『不破特断ファイル〜信じ続ける勇気を下さい〜』




9話#6-StrikerS編-TAKE-ME-HIGHER-













 特断ブレッツエリスターとは、

 平和を願い、平穏を守り続ける『不破』恭也の願いを叶えようとしたエリスが、過剰とも言うべき行為から設立した........

 『法務省特別断罪隊』を示すものである。




















「着いたな」



 ブレッツコードから出てきた氷は、腕つったかな?と腕を抱えながらストレッチをしていた。



「はー、すっごいスピードだったね。ティア」



「くっ、あんたって奴は...」



 能力的に一番力のあるスバルが気絶したエリオを抱えるのが適任だが、一様気絶したスバルには悪いだろうとのことでティアナが抱
き抱えていた。



「....」



「エリオ、軽いわね」



 節黎氷に向かってくる管理局員、歩く時の横幅(歩幅ではない)が狭いことから女性と判断した。



 間違いではないが、顔や全体を見て判断しない氷は、ニューハーフは見分けられるが、ユーノの女装は見分けることができなかった
らしい。



「ご苦労様です」



氷は、特別に譲与される特断ブレッツエリスターの多目的手帳「サレンダー」の左サイドにあるボタンを押し、公章を相手に見せた。



破れずの「不破」でありながらの逆意の「サレンダー」。



「管理局特別救急隊特断二課、部隊長と隊員三名『いや』」



「...部隊長、副隊長、隊員五名到着しました」



 上空から降下してきた待宵、キャロ。



「早速ですが、消化と救助をお願いします」



「待宵」



『サーチャを散布した』



「不味いな」



『一番深くまで進んでいるレスキュー4班の側にアンノウン生命反応が数体、反応がすぐ消えた』



「当たりかな」



『当たりだ。シールドなら魔力残留反応があるはず』
「厄介だな」



『戦闘機人に隠密系ISを持ってる奴がいるのか』



「?!」



 氷と待宵の話を聞いていたスバルは、少し震えていた。



「何で機動六課の名前を名乗らなかったんでしょう?」



「あくまでも人命救助が目的なんでしょう。特断二課はレスキューのエキスパートなんだから、安心させたいんじゃない」



「そうなんですか、そうですね」



 キャロの疑問にもっともな回答をしたティアナは、話を打ち切り、スバルの元へ向かう。



「(あんた大丈夫?)」



「(うん)」



「(あくまで人命救助、二人とも戦うのが嫌いってタイプ、それに新人に対戦闘機人戦をさせるわけないでしょ)」



「(ティア、うん、ありがとう気を使ってくれて)」



「(馬鹿、行くわよ)」



「エリオ、起きろ」



「あっ、はい」



「全員ディバイスのチェックを行え」



 魔力を通し、各バリアジャケットの生成とディバイスの起動が完了した、かに見えた。



「あっ」



「えっ」



 スバルのアイスビートのコアが砕け、バリアジャケットが管理局の制服に戻る。



 ティアナの方も、ボロボロと崩れて元の姿に戻った。



「寿命だな」



 戦闘中にコアがひび割れていた。元々二人の専用ディバイスができるまでの応急処置だったのだから問題はない。



 なぜなら、待宵がリィンに事後の処理を任せ、ブレッツジェットでディバイスを受け取りに行ったからだ。



「マッハキャリバーに、クロスミラージュだ。待宵、スペックは普通のあれのままだよな?」



『ああ、流石にお前専用のディバイスは、誰かが使うには欠陥が多いからな』



 二人にディバイスを投げ渡す。



「マッハキャリバー」
「クロス、ミラージュ」



「全員、救急準備」



「「「「『はい』」」」」



『指令部、指令部』



「どうした?」



『数名が交戦を仕掛けてきた』



『うわぁぁぁぁぁ』



『首を一瞬で』



『何でだ! 魔法が使えない!』



『応援を!指令部』



「すぐ向かわせる」



『...さよな(ブーン)』



「この音(超振動ブレードの独特の風斬り音)」



『不味いぞ! 氷』



『ああ、救急だけだと思って、連続の仕事の割りには楽だったのに...』



 サレンダーは通信機にもなるらしい。



「ソリッドナイト緊急発進」



「部隊長...」



「ソリッドナイトは、後三分で着く」



「...実装許可を」



「...わかった」



「フォワード達に言っておく、管理局は身内で隊を築くことが多い。そのためか、戦闘において勝敗が決まってしまう状況、つまり敗
走する場合、決まって上官が生き残る」



「部下が庇う、もしくは逃がす盾になるからですか?」



「そうだ」



「俺の場合、絶対命令権を「使わされ」たから生き残ったわけだ。」



「スバル、ティアナ、エリオ、キャロ」



「「「「はい」」」」



「上官命令だ」



「敵は恐らく最低でもAAAランク、最高ならS-〜SSSランクで複数いる」



「接触するまえに撤退しろ。無理でも逃げろ。分かったな」



「「「「了解」」」」



 氷は、使い魔を喚んだ時と同じように黒い羽を上空に射投げた。



 上空に今までに見たことのない術式が光る。



 ミッド式と同じく円陣ではあるが、中央に鳥のようなものが描かれていた。



「アタックバード、ヒールバード」



出てきた鳥は二羽。黒い鳥(鴉)であるが一羽は深紅、もう一羽は蒼色の瞳だった。



「念のため、こいつらをアシストにまわす」



 二羽は、ティアナとキャロの肩に乗る。



「全員ブレッツコードに乗れ」



「実装」



 上官命令も虚しく、氷は悲しみを連鎖させる。それは、周りを巻き込みながら自身に還ってくる負の『超絶技巧』の幕開けに過ぎな
かった。












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謎の声:「ソウチョウ、テキハ、カソクユニットヲトウサイシタバトルジャケットデス」



エリス:「何っ!」



謎の声:「フリーズガイマノトコロオウセンシテマスガ、アトスウフンシカモチマセン」



 各隊員にフリーズの状況が言い渡される。



謎の声:「クイックアクションノシヨウニヨリ、ジッソウタイムリミット、ノコリ30プン」



謎の声:「クイックアクションノレンゾクシヨウニヨリ、ナオモジッソウタイムリミットガタンシュクサレテイマス」



謎の声:「AMFノウドガジョウショウシテイマス。フリーズノセイメイイジマホウノコウカガウスレテイマス」



謎の声:「フリーズノカラダニイジョウがアラワレマシタ。ジッソウタイムリミット、アト3プン」



謎の声:「ジッソウタイムリミットヲオーバーシテマス、フリーズ、セイメイ、キケン、キケン」









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