リリアン女学園に何故か迷い込んでしまった恭也
果たして彼はどうなったのでしょうか?
でわでわ〜〜
『薔薇に愛されし者』
『にぎやかな昼食会♪』
薔薇の館に着き中に案内される恭也は少々不安なためか怯えた表情で
由乃と祐巳の手を握っていた
「そんなに怖がらなくても良いよ〜
優しい人たちばかりだから」
「そうそう、恭也君を苛めるような人はいないからさ♪」
そっと彼の頭を撫でながらそう言って恭也を落ち着かせようとする由乃と祐巳
「………分かっているんですけど………」
潤んだ瞳で見上げてそう答える恭也
「大丈夫、大丈夫♪いざとなったら、お姉さんが護ってあげるからね♪」
令がそう言って、恭也の体をそっと掴むと抱きしめて持ち上げる
そんなことをすれば当然
「令ちゃんズルイ!!」
「令様………私も抱きしめさせてください!」
なんて言葉が飛び交った
そうこうすると、ビスケットのような扉がもう目の前にあった
『コンコン』
ノックをしてから部屋に入る令、由乃、祐巳の三人
その後に少し遅れて入ろうとする恭也が令が一声掛けるまで待っていてと言う言葉を
思い出しその場に踏みとどまった
「ごきげんようお姉様方。
今日は、カワイイお客様が来ているんです♪」
「とても気の小さい子なので、そのことをお願いします♪」
「とっても可愛らしいんですよ、薔薇様方もきっと好きになると思います♪」
令、由乃、祐巳の順に声を掛ける
その一方声を掛けられた三薔薇様は………
「あら?カワイイ子?」
「う〜ん、中等部の子でも連れてきたの?」
「カワイイか〜〜。祐巳ちゃんみたいに百面相な子なの?」
思いも思いのことを言う三人に対して祐巳たちは
「入れても良いですか?」
「ええ、入ってもらって
あなた達がそう言うなら悪い子じゃないでしょ?」
紅薔薇こと水野蓉子がそう言うと令はすぐさまに
「恭也君、入って良いよ」
「「「恭也君?」」」
当然聞き返してしまう三薔薇
それはそうだろう
リリアンの生徒を連れてきていたのだ思っていたのだから
しかし、呼ばれた名前はどう聞いても男性の名前
そんなことを考えていると小さな男の子が入ってきたのを三人は確認した
「え、えっと初めまして。ぼく、恭也って言います」
その瞬間世界が止まった
その後、時間にすれば僅かな間、恭也を放って置いて
山百合会の人間で、井戸端会談ならぬ山百合会談が設けれれた
その内容は
「あの子は何故ここにいたの?」や、「あの子可愛いわね♪」
「弟にしたいな〜〜」「名前は言えるのよね、じゃあ〜」………と言ったものであった
一方そんな会談が終わる恭也は少し目を赤くしながら居た
「あ、あの、僕が居るといけないようなので………何処か行きますね………」
寂しそうにそう告げると薔薇の館から出ようとする恭也
当然、山百合会の面々はそんなつもりは無かったが、放って置かれた恭也としては
自分は居てはいけないのだと誤認する
「ああ〜〜違う違う。君はいても良いんだよ。
ちょっとお姉さんたちがお話に夢中になっちゃっただけで、ゴメンね」
その事態に素早く気付いた蓉子は逸早く恭也を引き止める
「僕………いても良いんですか?」
見上げるように山百合会の面々にそう尋ねる恭也
「そうだよ〜、居ても良いからね♪」
そう言うと江利子は恭也のことを抱き上げ自分の膝元に寄せる
「あ、あの………」
恭也を膝の上に乗せると艶やかな黒髪を撫でる江利子
顔を真っ赤にしながら、されるまで居る恭也
しかし、そんな様子を黙ってみているほど他の面々は甘くなかった
「江利子ズルイ!!
