不破特断ファイル〜信じ続ける勇気を下さい〜 番外編5
特断ブレッツエリスターとは、
平和を願い、平穏を守り続ける『不破』恭也の願いを叶えようとしたエリスが、過剰とも言うべき行為から設立した........
『法務省特別断罪隊』を示すものである。
■髪の秘密■
食堂でスターズとライトニングフォワード陣は、雑談をしながら昼食を取っていた。
「氷さん」
スパゲッティを食べながら聞くスバル。氷はダイスケの口を拭いている。
「はい」
「何で髪を伸ばしてるんですか?」
「気になる?」
「そうですね。最近はなぜか私が節黎さんの髪を洗ってますし、綺麗だから見てて飽きないですけど……」
ティアナが最近の氷の髪を洗う当番になっている。因みに始めは当番制だったのが、髪を気にしているのが、今のところフォワード陣
の中ではティアナとキャロだけであるからだ。
「このリボン」
「何でこんなに色が」
「!! つぁ」
「血?」
「クイントが着けてたリボンだ」
「母さんが着けてた」
「ああ」
「昔の自分は、黒髪のうえにかなりの短髪で、伸びると天然パーマがかかるから苦労したよ」
「うそっ」
「リボンを身につけるだけなら、腕細いから問題なかったはず何だけど、それすら気付かないほど荒れちゃって、気づいたら今の髪に
なっちゃった」
話を切り替える為に咄嗟に言ったセリフ。
「食事中も魔法陣出してますけど」
「ああ、最近は体調が良くなかったから、負担になる「魔法陣を隠す魔法」は使ってない」
「なんの魔法なんですか、複雑な上にベルカとミッドの魔法式ではないようですけど」
「簡単に言うと、髪に魔力を流してリンスの役割を果たすんだ」
「あっ、だから寝込んでいた時は、髪にキューティクルウェーブかかってたんですね」
「魔力消費は微々たるものだから、後は局内での限定魔法使用許可を貰えば気にせず使えるよ」
「いいなぁ」
「?」
「でも、魔法式見る限り難易度高そうですよ」
「インテリジェントディバイスなら、最適化してくれるだろう。多分時間はそれなりにかかるよ」
「私は使わないかな。髪伸ばす予定ないし」
「僕は男ですし、キャロはそんなことしなくともさらさらです」
「まあ、今のところ勧めるのはティアナだけだな」
「そうですね」
「他にもメリットがあって、微々たるものだが魔力を蓄めることができる」
「なるほど」
「慣れないうちは、髪の色が変わってしまって、髪色を魔法で変える悪循環になるが、慣れれば問題ない」