不破特断ファイル〜信じ続ける勇気を下さい〜 9.1話#2-StrikerS編-PHAMTOM-OF-KNIGHT-




























 特断ブレッツエリスターとは、
 平和を願い、平穏を守り続ける『不破』恭也の願いを叶えようとしたエリスが、過剰とも言うべき行為から設立した........
 『法務省特別断罪隊』を示すものである。





















ミストフェイズは久し振りにその女神の夢を見た。


女神と言われた女性は、戦い続けた。人の世に蔓延る犯罪に。


元々速さに定評がある彼女は、戦闘スタイルを変えることはしなかった。


儀式魔法、転送魔法、いろいろできるがバリアジャケットの装甲が薄い―――その弱点をつかれたり、素直すぎる性格に添ったスタイ
ルからトリッキーな攻撃を仕掛けられ、既に相手との戦闘では、一対一でも厳しい状況に陥り、自身の力である魔法の力だけでは立ち向か
うことはできなくなっていた。


その為に、新たに手にいれた力を使うことを躊躇わなかった。


その力は、亡くなった彼女の大切な人から受け取った圧倒的な力だった。


自信の相棒であるディバイスは、姿を漆黒へと変え、大切な人のいつもの言葉を胸に戦う。


―――愛する者を護る。


―――彼の誓いと伴に我願う。


―――幸あらんことを………


彼女は、クローン人間であったため、二十年経ったときに、先天的な病気や自然老化、幾らなんでも年をとらないのはおかしいと、原因である二つのディバイスを調べて見たが、心層部はブラックボックスになっていて解析不可能だった。


その情報が漏れたのか、自分の組織から狙われるようになった。


仲間の力を借りて何とか保っていた安全も、仲間の現役引退から弱まっていった。


50年経ち、力をSETUPしなくても使えるようになった。


月日は流れ、友達が寿命を全うした。


地球に来たときに、彼女の大切な人がやっていた仕事を初めてした。


仲間に反対されたが、やめられなかった。


何年か前から見る悪夢を見ないためにはこうするしかなかったからだ。


千年後、長寿である夜の一族の親友も亡くなってしまった。


何年経ったか分からないほどの時が経って、理の騎士が現れた。


その頃はずっとSETUPしたまま生活していた。


理の騎士の通りに解除しようとするが、できなかった。


理の騎士が言うには、大切な人との融合係数が高かったため、例え擬似でも力を多様すれば、人類にとっては危険で封印するしかないそうだ。


封印したら危険因子を取り除いて解放するそうだが、彼女は人が死ぬのを看取るのが耐えられなかった。


だから、彼を救う手段になることを選択した。


「ふわ〜、起きました」


「ルンルン、おはようDIVAちゃん♪」


ミストフェイズは鏡に写った自分に挨拶を交わし、仕事前の身支度に入った。









「ミーフェ」


「な〜に、ダイスケ」


「父さんからプレゼント」


「sprited away off?」


渡されたカードは、トランプのカードに大きさは似ていた。











『〜♪〜♪』


「あっ、もしもし」


「ひっ」


「どうしたの? シグナム副隊長、片隅で頭抱えて震えてるけど」


「えっ、シグナムまたなの」


「シグナムは携帯恐怖症なの」


「「「えぇ〜」」」


「私も昔はシグナムみたいにひどかったんだけどね。どうしてかっていうと、氷さんに殺されかけたからなんだ」


「「「えぇ〜」」」

















「異騎変廻(いきへんかい)」


おそらく、デバイスの起動トリガーなのだろう。


信愛の騎士の周囲を黒い花弁が舞う。


魔方陣は古代ベルカ式、実質的な術式であり、カスタマイズするキャパシティが全くないといっていい程のものに相当な改変がなされている。


魔力によって防護服を精製、通常服を圧縮収納するだけが一般的だ。


ミッドでは、一瞬ではあるが丸裸になるのを嫌う女性魔導師が閃光等のジャミング系の術式を入れ込む事がある。だが、信愛の騎士は
一旦魔力で花弁を精製し、その花弁を防護服に再構築している。


一見、魔力、技術の無駄遣いに見える。防護服を精製する程の魔力で精製された黒い花弁は拡散されているシールドで全体を覆うが隙
間が存在する為である。


そして、花弁を防護服に再構築するときに熟練者でなければ1から精製するより無駄に魔力を使う。


「くっ」


シグナムは改めて信愛の騎士の実力を体験した。


「君の答えを見せてもらう」


姿を表した信愛の騎士は、黒いスーツの上から黒い袴を来ている。服のセンスを疑いたくなるような事態だが、無頓着な三人は気にし
ない。気にする余裕もない。


「フォースソード」


信愛の騎士は待機状態の十字架のネックレス二つを起動させた。


男性が使用する剣としては思えない細身の剣。どう見ても、女性が使うような軽量の実体剣だ。


「ふっ」


信愛の騎士はその剣をシグナムに向かって、―――投げた。


「なっ(愛剣を投げるだと)」


シグナムは、一瞬の動揺と共に避ける。


信愛の騎士がフォースソードと言った剣は相当な年月使い込まれたものだとシグナムは見て思った。そして、騎士が自分の武器を投げ
る行為に怒りを感じた。


「自らの武器を捨てるとは「騎士としてあるまじき行為とでも」」


激情と共に信愛の騎士に斬りかかった攻撃は目の前のシールドによって阻まれていた状態、段々とシールドに亀裂が入りもうすぐシー
ルドを破壊できる。―――その時、信愛の騎士の魔方陣が輝きを増す。


