さあさあ、面白いもの大好きな黄薔薇様こと鳥居江利子様に拉致られた恭也
いったい今度はどんな目にあうのでしょう
でわ〜〜
薔薇に愛されし者
『薔薇様のお宅拝見♪ 〜江利子編〜』
「さあ、ここが私のうちよ、恭也くん。入って入って♪ 」
連れられてきた家が、聖の家に比べかなり大きいので、恭也はかなり驚いたのか、目をまんまるくしていた。
「ただいま〜〜。」
「お、おじゃまします…。」
ちょっと気恥ずかしそうにして恭也は江利子に導かれるままに、玄関をくぐり中に入ろうとすると、人の近づいてくる気配がしたので恭也は顔を上げた。
「江利ちゃん、お帰り。どうだった?今日の学校は?」
江利子の父親にして『超親馬鹿』の称号を誇らしげにしている親父様が、江利子を迎えるために玄関まで来ていたのだ。
「ええ、今日は面白かったわ。なんと言っても恭也くんがいるんですもの♪」
「恭也?」
聞いたことのない男の名前が挙がったので父は表情を険しくしていた。すると下から…
「あ、あの初めまして……恭也です。」
声をかけられて初めて恭也の存在に気が付いたのか、父は心底驚いた表情で固まった。
そんな父親に構わずに恭也を抱きしめて江利子は続きを告げる
「この子が恭也くん。今日はうちに泊まってもらう予定だからよろしく♪」
恭也のことを江利子が改めて紹介をしたが反応のない父親に対して目の前で手をひらひらしたりして反応を伺ったが、なかなか反応をしない父親を無視して恭也を家に入れようとすると……
「え」
「え?」
ようやく何か一言を言ったのでオウム返しにして聞くと、父親は完全復活したのか…
「江利ちゃんが男連れてきた〜〜〜〜〜!?!?」
などといった大絶叫をもらした。
その声を聞いたのか、奥から『ドタドタ』とデカイ足音が地響きのように鳴り響きながら何かがこちらへと向かってきた。
「「「なんだって〜〜!!!」」」
「ちょ、兄さんたちがなんで家にいるんです?」
「そんなの、今日は江利ちゃんと夜景を見ながらのディナーをするために決まっているだろ」
「何を言っている、今日は私とドライブに行くんだ!!」
「何アホなこと言っているんだ。今日はボクと映画に見に行くに決まってるだろ」
江利子の三人の兄がそれぞれに自分の意見を言い出し、もちろん恭也に対しては鋭い視線を向けている。
別に、このような研ぎ澄まされていない殺気を、どれだけ浴びせられても普段の恭也であったのならどうといったことは無いのだが…。
だが、江利子の兄ということもあってここにいてはいけない雰囲気を感じたのか、少し体を震わせながら、江利子のスカートの裾を『ギュッ』と握りながら背中に隠れるようにしていた。
「やめてもらえますか、兄さんたち。恭也くんが怖がっているじゃないですか!!」
口調を強くして江利子がそう言うと一瞬であるが恭也に向けていた視線を緩めるが、しかしすぐにまた鋭い視線を叩きつける
「何を言う、我が家のアイドル・江利ちゃんに近づこうだなんて不届きもの叩き出してくれる。」
そんなことを父が勢いよく言っていると、奥からまた一人こっちらへ来る気配があった。
「まったく、何時まで何をしているんですか? 見っとも無い。そんなに騒ぎたいなら外へ出なさい。」
江利子の母が余りに五月蝿いのと、ちっとも中に入ってこない江利子のことを気にして様子を見に来たのだ。
「ちょっと、母さん何とか言ってあげて。父さん達、恭也くんのこと追い出そうとするのよ。」
憤慨して江利子が告げると、やはり母も何のことかさっぱり分からなかったのか、首をかしげていると恭也が自己紹介をした。
「あ、あの、ボクが恭也です。」
この場の異様な雰囲気のせいか恭也の声はかなり小さくなりながらも、頭をちょこんと下げて自己紹介をしていた。
そんな恭也のことを気が付き、屈み込みながら目線を合わせると母は……
「うん、礼儀正しい子ね。それに可愛いわね〜〜♪
江利子、こんな所にいないで恭也くんを中に案内してあげなさい。」
母親からのOKが出たので早速恭也の手を引いて家の中へと案内した。
恭也はと言うと、かなり申し訳なさそうにしながらも手を引かれるままに中に入っていった。
「ちょ、かあさん。何であんなのを入れるの……」
父はすぐに何かを言おうとしたのだが……
「…あら、何か言ったかしら…」
母の圧倒的な殺気を本能で感じたのか、口をつぐむ父。
そんな様子の父を横目に見ながら母がこの場にいない恭也、江利子の二人を除いたもの全員に聞こえるように告げた。
「この家で偉いのは誰かしら?」
