「それでレスター、防衛艦隊の立て直しはどうなってる?」

「エオニアと真正面から戦うのは難しいな。空母が十隻、戦艦に至っては二十四隻も沈められているんだ。後方支援が限界だろう」

「やっぱりエルシオールとエンジェル隊での一点突破しかないか」

 

 

 エルシオールのブリッジで指揮官二人が頭を抱えている。

 

 なんだかんだといって撃退には成功したものの、こちらが被った被害はとても楽観できるものではなかった。黒き月がトランスバール本星圏に到達するまで後三日しかないのだが、味方艦隊はその戦力を半分以下にまで削られてしまっていた。あの戦力差で全滅しなかったのが奇跡なぐらいだ。

 エルシオールが白き月へ向かう際に囮役も兼ねていたため、別ルートで白き月へ進行中だった皇国軍残存艦隊は今もなお続々とこちらへ合流している。このまま戦力の増強ができるのなら少しは安心できるかもしれない。

 

 

 今エルシオールは再び白き月のドックで修理作業の真っ最中で、紋章機も急ピッチで整備されている。幸いどちらの作業も二日以内で完了するというのでとりあえず一安心だと言えるだろう。肝心のエンジェル隊も士気が高く、三日後の決戦ではすばらしい活躍が期待できる。

 

 

 クロノブレイク・キャノンも調整は終わり、あとは実戦投入を待つだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 決戦の準備は着々と進んでいる。それはエオニアも同じであった。

 

 

 すでに駆逐艦四十、ミサイル艦四十、戦艦三十、空母十五隻を白き月に向けて発進させた。増援の艦隊もまもなく出撃準備が終わる。さらに黒き月周辺には無数の戦闘衛星によって構築された強固な防衛網がある。いかに戦力を投入しようとも度重なる激戦で消耗している彼らにこの必勝の策を破る術はない。

 

 

 高らかに嘲笑し、エオニアは確信した勝利に酔いしれていた。

 

 

 

 

 

 

 

銀河天使大戦 The Another

〜破壊と絶望の調停者〜

 

第一章

三節 激突

 

 

 

 

 

 

エルシオールの格納庫でRCSの機体チェックに明け暮れていたアヴァンの肩を誰かが叩いた。ふと視線を上げるとそこにはいやにご機嫌斜めなフォルテの姿があるではないか。思わずアヴァンは上体反らせてしまう。

 

「ど、どうした、フォルテ。あの武装追加の件ならちゃんと断っただろ」

「そのことならちゃんと分かったって。聞きたいのはそういうことじゃないよ」

「それなら、いったい何だ?」

 

 怪訝そうに首をかしげるアヴァンをフォルテがじっ、と見つめてくる。

 

「あんたは二度もあたしたちを助けてくれた……けどね、その真意がぜんぜん分からないんだ。アヴァン・ルース、あんたはいったい何で戦うんだい」

「知りたいかい、フォルテ・シュトーレン」

「あたしはエンジェル隊のリーダーだ。わけも分からない奴に背中を預けられるもんかい」

 

 言わねば脳天を撃ち抜く、とばかりに睨むフォルテを前にアヴァンは苦笑して立ち上り、いじっていた端末を元に戻す。それから何かを迷っているような素振りを見せて黙り込んだ。

 

 そうして、長いようで短い時間が過ぎて、アヴァンはようやく口を開いた。

 

「俺は戦争が嫌いなんだ。特に、それを引き起こす奴がな。だから俺はエオニアを討つ。それだけだ」

「ふん、じゃあトランスバール皇国が戦争を引き起こしたらあんたは皇国を敵に回すって言うのかい」

「そうだ」

 

 見栄も虚勢もない、まっすぐな青年の瞳は澄んでいる。まるで何も知らない子供の様でもある。まるで自分が無理やり問いただしているような錯覚にフォルテはあきれた様子で踵を返した。

 

「疑問は解消したかい? フォルテ・シュトーレン」

「今は保留にしてやるよ。ただし―――――――」

「裏切りはしないさ」

「信じてもいいのかい?」

「ああ。なんなら誓いの接吻でもしようか?」

 

 無邪気な瞳に見つめられて思わずフォルテは片手で赤くなった顔を隠す。

 

「冗談だ。でもそれぐらい本気だぞ?」

「何が本気だい。まったく」

 

 フォルテはふん、とそっぽを向いてそのまま足早に去っていった。アヴァンも何事もなかったように整備作業を再開する。

 

 

―――――――――――あんたはいったい何で戦う?

 

 

 彼女の問いを心の中で繰り返してみる。

 

 

―――――――――――戦争を引き起こす奴を討つ。それだけだ。

 

―――――――――――裏切りはしない。

 

 

 自分の答えを反芻し、自嘲的に笑うとアヴァンはポツリとつぶやいた。

 

 

 

「裏切りはしない………今は、な」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食堂の一角でずず、と並んで蕎麦をすするタクトとヴァニラはそこはかとなく満ち足りた様子だ。決戦も間近だというのにずいぶんとリラックスしている。その光景を見た半舷休息中のアルモが、密かにある野望を募らせていたのは一部の人間しか知らない事実である。

 

 と、そんなアルモの肩を何者かが叩いた。

 

「おい、アルモ。誰かと食べるのか」

「え、え?」

 

 そこにいたのは副指令のレスターだ。そして知る人ぞ知るアルモの意中の男性でもある。突然のことにしどろもどろになっているアルモをレスターは不思議そうに眺めていたが、

 

「一人で食べるなら、一緒に食べるか?」

 

 臆面もなく誘惑発言をぶちかますレスター。無論アルモは顔面から火を噴く勢いで頷くと手ごろな席に腰掛けた。その向かいにレスターも腰を下ろす(ちなみに二人ともメニューは何故か納豆定食だった)。

 

「はふはふ……やはり納豆は引き割りに限るな」

「副指令……はもはも……小粒も捨てがたいですよ」

「むむ……確かに小粒はご飯と程よく絡み合うからな………はぐはぐ」

「でも、引き割りだからこそ味わえる納豆の風味も魅力的です……んぐんぐ」

 

 なにやら納豆について非常にマニアックな会話を始めるアルモとレスター。周囲の一歩引いた視線など露知らず。普段はあまり話すことのできない自分の裏側を、二人は心置きなく語り合う。

 

 そうして「納豆はやはり個々の好みに合わせて味わうべき」という至極当然な結論に至ったところで、不意にアルモが上目遣いにレスターを見つめてきた。

 

「ん、どうした?」

「あの。副指令。一つ、訊いてもいいですか?」

「ああ。いいぞ」

 

 

 一度深呼吸をし、

 

 

「私たち、勝てます、よね」

 

 

 

 まるですがるようにアルモはレスターの手を握っていた。

 

 レスターは少し困った様子でしばらく黙っていたが、きまりが悪そうに頭を掻いた。

 

「俺は勝てると思っている。なにせあの馬鹿が勝てるって言うんだからな」

 

 そう言ってレスターは向こうで食事の後片付けをしているタクトを目線で示した。

 

「さ、行くぞ。そろそろ休憩時間も終わりだ」

 