「!?」


「誰が捨てたと言った」


シグナムは左右から魔力の反応を感じた時、すぐに後ろに後退した。


「ちっ」


シグナムは離れたその場を見ると、フォースソードが横切った。


「あまいな」


剣の攻撃を避けた隙に背後に回り込んでいた信愛の騎士、―――ネクタイを結んでいなかった。


「がぁああ」


シグナムの首に巻き付いたネクタイ。反射で両手を首に持っていこうとした為、デバイスを落としてしまう。


「寝ていろ」


ネクタイで体を固定された状態で背中を膝蹴りし、立つことが困難になると、足払いを掛け同時に頭部を掴み、地面に叩きつけた。


「シグナム!」


「死んではいないさ―――殺してもよかったが」


「シグナムに...なんてことをするの!」


フェイトは、瞬時にバリアジャケット、ソニックフォームを展開し、ソニックムーブで信愛の騎士の目の前に現れる。


「大人しい割に直情」


バルディッシュの魔力刃は、空中を歩いているような速度であった信愛の騎士にかわされた。


「つっ!!(何であんな速度で私の攻撃がかわされるの?)」


何回も攻撃したが、バルディッシュの刃を信愛の騎士に当てることすらできない。


何故か、それほど早く動いたとは思えないのに残像のように人影を残しながらかわされるのだ。


瞬時に幻術系であることを理解するが、実益が低いので使い手はいなく、情報が足りない。


「当たらないがな」


「バルディッシュ、例え遠距離攻撃にして補正を掛けても攻撃は当たらない」


『対象魔法の発動速度についていけません』


『なぜ、発動しているのは幻術系の魔法でしょ』


「そもそも、お前が補足しきれる訳がないがな」


『数秒間に発動する魔法が10種類以上あります』


「うそでしょ」


「そろそろ重いから脱ぐか」


信愛の騎士は袴を脱ぎ―――後ろに放った。


『バリアバインド』


「ぐっ、何故気付かれた?」


背後に現れた美紗斗に袴が変化した糸が拘束しようとするが、全てを切られて無効化される。


『バリアバースト』


「自爆!?」


辺りに爆粉が充満する。


信愛の騎士はいつの間にかワイシャツにズボンだけの姿、スーツを脱いでいた。


「3人相手ってのも疲れるなぁ」


折り畳み式の携帯を取り出すと「2231」と入力する。


「醒異廻身」


『カースジャケットセットアップ』


黒い騎士の鎧を纏って、信愛の騎士は現れた。


「092」 『サンダースラッシュ』


音声入力で、フォースソードに雷が付与される。それは、バルディッシュの魔力刃を粉砕し、杖部分を切り裂く。


いったん引いた、信愛の騎士は―――再び


「446」 『サンダーシューター・ラッシュシフト』


雷を纏ったスフィアが4個、計12個が三人に迫る。


「171」 『レイバレット』


重力変化を纏った銃弾が迫る。


「魔力変換資質が雷なのに無属性攻撃でこれ程の威力を出せるのか!」


「66」 『ライトニングウォーターショット』


「66」 『バーニングストームショット』





「(フォースソード装填)」


携帯を折り曲げて銃の形にしていたものが、重火器に変化する。


そこに、フォースソードの柄を装填し、チャージに入った。


「ファイア」














「―――そういうわけで、シグナムは携帯が今でもトラウマなの」


「そうですか、今の氷さんとは印象が違いますね」


「うん、この間なのはと戦った時よりも、容赦なしだったよ。全部―――殺傷設定だったしね」





緋翔「氷がシグナムを気絶させた攻撃は、実際に使ったことがあるんですが、あまりにも相手のダメージが高いんです」


氷「へぇ〜、そうなんだ。(まるっきり自分の使っている技の威力がわかっていない)」


緋翔「背骨蹴りじゃなくて、サイドの方がダメージ高いのだ。」




シグナムが携帯恐怖症。
美姫 「しかも、かなり重症っぽいんだけれど」
中々に面白い話だな。
美姫 「そりゃあ、信じられないのも無理ないかもね」
だよな。それじゃあ、この辺で。
美姫 「それじゃ〜ね〜」



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