一族最強の剣士……大神狼月。

千葉県房総半島の先端、野島崎に診療所を構える、旧軍の正式拳銃を持つ謎の男……黒木雄介。

そして、今年の1月5日に、件の黒木診療所に4機の軍用ヘリを率いて訪れた、あの軍服の男……

そして、軍服をりゅうと着こなした最後の1人……彼の正体を知るためには、我々はもう少しこの場の展開を見守らねばならない。

そして、何故このような異色の11人が集っているのかも……

「さて……」

床の間を背にした海棠が、居並ぶ実力者達、そして軍服姿の男達の顔を見回した。“白鯨”の異名の由縁たる見事な白髪の下で、二つの眼光が鋭い。その爛々と輝く双眸は、とてもこの超大型宰相が、もう74歳の高齢であることを感じさせない。

「一時間ばかりにしかるべき筋の方々から報告がありましたが、彼らが持ち込んだ内容は改めて皆さんには述べるまでもないと思う」

政界の『カミソリ集団』は、一様にして頷いた。目で頷く者、コクリと小さく首を振る者、口元を引き締め、その意思を表す者など、様々であった。

海棠の口にしたしかるべき筋の方々が何者かはさておき、彼らが持ち込んできた報告とは、四十万市の完全封鎖体勢の進行状況についてであった。

住民全員に後遺症のない薬物を投与することで3時間の睡眠を確実にし、道路交通網の整備、ある特殊な通信電波以外の完全なシャットダウンと……まさにいたりつくせりの状況は、着々と整いつつあるようだった。

「問題は彼らの動静ですが……藤原君」

「はい」

海棠の言葉に、国務大臣にして防衛庁長官である藤原平三郎が答えた。

「航空自衛隊と、海上自衛隊に調査させましたところ、現在に、日本海中でロシアのものと思われる潜水艦が一隻、領海ぎりぎりのラインで待機しています。また、太平洋の方では米第七艦隊が、紹介にしてはいささか接近しすぎているような帰来があると、報告を受けています」

「ふむ……杉山君」

「国内の監視網を強化してみましたが、依然として不審者は発見されておりません」

「ふぅむ……闇舞君、この状況をどう見ますか?」

闇舞と……そう呼ばれた、軍服を着た最後の男が、眉根をひそめて口を開いた。

「今夜に限って言えば、米海軍及び在日米軍が四十万市に過度の干渉をしてくることは、まずないでしょう。彼らはむしろ、漁夫の利を狙ってくるでしょうから、動くにしても、事が終わった後か、我々が消耗したころに仕掛けてくるはずです……」

そこまで言って、闇舞と呼ばれた男は一旦言葉を区切った。

たった10秒にも満たない言葉だというのに、海棠らの額には薄く汗が滲んでいた。

“白鯨”の異名を持つ超大型宰相と、政界の『カミソリ集団』が、である。

それは、この闇舞という人物の言葉が、それだけ重要な意味を持っていることを示している。

闇舞は、言葉を紡いだ。

「問題は、ロシアの動静です。日本海近海に潜伏している潜水艦は、おそらくヘリ搭載能力を有した艦でしょう。それも、かなり強力なヘリが搭載されていると、見るべきです。……最悪、四十万市に配備した部隊の半分以上が、血を流す可能性を憂慮せねばなりません」

「唯一幸いなのは、GRU本来の動きがかなり抑制されているということでしょう」

闇舞の言葉の続きを、狼月が紡いだ。

狼月が口にしたGRUとは、世界最強の秘密情報機関として西側に恐れられた旧ソ連国家保障委員会(KGB)と肩を並べたスパイ機関であり、見方次第ではKGBよりも遥かに恐るべき組織とされていた。

全世界へ支持命令に忠実な非合法工作員(イリーガル)を多数展開し、西側の政治家や財界人、高級軍人などの暗殺を実行してきたのはKGBよりも、むしろこのGRUであるとすら、言われている。なかでも、テロリストの養成能力に関しては、特筆すべきものがあり、名のあるテロリストが幾人も養成されてきた……と、最近になって、判明しつつあった。

「本国におけるGRUの動きは、KGBの後進であるロシア連邦保安局FSBが頑張ってくれているので、本国にいる一騎当千の精鋭達が日本に現れることはまずないでしょう。日本国内に潜んでいると思われるGRU要員もその半分……いえ、3分の1は、ほぼ機能を失っていると考えられます」