 言うや否や立ち上がるレスターの手からアルモの手が離れる。一瞬だけ、アルモは切なそうに自分の手を迷わせてから、彼に続いて席を立った。

 

 

 それを見ていたからか。ふわり、とアルモの額をレスターが撫でる。

 

 

「え、あ、その……」

「大丈夫だな?」

 

 レスターの真っ直ぐな瞳がアルモを見つめる。そこには「部下だから」とか「自分は上官だから」というような理由はなく、ただ真摯に彼女を思う心があった。

 

 周囲へは関心がないように見えて、本当はとても優しい。

 だから自分は彼のことが好きなのだ。

 

 

「は、はいっ。大丈夫です」

「よし」

 

 

 一瞬………本当にほんの一瞬だったがレスターはやさしく微笑み、

 

 

「先に行ってくれ。俺は私用を片付けてから行く」

 

 

 踵を返して食堂から足早に出て行った。

 

 一度だけ自分の額を撫でると、まだ彼の大きな手の温もりが残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 整備班の詰め所ともいえる格納庫の喫煙室で、アヴァンは小休止とばかりにくつろいでいた。紙コップのコーヒーを片手に鼻歌を歌いながら、ソファーから足を投げ出している(なぜか煙草は吸っていない)。

 傍らのノートパソコンは待機状態で沈黙したままだ。明日の決戦に向けてしなければならないことが山ほどあるというのに。

 

「ふぁ〜あぁ………ん?」

 

 電子アラームを鳴らしながらノートパソコンが自動であるアプリケーションを開き、何かの演算を開始した。一般人には意味不明なものでしかない文字と記号の羅列が延々と繰り返された後、

 

(『大まかな流れ(グランド・テキスト)』が、変わったのか………?)

 

 渋面のまましばらくアヴァンはディスプレイを睨んだままでいた。テキストのデータを一通りチェックした後、人の気配を感じてノートパソコンを閉じた。

 

「アヴァン、ここにいましたか。シャトヤーン様がお呼びです」

「分かった。すぐに行く」

 

 作業員のツナギ姿のアンスに礼を言ってアヴァンはレストルームを出た。だがどういうわけかアンスは彼の後を追ってくるではないか。何度理由を聞いても「お気になさらず」の一点張りで、気づけば謁見の間の中だった。

 

 

 対するアンスも複雑な心境だった。なぜ皇国軍に籍を置いてもいない彼がシャトヤーンに召喚されるのか。まるで彼がまったく別次元の存在に思えてしょうがないのに、一方では彼をとてもそうとは認識できない。

 募る不安と加速する焦燥。

 この後にでも確かめようと、アンスは心に決めた。

 

 

 そうして思案している間にシャトヤーンが二人の前にあらわれた。

 

「来ましたね、アヴァン・ルース」

「こうしてゆっくり話すのは久方ぶりかな」

 

 シャトヤーンに一礼してアヴァンは微笑した。彼女もそれを特に気にすることもない様子だ。

 

「あの、失礼ですがシャトヤーン様。彼をご存知なのですか?」

「そうです、アンス・ネイバート。彼とは古くからの友人なのですよ」

 

 白き月の聖母の友人。

 それがいったいどんな人物かと見てみれば、そこにいるのはしょうもない優男だ。断じて高貴なイメージがふさわしいとは思えない。

 

 だが白き月に来てからの彼の行動は確かにこの事実を裏付けている。

 白き月の人間ですら知らない『プラント』の存在、今は無き旧時代の機動兵器に関する知識。そして皇族との面識を持ち、自分もまたパイロットとして前線に立つ。

 

 

 これは友人などというよりはむしろ………

 

「ま、まさか彼も皇国の―――――――――?」

「違います。あくまで彼は私たちの友人なのです。そう………旧き時代から」

「ふ、旧き時代ですか?」

「その事に関しては時が来ればすべて話しましょう。それより、貴方を呼んだのは確認したいことがあったからなのです」

 

 申し訳なさそうにシャトヤーンは顔を曇らせている。

 

「アヴァン。貴方の協力には感謝しています。ですがこの戦いが終わった後、貴方はどうするのですか?」

 

 彼女の問いは裏返せば「軍に残るつもりはあるのか」ということだ。本来民間人である彼を同意無しに軍に拘束することはできない。かといってこの後、皇国の復興には彼の協力が必要だ。アヴァンはそれを承知しているのか、不敵な微笑を浮かべた。

 

「それは愚問だよ、シャトヤーン。人はうつろう存在だ。その行く末と意志は関係ない。まあ、それでもあえていうなら………しばらく付き合おう、というところかな」

「相変わらず遠回しな語り文句ですね。貴方の無事を祈っています」

「ああ。せいぜい頑張ってみよう」

 

 

 アヴァンは踵を返し謁見場の出口に向かって歩き出す。二人が何の話をしていたのか理解できていない頭を抱えたまま、アンスも慌ててその後を追う。

 

 正体がまったくつかめない。

 彼はいったい何者なのか。

 何の目的でここにいるのか。

 もう我慢の限界だ。何がなんだかまったく理解できない―――――!

 

「アヴァン、いったい貴方は……!」

 

 アンスの罵声にも等しい質問に黙ってアヴァンは歩き続ける。そうしてようやく自室の前まで来たところで、アンスをそのまま部屋へ引っ張り込んだ。

 

「ちょ、いったい何を………?」

「よし、誰も見ていないな」

「いい加減にしてくださいっ!」

「おわっ!?」

 

 耳元で怒鳴られて思わずアヴァンが仰け反ると、そこへアンスの容赦ないボディーブローが炸裂した………かに見えた。アンスの右の拳はアヴァンの左の掌で完全にストップされていた。

 

「あー、危ないったらありゃしないぞ。直撃だったら内臓がはみ出てるかもな」

 

 

 冷や汗を一筋頬に走らせながらアヴァンはゆっくりとアンスの突き出した拳を下ろした。

 

 

「さて、ここなら誰にも盗み聞きされることもないだろうから。聞きたいことが山ほどあるだろう、君は」

 

 そこでようやくアンスは彼が気兼ねなく話のできる場所へ移動していたのだと悟った。道中一切口を開かなかったのも他人へ不用意に混乱を与えないためだったのだ。もし喋っていたら最高機密が漏れ放題になっていただろう。

 もっとも、これで周囲には別の誤解を与えてしまった可能性があるが。

 

 ともかく今は彼の正体を追及するべきだ。

 

 

「アヴァン。皇族と深い関わりを持ちロストテクノロジーの知悉もある。しかし皇族ではない………いったい貴方は何者ですか?」

「………………」

「私には貴方が理解できない。貴方の行動はあまりに不可解だ。貴方はまるで不安要素の集合体―――――――!」

「………………」

「さあ答えてください。アヴァン・ルースっ!」

 

 美しいブロンドを振り乱すアンスの両肩を掴んでアヴァンは押しとどめた。アヴァンの冷たい蒼い瞳がまっすぐにアンスを見据えている。

 やはり、とアヴァンは確信した。彼女のどこかに見覚えがある。懐かしく、愛らしい面影だ。そう、彼女は―――――――

 

 

 いや、今はそれを確認するべきじゃない。

 

「落ち着いて聞いてくれ。俺は……俺の本当の名前はアヴァニスト・V・ルーセントだ」

「え――――?」

 

