不破特断ファイル〜信じ続ける勇気を下さい〜 番外編7
特断ブレッツエリスターとは、
平和を願い、平穏を守り続ける『不破』恭也の願いを叶えようとしたエリスが、過剰とも言うべき行為から設立した........
『法務省特別断罪隊』を示すものである。
■冥王VS信愛の騎士■
氷は体調が安定化してきた為、機動六課の訓練を見学に来た。
「何?」
休憩しているキャロ、エリオ、フェイト、ヴィータの様子が何か違う。
空気が重い。
どうやら模擬戦をしているのは、スバル、ティアナ、なのはである。
いつもと何か違う、それも体が警告を鳴らすくらい。
氷は、不安を打ち消す為に四人に叫んだ。
「どういうことだ!」
バインドで拘束されているスバル、そして、今にもやられそうなティアナを助けに行こうと魔方陣を展開する。
「止めろ」
肩をアイゼンで押さえつけられ、魔方陣が消える。
バランスを保てずに、押さえつけられた反動で倒れる。
「落ち着いて氷、能力限定解除しないと、助けに行ってもなのはに狙い撃ちされるだけだよ」
「高町だって、新人達に手痛いお灸を添えてるだけだろう」
「くっ、分かっているが、お前らは分かっていない」
「お前らが本局からの出向扱いであるように、俺は」
「俺は、特断ブレッツエリスターからの」
「出向扱いだ!」
「強くなりたいんです!」
ティアナと氷の叫び声がぶつかる。
「そんなんじゃ、訓練の意味ないじゃない。私の言うこと間違ってる?」
「バインド?!」
スバルが、なのはにリングバインドで高速される。
「スバルはそこで見てなさい」
スバルは今にも涙を零しそうに、目に力が入っている。バインドをどうにか解こうとしているが、今のスバルにはなのはのバインド
を実力で解除するだけの力がない。
「ティアナ、少し、頭冷そうか」
「クロスファイア、シュート」
クロスファイアを収束法にする。ディバインバスターより威力は劣るが、精密度はそれ以上に上であることから、使用ランクはディ
バインバスターより高い。
「ティアぁぁぁっ」
煙が晴れた瞬間に、バインドが偶然解けたスバルは、ティアナに向かって行く。
煙が晴れた瞬間に目にしたのは氷だった。
プロテクションが間に合ったようだが、呼吸が途切れ途切れになっている。
能力限定でBランクまで落とされて、威力がAAランクの収束型クロスファイアを受け止めたのだから、防ぎきったことでも凄いこと
だ。
「はぁ、は〜、ぐはっ、はぁ〜、第三条」
普段は出さないドスの効いた声。
「特断ブレッツエリスターは信じる心を最優先としこれを試みないあらにる命令を排除することができる。」
「!?氷君、邪魔しないで」
「どうしてこんな対応をした」
氷の瞳は、疲れきったかのように充血している。
「スバル、ティアナを連れて医務室へ行け」
「でも……」
スバルは、氷が口から出した血が、ティアナの顔に掛かっているのを見て、動くに動けないでいた。
「邪魔だ」
「……はい」
ティアナを抱えて、最後に後ろを振り返ってなのはを見たスバルは、医務室へとウィングロードで直行した。
「スバル、待ちなさい。っ!」
なのははいつの間にか、リングバインドを掛けられていた。なのは自身、水属性のバインドは見たことはない。
「ウォーターバインド、見たことないやつは、解除するのに時間がかかるんだが……」
「……簡単に解除されたな」
「邪魔しないでっていってるでしょ! 退いてくれないなら」
「ディバイィィン」
「バスタぁぁぁぁ」
「くっ、雷風竜巻<<ライトニングストーム>>」
雷を伴った竜巻と純粋魔力砲撃がぶつかり合って相殺される。普通は変換された魔力に純粋な魔力は相容れないものであるのだが、
事実、二つの力は衝突した。
「第一条」
「特断ブレッツエリスターはいかなる場合でも令状なしに犯人を逮捕することができる。」
「アクセルシューター」
【accel】
スフィアを15個生成し、氷にぶつける。速度は、訓練でフォワード陣がついていけるものではなく、ほぼ実戦のスピード。
「フォースソード、はいぃぃぃ」
氷は、スバルとティアナが「持っているはず」のL4Uを手にし、向かってくるスフィアを切り落とした。だが、接近戦に関しては再
就職してから余りしていない。
それに、剣術は久し振りで、正当な2刀流を持ったのは、久しぶりだった。
「くっ」
そのせいか、なのはの操作性が高いのか、手首を狙われ、氷は2刀とも剣を落としてしまう。
それを好機と見たなのはは、残りのスフィアをスバル達に向けて放った。
「チィッ、はっ!」
だが、氷が手をL4Uにに向けると、そのスフィアは、空から落ちていくはずの剣に突き刺され破壊される。
ディバイスを遠隔操作する今までにない戦法に、教導を邪魔され、周りは変化に震える。