「ただ、3分の1という数字は推測にすぎませんが」と付け加え、狼月は海棠に言った。

このとき、内閣官房長官・深町伝達が、背広の右ポケットを手で押さえた。

「総理、申し訳ありません。携帯が振動しましたので、縁側に出させて戴きます」

「君さえよければ、此処でいいよ」

「そうですか。それでは……」

深町伝達は、取り出した携帯を、耳に当てた。

二言三言やりとりした深町が、「そうか……」と、背筋を伸ばして頷いた。

「判った。総理にはたしかに伝えましょう」

携帯のフリップを閉じて海棠と視線を合わせた深町を、実力者達は注目した。

「しかるべき筋の方々からの、連絡です。四十万市の閉鎖が完全に完了したと……」

「そうですか……」

「いよいよですね」

財務大臣・国林秀和が、暗い面持ちで言った。

「4年と1ヶ月……長かったねぇ」

これは最高検察庁検事総長・新道克である。

「この4年以上の間……叶和人が……吉田信一が……どれほど辛い思いをしたことか……」

「だが、それもこれで終わる……」

「いえ、これは始まりにすぎないよ」

法務大臣・伊達和人の言葉を、海棠が遮った。その後に、狼月が続く。

「今夜の戦いは叶和人と吉田信一……彼らの、贖罪のための儀式に過ぎません。今夜頑張ったところで、『メサイア・プロジェクト』は止まらないし、現状は変わらない……もっと言えば、今夜の戦いは贖罪の儀式のために必要な、下準備といったところでしょう」

「けど……」

「ええ、ですが少なくとも、今夜の戦いが、彼らにとってひとつの終わりであり、また始まりであり、問題の継続であることは、たしかです」

締めくくった闇舞の言葉に、皆が頷いた。

それは、今夜の和人と信一の戦いの真実と、意義を知る者達の頷きであった。

そしてそのときである。

今の今まで沈黙していた黒木が、ついに口を開いたのだ。

「藤原さん、四十万市に最も近い自衛隊の基地は、海自の横須賀基地でしたね?」

「ええ、そうです」

「横須賀には航空機は配備されていますか?」

「ええ、配備されているには配備されていますが……とはいえ、自衛隊全体として見ると、それほど強いというわけではありません」

「では、四十万市に近いところで、強力な航空機が配備されている基地は何処でしょう?」

「陸自なら木更津、海自なら厚木、少し離れますが、空自なら百里でしょうか……木更津には強力なヘリコプター弾が配備されていますし、百里には、やはりこちらも強力な戦闘機部隊が配備されています。……ただ、海自の厚木に関しては、戦闘部隊というよりも、哨戒部隊という意味合いの方が強いので、いざ戦闘になった場合、いささか不安かもしれません」