皇国史の序文にその名を連ねる史上最高の科学者にして、トランスバール再興の立役者の一人。とうの昔に風化し朽ち果てたはずのそれがなぜ、今ここに存在するのか。

 

 アヴァンはタクトやレスターにも聞かせた説明を繰り返す。混乱と当惑を隠せないアンスは四度目の説明でようやく大まかな事情を把握した。

 そして改めて念を押す。

 

 この事実は決して他言しないように、と。

 

 

 

 気付けばアンスはアヴァンの部屋でお茶まで馳走になっていた。かれこれ二時間以上話しこんでいたのだからお茶が出るのはむしろ当然だ、と彼女は開き直ることにした。

 時計を見れば作戦開始まであと四時間にまで迫っている。こなすべき作業はすべて完了しているのでもうしばらくここで暇をつぶすのも悪くないだろう。

 

 アヴァンに作戦開始までの残り時間の話をすると、彼はとりわけあわてた様子もなくオレンジジュースをグラスに注ぎなおした。

 

「しかしずいぶんと余裕ですね、アヴァン。相変わらずの無神経ぶりといいますか、なによりオレンジジュースはないでしょう」

「無神経なわけじゃあないし、俺はオレンジジュースが好きなの。ともかく決戦前に精神を落ち着かせることはとても大切だ。たとえそれが圧倒的不利な戦況の中にいても、ね」

「そうですか…………私には貴方が遊んでいるようにしか見えないのですが?」

 

 ソファーから足を投げ出し、グラスを片手にアンスとポーカーをしているのだからそう言われてもしょうがない。

 

「いや、アンス。君も遊んでるじゃん」

「私は仕方なく付き合ってあげているだけですっ!………あ、ロイヤルストレートフラッシュ」

「なっ、なにぃっ!? アンス、これで何度目のロイヤルストレートフラッシュだ!」

「さあ?」

 

 ベテランの女勝負師(イメージはお任せします)を彷彿とさせる仕草で手札を放り、アヴァンを嘲笑するアンス。

 一方のアヴァンはいい加減やる気が失せたのか、すっくと立ち上がってデスクに無造作に置いてあったパイロットスーツを手に取った。どうやらもう出撃準備に入るらしい。

 

「もう、行きますか?」

「そろそろな。それにこのままだと君に身包み剥がされそうだしな」

「失礼な。私はそこまでしません」

「ここまで追い込んでおきながらよくいう」

 

 苦笑してアヴァンは踵を返そうとして、立ち止まった。つい先ほどまで余裕の表情で自分を打ち負かしていた彼女の肩が、小刻みに震えているのだ。

 

「アンス………」

「いえ。何でも、ありません。私も出ますから」

「足が震えてるぞ。立てるか?」

「大丈夫です。私だってそんなやわじゃあありませんので」

 

 そう言って立ち上がろうとするアンスの体は大きくバランスを崩し、

 

「っと……!」

 

 アヴァンの細くも太くも無い流麗な腕に抱きとめられていた。

触れている場所から彼女の震えがはっきりと伝わってくる。今までポーカーフェイスを崩すことも無かったのだから、その気丈さは大したものだ。

 

 

「だい、じょうぶです、から………放して」

「足にぜんぜん力が入ってないのに、そんなことできると思うか?」

「っ………」

「心配するな。不安に思うな。いったい誰が味方にいると思っているんだ、君は」

 

 一瞬だけ腕の中でアンスはアヴァンを見上げ、再びうつむいた。

 

 

「アヴァン・ルース………貴方は私を不安にさせる」

「分かった。ひとつだけ約束しよう」

「約束、ですか?」

「ああ。俺は昔から仲間との約束を破ったことは無い」

「……………」

「俺は何があっても絶対にこの艦を、君を守ってやる。約束だ」

 

 彼の透き通るような蒼い瞳に迷いは無かった。

 純粋で無垢な少年を思わせる彼の眼差しを見つめ返して、アンスは一度だけ頷いた。あとはそのままアヴァンの胸で落ちるように眠ってしまう。よほど張り詰めていたのだろう、その緊張が切れてここ一週間の疲労がどっと押し寄せてきたようだ。

 

 そのままアンスを自分のベッドに寝かせて、小さな約束を胸に彼は戦場へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――作戦開始二時間前。

 

 

 

 エルシオールのブリッジは突然の報に揺れている。

 

 エオニアの艦隊が第一防衛ラインに接触したのだ。黒き月もまもなく防衛ラインに差し掛かるという。こちらの見立てでは半日も後のことだったのだが…………

 

 

「くそっ、出鼻をくじかれた………総員第一種戦闘配置! エルシオール、緊急発進! スケジュールはすべて繰上げだ!」

 

 タクトの号令にブリッジの混乱は一瞬で消え去り、一個の精密機械のようにその機能が稼動し始める。

 

 

「全クルーに告ぐ! 全クルーに告ぐ! エルシオールはこれよりスケジュールを1フェイズ繰り上げて出撃する! 各員第一種戦闘配置!」

「クロノ・ストリングス・エンジン、出力上昇中。規定値まであと五分!」

「火器管制室は兵装のチェック急げ! 整備班はトラブルに備えて待機せよ!」

「ブリッジよりエンジェル隊へ、ブリッジよりエンジェル隊へ。スクランブル待機願います。繰り返します、ブリッジよりエンジェル隊へ、スクランブル待機願います」

 

 瞬く間にエルシオールは出撃に向けての準備が整っていく。

 

「エンジン出力、96%。メインスラスター、正常値!」

「バランス=スタビライザー起動! メイン、サブ………フルコンタクト!」

「固定アームのロックを解除します! カウント5……321、リリース!」

「全兵装異常なし! FCSは正常に稼動中です!」

「メインゲート、オープン。針路クリア!」

 

 すべての報告を受け、タクトは頷くと皆も一様に返す。

 

 いざ、決戦の場へ。

 

 

「エルシオール、発進せよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 格納庫ではエンジェル隊がその出番を今か今かと待ち受けていた。これまで犠牲になった尊い命たち。それらを奪った罪の重さをエオニアに突きつけてやる。そしてもう一度平和な世界を取り戻す。

 

 現在五機の紋章機にはそれぞれ単独行動時に装備する長距離ブースターユニットが取り付けられている。激しい連戦が予想されるため、航続時間、最高速度を底上げする目的で急遽使用が決定したのだ。

 

 

『エンジェル隊、聞こえるか!?』

 

 タクトの声に全員が顔を上げた。いずれも戦場を待つ戦乙女たちだ。

 リーダーであるフォルテが全員を代表して答える。

 

「聞こえているよ、タクト」

『うん。あと五分で防衛ラインを突破した敵の第一波と接触する。その後は続けて第二波以降との連戦になる』

「厳しいね。勝算はあるのかい?」

『俺たちは敵を食い止めるのではなく、このまま直進して黒き月の懐へ飛び込んでクロノブレイク・キャノンを発射。敵中枢を無力化させる』

 

 守りに回っては物量の差で押し切られる。ならば逆に機動力と火力に物を言わせて相手の咽下を一撃で食い千切ってやろうというのだ。

 

