不破特断ファイル〜信じ続ける勇気を下さい〜
9話#7-StrikerS編-TAKE-ME-HIGHER-
特断ブレッツエリスターとは、
平和を願い、平穏を守り続ける『不破』恭也の願いを叶えようとしたエリスが、過剰とも言うべき行為から設立した........
『法務省特別断罪隊』を示すものである。
「ブレッツコードのブラックボックス。それは、アルハザードへと行ける転送ユニットのコアだといったな」
「................」
「これを応用すると、過去も未来も自由に行き来できる」
「もうこんな世界は見たくないんだ」
「................」
「地球暦 西暦4000年を設定」
「ブレッツコードハイパースピード」
【1500】
【1700】
【2000】
【2200】
【2500】
【2800】
「2900、2950、2980」
「3000」
時速3000kmを越えた後に視界に広がる世界は、遥か未来の世界。
氷は、あらゆる手段を用いて文明を破壊する。
だが、未来人達が黙っている筈もない。
氷を待ち受けていたのは、氷を子孫とする者達ばかりだった。
それは、もし、氷が死んでも最小限に歪みを抑える為。
【特断ブレッツエリスター所属 節黎氷、時空犯罪法第1条により逮捕する!】
「こんな未来は認めない!」
「お父さん♪...かっこいい(はぁ〜ト」
おっ、これはあれだな。念話で妄想をだだ漏れ。
慣れていない奴は、映像まで送られてくるらしいが、反応を見る限り見たくないな。
最近被害を被っているのは待宵だから安心。なはずだけど、ティアナより甘えやすくなったような気がする。
「うっ、ダイスケ、こんなときに」
「3000kmって結構速いんだねティア」
ダイスケはティアナとスバルに妄想伝達をしたみたいだ。
ティアナはブレッツコードに乗った時の重力の感覚を思い出して車酔いの症状が悪化し、スバルはスピード狂に一歩近付いた。
そんな感じか。
「?ティアナさん」
「大丈夫ですか! ティアナさん!」
「ダイスケだな」
「はい」
効果範囲は関係ないが、俺には見えないのが不思議だ。声も上手く聞き取れないから話の繋がりが良く分からない。
「まあ、そんな状態でも行くぞ」
「そんな、少し待った方が」
うっ、無条件で罪悪感が。だが、早く何か行動しないと攫われそうで恐い。疲労の度合いからして大丈夫だ。
大丈夫だ。
大丈夫だ。
安心できねぇー。6年前は、油断して教え子に喰われて腹上死しそうに……あぶね。
「ティアナは若いんだからこれくらい無理は大丈夫だ。俺みたいに虚弱体質で二十歳過ぎが二日酔いと日射病の中で、ザフィーラ、
ヴィータ、クロノ、シグナム、なのは、フェイトに、2対1を3試合連続系五時間も模擬戦やるわけじゃないんだから」
「えっ(汗」
「体調、悪いから1試合だけにしてくれっと言っても、シャマルが『直す』から平気だとか言いやがるし」
「思い出したら頭がいたくなってきた。さっきの列車の側暑かったからな。熱中症掛かったかも」
武器センサー、金属センサー、動体センサー、熱源センサー、音響センサー、探索魔法を使いながらブレッツコードのケミカルディ
スチャージャーで消化活動中。
応援来ないかな。
「待宵」
『応援はやはり無理だ。管理局はいつもの事、聖王教会は、そもそも騎士が少ない。間に合うのがシャッハしかいない』
「模擬戦したときは、陸戦Aか、今はAAA+?」
「AAAです」
「惜しい」
勘が外れた。ティアナがいるから空戦が良かったが、壁素通りできるし何とか大丈夫か?