恭也君は私が抱きしめるんだ!!」
「なに言ってるのよ、聖
さあ、こっちにいらっしゃい、恭也君」
もちろん、三薔薇がそんなことを言い合っていると
『キュルキュルキュル〜〜〜』
可愛らしい音が響き渡ると
「お姉様方、恭也君はお腹が空いているので………その辺で」
恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして俯いている恭也に代わって薔薇様方に申し上げる祐巳
「そ、そのようね……。
ごめんなさいね、恭也君」
「い、いえ………。でも、僕、お弁当持ってないんです……」
ここには令たちに連れてこられたことを話すと、突然白薔薇様は何か思いついたのか
空いたイスに座らせた顔を恭也に近づける
「そっか、恭也君の弁当持ってないんだ♪
じゃあ、お姉さんのを分けてあげようね〜〜
はい、ア〜ン」
「ア〜ン」
言われるままに口をあけて聖の箸からご飯を食べさせてもらう恭也
『モグモグ』と噛んでいる様子をニコニコしながら眺め聖が質問する
「どう、恭也君。おいしい?」
「はい、とってもおいしいです♪」
うれしそうに答える恭也に薔薇の館に居る全員が頬を押さえる
あまりの可愛さのためか、頬が紅潮したのであろう
「きょ、恭也君。私のも食べてみない?」
箸で肉団子をつまみ上げて恭也の前に持っていく蓉子
そんな蓉子に差し出されて恭也は嬉しそうに「ア〜ン」と言って口を開く
「どう、おいしい?」
「はい、とってもおいしいです。お肉が柔らくて食べやすいです〜♪」
こうなると、全員が恭也に箸を出して食べるようにお願いすることになる
「これはどう?恭也君?」
江利子が魚の塩焼きを出すと
「塩加減が良くて、おいしいです♪」
もちろんおいしそうに恭也が食べ
「じゃ、じゃあ、私のはどう?」
令が煮豆を差し出すと
「とってもおいしいです。お豆が軟らかく煮えていて、食べやすくて〜♪」
嬉しそうに煮豆を褒め
「じゃあ、これは?」
由乃がオムスビを出すと
「オムスビ、おいしいです〜♪具はオカカですね♪」
これまた嬉しそうに食べ、具について聞く
「これなんかどお?」
祐巳がサンドイッチを差し出すと
「このサンドイッチおいしいです〜中身はツナとハムですね〜〜♪」
もちろん、サンドイッチをおいしそうにお口にほうばる
差し出されたものは、全ておいしそうに食べる恭也
その仕草はとても可愛らしく、どうやらここの全員の心をどうやら鷲づかみにしたようだ
自分たちの食事は後回しにして恭也に自分たちのお弁当の三分の一くらい上げると
聖が唐突にまた思いつく
「お姉さんは、まだ食べてないから……。恭也君に食べさせてもらおうかな〜〜♪」
そういって自分の持っていた箸を恭也に渡すとそうおねだりしてみる
もちろん、お弁当を貰ってばかりの恭也がこれを拒否することがあるわけも無く
「あ、あの、それじゃあ………」
「うんうん♪」
「ア、 ア〜ン」
「ア〜ン♪」
恭也から差し出されたお箸に乗せられている白いご飯を口の中に入れてもらう聖
「う〜〜ん、おいしい♪
恭也君に食べさせてもらうと一段とおいしく感じるな〜〜♪」
もちろんこんなことをすると他の皆さんも真似る訳で………
薔薇の館ではいつもよりにぎやかな昼食会になっていた
〜あとがき〜〜
さあさあ、薔薇の館の人々のお気に入りになってしまった恭也
特に三薔薇様は恭也に見事にはまった様子で
見事にショタ魂丸出しなこの作品
彼の運命やいかに!!
でわでわタカでした〜〜
美姫 「いや〜ん、恭也くん萌え〜」
美姫、落ち着け。
美姫 「うぅ〜。普段とのギャップが何とも言えないわ」
確かにな。この恭也を見て、祥子がどんな反応をするのか、ちょっと楽しみ。
美姫 「お持ち帰りしたい」
やめなさいって。
タカさん、このままだと美姫が暴走しそうなので、この辺で。
美姫 「いやー、放してー。タ、タカさん、次回も楽しみにしてます。えい♪」
ぐえっ!
や、やはり力では勝てないのか………。