 はっきり言って無謀な賭けだが、他に手が無いのもまた事実。

 

「了解だよ。皆、いけるね!?」

『はいっ、もちろんです!』

『やってやろうじゃないの!』

『今の私たちに不可能はありませんわ』

『もう一度、平和な世界を取り戻すために』

 

 ディスプレイの向こうでタクトは一瞬だけ微笑むと、すぐに真剣な表情に戻った。

 

『よし。エンジェル隊、発進だ!』

 

 エルシオール底部の装甲が開き、五機の紋章機が飛び立った。それを見送ってからアヴァンは長距離航行用のブースターを装着したRCSを宇宙へ躍らせる。

 

 

『アヴァン、やってくれるのか?』

「ああ、タクト・マイヤーズ。ちょっとした約束だ」

『約束?』

「この艦を守ってやる、と。まあ気にするな。できる限り立ち回ってやる」

『分かった。頼むよ』

「任された。アヴァン・ルース……RCS、出る!」

 

 背部に取り付けられた大型ロケットブースターが盛大なフレアを吐き出し、RCSを一瞬で音速の領域まで押し上げる。ロケットブースターは本来紋章機のオプションなのだが、急遽RCS用に調整したのだ。すさまじいGをものともせずにアヴァンは機体を制御してエンジェル隊の後を追う。

 

 すでに速度はマッハ4に近づきつつある。元は紋章機の単独での作戦展開のために使われるものだ。その性能たるやRCSの機動性をはるかに凌駕している。

 

 今、RCSは特殊コーティングが施された実シールドとレーザーライフルを装備している。今回敵は高機動戦闘機を大量に投入してくるだろう。エンジェル隊ではその圧倒的物量を裁ききるのは難しい。相手にするには小回りの利くRCSの方が有利なのだ。

 

 

 前方ではすでにエンジェル隊が戦闘を開始している。だがアヴァンはその只中へ速度はそのままに飛び込んだ。如何に高性能な戦艦といえど超高速で飛翔するRCSを捉えることなどできず、無様に隙をさらけ出した。

 そこへ紋章機のもう攻撃が加わり、瞬く間に第一波の戦力は壊滅した。

 

 

 だが一息つく間もなく第二波が押し寄せてくる。先方の防衛艦隊には敵戦力をできるだけ撹乱させながら後退するように伝えてある。だが、ある程度戦力を削られているとはいえ第二波の敵の数はいささか多すぎる。

 

 数。およそ六十。そのいずれもが紋章機と同系列の高機動戦闘機『ダークエンジェル』だ。

 

 

 黒き月と白き月が保有するテクノロジーの相違点は一つだけだ。

 

 白き月は人の感情をベースに、それを最大限に活用する。そのためH.A.L.Oシステムを代表するように、使用者のテンションによって兵器が不安定になるという欠点を持つが、そのポテンシャルは無限大ともいえる。

 

 対して黒き月は不安定要素の排除を優先し、高機能かつ安定性の高い兵器を作り上げた。白き月よりもある意味純粋な兵器ともいえるそれらは制御もしやすく、さらにその兵器はすべて無人であり、高度な人工知能によって運用されるため、人的被害も抑えることができる。まさしく優秀な戦争の道具となるわけだ。

 

 

 ともあれ、エンジェル隊だけではこの数を捌ききるのは難しい。

 

「できればこのまま単身で黒き月へ乗り込みたいところだったが……」

 

 戻ってきたらエルシオールが沈んでいた、では洒落にならない。

 ブースターを再燃させて敵戦闘機の編隊へ突撃する。相手が一斉に誘導弾を発射した瞬間に機体を左右に振ってその弾幕をすり抜け、レーザーライフルのフルオート射撃で編隊を殲滅。

 

 エンジェル隊も善戦している。カンフーファイターとトリックマスターが戦線をかき回し、そこへ偶然にもラッキースターのハイパーキャノンが命中すると、それだけで敵機の数は半分以下にまで激減した。

 残りはハッピートリガーの大火力で掃除して第二波は全滅した。

 

 

 ハーヴェスターが修理に駆け回る中、フォルテはRCSの動きを目で追っていた。

 とりあえずあの男はまだ不審な動きを見せていない。確かに気にしすぎなのかもしれないが、それでも不安要素はぬぐいきれていない。

 

 

 だがフォルテの思考は第三波接近の報で打ち切られた。

 

 

 

 今度は戦闘機と戦艦、ミサイル艦の混成部隊。叩き方を間違えれば味方全滅の結末すらありえる。

 

 一瞬の躊躇の後、フォルテはミサイル艦に狙いを定めた。敵戦闘機は高機動戦闘が唯一できるカンフーファイターに任せるしかないし、逆に相手の後ろ盾をつぶせば他の皆も戦いやすくなる。

 

 そう彼女が結論した直後、その頭上をRCSが猛スピードで通り過ぎていく。

 

「な………!」

『フォルテ、敵戦闘機は俺が引き受ける。君はエンジェル隊全員で後方の艦隊を潰せ!』

「だが、それじゃああんたは………」

『心配するな。これでも無茶は得意なんでな!』

 

 いい終わらないうちにアヴァンは敵編隊の中へ突っ込んでいた。

 

 ここまで言われては従っておくしかない。現に彼はその言葉を行動で示している。もう、四の五の言うのはやめだ。

 

「ミルフィー、ランファはあたしに続け! ミントとヴァニラはバックス、頼んだよ!」

『了解です!』『おっけー!』『了解ですわ!』『分かりました』

 

 敵艦隊へ直進するラッキースター、カンフーファイター、ハッピートリガー。だが相手とて黙ってやられるわけではない。その砲撃を三機に集中させる。

 

 

 その向こうではRCSと七機のダークエンジェルたちとのドッグファイトが続いていた。

 

 ライフルを小脇に抱えたままバッテリーマガジンを交換し、機体を回転させて集中砲火を掻い潜る。だが背後を取られているうえ、ブースターを装着したままのRCSでは得意のランダムアクション(瞬発多方向高機動)ができない。

 

 そしてついに限界が来た。無茶苦茶な連続使用によってロケットブースターが異常加熱し、とうとう爆発したのだ。

 

 

「ぐっ………!」

 

 爆発の衝撃で激しく揺れ、RCSはバランスを崩しきりもみ状態で投げ出されてしまった。幸いRCS本体に損傷はなかったが、この隙を逃すまいとダークエンジェルが一気に群がる。

 

 いつか、何度も味わった奇妙な浮遊感。感覚と思考が一瞬で光速の領域に到達しモノトーンの世界に突入する。認識領域が拡大し、はるか彼方でこちらのアクシデントを目撃したミントが血相を変えているのさえ、はっきりと見えた。

 

 

 閉じたスロットルをもう一度全開へ。全身の推進モーターを使ってバランスをとり、ライフルを頭上へ向け迷わずトリガーを引いた。放たれた紅い閃光はダークエンジェルの一機を撃ち抜き、その残骸まで焼き払う。

 この間、わずか三秒。一瞬の後に反攻に出たRCSへ、ダークエンジェル部隊は編隊を組みなおして再び肉迫する。吐き出されたレーザー機銃とミサイルが爆音をとどろかせて破壊の嵐を作り上げていく。

 