「じゃ、至急来てくれ。あくまで特断課からの救援要請として」
後は、ストラーダのリミッター解除かぁ。仮にも空飛べるからなぁ。
事後申請ってたしか大将クラスに話通すんだよな。
?こっちは、そう言えば、隊長ならストラーダクラスはリミッター解除は申請不要だったな。
特断課とはえらい違いだなぁ。
理由言うの面倒だし、こう軽々使う権限じゃないけど、使い慣れてる方がいい。
「試しに、ストラーダ俺の権限でリミッター解除できるか?」
【はい、正し、あなたは機動六課では隊員です。なので、外部からの要請、事後申請が必要になります】
「めんどくさい、絶対命令権を使用、この救助が終わるまでリミッター解除」
【了解】
後は、二番の状況か。
「ツバ空曹長、そっちの状況は?」
因みに、ツヴァイから取った。呼称がいつも違うのはそれだけ慣れていないことになる。
何故か、愛嬌を振りまいていて、子持ちには受けが良いはずなのだが、俺は慣れていない。
「何ですかっ!?その、汚らしい感じのする呼び方は!!」
叫ばれると頭に響くな。
「くぅ―っ!ちびっこ、煩い。」
「なっ、上官侮辱ですっ!」
「上官なら、部下の診断書ちゃんと読め」
顎が疲れてきた。因みに健康診断書は本物だ。偽造してないぞ。穴だらけの診断結果だが。
カウンセリングの方は医者が下手くそなんで細部まで自分で書いた。
「長い会話も駄目だって書いてあるぞ」
「……あっ、ありました」
「ふぅ〜」
顎の筋肉をマッサージする。
「では、失礼します」
「節黎さん、あちらの状況は?」
「・・・・・・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・ほっ」
すまん、すっかり忘れてた。
「すいません、状況はかくかくしかじかです」
えっと、隊長達二人と合流し、救助はうまくいった。で、敵を倒すときにエネルギーコンビナートに運悪く敵の攻撃が当たってしま
い、宇宙空間上まで積上がっている最高の搭が倒れてきて大変だと。
固定化の魔法を掛けても、倒れるのが遅れるだけで、流石の冥王様もリミッター付だと破壊する前に搭が倒れるらしい。
「はぁ、ダイスケに応援頼めば?」
「氷さんとスバルと待宵さんしか言うこと聞いてくれないじゃないですか!」
なぜかくかくしかじかで内容が分かるのか。
それは、もうひとつのスクリーンに字幕が流れているからだ。
作者のWEBSCRIPT系言語の勉強をちゃんと怠っていなければ、このSSに字幕が流れているはずだ。
何か変な電波を受信したか。
ユニゾンした時に偏って俺の情報を読み取ったらしい。うん? はやての漫才精神か? どっちでもいいが。
字幕スクリーンは、運転席のミラーサイド、飲み物置き場に5インチサイズで開いてるから運転席以外からは良く見えない。
「かくかくしかじかってどんな言語なんでしょう?」
「一言で状況が分かるからきっと凄い所の言葉なんだろうね」
「そんなわけあるはず………言い切れない」
「すごいです」
もし、高速言語と言ってかくかくしかじかって聞こえたかもしれないけど、その中、何千と喋ってたんだよ。と話したら、信じきってしまうのだろうか。
鵜呑みにしそうで怖いからやめとく。
いい具合に緊張が解れたか。
「ダイスケ」
「何? お父さん」
「特断3課緊急出動!」
「了解」
「後の指示は機動六課リィン空曹長に委譲する」
「了解です」
何気に、部隊長のこと無視して作業してるけど、まあいいか。
めんどくさい。
特断3課は、一言で言えば男の子の夢を体現したものだ。
ダイスケは、最年少で部隊課長になっているが実質的に人員はダイスケ一人しかいない。
サポートに着くディバイスは5機と待宵並。
それが、リアルロボットなディバイス四機と管制メインのディバイス一機と言えば分かるだろう。
普段は、人員のサポートで愛霞(あいか)と恋嘩(れんか)を付けているが、今回はこっちがいっぱいいっぱいなだから恋嘩しか付けていない。