「ふむ……大神君」

黒木にその名を呼ばれ、狼月は静かに背筋を伸ばした。

目の前にいるこの男に対する、否定しようのない尊敬の念が、その動作からは感じられる。

「百里基地にはどんな戦闘機が配備されているのかね?」

「……F−15Jイーグル、F−4EJファントムUを主力に、支援機であるF−1、F−2などが配備されております」

「闇舞君はたしか……」

「はい。F−4ファントムU、F−15イーグルならば操縦できます」

闇舞の答えを聞いて、海棠は目を閉じた。しかし、それはほんの十数秒のことであった。

圧倒的多数の政治家や学者、市井の人々から支持されている“白鯨”が、口を開いた。

「黒木さん、あなたの言いたい事はよく分かりました。そこで、藤原君……」

「はい」

「君は直ちに百里基地に連絡をとって、F−15Jをスクランブル体勢にしておいてください」

「判りました」

平三郎が立ち上がって、狼月も彼を護衛するためか立ち上がる。

しかし、平三郎はそれを軽く手で制すと、「今は総理の命令でのみ動いてくれ」と、言った。

狼月が、力強く頷く。

「闇舞君は藤原君と一緒に百里基地に向かって、そのままスクランブル体勢に入ってください」

「了解しました」

闇舞が立ち上がり、国務大臣に向かって「ご同行させていただきます」と言った。2人が部屋から出て行く。

「杉山君と新道君は全国の警備網、情報網を強化してください。何か不信な情報が手に入ったら、すぐに連絡するように」

「はい」

「判りました」

杉山と新道が同時に立ち上がると、「私が護衛いたしましょうか?」と大神が切り出し、海棠が「うん」と同意した。

3人が部屋から出て行くと、深町に向かって、海棠は物静かに言った。

「叶和人と吉田信一の戦いに関する情報は逐一、報告されねばなりません。彼らもそれぐらいは心得ているはずですから、これ以上は、電話口だと盗聴の恐れがあります。深町君は直接交換台に赴いて、入ってくる情報の厳選をしてください」

「了解です」

深町が立ち上がって軽く一礼し、部屋から出て行くと、海棠の前に残ったのは伊達と国林、黒木と、未だ名前すら明かされぬ軍服の男の4人となった。

最後に部屋を出ていった深町の足音が聞こえなくなって、法務大臣・伊達和人がおずおずと口を開く。

「総理……」

「ん?」

「今更ながら改めてお聞きしますが、今夜の戦い……叶和人と、吉田信一の死闘にはどのような意味があるのでしょうか?」

「大いにあるよ。少なくとも、彼らにとっては……ね」

海棠は腕を組み、目を閉じて静かに答えた。

その仕草にただならぬものを感じながら、伊達は質問を続ける。

「わたしは『国家安全委員会』に入ってまだ1年も経たない若輩者です。ですから、4年前の事件というのが、よく分からないのです。あ、勿論、事件の概要については報告書を読ませていただきましたが……」

『国家安全委員会』……伊達が言ったその名前こそが、彼ら11名の集まりであることは、明らかであった。

海棠は伊達の質問には答えず、ただひたすらに枯山水の庭に視線をやっていた。

それが拒絶の意思を示す態度であることを見抜けぬほど、伊達は愚かではない。

喉のあたりまで出かかった続きを呑み込んで、伊達は押し黙った。

それに代わるようにして、財務大臣・国林秀和が口を開いた。

「海棠総理……」

「どうしました?」

「わたしの手は今、緊張のあまり汗ばんでおります」

「私もです」

「やはり総理ほどのお方でもですか」

「私は鮫でなければ鱶でもない。当たり前の人間ですから、あれほど大きな意思決定を下すときは緊張ぐらいしますよ。たとえメンバー全員の賛同があったとしてもね」

「はぁ……」

「それよりも茶室に行きましょう。一服、付き合ってください。次の意思決定に備えて、心を研ぎ澄まさねばなりません」

「そうですね」

2人は縁側に出て、茶室に向かった。その後姿を、黒木と、軍服の男が静かに追う。

枯山水の庭に、一陣の旋風が巻き上がった。

 

 

 

――1996年12月25日、午後10時21分

 

 

 

雪が降っていた。

しんしんと天より降り注ぐ粉雪は、夜道を歩く和人の肩に触れ、そのたびに消えていく。

雪が降り始めたのは9時頃……もう一時間以上も、和人は雪の降る中を、傘も差さずに歩いていた。愛用の黒のロングコートは、すでに濡れそぼってその機能をなしていない。

しかし和人は、そんなこと気にもせず天を仰ぎながら歩いた。

まるで、歩くことでこの世の中から逃げ出すように……

「和人!」

その背後から、信一が彼の名を呼んだ。

静かに歩く和人とは対称的に、猛々しいまでに走る信一は、やはり白のトレンチコートを着ていた。

和人を追い越して前に回り込み、がっと両肩を?む。

だが和人は、それをつまらなげに一瞥すると、気だるそうに信一の手を払い除けた。

そして、何事もなかったかのように、また歩き始めた。

「待てよ、和人!」

信一は、和人の肩をがしっりと?むと、渾身の力を手に籠め、ぐいっと和人の肩を引き寄せた。

振り向いた和人に、信一は言った。

「本当に……行くのか?」

その質問に、和人は億劫そうに「ああ」と答える。

「何故……何故、今なんだ……!? 『メサイア・プロジェクト』が進行中の今、『組織』を抜けることは自殺行為だぞ!? あまりにも……無謀すぎる」

「無謀でいい……愚かと言われたとしても、構わない」

「和人……!」

「いいんだ、信一……」

檄昂する信一に、和人はむしろ穏やかな表情を浮かべた。

「あいつは……静流は言って(・・・)くれた(・・・)()……こんな俺に向かって……言って(・・・)くれた(・・・)……だから、俺は嘘でも笑っていなければならないんだ」