 

 爆炎がRCSを飲み込んだ。

 飛び散る破片がその破壊をダークエンジェルの制御AIに確信させる。

 

 

 否、炎の壁の向こうから――――――――

 

 

 バシュッ バシュッ バシュッ バシュッ

 

 

 四本の赤光が超高熱の世界を超えて無人戦闘機を貫いた。

 

 数瞬遅れてライフルを構えたRCSが姿を現す。瞬く間に残りたった二機になったダークエンジェルに迫り、至近距離からの射撃で粉砕した。

 

 

 

「敵戦闘機部隊の殲滅を完了。こちらは航行用ブースターを損失、か」

 

 こういうこともあろうかとエルシオールに予備のブースターを用意してある。あとはエルシオールとの合流を待ってブースターを射出してもらう。

 ちょうどエルシオールが現在位置の第三防衛ラインに到達した。エンジェル隊は突破口を開くため前進中。一刻も早く追いつかなくてはならない。

 

 

「エルシオール。こちらRCS、ブースターを失った。予備を出してくれ。それと黒き月の現在位置と予想針路は?」

『こちらエルシオール、了解。黒き月は現在第二防衛ライン上で味方艦隊と交戦中。あと六分でクロノブレイク・キャノンの射程内に入ります』

「了解した。風穴を開けてこよう」

 

 

 ほどなくして紋章機の発進口から同じブースターが射出された。RCSにドッキングさせ、調整作業に入る。一分ほどで作業は完了するだろうがそれまでエンジェル隊が耐えられるかどうか、正直難しいところだ。

 

 

 

 

 

 

 一方のエンジェル隊は二十基以上の戦闘衛星を前に苦戦を強いられていた。ここまで補給なしで戦ってきたのだ。いい加減エネルギー残量も底が見えてくる。

 

 やむをえず後退を開始するが、それを敵が見逃すはずも無い。執拗な追撃で徐々に追い込まれていく。なんとかエルシオールとの合流ポイントまで下がった時にはおびただしい数のダークエンジェルとミサイル艦数隻が群がっている状態になっていた。

 

 

「このままでは…………」

 

 

 ハーヴェスターに回避行動をとらせながらヴァニラは一人つぶやく。ハーヴェスターもエネルギーの残りは乏しく、すべての紋章機をナノマシンで同時に修復させる『リペアウェーブ』はあと一回使えるかどうか。

 

 

「――――――――!」

 

 

 思考で機体の動きが鈍くなっていたのか、三機のダークエンジェルに背後を取られてしまった。

 

 すぐさま機体を急旋回させて引き離そうと試みるがうまくいかない。単純な機動性ならば相手が上回っている。しかも三機のコンビネーションは正確で、むしろこのままでは自分のほうが危ない。

 

 敵機のビーム砲が開いた。一気に片をつけるつもりらしい。そして相手にロックオンをされたことを知らせるアラームが無常に鳴り響き、

 

 

「っ………?」

 

 

 爆発に飲み込まれたのはダークエンジェルたちだった。いずこからか放たれた砲撃が直撃したのだ。

 

 

『エンジェル隊は直ちにエルシオールと合流せよ! 繰り返す、エンジェル隊はエルシオールと合流せよ!』

 

 聞きなれたアルモの声。

 

 エルシオールが間一髪エンジェル隊との合流地点に到着し、援護射撃を開始する。その隙に補給を済ませたエンジェル隊が借りは返さんとばかりに反撃に出る。その猛攻凄まじく、一分と立たずに戦場は静寂を取り戻した。

 

 

 

 

「俺の出番は無い、か」

 

 一人ぼやくアヴァンはRCSをエルシオールに近づけ、用意させておいた予備のマガジンを受け取る。

 

 とはいえここから先は出番の無い者などいない。エルシオールからはすでに黒き月が肉眼ではっきりと見える。おそらくこちらは相手の有効圏内に入っているはずだ。

 

 

『こちらタクト・マイヤーズだ。各員、心して聞いてくれ』

 

 エルシオールからの通信。鼓舞のためのものだろうが、今はそれが戦う原動力になる。

 

『まもなくエオニアとの最終決戦だ。恐らくかつて無いほどの激しい戦いになるだろう。だが俺たちは勝つ! いや、勝たなきゃいけない! 俺たちの後ろにあるもののために!』

 

 すべてのクルーが作業を中断してタクトの声に耳を傾ける。

 

『無茶は承知だ。とても危険だ。だけど皆、もう一度力を貸してくれ! エオニアを倒して、俺たちの、みんなの平和を取り戻すために!』

 

 艦内の至る所から歓声が沸きあがる。高揚する士気こそ戦局を左右する重要なファクターの一つ。

 

 

 

 

 タクトの演説が終わる。ブリッジでは最後の艦内チェックがちょうど終わったところだった。

一度シートに腰を下ろして深く息を吐いた。気持ちを切り替える。

 

「ココ、クロノブレイク・キャノンは?」

「システムオールグリーン。黒き月は射程内に入っています」

 

 ブリッジからは黒き月の禍々しき姿とその前方に展開する大艦隊が一望できた。戦力差は絶望的だ。何せこれだけの敵を相手に戦艦一隻で突撃するのだ。泣きたくもなる。

 

「エンジェル隊、聞こえるか?」

 

 一瞬の間も置かずに五人がいつもの調子で答えた。それだけでタクトはいままで、いつも勝利を確信できた。

 だが今回ばかりは違う。

 

 この作戦は、この戦いは………

 

 

『タクトさん、大丈夫ですか?』

「大丈夫だよ、ミルフィー」

『なに辛気臭い顔してんのよ。ぶっとばすわよ』

「いやいや、いつもどおりだって。ランファ」

『何か悪いものでも食べたんですの?』

「ブリッジじゃあ何も食べれないし……心配ありがとうミント」

『ホントかい? ちゃんとトイレには行ったか?』

「からかうなよ、フォルテ。大丈夫だ」

『この戦いが終わったら健康診断をしましょう』

「ははは、そのときはよろしく頼むよ。ヴァニラ」

 

 

 本当にどこまでもいつもどおりで、思わず苦笑してしまう。これが彼女たちの、俺たちの強さなんだ。

 

 たとえどんなに強力な兵器だって、心の絆に勝てるはずが無い。

 

 

「よし、いくぞ! 皆!」

 

 湧き上がっていたブリッジに緊張が戻る。すぐにメインスクリーンに作戦図が展開された。アルモとココの腕前には正直感服する。

 

 

「アルモ、こちらにむかっている敵戦力を教えてくれ」

「はい。ミサイル艦六隻、戦闘空母三隻。これに追従する高機動戦闘機が十機。さらに後方には拠点防衛用の戦闘衛星が一二基、確認されています。艦隊および戦闘機群は十分後にこちらを捕捉すると思われます」

「ありがとう。ココ、エンジェル隊とRCS、エルシオールの状態はどうだ?」

「紋章機はすべて正常に稼動しており、RCSも戦闘に支障は無いという報告が来ています。エルシオールもほとんど損傷がなく、作戦の遂行になんら問題はありません」

 

 つまり、ここまではベストの状態で来ている。あとはチェックメイトを突きつけてやるだけだ。

 

「よし。まずエルシオールはクロノブレイク・キャノンの発射に最適なポイントを移動する。ココは座標の計算を頼む。」

「了解です、マイヤーズ司令」

「そしてエンジェル隊とRCSにはエルシオールの進路と安全の確保をしてもらう。エルシオールが沈んだらすべてが終わりだ、頼むぞ!」

『了解!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どういうことだ!? なぜエルシオールがまだ沈んでいない!?」

 

 報告に来た部下を怒鳴りつけ、エオニアはなりふりかまわず周囲の物へ当り散らした。

 まったく計算違いだ。あれだけの戦力を投入して無傷。なおかつこちらの懐へ飛び込んできた。このままではこちらの身が危ういとは言わないまでも、本土侵攻用の戦力まで使わなければならなくなる。

 

 それではスケジュールが大きく遅れてしまう。奴らの侵略が再開されるまでに体制を整えなければ――――――――!

