『不破特断ファイル〜信じ続ける勇気を下さい〜』
1話-死を運ぶ幼稚園バス#3
特断ブレッツエリスターとは、
平和を願い、平穏を守り続ける『不破』恭也の願いを叶えようとしたエリスが、過剰とも言うべき行為から設立した........
『法務省特別断罪隊』を示すものである。
なのは達は家庭科の郊外学習の最後、園児達を送迎するために幼稚園バスに乗車していた。
バスの中の園児達は、恭也から貰った翠屋のシューをほうばりながら笑顔を振り撒いていた。
だが、突然前から向かってきた車がいたため、運転手はブレーキを踏み、バスを急停止する。
そのとき、相手の車に乗っていたのは、管理局でも指名手配中の産業ブローカーだった。
バスはジャックされ、警察も手をこまねいていた。
相手は、杖からロケットランチャー並みの攻撃を仕掛けてくるからだ。
だが、急カーブを曲がった時に盗まれたバリア発生装置が起動してしまった。
バリア発生装置は、バスの周囲の建物を破壊していく。
そんな中、守護騎士達を引き連れ、八神はやてはバスを追走していた。
無論、全員姿を見えないように飛行しながら。
『クロノ君、あの盗まれたバリア発生装置っていったいなんや』
はやては生まれたばかりのリィンUとユニゾン状態なので、髪は白く、瞳は青かった。
魔法を覚えたばかりなので、空を自在に飛びながら複数の魔法を維持するのは一人ではまだ無理なのだ。
「君たちが、宇宙工学センターに見学行ったときに聞いた知識とたいして変わらない。エイミイ、サーチの結果は?」
バス周辺に広域サーチをかけていたエイミイの手が止まる。
「クロノ君、バスの周りにAMFが発生してるって出たけど」
聞きなれない言葉が出てきて戸惑うエイミイ。
「魔力結合阻害するフィールド系魔法っ!」
あらゆる状況に対応するために、各方面の独自に学んだクロノは、その結果に驚くが、、
「えっ、濃度と影響範囲が時間とともに広がってる。このままだと、30秒後に海鳴市全体を高濃度のAMFが」
「不味い、飛行魔法を使うな」
『それってどういうこ...』
「えっ」
魔法を知ったばかりのはやては、突然飛べなくなる事態にどうすることも出来ない。
「主!?」
魔力結合を阻害される状況に即座に対応したシグナムが向かう。
「パシッ」
途中でバリアから発生した雷が守護騎士達に襲いかかる。
多少の怪我も覚悟の上か、避けることなく全員がはやてのところへ向かった。
突然バリアジャケットが普段着に戻る。
「どうした?」
「アイゼン!!」
「?クーラ...(AI機能が停止してる!?)」
ディバイスが反応しなくなった。
そのタイムロスは致命的で、唯一一番遠くにいたザフィーラが落下するはやてに向かっていった。
場所は変わって、日光いろは坂。
シュークリームを届けた後、遠出にドライブに向かった恭也。
「ピー、ピー」
無線のスイッチを入れる。
「恭也です」
『施行許可がこちらでも降りた。日本の所属先は文部科学省だ』
「法務省、防衛庁ではないのか?」
『そこは、流石に無理だったようだな』
「むっ、だが最悪、国連総会に乗り込むことになるが」
『どうやら、今後を考えている時間すらないらしい』
「?」
『バスジャックだ。なのはのoutside the school中の』
「こっちもだ。戦闘ヘリと車につけられている」
『確か、こっちでは魔法行使は罪になるのだな』
「ああ、なのは達から聞いた」
『上空ヘリのliveで、犯人はステッキを持っているのが確認できた』
「ああ」
『急げ恭也!』
「わかっている」
「ズシューン」
何か大きな音が聞こえてきた瞬間、車が大きく右にぶれた。
「ロケットランチャーだと」
バックミラーを見ると、黒いスーツにサングラスをかけた集団が、車で追いかけてきていた。銃とランチャーミサイルを構えている
ことで、さっきのは脅しの為の一発だろう。
『香港とイギリスでかなり始末したからな。日本のバイパスの破壊は必ず阻止したいのだろう』
初めの一発を威嚇に使うのは、日本人には多い傾向にある。よく見ると、背格好は160〜170前後である。
「悪いが切るぞ」
いろは坂は、一方通行なので周辺被害は少ないが、ヘアピンカーブの連続性、超低速セクションに今は入っていることから、車はか
わせるが、ヘリからは狙いやすい。
「arow」
【この先のヘアピンカーブを全速力で直進、地面直撃30メートル前後でエフェクトファンを使用し落下衝撃を緩和させます】
【作動タイミング、3、2、1】
「エフェクトファン始動」
【後方からミサイル接近】
「ちっ」
エフェクトファンの始動中に、ヘリからミサイルが放たれる。
空中では、エフェクトファンによる動きしか出来ないので、空中粉砕の危機。
【ウイングロード】
空中にできた道を走る。
「ブースト行くぞ」
【今回のディバイスリミット約三分】
「(待っていろなのは、変な気を起こすなよ)」
時速600kmを超えるスピードで、現場へ向かった。
脅しとは言え、ロケットランチャーって……。
美姫 「滅茶苦茶する相手みたいね」
だな。さてさて、恭也は間に合うのか。
美姫 「それじゃあ、今回はこの辺で〜」
ではでは。