スバルとティアナの時は『管理局の白い悪魔』だったのに対し、今は、『魔王』を通り越して『冥王』となっているからだ。
「第四条」
「特断ブレッツエリスターはあらゆる生命体の平和を破壊するものを自らの判断で抹殺することができる。」
「なんで、邪魔するのかな……」
「わかんねーのか、このくそ女郎」
「押し付けることが教導じゃねーんだよ」
氷は、なのはの繰り返しの問いかけに、頭にきたのか、普段は絶対に使わないであろう罵声を吐いた。
「輪廻滅殺」
空に雷雲が現れ、なのはを稲妻が襲う。
「天候操作魔法!?」
そして、左右から爆炎が襲う。
「稲妻爆炎破」
『『lightning BLAZE impact』』
いつの間にか手に握っている『L4U』から先程より強力な炎が出ていた。
氷、怪我はもう治ったようだね。
この状況で、会いたくなかったかな。
どうしてか分からないけどなのはが嫌いみたい。
でも、二人の教導を任せてるってことは、同じ教導をする人としては信用してるんだよね。
ティアナにはkissしたり髪洗ってもらったり甘えていて、スバルには好きなアイスクリームを奢ったり、シューティングアーツを教
えたり。
この前は、バレンタインに二人に長年使っていたディバイスプレゼントしてるくらい大切にしてる。
『落ち着いて氷、能力限定解除しないと、助けに行ってもなのはに狙い撃ちされるだけだよ』
あんな簡単な押さえつけで倒れるなんて、普段から良くふらふらしていてバランスがないけど、踏ん張りが利くから背中から倒れる
ことはなかったはず。
氷、完全に鈍ってるのかな。身体能力が低下しやすいって言っていたけど。
速い。魔法の発動する瞬間すら、、私でもあの距離を能力限定化一瞬で着くことはできなくはないけど、同時に防御魔法を展開して
なのはの砲撃をディバイスなしで防ぎきるなんて、ユーノじゃないと無理かな。
『フェイト』
『何、ヴィータ、念話まで使って』
『奴が高速移動するときに魔力感じたか?』
『うん、でも氷って常に魔法使っているから確かとは言えないかもしれない』
『勘違いだったらいい、アイツ、防御魔法以外、魔法使ってないんじゃないか?』
『そうだね。でも、私はなのはが心配かな。氷が特断ブレッツエリスターの所属名を言うってこと、自己紹介でしかなかったし』
『良くわかんねぇーんだが、それほどすげぇーのか? そりゃー地球では最強だけどよ』
『特断ブレッツエリスターの隊員達は、法的に殺しも許可されているのは知ってるでしょ?』
『まさか、このミッドチルダでもか?』
『うん』
『なのは、殺されるかもしれない……でも、しかたないね』
『そんなことさせねぇ』
『ダメ、下手に助けると私たちも法に引っ掛かってはやてに迷惑が掛かる』
『だけどよ』
『それに、普通、AAランクのなのはに、病み上がりのBランクの氷が敵う?』
『……そうだな』
『!?まさか、あの瞬間にバインドも解除したの?』
『アイツ、ほんとに能力限定状態なのか! リミッターの意味ねぇーだろ』
『氷さん、リミッターのせいだろうけどバリアジャケット装着してない』
あれじゃ、一発でも当たると軽い怪我じゃすまされない。
『なのは、間違わないでね』
「そろそろ今日の業務日誌を書かなくちゃいけませんね」
「えっ、………」
「どうしたんや、リィン」
氷の髪が糸代わりに作られているビーズのブレスレットが突然糸が切れて、ビーズが落ちた。
「氷さんは今どこに………っうそ」
真っ先に氷を探すと見つかったのは訓練場だった。バリアジャケットを着たリィンは、ドアを破壊してまで現場に向かった。
「氷さん!?」
「行くなリィン!」
「いやっ、誰か止めてください。」
「落ち着いてくださいリィン曹長」
「どうしたんやリィン、仕事放り出して」
「氷さんには、なのはさんは天敵なんです」
「どういうことなの?リィン」
「氷さんは、魔力変換資質が稀少技能まで昇華したマスター『五属性変換資質』で、そのせいで、純粋魔力を体が拒絶し
てしまうんです。」
「えっ、でも、なのはさんは非殺傷設定で攻撃してますよ」
「そんなの関係ないです。もし、ディバインバスターが直撃したら、命の保障できません。」
「誰か、誰か、止めてください! あんな思いもうしたくないんです。うぅぅぅ」
氷のステータスを更新
魔力変換資質
『火』『水』『雷』『音』『風』
稀少技能に分類されることとなるマスター。
純粋魔力を使用することが難しいことに加えて、純粋魔力拒絶体質である。
なのは対氷。
美姫 「意外な事も分かったわね。魔力拒絶体質だって」
ほうほう。さて、それじゃあこの辺で。
美姫 「また最後にお会いしましょう」