 

 

「やむをえん。本星侵攻部隊をエルシオールへ向かわせ、それとダークムーン・バスターを用意しろ」

「は、はい。ただちに!」

 

 

――――――――ダークムーン・バスター。

 

 本星の主要都市を陥落させるために用意させた強力な大型ビームキャノンだ。一撃で衛星都市を沈めるだけの威力を持っている。

 

 

「くっくっく…………忌まわしき白き月の使者ども。これで終わらせてくれる………!」

 

 その時だった。最終防衛ラインにエルシオールが接触したとの報が飛び込んでくる。ならばあえて懐に飛び込ませて回避不可能の一撃で焼き払ってくれよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐうっ! 面舵15、下げ舵20! 三番から十八番までのミサイルハッチ開放、撃てぇっ!」

 

 着弾の衝撃に揺らされながらレスターの号が飛び、エルシオールの右舷から無数の誘導弾が発射される。そのすべてが飛び交うダークエンジェルと敵ミサイル群を迎撃していく。

 

 

 最後の戦闘衛星をすり抜け、同時に衛星が爆発四散した。タクトは確かな手ごたえを覚えながら次の指示を下す。

 

「針路変更、六―六―三!」

「了解、針路を六―六―三に!」

「司令! 針路上に黒き月より敵増援艦隊の接近を確認! あと五分で戦闘空域に突入します!」

 

 これ以上足止めされるわけにはいかない。至急エンジェル隊を呼び戻そうとするが思いのほか敵の数が多く、増援への対応が難しい。

 

「どうする、タクト!」

「こっちで叩くしかないだろ! エルシオール、長距離砲撃戦用意だ!」

 

 エルシオールの艦首上部のハッチが展開し、主砲である二連装大型高周波砲四基、計八門と副砲のビームキャノン一六門がせり出す。非常に高い威力を持つため通常の艦隊戦では使いづらく、今回のような超長距離から先手を打つために用いられる。

 

「主砲、副砲、照準!…………撃てっ!」

 

 遥か彼方、肉眼では識別できない距離に位置する敵艦隊へ向けてエルシオールの砲撃が始まった。エンジェル隊とRCSには事前に射線上から退避するように通達してある。

 

 砲撃が止んでおよそ三秒、エルシオールのセンサーが爆発を多数確認した。増援艦隊は跡形もなく消し飛んだのだ。

 

 だがその時、ありえないことが起こった。

 

 突然エルシオールの針路上に高速で接近するダークエンジェルの大編隊が出現したのだ。すでにエルシオールから肉眼で確認できる距離にまで接近している。

 

「なんてことだ………!」

 

 レスターが舌打ちして唇をかむ。

 ダークエンジェルは艦隊に偽装していたのだ。そして砲撃が始まった瞬間に偽装を解除して斜線上から退避、編隊を整えた後に今度はその機動力を生かして突撃する。

 長距離砲撃の臨機応変な対応のし難さを上手く利用した、二段構えの作戦だった。

 

「対空防御、弾幕を張るんだ! 一機たりとも敵を近づけるな!」

 

 混乱する頭を振るってタクトは指示を出す。だがエルシオールとはいえダークエンジェルの集中砲火を受ければただでは済まないだろう。

 敵のビームがエルシオールの右舷側の装甲を焼く。

 

「右舷、九番から十四番までのミサイルハッチが使用不能!」

「第八整備区画で火災発生!」

「落ち着いて対処しろ! 自動消火装置を使え!」

 

 そうしている間に再び戦闘機部隊がエルシオールへ肉薄しようと距離をとってフォーメーションを組みなおし始める。

 

 

(!………エルシオールが!?)

 

 RCSのサブカメラがエルシオールの窮地を捉えた。映像見た限りでは一国を争う事態のようだ。

 戦艦の砲撃を引き離し、ロケットブースターを最大出力に設定する。かなりの無茶ではあるが、仕方がない。エルシオールが沈んでは元も子もないのだ。

 

「エンジェル隊、エルシオールが危ない! 手の空いているものはこっちへ!」

『エルシオールが!?』

『しかしここで敵を食い止めなくては……』

 

 皆が躊躇する中、ハーヴェスターが針路をエルシオールへ向けた。

 

『フォルテさん。私が、行きます』

『………分かったよ。あたしたちもすぐに追いつくから、無茶をするんじゃないよ?』

 

 うなずくヴァニラ。

 

「よし、俺が切り込む。ハーヴェスターはRCSの後ろへ」

『アヴァン』

「フォルテ? どうした」

『ヴァニラを頼むよ』

「もちろんだ」

 

 ハッピートリガーたちが二機の針路を切り開くべく攻撃を集中させる。弾幕の合間に一瞬だけ見えたエルシオールへ。

 

 

 

 

「敵戦闘機部隊、再接近!」

「くっ、弾幕を張れ!」

 

 レスターは焦燥を隠そうと歯を食いしばりながらクルーへの指示を続ける。だが無情にもダークエンジェルが放った無数のミサイルがエルシオールの右舷から迫る。

 

 そう、そこは先の攻撃で死角になった―――――――――

 

 

 絶望的な状況だ。

 しかし………

 

「おああああああっ!」

「やあぁぁぁぁぁっ!」

 

 気合一閃。RCSの白刃とハーヴェスターのファランクスレーザーがそれを阻んだ。起こった奇跡にブリッジから歓声が沸き起こる。

 そこへ全速で迫るダークエンジェル部隊。

 

「これ以上は――――――――」

「もうエルシオールを………」

 

 脳裏を駆け抜ける刹那の言葉。

 

「好き勝手やらせるわけにはいかないっ!」

「やらせません!」

 

 抜き放った白刃をそのままに、

 純白の翼を羽ばたかせ、

漆黒の天使たちへ突撃する!

 

 先頭の一機をRCSのムラクモが両断し、後続にはハーヴェスターの全火力がばら撒かれ瞬く間にダークエンジェル部隊は闇の藻屑へ帰した。

 

 たった一度のアプローチで、である。

 

「ふぅ、やるな。ヴァニラ・H」

「いえ。アヴァンさんも」

 

 互いにかすかな笑みを浮かべ、二人はさらに絶望的な状況と対峙する。

 エンジェル隊とは別方向から接近する新手のミサイル艦三隻と戦艦二隻。

 

「さて、さすがに辛いな」

「ですが、下がるわけにはいきません」

「同感だ………!」

 

 二人が同時に機体を発進させるのと同時に敵艦からの攻撃が始まった。疾走する途方もない数のミサイル。その悉くをアヴァンとヴァニラが撃ち落していく。

 

「くっ………!」

 

 如何せん数が多い。このままではいずれここを突破されてしまう……!