それが彼女に対して冷たい態度をとってきた自分の贖罪となるのならば、無理にでも自分は笑い続けよう……

だが、和人の言っている言葉の意味が分からない信一はただ叫ぶばかりであった。

「何を言っているんだ和人!? 笑いたければ笑えばいい! 俺達は人間だ。それぐらいの権利があったっていいじゃねぇか! 『組織』に身を置いていたって、笑うことは出来るだろ!!」

「いや……」

和人はゆっくりと首を横に振った。

「……静流との約束は関係なしに、俺は『組織』から去らねばならない。任務に対して私情をもってして取り組んだ挙句、俺はあいつを……静流を、死なせてしまった。これは明らかに規則違反であり、俺個人の、けじめの問題でもあるんだ」

規則のことを持ち出されては、さすがに信一も黙らざる終えない。

自分達が所属する『組織』の規則は絶対であり、破った者は死をもって償うか、厳しい守秘義務と監視体制に置かれながら、これからの一生を送らねばらない。そんな自由を束縛された生き方など……それはもはや、拷問ではないか。

信一が言葉に詰まっていると、和人は歩みを再開した。

信一が、その背中に向かって、何か叫ぼうとした。

だが、言葉は喉にひっかかったように、上手く出てこないかった。

やっとの思いで出てきた言葉は、またしても制止の言葉だった。

「和人!」

名前を呼ばれ、振り返る和人。

信一は、そんな和人に向かって大声で叫んだ。

「4日後の深夜、俺と一対一(サシ)で勝負しろッ!」

和人が、一瞬だけ虚を衝かれたような表情を浮かべた。

その隙に、信一は思いの猛りを、一気にまくしたてた。

「ルールはなし。銃器の使用も、それ以外の武器の使用もあり。相手が降参するか、死ぬまで続ける。そして負けた方は、勝った方の言う事を絶対に聞かねばならない」

“轟”と、風が嘶いた。

粉雪が舞い上がり、2人の間を、嵐のように駆け抜ける。

和人の前髪が揺れ動き、信一の額を、冷たい雪が濡らした。

「お前が勝ったら俺は何も口出ししないし、俺はお前の命令を何でも聞いてやる。だが、俺が勝ったら……お前には、このまま『組織』にいてもらう」

明らかに、メリットとデメリットの釣り合いのとれていない、内容だった。互いの命を賭した戦いにしては、あまりにも内容が陳腐すぎる。否、単純だからこそいいのだろうか……?

『組織』という後ろ盾のある信一は、和人の要求を大抵叶えることが出来る。つまり、信一でなければ出来ないわけではない、ということだ。しかし、信一が和人に要求することは違う。

それは和人にしか出来ないことであり、彼にとって、それを行うにはあまりにもリスクが大きすぎた。

当然、それに気付かぬ和人ではない。

信一は半ば自棄っぱちで、叫んでいた。

到底、和人がのってくるとは思えなかった。

しかし、和人の答えは、信一の予想を大きく裏切るものであった。

「ああ、わかった……」

一瞬、何を言われたのか分からなかった。

「いいぜ……やってやるよ」

見上げた和人の表情は、その場には到底似合わぬ、清々しいまでの、笑顔であった。

雪が降っていた。

風に吹かれ、粉雪が舞っていた。

人間によって作られたアスファルトよりも、雪は付近の木々に降り積もる。

まるで、到来する春の芽吹きを阻害するかのように、悲しい雪だった。

 

 

 




少し過去のお話だね。
美姫 「二人が対決する前のお話ね」
それも、再会するよりも前の対決。
そう、一章へと繋がるような。
美姫 「本編の二人の戦いの行方も気になるけど、こっちはこっちで良いわよね〜」
うんうん。本編の続きを見たいけれど、閑章も面白いな〜。
美姫 「次は本編かな?」
どうかな? 本編なら、二人の戦いが気になるところ。
美姫 「次回も楽しみにしてます〜」
ではでは〜。



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