「「「「お、お母様です…」」」」
「じゃあ、何の文句も無いですね」
にっこりと微笑んでいるが、ものすごい殺気で皆を圧倒している。
「「「「は、はい、ありませんです…」」」」
「恭也くんに何かして見なさい………絞めるわよ」
その後、二十分ほど四人の男供が玄関付近でガタガタ震えていたのはどうでも良いこと。
「江利子〜〜。恭也くんにはお風呂に入ってもらいなさい♪」
そう、母が言うので江利子は恭也をお風呂場に連れて行く前に、兄たちの服を適当に拝借してからお風呂場へと向かう途中で何か思いついたのか、自分の部屋へと寄り道してから恭也のことをお風呂へと連れて行った。
「ここがお風呂だよ♪♪」
そういってから恭也が入れるように脱衣所で一人にしてあげると、恭也がお風呂に入るためにドアを『ガチャ』と開ける音がしたのを確認してから、江利子は再び脱衣所へと入り恭也にばれないように静かに着替えを始めた。
一方、お風呂に入ろうとしていた恭也はスポンジを手に取り体を洗おうとしていた。
「体をあらってっと…」
すると……
「恭也く〜〜ん♪体洗ってあげる、入るよ♪♪」
恭也の返事が返ってこないうちにすばやくお風呂場に入る江利子
昨日の聖同様な展開になるかと思われたが…
「ん〜〜?お姉さんが一緒に入ると思ったのかな〜〜?」
恭也が真っ赤になっているのを、クスクスと意地悪そうに微笑みながら眺めからかう江利子。
彼女は短パンに薄いTシャツを着てお風呂場に入ってきたのだ。
「え、えっと、その、昨日、聖お姉さんが一緒に…」
昨日のことを思い出したのか、最後まで言うことが出来ないでいる恭也を他所に江利子はスポンジを奪い取り恭也の体を洗おうとしだす
「それにしても凄い傷だね。」
そっと呟くようにして恭也の背中の傷を指でなぞる。すると
「はぅ」
恭也はくすぐったいような、気持ちよさそうな声を上げていたので…
「ムッフッフッ〜〜。恭也くんってばこういうのが良いんだ♪♪」
そういって次々と恭也の背中や腕、お腹や胸元、わき腹などいろいろなところにある傷跡をなぞり始める江利子。
そんな江利子に恭也は『やめて』と頼むが、そんな言葉を聞くと江利子はますます面白くなったのか、やめる気配無く続けていた
五分後…
恭也はぐったりとしていた。
それは仕方ないだろう。クスグリの刑に処されていたのだから…
しばらくして、恭也の体を洗い終えると江利子はお風呂場を出ようとしたが
「あら、江利子も一緒に入るつもりだったの?」
彼女の母が扉を開けてお風呂場に入ってきたのだ。
さすがに、これには江利子も驚いたのか目をパチクリとしていると
「でも、あなたお風呂に入るのならちゃんと服を脱ぎなさい。まったく親の顔が見てみたいわ」
「ちょ、何言ってるの?ってか親って自分じゃない!!」
「も〜〜、そんなに怒って…。ちょっとした冗談じゃない。それとお風呂に入るのなら服を脱ぎなさい」
そういって問答無用で江利子の服を剥ぎ取り始める。
Tシャツと短パンを文字通り『むしり取る』と今度はブラとショーツもとってしまう。
「まったく、お風呂にはいるときは服なんか着ないの。」
「待ってよ、私は恭也くんの体を洗ってあげようと思っただけなんだって」
体を手で隠しながら母親に告げる江利子
しかし母は
「あら、だったら、なおさら服なんか要らないじゃない。一緒に入ればそれで済むんだから、まったくお子様ね。」
結局母の偉大なる力のせいで江利子は一緒にお風呂に入ることとなった。
一方の母は、恭也の頭をとてもご機嫌に洗っており、また恭也は逆らうことが出来そうに無かったので素直に洗われていた。
また、一緒に入ることになった江利子は開き直ったのか、恭也に対してあれこれしたりして楽しんでいた。(主にくすぐったり、頬をすり寄せたり、抱きかかえたりなどなど…)
こうして今日もまた顔をりんごのように真っ赤にした恭也が完成した。
お風呂を出てしばらくすると江利子は母親に呼ばれたので、台所の方へと訪れていた。
何のようだろうか?いつも『お手伝いするのなら受験勉強を頑張ってね♪』などといっている母が今日に限って手伝えと言うわけは無い。
そんなことを考えながらついてみると江利子に母は、お盆を手渡してきた
「何?。お盆なんて出して」
「それはね、これをあなたの部屋へ持て行って欲しいからよ♪」
そういって母は台所に用意してあった二人分の食事を江利子のお盆に載せ始めた
「恭也くんが、家の馬鹿男供と一緒に食事をするわけにはいかないでしょ?