 

『皆はやらせません! ハイパーキャノン!』

 

 横から突き刺さる巨大な光の槍がミサイルたちのすべてを一瞬で消滅させた。

 

『うおりゃああああっ! アンクゥワァァァッ…クロォォォォッ!』

 

 いつもより五割増で気合のこもったアンカークローが先陣を切っていた敵戦艦を弾き飛ばす。

 

『好き勝手なさらないでほしいですわ! お行きなさい、フライヤー!』

 

 小型無人攻撃ユニット『フライヤー』が後退を始めたミサイル艦隊の足を止め、

 

『人の男に手を出すんじゃないよっ! ストライクバーストっ!』

 

 視界を埋め尽くすほどの火力がすべてを焼き払った。

 

『二人とも大丈夫ですか?』

『あんま冷や冷やさせないでよね。肌に悪いじゃない』

『まあまあ、ご無事そうで何よりですわ』

『まったく、無茶すんじゃないよ』

 

 ハーヴェスターとRCSの前に舞い降りる四機の紋章機。

 強く、美しく、頼もしい最高の仲間だ。

 

「よし、ここからが正念場だ。いくぞっ!」

『おおっ!』

 

 左右から接近していた敵空母を二手に分かれて肉薄する。

 テンションは最高潮。微塵たりとも迷いはない。

 たった、たった六人で無数の空母と巡洋艦を次々に劇はしていく。

 

 この攻勢を、この機を逃すわけにはいかない。皆が一致団結して切り開いた道なのだ。これで、すべてを終わらせなくては。

 

「続けてクロノブレイク・キャノン、チャージ開始! エンジェル隊は援護を!」

 

 エルシオール内を駆け巡っていたすべてのエネルギーが艦首の長砲身に注がれていく。まったく無防備の状態の艦を守るのは五人の天使。

 

 だが、優勢は一瞬でひっくり返った―――――――

 

 

「新たな敵影! 前方から……数5、高速艇! 突撃してきます!」

「エンジェル隊は!?」

「別方向で戦闘中、間に合いません!」

 

 瞬間、エルシオールの迎撃を掻い潜った一隻の高速艇がエルシオールの左舷―――――――横腹に突き刺さり、爆発した。

 

 

「え?」

「うそ……」

「なんてこと」

「くそっ、死ぬんじゃないよ」

「タクトさん―――――――――!」

 

 

 ハーヴェスターが急旋回し、エルシオールへ急行する。

 

 外から見たエルシオールはあちこちで爆発と火災が発生し、絶望的な状況だった。はたしてエンジンブロックは無事だろうか。クロノブレイク・キャノンは使えるのか。

 

 

 いや、ブリッジは。タクトは大丈夫なのか。

 

 

(タクトさん。私は、私が――――――――)

 

 

 不安と焦燥が胸を駆け巡る。

かつての悲劇が去来する。

 

 

 否、繰り返させはしない。

 

 そのために、

 

 そのための、

 

 

「私が、守ります――――――――――!」

 

 紋章機という名の翼がここにある――――――――!

 

 

 ハーヴェスターをエルシオールの頭上で固定させる。

 

両翼から発生していた純白の光の翼がひときわ大きく羽ばたき、その度に翼は長く、強く、優しく、エルシオールを包み込んでいく。

 

 

 

 

 ちょうどブリッジではタクトたちがエルシオールの機能回復に奔走していた。先の爆発でエンジン以外の機能の60%が停止している状態で、それでもクロノブレイク・キャノンは幸い無事だった。

 

 とはいえ現状ではチャージもままならないのだ。アンス率いる整備班の面々が駆けつけてすぐさま復旧作業を開始するが見通しは暗かった。

 

 

 しかし、彼らの目に驚愕の光景が広がっていく。

 

 

「こ、これは…………」

「エルシオール、第四、第五居住区の火災鎮火。バランス=スタビライザー、メイン・サブスラスター機能回復。全エネルギーバイパス、オールクリア!」

 

 瞬く間にエルシオールの機能が回復していく。唖然とするタクトを呼ぶ声が彼の耳を叩いた。

 

『タクトさん、無事ですか』

「あ、ああ。ヴァニラ………これは君が?」

『約束しました。タクトさんは私が守ります』

 

 おそらくハーヴェスターの『リペアウェーブ』の効果なのだろうが、エルシオールほどの巨大かつ複雑な構造をしている物体を完璧に修復するとは。彼女の技量と紋章機のポテンシャルには驚かされるばかりだ。

 

 驚いているといえば隣でレスターが目を丸くしている。アルモとココは頬を染めながらこちらを見てキャーキャー言っている。アンスはアンスで腕を組んでなにやら感心して頷いている。

 

 それは、この際置いておこう。それよりもまずは目の前の問題を何とかしなければ。

 

 

「アルモ、チャージは?」

「あ、は、はいっ! 9798……チャージ完了です!」

 

 ちょうど終わったのは単なる偶然だろうか。いや、それもあえて気にしないでおく。

 

「よし。トリガー照準! 目標、黒き月………」

 

 エルシオールの演算システムが総動員されて狙うべきただ一点を絞り出していく。この戦いを終わらせる、最後の引き金だ。

 

 

「ターゲット、ファイナルロック完了! いけます!」

「クロノブレイク・キャノン……てぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 

 キャノンに膨大な量の熱量が注ぎ込まれていく。それらは収束し、加速し、一つの光となり――――――

 

 

 

 すべての元凶たる黒き魔星へすべてをかき消す咆哮を挙げて解き放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒き月の制御室でエオニアは最後の時を迎えようとしていた。

 

 まさかエルシオールが旧時代の兵器を復活させていたとは思わなかったのだ。あと数瞬の後に自分は宇宙の塵へ帰るだろう。だが、一人で終わるつもりはない。奴らも道連れだ。

 

「ただで勝たせてはやらん。死ね、愚かものどもめ」

 

 

 ガシャン、とガラスの割れる音がして赤いスイッチが押し込まれる。それこそ勝利の代償を彼らに払わせる最後の切り札。

 

 

 そして、革命を目指した男は無限の世界に飲み込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やりました、黒き月のコアに直撃です!」

 

 これですべて終わり。長いようで短いこの戦いにようやく決着がついたのだ。安堵してタクトは艦長席に腰を下ろそうとして、

 

 

「黒き月内部にエネルギー反応!」

 

 慌てて立ち上がった。

 

 

 状況を確認する。

 

 黒き月の内部からかなり強力な熱反応が見られるというのだ。クロノブレイク・キャノンの一撃でその機能を停止しようとしているにもかかわらず、だ。確かにエオニアの無人艦隊はすでに無力化している。

 

 

 いや、この収束パターンは一度見たことがある。黒き月が衛星都市を攻撃したときに使った………

 

 

「エルシオール、緊急回避! エマージェンシー・ブーストを使え!」

 

 

 気づいたタクトが叫ぶ。

 そう、黒き月は衛星都市を一撃で破壊したあの超兵器―――――ダークムーン・バスターを発射しようとしている!