「疲れた。帰っちゃおうかな」
「そんな」
「なんでそんなひどいこと言えるんですか? 私達の救助を待っているのに」
やけに反抗的だな、赤髪。純粋培養は困ったチャンを育てたなぁ。子供とは相性いいはずなんだが。
この先はブレッツコードでは狭い。
ましてや現場復帰したばかりで命をやり取りする戦闘はやりたくない。
恭也程死合に慣れていないし、相手の規模が不明で上限が見えないのに、場数は踏んでも慣れないものは慣れない。
「ふぅ〜」
緊張解れない。
心拍数はかなり上がって体が悲鳴を上げている。
鎮静剤を飲んだ方が良いが眠気を誘う上に、感情の変化がそのまま戦闘スタイルになるから、攻撃系に支障も出る。
「出力リミッター、マッシブテクター、病気」
「えっ」
「俺は本来武装隊とかの最前線の現場に復帰することを医者から止められている」
「うそ、ですよね?」
怪我もあってか、超短期決戦を仕掛けないとこちらが負けるか。恭也は後から来てくれるだろうが、劣化が進んでいるからだんだん
キレがなくなってきているのに誤差修正が効いてない。無暗に飛び込むわけではないにしろ、軽い問題にしろ心配症には良くない。
「そろそろ降りろ。救助活動を始めるぞ」
部隊長は何を考えてるんだか、俺の立場はティアナの成長阻害と指揮系統の混乱を招く。いくら階級を下げても、元々はそれなりに
役職に就いていた人間であり年上を無意識に頼ってしまう。面倒押しつけられたな。
フォローに徹するなんて危ないことをするわけないだろう。本番で。
ここ来る必要あったのだろうか?
ヒールバード使って、救助活動中、あの地点まで近づいてる。
心臓が高鳴る。
ピンク髪の子名前は、
「っ!」
名前を度忘れした。
「キャロ、大丈夫?」
柱と柱の間に閉じ込められた一匹の動物、角の生えたうさぎのような奴、名前は知らん。
それを助けるためにドリルで柱に穴を開けているエリオの真後ろにいたキャロは破砕物に当たった。キャロのバリアジャケットは
バックスだけあって高い。大丈夫だろう。
肌寒い。バリアジャケット着ててもこの感覚はあるから納得がいかないんだよ。魔法の役立たず。
どうやら、ティアナがここ一帯の消化を終えたようだ。
「奥に進もう」
スバルとエリオが前衛、ティアナとキャロが中堅、一番後ろが自分。
急激な温度変化で左足が肉離れしそうになっている。汗で冷えたか。
一定の遅い歩きで隊員達の後を追った。
この時気づけばよかったかもしれない。
足のつっている時点で、何故治癒の魔法を使わなかったのかを
「そんな」
「.....」
「っ」
「酷すぎる」
「おっ、うぇっ」
そこには、防護服の上から鋭く斬殺された隊員達。
ディバイスも、生き残っている奴はいないようだ。
「はぁ、はぁ」
朝飲んだ栄養ドリンク全部吐いた。頭部の着化だけ解除して、汚れることは免れた。
「生きているディバイスがないか?」
キャロに任せて呼吸を整える。現場を汚すことはしたくないが、口の中を水で濯いだ。
「クロスミラージュ、あんたもよ」
「ないです」
「こっちも同じく」
そうか、全部隠蔽されたか。っ肌ざむ。何だこの微妙に寒い風は? ここは風が通るような……。
「ソニックウインド!」
反射で対応できる威力が最高の風と音の複合魔法を使い相手の動きも止まった。危なかったな。俺の足が。
威力も発射速度もいつもより遅い。
体がいつも重いから気づかなかった。
そういえばこの感覚は..................AMFだ。
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「ふふっ、これや! 子持ち青年と幼女の漫才! 微妙にインパクトないんやないかと思ってたんやけど、才能はある!」
「はやてちゃん、私も萌えてきたわ!」
「誰か、はやてとシャマルを止めてくれ」
結構一大事って感じ?
美姫 「みたいね。何が起こっているのかしら」
それでは、この辺で。
美姫 「それじゃ〜ね〜」