だからね、あなたの部屋で一緒に食べなさい♪」
「ありがと♪お母さん」
母の思いが分かったのだろう、江利子はお礼を言うと嬉しそうに食事を部屋へと運んだ。
一方恭也はと言うと、お腹をすかせていたのかお腹をさすりながらいた。
その光景を見た江利子は思わず『可愛い〜〜』と叫び抱きしめたい衝動に駆られたが食事を運んでいたのでそれが出来なかった。
「きょ〜〜うやくん♪」
「にゅ? 江利子お姉さん♪」
「食事にしましょうか。はい」
そういって江利子は恭也の目の前に持ってきたお盆をおくと恭也は嬉しそうな表情をしながら頷いた。
「はい、お箸ね〜〜♪」
そういってお箸を取り出してみると何故か一つしかない。
「にゃ?江利子お姉さん、お箸が一つしかないんですけど…?」
「そうね、どうしてかしら…?」
『あの母』がこんな簡単なミスをするはずが無い、これには何か意図があるはずだと思い考えていると唐突に理解する。
「う〜〜ん、仕方ないね。二人で食べようか。じゃ、恭也くんア〜ン」
そういって江利子が口を開けて恭也に食べさせといった行動をしたので、恭也は恥ずかしそうにしながらも箸でおかずをつまみ上げて江利子の口へと運んだ
「う〜〜ん、おいしい♪じゃ、今度は私がしてあげる。はい、ア〜ン♪」
こうして恭也と江利子は互いに、おかずやご飯を時間を掛けて食べた。
恭也は真っ赤になりながらもおとなしく食べており、一方江利子は至福のひと時を過ごしていた。
「にゃ〜〜。お腹一杯です♪」
食事をし終えた恭也は頬が緩んだ表情でいた。
一方の江利子も、もちろんそんな恭也の表情を見ながら満足していた。
(う〜〜ん、いろんな表情をして良いね。こんな弟がいればな、ものすごく可愛がるのに)
その後江利子と恭也は、部屋でオセロやトランプなどをして遊んでいると
「もお、眠いです〜〜」
「じゃ、ちょっと早いけどもお寝ようか?」
目を擦りながら一生懸命にして起きている恭也に対してそんなことをいって布団へと進めた。
時刻は確かに十時半を過ぎており確かに子供の恭也は眠くて仕方ないだろう
「はい、こっちによってね♪」
もちろんいまさら布団を出して恭也を寝かすことなく自分の布団へと誘った
恭也が布団に少し中央からずれた位置に寝てもらうと、自身もまた布団に入って今日一日を終えた。
「ありがとうね、恭也くん。君のおかげで今日はとても面白かったよ♪」
今日一日がとても充実したものであったのが嬉しかったのだろう。
彼女は恭也の頬にキスマークをつけてから、ゴソゴソと布団にもぐりこみ恭也の体温を感じながら眠りに落ちた。
〜あとがき〜〜
なんだか展開の仕方が聖様と同じ感じになってしまいました。
まったくヘボ作者です私は(爆)
えっと、男供の感じはもっとコメディっぽくしたかったんですけど上手くいきませんでした(汗)
しかし、江利子の母親はとっても強いですね、これだと…。
男供はきっとガタガタブルブル(((;゜Д゜)))しながら玄関先に固まったんでしょう
ご愁傷様です、野郎供
この作品は突発的に作るので、次回は何時お送りできるか分かりませんが、今回の作品をお受け取りください、お師匠
でわ〜〜
タカさん、ありがとう!
美姫 「ふふふ。今回も恭也くんが可愛いわ〜」
満足そうだね。
美姫 「当たり前よ。それよりも…」
分かってるよ!書くよ。いや、もうすぐ出来るってば。
美姫 「分かれば良いのよ。じゃあ、タカさんまたね♪」
ではでは。