 

 

 エルシオールが推進器を起動させたとき、黒き月から悪夢のような閃光が煌めいた。瞬く間にエルシオールへ向かって直進する超高速粒子の嵐は、衛星都市を破壊したときの半分もないほどの熱量しかもっていなかったが、それでもエルシオールを粉微塵に吹き飛ばすことなど造作もない。

 

 

「回避間に合いません!」

「あきらめるな、あきらめたら………!」

 

 

 ダークムーン・バスターの光がよりにもよってエルシオールのブリッジへ迫る。全員が死を覚悟した瞬間、

 

 

 

『やれやれ、損な役回りだな。いつも』

 

 

 ブリッジに響く呆れた声。

 そして悪魔の光を阻むように立ち塞がるRCS。それを呆然と見上げるタクトたち。

 

 

「ア、アヴァン!? 何をしているんだ、すぐに逃げろ!」

『その命令には従えないな。タクト・マイヤーズ』

「ですが、それでは貴方が死んでしまう!」

 

 アンスが嫌がるように首を振って叫んだ。だがRCSは微動だにせず、半身にシールドを前方へ向けて構えた。

 

 ビームがシールドと激突し、弾かれた幾筋の光がエルシオールの装甲を焼いていく。膨大な熱量を受けてRCSのシールドが、いや機体そのものが解け始めた。

 

 

 計器が片っ端から振り切れ、コックピット内の温度が急上昇を始めた。排熱が追いついていないのだ。

人間を髣髴とさせる頭部の双眸のメインカメラの片方がショートして特殊強化ガラスカバーが割れて破片が飛び散る。右腕が持っていたライフルごと肩の付け根から千切れ飛んだ。装甲の表面が白熱化し、最大出力で稼動し続けるロケットブースターユニットに亀裂が走っていく。

 

 

 激しい衝撃に揺らされながらアヴァンは一人思う。

 

 見捨ててもよかったし、放っておけばエンジェル隊の面々が何とかしたかもしれない。むしろそうさせればよかったのだ。

 

 ――――――あの約束をしてさえいなければ。

 

 思わず毒づく。そもそも何故約束などしてしまったのか。

 自分でも分かっている。アンスはあまりにも■■■に似ているのだ。

 

 

 一度だけブリッジを見た。アンスは今にも泣き出しそうな顔でこちらを見ている。最後の最後で今度こそ逃げようかと思ったが、これでチェックメイトだ。あんな顔をされたら逃げられるはずもない。

 

 

『アヴァン、お願いです! 逃げてください!』

「言っただろ。昔から約束を破ったことは――――――――」

 

 

 限界を突破した。

言い終えぬうちに機体の装甲が融解して剥がれ飛び、シールドを持つ左腕は醜く捻じ切れ、瞬く間に爆発に飲み込まれていく。あ、の一声さえあげる暇もない。爆発はコックピットまで及び、そして―――――――――

 

 

 

 跡形もなくRCSは消し飛び、同時にビームの放射も終わった。

 

 

「あ、あ…………」

 

 声にならない嗚咽。それでもなんとか振り絞って、

 

 

「アヴァァァァァァァァァンッ………」

 

 

 

 

 

 

 アンスの悲鳴だけが静寂に木霊した。

    

  




第三回・筆者の必死な解説コーナー

改め、アヴァン・ルース告別式

 

 

ゆきっぷう「ううっ……みなさんこんにちは。ゆきっぷうです。今日はお馬鹿で愚鈍なおっちょこちょいであるアヴァンの死を………」

 

バキューン バキューン バキューン

 

フォルテ「おっす、フォルテ・シュトーレンだ。ていうか勝手に殺してやるなよ。投稿開始から三回目で主役降板はいくらなんでもあんまりだろうが」

 

バキューン バキューン バキューン

 

ゆきっぷう「しゃ、しゃべりながらリボルバー拳銃を人に向けて発砲し続けるのもどうかと思いますです………ぐふっ」

 

フォルテ「くたばったか。これであいつも浮かばれるな」

 

ランファ「いや、フォルテさん。殺しちゃダメですってば」

 

フォルテ「え? いや、いいだろ。問題ないね」

 

ランファ「フォルテさん。一応これ書いてるの、そいつですから」

 

フォルテ「あはは、そうだった。………しかし今回は最終決戦にもかかわらず伏線的なものが多かったような気がするなー」

 

ランファ「そうですねー。特に何ですか? あの伏字。めちゃくちゃ怪しいですよ。こう、いかにもぶっ叩いてくれといわんばかりで。それにアンスさんもフォルテさんもなんかいい雰囲気だったしー………」

 

フォルテ「あ、あれはあいつが勝手に………ってランファ、どうしてひがんでるんだ?」

 

ランファ「だぁーって……ヴァニラはタクトと熱々だし、フォルテさんはアヴァンに口説かれてるし、ミントは黙ってても縁談がいくらでも入ってきそうだし、ミルフィーは…………問題外だけど」

 

フォルテ「出会いが欲しかったらゆきっぷうを脅せばいいだろうに。書かないとランファスペシャル食わすぞー、って」

 

ランファ「それじゃあ脅しにならないです! だって美味しいじゃないですか」

 

フォルテ「そりゃ、あんたにしてみれば嬉しいかぎりだろうけどねぇ。そういえばゆきっぷうが『第二章には入る前に番外編をちょこっとやるぞー』とか言ってたな。いったい何を企んでるんだか」

 

ランファ「よし、乙女の出会いのチャンス! どこに行った、ゆきっぷう! 書け、今すぐ、このランファ様の超スペクタル・ラヴストーリーを!」

 

フォルテ「どうせやるならガンアクションがいいね。本物使って」

 

ランファ「それ、洒落にならないですよ。何人の死者を出すつもりです?」

 

フォルテ「人聞きが悪いな。相手は悪のサイボーグ軍団に決まってるだろ?」

 

ランファ「うわぁ、古っ!」

 

フォルテ「うっさいねえ。いいだろう、別に。とりあえず現段階まで決まってる話だと………(極秘設定資料集を見ながら)第一章は後もう一節書いて終わりにして、間に一話挟んで第二章に移行する予定だね。なんかタクトがとんでもないことになるらしいんだけど、ランファ知ってるか?」

 

ランファ「え? いや、知らないですよ」

 

フォルテ「あ、そう。まあいいや、それじゃあみんな、ここらで失礼するよ。さーて、帰りに屋台でおでん食いながら一杯やるか」

 

ランファ「じゃあまたねー! さて、新しい恋を探しましょー」

 

ゆきっぷう「みなさん、次の四節でお会いしましょう! ではでは!」

 

フォルテ・ランファ「「生きてたのかよ」」




アヴァンがどうなったのか。
美姫 「そして、タクトがどうなるのか」
色々と楽しみな部分が増えてきましたよ〜。
美姫 「幾つかの謎もちらほらと見えるし…」
益々持って、次回が待ち遠しいです!
美姫 「早く次回が来るのを楽しみに待ってますね〜」
待っております!
美姫 「それじゃ〜」



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